バンドリ！のナンバリングライブもついに12回目を迎える。3日間にわたってここ東京ガーデンシアターを熱く盛り上げてくれるのはPoppin’Party、MyGO!!!!!、RAISE A SUILENの3バンドだ。

爽やかな晴天に恵まれたDAY1を飾るのは、バンドリ！のリーダー、大黒柱的な存在であるPoppin’Party（以下 ポピパ）だ。ワンマンライブとしては2022年9月のBanG Dream! 10th☆LIVE DAY3 : 「Hoppin’☆Poppin’☆Dreamin’!!」以来、約1年ぶりだ。SNSに「声出しOKになってから初めてポピパのライブに行く」という書き込みも見られた。バンドリーマーたちにとって、きっと今日は特別な日になるだろう。

ポピパのステージはいつも楽しく可愛らしいセットに彩られているが、今回はライブタイトルになっている 「Poppin’Land」という遊園地がテーマということで、より一層ポップで賑やかなステージになっている。

開演時間を迎えると、遊園地のショーのような演出に乗せてメンバー5人がステージに登場。これから楽しいことが始まるんだというワクワク感が会場を満たしている。

1曲目の『Happy Happy Party!』からスタンディングドラムを用いたセットで、メンバー5人が横一列に並んで演奏を披露。さらにノンストップで『What‘s the POPIPA!?』へと突入。ライブでありながら遊園地のショーを観ているかのような没入感がある。しかし随所に見事な演奏テクニックが盛り込まれており、ロックバンドのステージとしても見応えのあるものになっている点は、さすがポピパと言える。5人のステップや観客のコール、ペンライトを振る動き、どれもピッタリと息があっている。

みんなで楽しく遊園地で遊ぶのがコンセプトということで、マスコットキャラ“マスク・ド・ポーチニャン”が遊園地を案内してくれる。

披露する楽曲を遊園地のアトラクションになぞらえて、エリアごとにセットリストが展開していくというのも面白い。

最初のエリア「ぽっぴんエリア」は、 Key.伊藤彩沙（市ヶ谷有咲役）によるダンスレッスンから始まる『ぽっぴん‘どりーむ！』でスタート。間奏を延長し、メンバー5人がステージの前端まで歩み出てダンスをリードする様子は、観客参加型のショーのような楽しさだ。最後の歌詞を「上手に踊れました！」とアレンジし、今日だけの特別バージョンで会場を盛り上げた。

ここで新曲『青春 To Be Continued』がライブ初披露される。可愛らしいポップなメロディに跳ねるようなビート、テクニカルなフレーズが散りばめられたトリッキーな楽曲だ。歌詞の中にさまざまな遊園地のアトラクションが登場しており、今回のライブの象徴的なナンバーだ。

さらにノンストップで『CiRCLING』を披露。 大サビ前のパートではDr.大橋彩香（山吹沙綾役）がドラムを演奏しながらソロボーカルも務める。安定感のある歌声とドラムプレイを両立するテクニックは簡単には真似できない見事なものだ。 会場中が観覧車のような大きな“輪”になっているような一体感に満ちていた。

続いての「すりりんエリア」は『B.O.F』からスタート。 ボーカルの音程の高低差やアップテンポなビートはまさにジェットコースターのようだ。 ノンストップで繋いだ『ぽっぴん‘しゃっふる』では、曲名をもじってステージからポップコーンに見立てた白いボールが客席へ投げ込まれる楽しい演出が披露された。その間にドラムとキーボードがスタンドセットへ移行する展開も見事だ。

怪しげなナレーションで“お化け屋敷 スリリンハウス”へ誘われると『Hello Wink!』がスタート。楽曲に合わせてメンバーはハロウィンの装いで演奏を披露する。この曲は、もはやダンスレッスンがなくても観客が完璧な振り付けを披露できるくらい説明不要の鉄板のナンバーといえよう。間奏のベースソロでBa.西本りみ（牛込りみ役）が非常にアグレッシブなスラップを披露するアツい一幕も見どころだ。

スリリングで目まぐるしい疾走感で観客をぐいぐい引っ張っていく。観客も力強くコールや声援を送り、振り落とされないように全力で演奏に応えていた。

エリアを終えるごとにメンバーがハンドベルを鳴らし、ステージ上の鐘形オブジェに光が点っていく。この鐘（ベル）もライブのキーポイントの一つだ。

最後の「どりーみんエリア」は、ライブ初披露の新曲『最強☆ソング』からスタートだ。ポピパらしい明るく可愛らしいサウンドの中でそれぞれの楽器のソロプレイを楽しむことができる。初披露でも観客のクラップやジャンプは息ピッタリだ。

