2021.2.23@横浜アリーナ Poppin’Party×Morfonica Friendship LIVE「Astral Harmony」ライブレポート(後編)

戸山香澄「心の中で一緒に歌ってください!

Morfonicaからバトンを受け取ったPoppin’Partyの登場だ。1曲目の『ミライトレイン』が始まると、客席から自然とクラップが湧き上がる。曲に合わせて、スクリーンにアニメ第3期を振り返る映像が映し出され、放送当時の感動が一気に蘇った。Gt.&Vo.戸山香澄(CAST:愛美)のボーカルと4人のコーラスが呼応する展開が壮大なハーモニーを奏でるナンバーだ。

続いてノンストップで披露された『キズナミュージック♪』では、間奏中にBa.牛込りみ(CAST:西本りみ)がステージを縦横無尽に駆け回り、自分の歌唱パートのギリギリになってマイク前に滑り込む場面があった。全力でライブを楽しんでいる様子に、観ているこちらも思わず笑みがこぼれてしまう。サビでDr.山吹沙綾(CAST:大橋彩香)が高らかに歌い上げる「届けよう」のフレーズに合わせて、観客が一斉にジャンプして会場が大きく揺れる。

花園たえ「みんな、ただいま

アニメ第2期のエピソードを振り返り、Gt.花園たえ(CAST:大塚紗英)が言葉に想いをのせると、エモーショナルなナンバー『Returns』が奏でられる。客席のペンライトが一面青色に染まった。前曲までとは一転、5人の表情が真剣で切なげなものになり、1音1音に込められた想いが感じられた。

続いての『1000回潤んだ空』では、前半はKey.市ヶ谷有咲(CAST:伊藤彩沙)によるしっとりとしたピアノ伴奏とGt.&Vo.戸山香澄のボーカルのみで展開するが、曲が進むにつれてベース、ギター、ドラムの音が加わっていき、ひとつのバンドサウンドへと昇華していく。結成当初のPoppin’Partyが歩んできた道のりと重なるものを感じた。間奏のギターソロはライブ用にアレンジされたアグレッシブなプレイになっているのもチェックポイントだ。

イントロの5人による美しいアカペラのハーモニーから始まるのはアッパーチューン『Time Lapse』。客席のペンライトが真っ赤になった。スモークが激しく吹き上がる演出も圧巻だ。エッジの効いたギターリフが印象的なまさにハードロックの王道的なナンバーで、観客のボルテージがさらに上がる。2番の冒頭あたりで、花園たえが牛込りみに撃たれて仰向けに倒れるという即興を、なんと楽器を演奏しながら見せてくれた。間奏部分のタッピングによる速弾きギターソロも見どころだ。

さらにノンストップで披露される『イニシャル』は、前曲の『Time Lapse』にも通じるハードなロックチューンだ。サビではサイドステップを踏みながらの演奏を見せ、それがスクリーン上のアニメ映像の動きと見事にシンクロしている。演奏が進むにつれて会場の一体感がどんどん高まっていくのが感じられた。5人によるエモーショナルなソロ歌唱パートから、ブレイクを挟んで大サビで一気に盛り上がる展開は思わず鳥肌が立った。

次の曲名『only my railgun』が発表されると観客は驚きを隠せなかった。前半でMorfonicaが披露した『LEVEL5-judgelight-』と同作品のオープニング曲ということで、それに呼応するかたちのセットリストになっているのが非常にアツい。会場のボルテージは一気に爆上がりだ。原曲が持つ疾走感とトランス色が、Poppin’Partyのバンドサウンドと見事に融合したカバーとなっている。この曲ではDr.山吹沙綾がフロントにセットされたスタンディング・ドラムを使用して演奏しており、スネアのキレの良いサウンドが心地いい。

演奏が終わると、メンバー5人が前に出てくる。BGMに合わせて『Hello! Wink!』の振付講座が始まった。観客はあっという間にマスターしていた。演奏が始まるとステージの左右に設置された大きなミラーボールの光が会場中に降り注ぎ、パーティのように賑やかな演奏で観客を楽しませてくれた。間奏でBa.牛込りみが見せるクールなスラップ奏法によるベースソロが良いアクセントになっている。ハロウィーンがテーマになった楽曲ではあるが、ポップなメロディに乗せてみんなで体を動かす演出は、季節を問わずライブの定番になる予感がした。

戸山香澄「Poppin’Partyのパートは残り2曲です!

本来なら観客席から「えぇー!」と声が上がるところだが、声の代わりにペンライトで×印を作って器用にコミュニケーションを取るファンの機転に、バンドメンバーも思わずびっくり。そして「楽しいですかー?」と聞かれれば、○印を作って答える。MCのやり取りで、Poppin’Partyとファンが築いてきた絆の深さを改めて実感した。

いよいよ後半のラストスパートに差し掛かり『キラキラだとか夢だとか 〜Sing Girls〜』が披露される。“Poppin’Partyの歌をもっと世界中に届けたい”という夢とそれに向き合う彼女たちの青春感が溢れ、前向きな気持ちになれるナンバーだ。より多くの笑顔を届けようと、Key.市ヶ谷有咲が演奏の最中も観客に向かってめいっぱい手を振ってみせた。また、間奏ではGt.&Vo.戸山香澄が歌唱パートのギリギリまでステージを元気に駆け回ってマイクに滑り込み、メンバーも思わず笑みをこぼす場面もあり、笑顔が絶えないステージだ。

戸山香澄「みんなで輪になりましょー!

そして最後を飾る『CiRCLING』は、Poppin’Partyらしい明るいナンバーで、“音楽で繋がるひとつの輪になろう”という世界観が、まさに今回のフレンドシップライブにぴったりだ。コール&レスポンスがふんだんに盛り込まれていて、つい歌いたくなるところを、観客はペンライトや手で輪を作るなどして演奏を存分に楽しんでいた。クライマックスでは会場中に舞い上がった大量のシャボン玉にミラーボールの光があたり一面がキラキラと輝いていた。

全体を通して、バンドサウンドの一体感、グルーヴ感の高さはやはり特筆に値する素晴らしいものだ。“キラキラ”と“ドキドキ”でいっぱいのセットリストを締めくくった。

取材・文:佐々木雅晃
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