BanG Dream! 12th☆LIVEの2日目、Poppin’Partyからバトンを受けステージに立つMyGO!!!!!。

その独自の世界観やサウンドでファンの心を確実につかみ、ライブハウスでコンスタントにステージをこなし、オープニングアクトで大きな会場に立つ機会も増えてきた。最大キャパシティ約8000人を誇る東京ガーデンシアターでついに迎えた今回のライブは、MyGO!!!!!単独公演としては最大規模となった。

開演時間を迎えると、一言ずつ噛み締めるような燈の声とともに、ステージ全体を覆うスクリーンに言葉が浮かび上がる。

ライブの始まりを飾る『無路矢』は、Vo.燈(CAST:羊宮妃那)の儚い歌声とGt.楽奈(CAST:青木陽菜)のホイッスルボイスによるツインボーカルが複雑に交差する。MyGO!!!!!でしか表現できない独自の世界観で観客の心を掴み『名無声』へと続く。重厚かつエモーショナルなロックサウンドに繊細な歌声と楽器隊によるコーラスが重なり美しいハーモニーを奏でる。客席からは力強いコールが湧き上がっていた。

ステージ全体を覆うように張られた半透明のスクリーンにリリックビデオが映し出され、バンドメンバーの姿と重なっている。メンバーの顔はきちんと見えるが、キャストを公開せずにライブを行なっていた頃のステージを彷彿とさせる。ライブ前半はこのスタイルで展開していく。

MCで観客とのコミュニケーションを楽しみ『Henceforth』を披露。Gt.愛音(CAST:立石凛)によるクリーントーンのバッキングと、楽奈のクランチサウンド…2本のギターが織りなすリフがクリアで心地よい。繊細かつ力強いハイトーンボーカルも印象的だ。前曲から繋がるようにノンストップで『猛独が襲う』を披露し、さらに会場を沸かせる。四つ打ちのビートに乗せた一体感のあるグルーヴに思わず体をリズムに合わせて揺らしてしまう。

Ba.そよ(CAST:小日向美香)のクールなベースソロから流れるように『影色舞』へと突入する。ダンサブルなビートに乗せたツーステップに呼応するように力強くペンライトが振られていた。疾走感のあるサウンドに身を任せ、会場の一体感がさらに高まっていく。MyGO!!!!!のライブの鉄板ナンバーのひとつだ。

さらに続けて『swim』、『音一会』とノンストップでテンポよくライブが展開していく。メロディアスなフレーズに乗せたまっすぐな言葉、感情のままノートに書きなぐるようなリリックビデオが重なり、ストレートに心に刺さってくる。

どのバンドの演奏にもさまざまな「力強さ」は宿っているが、繊細な歌声をパンクロックサウンドに乗せて感情をまっすぐぶつける“力強さ”、これはMyGO!!!!!ならではの持ち味だ。

静寂の中、燈によるポエムの後ろでバラバラな足音が響く…そしてそれがだんだんと揃っていくと、スクリーンが上がる。

ステージ上には燈が1人、スポットライトに照らされている。『人間になりたいうた Piano ver.』がライブ初披露される。しっとりとしたピアノ伴奏をバックに、透明感のある柔らかな独唱が会場を包む。

「僕は詩(うた)をうたいます」

燈がノートを手に1人、ステージ上でポエムをうたう…

これはTVアニメ「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」と全く同じシチュエーションだ。

Gt.楽奈のアルペジオ、続いてDr.立希が加わり、Gt.愛音も加わり、最後にBa.そよが加わり5人が揃う。そして『詩超絆』へとつながっていく。これ以上ないくらいエモーショナルな展開で演奏をライブ初披露してみせた。5人の衣装もTVアニメに登場した衣装そのものだ。

TVアニメのストーリーそのままの場面がリアルステージ上で展開し、観客は息を呑むように聴き入る。

ジャムセッションのように互いの呼吸を確かめ合いながら演奏する様子、そのサウンドのいきいきとした躍動感は他では味わえない特別な一瞬だった。

「この一瞬一瞬を忘れない。」

これまでのMyGO!!!!!の歩みの集大成とも言える『迷路日々』をライブ初披露。さらにMyGO!!!!!の始まりであるデビュー曲『迷星叫』へと続く。優しくも深く心に響く演奏でさらに会場を熱くさせてくれた。