打ち上げ花火の音が響くと『夏のドーン！』が披露される。ライブではタオル回しが楽しめるナンバーだ。

Gt.&Vo.愛美（戸山香澄役）が「回せ回せ〜！」と観客をリードし、会場がさらに盛り上がっていく。

最後に大きな花火が打ち上がると『Time Lapse』へと繋がる。ステージと客席が灼熱のマグマのように真っ赤に染まる。ハードなアッパーチューンに乗せて床に倒れ込むほどに演奏のボルテージもヒートアップ。声出し解禁後としては初披露ということで客席からも力強いコールが起こっていた。Gt.大塚紗英（花園たえ役）の高速タッピングによるギターソロは圧巻だ。ラストはアカペラ5人のハーモニーが美しく響き渡った。

3つのエリアを回り終えて、全てのベルが光り、大きな城を形どったイルミネーションが輝く。

本編ラストを飾るライブ初披露の新曲『RiNG A BELL』。明るくポピパらしいナンバーでありながらも、暖かくエモーショナルなナンバーだ。今回のライブのキーポイントである鐘の音がキラキラと鳴り響き、会場を包み込む。一瞬の静寂ののち、拍手と歓声が湧き上がった。

アンコール前の幕間では「夢ノ結唱」プロジェクトより誕生した、Poppin’Party Gｔ.&Vo.戸山香澄の歌声を深層学習等のAI 技術により高精度に表現した「POPY」が登場。3Dキャラクターによるバーチャルライブで3曲が披露された。とても自然な発声や歌唱表現を実現していることを目の当たりにし、POPYによるクリエイティブが無限の可能性を秘めていることが体感できた。12月には新ソフト「Synthesizer V AI 夢ノ結唱 POPY/ROSE」の発売が決定しており、今後の進化が期待される。

アンコールの1曲目は『1000回潤んだ空』だ。しっとりとしたピアノから始まるサウンドが徐々にバンドサウンドへと盛り上がっていく。優しく伸びやかな歌声も相まって非常にエモーショナルなナンバーだ。シンプルなサウンド構成ゆえに、それぞれの楽器の音色をじっくりと楽しむことができる。

いよいよ最後を飾るのはクールだけどアツいアッパーチューン『Moonlight Walk』。今日一番のアツい演奏で会場のボルテージを最高に盛り上げた。クライマックスで銀テープが舞い、最後は全員でジャンプ。最後まで賑やかで笑顔いっぱいのフィナーレを迎えた。

遊園地のように「楽しかったな、帰りたくないな、また行きたいな」と思えるライブを体現した楽しいコンセプトがギュッと凝縮されていた。まさにポピパだからこそできるライブだ。

ファンを楽しませるために常に新しいことにチャレンジし続けている彼女たち。新しい後輩バンドが増え続ける中で先頭を走り続けて早8年。そう遠くない10周年も見据えて、まだまだ成長もやりたいことも止まらないPoppin’Party。2024年4月にはMyGO!!!!!との合同ライブも待っている。今後もますます活躍していくに違いない。

取材・文：佐々木雅晃
Photo：ハタサトシ、福岡諒祠（GEKKO）、山崎ユミ
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Poppin’Party

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Poppin'Party LIVE 2024「Poppin’Canvas 〜芸術の秋、音楽の秋！〜」2024.10.14 開催決定！

2024年10月14日(月･祝)、河口湖ステラシアターにて Poppin'Party LIVE 2024「Poppin’Canvas 〜芸術の秋、音楽の秋！〜」の開催が決定。
7月8日(月) 23:59までプレイガイド先行抽選申込が受付中です。

詳細はこちら
https://bang-dream.com/events/ppp2024

Poppin'Party 20th Single「TARINAI／トレモロアイズ」2024.7.17 Release!!

Poppin'Party 20th Single「TARINAI／トレモロアイズ」
発売日：2024年7月17日(水)
価格：Blu-ray付生産限定盤：8,800円（税込）
通常盤：1,540円（税込）
詳細はこちら
https://bang-dream.com/discographies/3737

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