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MyGO!!!!!はデビューから約1年という短期間のうちに、4回の単独ライブと様々なライブのオープニングアクトなどをコンスタントにこなして、実力をより確かなものにしてきた。全編顔が見える形でライブを実施するのは、今回の5th LIVEが初めてだ。
また、初のZepp開催でもある今回、どんなライブを披露してくれるのか。現在放送中のTVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』のストーリー展開も相まって、ファンの期待は多様なものだろう。
フロア、2階席を埋め尽くす観客たちからBGMに乗せてクラップが湧き上がる。観客たちの抑えきれない熱量がライブハウス内に渦巻いているようだ。開演時間を迎えメンバーが登場すると、割れんばかりの歓声と拍手で迎える観客たち。
ステージからメンバーの会話が聴こえ、スマホで自分たちの演奏をムービー撮影するような導入から『壱雫空』の演奏が始まった。
TVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』のオープニングテーマということもあって、爽快なメロディと軽快で疾走感あふれるビートで、ライブのスタートを飾るのにぴったりなナンバーだ。コーラスとコールが掛け合いのように交差し、パワフルな勢いに自然と体が動き出す。5人が向かい合いアイコンタクトを交わしあいながら演奏している様子も印象的だ。
続いて披露される『迷星叫』のイントロに乗せてVo.燈(CAST:羊宮妃那)が「みなさんこんばんは、MyGO!!!!!です!」と挨拶すると、客席から大きな歓声が沸き上がる。柔らかく透き通ったボーカルと、ストレートなパンクロック・サウンドが織りなす、まさにMyGO!!!!!ならではの音楽で、躍動感を感じさせるナンバーだ。
MCや自己紹介では、どこかうまくかみ合わないような不器用なやり取りから、MyGO!!!!!の独特の空気感が漂っている…。
『無路矢』で雰囲気が一変する。フォークソング的な切ないメロディとコード進行、ミドルテンポに乗せた重厚なギターリフ…見どころの中でも特筆すべきはGt.楽奈(CAST:青木陽菜)によるツインボーカルだ。Vo.燈のメインボーカルとは違うメロディや歌詞を超ハイトーンなホイッスルボイスで歌い上げる。寄り添うようなユニゾンから、メインボーカルとは異なる動きの激しいメロディラインを自在に歌い上げる様子は、自由奔放なギタリストである楽奈の性格を投影しているようだ。
ここでバンドリ!の先輩バンドであるPoppin’Partyの楽曲『Time Lapse』のカバーが披露される。
バンドリーマーにとってはおなじみのナンバーに、客席から力強いコールが沸き上がる。原曲のカラーをしっかり残しつつ、繊細な歌声と骨太なパンクロック・サウンドでMyGO!!!!!のカラーに彩っている。Gt.愛音(CAST:立石凛)とGt.楽奈が立ち位置を入れ替え交差するなど、演奏の躍動感も一層アップしていく。
ステージが暗転し、淡い蝉の音、そして燈の言葉が静かに響く…
ここから、アコースティック・アレンジの演奏を3曲披露し、ヒートアップしたライブハウス内の空気を優しく包んでくれる。2nd Single「音一会」のリリースイベントツアーで披露されたアコースティック・アレンジが満を持して今回のライブで演奏されることとなった。
バラードナンバー『栞』は、優しく儚い歌声と、アコースティックの温かい音色の相性がとても素晴らしい。バンドメンバーのコーラスも重なり、柔らかく美しい歌声が織りなすハーモニーで観客の心を癒してくれる。
弦楽器がすべてアコースティック仕様なのはもちろんのこと、パーカッションもカホンとスプラッシュシンバルで優しく心地よいビートを奏でる。
続いての『音一会 ~Acoustic Ver.~』は、MyGO!!!!!らしさを象徴する大きなポイントでもあるポエトリー・リーディング(メロディに乗せない語りのような詩の朗読)からサビの晴れやかな歌唱へとしっとりと展開する。2番Aメロのポエトリー・リーディングはVo.燈と4人の掛け合いになっていて、バンドメンバーの関係性を想像させる。アップテンポなオリジナル版から大きくアレンジされ、優しいミドルナンバーに生まれ変わり、詞に込められた心の叫びや「ありがとう」という言葉がリスナーの心に優しく響いてくる。