一人ひとりの“迷い”を振り返り、そして進み続ける。

「迷子でもいい、迷子でも進め───」

力強い叫びとともに、本編ラストの『碧天伴走』を披露。ギター2人がステージ上で交差し、お立ち台へ登り、弾けるような笑顔で巧みなプレイを見せてくれた。背中を押してくれるような爽快な応援ソングで本編を締めくくった。

アンコール前、全国4ヶ所をめぐるMyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024「彷徨する渇望」が告知されると会場から大きな歓声が上がった。

メンバーが再びステージに登場する。1曲目の『』はアコースティック編成で演奏されるしっとりとしたミディアムナンバーだ。柔らかで暖かいハーモニーに癒される。ライブで積極的にアコースティック楽曲を披露してくれるのはMyGO!!!!!の大きな特徴だ。

MCパートに入ると、フリートークの中でキャスト本人としてフランクな一面を見ることができる。トークから再び演奏モードに入ると、5人の表情がスッと切り替わる。

Dr.立希(CAST:林鼓子)が『壱雫空』のブレイクの瞬間にスティックを回して高く掲げる姿が最後尾で輝いている。爽快なサウンドに乗せてコーラスとコールレスポンスが折り重なり、会場がさらに一体感を増していく。

ノンストップでラストナンバー『焚音打』へ突入。この日一番のエネルギーを爆発させるようなパワフルなサウンドとポエトリーリーディングが会場中に響く。このライブの一瞬一瞬を噛み締めるように歌い上げていた。ラストのサビで銀テープが派手に会場に飛び出した。

「迷うことに もう迷わない」

力強く拳を突き出した5人の表情はとても輝いていた。

 MyGO!!!!!ならではのサウンド、MyGO!!!!!らしさに満ちたステージで観客を魅了しフィナーレを迎えた。

演奏後、ステージから客席にピックを投げている最中も、挨拶を終えてステージを後にする際もメンバーの眩しい笑顔が輝いていた。最高のステージを見せてくれたMyGO!!!!!へ客席からは割れんばかりの拍手と大きな歓声が送られていた。

ワンマンライブとしては初めての大きな会場だった今回のライブ、ステージからの景色は今までにないスケールで特別なものだっただろう。

TVアニメ「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」の放送がひと段落したタイミングだからこそ完成させられた特別な演出が非常に印象的だった。TVアニメ放送とアルバムリリースを経たことで、大型会場を埋めるバンドに成長したMyGO!!!!!。

この「ちいさな一瞬」がファンにとって特別なひとときになったことはもちろん、MyGO!!!!!にとって大きな一歩になったことは間違い無いだろう。

2024年には全国4ヶ所のZEPPツアー、さらにPoppin’Partyとの合同ライブと、今後もMyGO!!!!!の活躍から目が離せない。

取材・文:佐々木雅晃
Photo:ハタサトシ、池上夢貢(GEKKO)
©BanG Dream! Project ©Craft Egg Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.

《SET LIST》
  1. 1. 無路矢
  2. 2. 名無声
  3. 3. Henceforth
  4. 4. 猛独が襲う
  5. 5. 影色舞
  6. 6. swim
  7. 7. 音一会
  8. 8. 人間になりたいうた Piano ver.
  9. 9. 詩超絆
  10. 10. 迷路日々
  11. 11. 迷星叫
  12. 12. 碧天伴走
  13. <ENCORE>
  14. EN1. 栞
  15. EN2. 壱雫空
  16. EN3. 焚音打
MyGO!!!!!

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劇場版「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」 前編キービジュアル公開!

劇場版「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」 前編のキービジュアルが公開!
前編は2024年初秋、後編は2024年晩秋の公開予定。
続報を楽しみにお待ちください。
詳細はこちら
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