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ドイツのメタルフェス「ヴァッケン・オープン・エア」への出演を果たすなどワールドワイドな活動を展開するヘヴィメタルバンド、LOVEBITESが新体制初となるライブ「WE ARE THE RESURRECTION」を開催した。
ベーシストを務めていたmihoの脱退を受け、2021年8月から活動休止期間に入ったLOVEBITESだったが、2022年4月に再始動へ向けたメンバーオーディションがスタート。長きにわたる選考を経て、同年10月に弱冠20歳のfamiが“5th ELEMENT”として電撃加入し、バンドはもう一度5人編成となって息を吹き返した。本稿では、見事に両日ソールドアウトを記録した2daysにわたる復活公演より、2日目の模様をレポートする。
2匹の狼が“WE ARE THE RESURRECTION”と書かれた棺を抱えるビジュアルとLOVEBITESのバンドロゴがすでにスクリーンに映され、マスク着用の上での声出し解禁も改めてアナウンスされ、開演前からEX THEATER ROPPONGI内の熱気はものすごいことになっている。やがて、ジューダス・プリーストの『ダイヤモンズ・アンド・ラスト』、月明かりの下に並ぶ5つの棺をフィーチャーしたオープニングムービーが流れたのち、おなじみの白い衣装を纏ったメンバーがいよいよ登場。ステージが真紅の照明に染まる中、幕開けにふさわしい壮大で神秘的なインスト曲『The Awakening』でライブをスタートさせると、続く『Holy War』のファンファーレのようなイントロとともに、ブルーのド派手な回転レーザーが四方八方に輝き出す。
一気にギアを上げて好発進する5人。“We are the metal warriors”と歌声を高らかに響かせるasami(Vo)、圧倒的なツインリードでサウンドをヘヴィにも華々しくも彩ってみせるmiyako(Gt&Key)とmidori(Gt)、トレードマークの星型シンバルを配したセットから強靭なビートでバンドを支えるharuna(Dr)、そこに新たなピースとしてこのたび加わったのが先述したfami(Ba)なのだけれど、ライブの経験が少ないとはまったく思えないほどの堂々たる演奏を、しかも笑顔で繰り広げていて本当にすごい! そうは言っても緊張しているであろうfamiの肩に、曲の途中でasamiがやさしく手を添えるシーンも見られ、とにかく情報量が多すぎて熱くならずになんていられず、とりわけ序盤は怒涛の如く時間が過ぎ去っていったファンがほとんどだったのではないだろうか。
新体制発表時のスタジオセッションでも披露された楽曲『Bravehearted』においても、ステージを練り歩きながら持ち前の超絶テクを活かし、5弦ベースをニコニコで弾くfami。一方でmiyakoとmidoriがタッピングを鮮やかに決めたりと、目が離せない瞬間の連続によってフロアも興奮が止まらない様子で、割れんばかりの大歓声がそこかしこにあふれている。『Golden Destination』が始まれば、フロント4人がお立ち台に上がって復活をアピール、famiがセンターで間奏のソロを聴かせる勇姿も最高に感動的だ。
「ただいまー!ついにこの日がやって来ました。みんなの顔を直接見られて、すごく大きな声が届いてきて、本当に幸せです。待ちに待った復活の夜ということで、我々はいつも最新が最強。ここにいる全員で史上最高のライブにしましょう!」
asamiが胸いっぱいな面持ちで意気込みを伝え、お次は2月にリリースされたばかりの最新アルバム『JUDGEMENT DAY』から、地鳴りのように轟くfamiのベースソロが先陣を切る『Stand And Deliver (Shoot ‘em Down)』をドロップ。これまでにはなかった類のドライヴ感とロックンロール色の強いノリが痛快な、合いの手やシンガロングも必至のこの曲は、やはりライブで抜群の盛り上がりを見せ、彼女たちの新たなキラーチューンとなっていく未来が確信できた。
新生LOVEBITESをガツンと印象づけたあとは、ストリングスの同期を織り交ぜた『Shadowmaker』、スラッシーに斬り込む『Break The Wall』と、ベストアルバム『IN THE BEGINNING – THE BEST OF 2017-2021』の収録曲を惜しみなく放出。asamiの美しくソウルフルなシャウト、harunaのツーバスの重みを湛えた疾走感がますます冴えわたり、midoriの火を吹くような速弾きソロからmiyakoが奏でるメロウな泣きのソロへとドラマティックに繋ぐといった様式美もたまらない。もちろん、famiはフレッシュさをもってしっかりと食らいついている。