MCをはさみ、アコースティック・アレンジ3曲目の『迷星叫 ~Acoustic Ver.~』が披露される。
ライブ冒頭に披露したオリジナル版とは雰囲気がガラリと変わり、しっとりと心に染み入るナンバーに様変わりしていた。
3曲のアコースティック・アレンジは、非常にシンプルなサウンド構成ゆえに、ひとつひとつの音が鮮明に観客の耳に届いてくる。歌詞のひとこと一言も観客の心に優しく染み入る。言い方を変えれば、プレイヤーの演奏テクニックがシビアに求められるスタイルといえる。個々の楽器のサウンド、グルーヴ感、歌声、どれをとっても非常に見事な演奏で観客を魅了した。
燈「つらい 苦しい 逃げたい 泣きたい」「叫びを声にして抱きしめた」
心の葛藤や苦しみと向き合い、少しずつでも前に進もうとする燈の言葉が会場にそっとこだまする。
しっとりとしたアコースティック・パートから一転、アッパーチューン『君の神様になりたい。』が披露される。カバー楽曲だが、MyGO!!!!!の心情とリンクする歌詞を叫ぶように歌いあげる。
さらに続けて披露された『潜在表明』ではさらにストレートに感情を揺さぶってくる。胸の内を絞り出すようなポエトリー・リーディングと、晴れやかなメロディのサビの展開が、スリリングかつエモーショナルなステージだ。
ワウペダルがかかった軽快なギターリフに歓声が上がり、リズミカルなクラップが客席から沸き起こる。『影色舞』では軽快なツーステップを踏むメンバーの光景を見ることができる。ピック弾きが主なBa.そよ(CAST:小日向美香)だが、この曲ではツーフィンガー(指弾き)でダンサブルなビートを刻んでいるのも印象的だ。サビではペンライトや手を左右に振りさらに盛り上がり、ライブ全体の中でもとても良いアクセントになっていた。
愛音「もっと盛り上がっていけますかー?」
ライブもいよいよ終盤戦をむかえ、メンバーも観客もボルテージを上げていく。
カバー曲『swim』のストレートなパンクロック・サウンドと軽快なメロディに乗せ、メンバー4人がドラムの方へと歩み寄るほほえましい様子を見せてくれた。間奏部分では燈と楽奈が背中合わせになって演奏し、客席から歓声が上がる。会場全体のテンションが上がっているのが感じられる。
ノンストップで新曲の『碧天伴走』が初披露された。爽やかなメロディと疾走感のあるビートが心地よい王道ロックナンバーだ。「迷っても 君と走っていたいんだよ」という歌詞が聴く者の背中を押してくれる。楽奈が豪快なフルピッキングでギターソロを披露していたのも見どころだ。
暗いステージ上に、メンバーが1人ずつピンスポットで照らし出される。
愛音「意味とか行き先とかまだない」
立希「完璧とはほど遠い僕たちだけど」
楽奈「それぞれの拳の中に」
そよ「握ってるものは違ったっていいんだよ」
燈「だから思えた。迷うことに迷わなくたっていいんだって」
ライブ本編のラストを飾るのはこちらもライブ初披露の新曲『焚音打』だ。スピーディーなパンクロック・サウンドに乗せて、メンバー5人のポエトリー・リーディングが掛け合いのように交差し、歌唱パートへと一気に展開してく疾走感あふれるナンバーだ。今日のセットリストの中で特にドラムのリズムワークが高速かつ複雑な楽曲だが、Dr.立希(CAST:林鼓子)のスティックさばき、足さばき、リズムキープ、どれをとっても切れ味バツグンだ。ライブタイトルでもある「迷うことに迷わない」という力強い意志を観客に届け、本編を締めくくった。
客席からアンコールを求める「MyGO!!!!!」コールが上がり続ける。
ステージ衣装からバンドTシャツに着替えたメンバーがステージに登場し、『名無声』の演奏が始まった。エモーショナルなメロディと、優しく背中を押してくれるような歌詞が心に染み入る。メンバーと観客がこぶしを掲げてコールレスポンスを交わしている様子に胸が熱くなった。
アンコールパートのMCでは、ライブ本編から一変し、メンバーの素が垣間見える明るいフリートークが展開する。
MCのラストにはメンバー1人ずつ、今回のライブに対する想いを観客に伝えた。
冒頭でも若干触れたが、ライブ公演日の時点で放送されているTVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』9話までの中で、キャラクターの迷いや葛藤が鮮烈に描かれている。これまでバンドリ!に登場したバンドとは明らかに一線を画した斬新なものだ。
筆者自身、アニメ9話まで視聴したうえでライブに臨んだ。どんなライブが展開するのだろう?と期待と不安を胸中に抱いていた観客はきっと少なくないだろう。
何より、実際にステージに立つメンバー自身がもっとも試行錯誤してきたのだろうということがひしひしと伝わってきた。結果として、ライブパフォーマンス、没入感、どれをとっても非常にハイレベルなステージに仕上がっていたことは言うまでもない。
そして、この日のラストを『音一会』で飾った。先に披露されたアコースティックバージョンとは雰囲気がガラリと変わり、疾走感あふれるアッパーチューンで会場を一層熱くする。メンバーの表情もこの日一番のまぶしい笑顔があふれていた。
「みなさんも是非拳を掲げてください!」
燈の呼びかけにこたえ、大サビで観客もこぶしを掲げる。さらに力強いコールレスポンスで、会場の一体感が最高潮を迎え、壮大なフィナーレを迎えた。演奏の直後、客席に向かってピックを投げるサービスでも会場を沸かせた。最後の「ありがとう」という歌詞にこたえるように、客席からも「ありがとう!」という声が上がっていた。
MyGO!!!!!の実力、そしてこれまでの活動はとても目を見張るものがある。
2022年7月の1st LIVEから始まり、キャストが公開されたのは2023年4月の4th LIVEになってからという、バンドリ!の中でもかなり異色の経歴でありながら、Zeppを満席にするほどのファンを獲得している。また、かなり早い段階からアコースティック・アレンジをライブに取り入れ、さらに1st Albumのリリースも決まるなど、非常に内容の濃い1年を経ていることが随所からうかがい知ることができる。
また11月には、この日ライブタイトルが告知されたBanG Dream! 12th☆LIVE DAY2 : MyGO!!!!!「ちいさな一瞬」が東京ガーデンシアターという大きな会場で開かれる。迷いながらも着実にステップアップしていくMyGO!!!!!の活躍、今後も要チェックだ。
取材・文:佐々木雅晃
Photo:ハタサトシ
©BanG Dream! Project
《SET LIST》
- 1.壱雫空
- 2.迷星叫
- 3.無路矢
- 4.Time Lapse
- 5.栞
- 6.音一会 ~Acoustic Ver.~
- 7.迷星叫 ~Acoustic Ver.~
- 8.君の神様になりたい。
- 9.潜在表明
- 10.影色舞
- 11.swim
- 12.碧天伴走
- 13.焚音打
- ~ENCORE~
- EN1.名無声
- EN2.音一会
Guitar 千早愛音(CAST:立石凛)使用楽器・機材紹介
MyGO!!!!!
MyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ開催決定!!
MyGO!!!!!とAve Mujicaによる合同ライブの開催が決定!
2025年4月26日(土)・27(日)にKアリーナ横浜にて2DAYSで開催いたします。
チケット最速先行抽選申込券は下記2商品の初回生産分に封入されます。
・2024年10月2日(水)リリース Ave Mujica ミニAlbum「ELEMENTS」
・2024年冬リリース予定 MyGO!!!!! 2nd Album
告知映像:https://www.youtube.com/watch?v=eeGRSZckfN8
詳細はこちら:https://bang-dream.com/events/mygo-avemujica2025
MyGO!!!!! 7th LIVEが12月22日(日) 日比谷公園大音楽堂にて開催決定!
12月22日(日)、日比谷公園大音楽堂にて、MyGO!!!!! 7th LIVEの開催が決定しました。
また、7月27日(土)21:00よりチケット最速先行抽選申込の受付を開始しました。
<チケット最速先行抽選申込>
受付期間:7月27日(土)21:00~9月9日(月)23:59
※MyGO!!!!! 5th Single「端程山」初回生産分に封入の申込券でご応募いただけます。
詳細はこちら:https://bang-dream.com/events/mygo_7th
MyGO!!!!! 2nd Album リリース決定!
MyGO!!!!! 2nd Albumが2024年冬にリリースされます。
詳細は続報をお待ちください。