個々の演奏力も際立つ、まさにワールドクラスのライブパフォーマンスは、EX THEATER ROPPONGIが手狭に感じるほどで、そのスケールの大きさに思わず息を呑む。『Empty Daydream』ではasamiがアカペラによる歌い始めで場内の雰囲気をガラッと変え、『Swan Song』ではmiyakoが白のグランドピアノでイントロとアウトロに荘厳なピアノソロを挟んでクラシカルに聴かせたりと、曲の幅広さまで強く実感させられ、オーディエンスはさらに沸き上がるばかり。
「せっかくなので、もうひとつ新曲を。私たちが歩んできた道は正しかったのか。信念と覚悟は本物なのか。復活のこの日に審判が下されると思っています。光があるから闇がある、闇があるから光がある……This song is called “Judgement Day”」
そんなasamiの紹介から届けられたのは、ニューアルバムの表題曲『Judgement Day』。ステージのところどころに実際の炎がゆらめき、緊迫感に満ちたアンサンブルの中、場外まで突き抜けていきそうなボーカルのハイトーン、めくるめく勢いでフレーズを繰り出し合うmiyakoとmidoriのギターバトルが凄まじく、ここでも新体制の瑞々しい爆発力を存分に示してくれたLOVEBITES。
そして、あっという間に迎えたライブ後半は、弦楽器チーム3人が並んで楽しそうに弾く姿も微笑ましかった『When Destinies Align』、スモークが噴射された『M.D.O.』と、harunaの重戦車的ドラムがタイトに引っぱるファストチューンが畳みかけられ、「休んでる暇ないよ!まさか疲れてないよね? もっと声出せるよね? この日を待ってたんだよね!?」というasamiのアジテートによってヒートアップしまくるフロア。本編ラストは待ってましたの『Under The Red Sky』で、明るい光があふれる会場に観客の大合唱がこだまする最高の光景を作り上げた。
アンコールでも一切手を緩めることなく、LOVEBITESはシンガロング曲を連発。明るいメロディとゴスペル感を宿す『Glory To The World』を活き活きと披露し、極めつきはasamiが「やっと5人が揃いました。やっとみんなに会えました。今こそ、ユナイトするときなんじゃない?」と呼びかけた『We The United』。この瞬間を噛み締めるような5人の眩しい躍動、それにファンも全力で応え、大歓喜のまま終演となった。
終始感動の時間が続き、期待以上の復活ライブだったこの日。共に歌える曲も多くてオーディエンスの一体感も素晴らしかったが、何よりメンバー5人が心底楽しそうに演奏していた(最後には5人が笑顔で抱き合っていた)のがグッときた。窮地を乗り越え、再び結束したLOVEBITES。ニューアルバムを引っさげた8月からのツアー「JUDGEMENT DAY TOUR 2023」でも、さらなる進化を見せてくれるに違いない。
Photo:Masayuki Noda
取材・文:田山雄士
《SET LIST》
- 1.The Awakening
- 2.Holy War
- 3.Bravehearted
- 4.Golden Destination
- 5.Stand And Deliver (Shoot ‘em Down)
- 6.Shadowmaker
- 7.Break The Wall
- 8.Empty Daydream
- 9.Swan Song
- 10.Judgement Day
- 11.When Destinies Align
- 12.M.D.O.
- 13.Under The Red Sky
- <ENCORE>
- EN1.Glory To The World
- EN2.We The United
LOVEBITES
ETERNAL PHENOMENON TOUR開催!
各地Zeppとメンバー出身地などを巡る過去最大規模、全9公演の国内ツアー!
2025.01.26[ Sun. ]Zepp Fukuoka(福岡県)
2025.02.07[ Fri. ]高松DIME(香川県)
2025.02.10[ Mon. ]Zepp Osaka Bayside(大阪府)
2025.02.12[ Wed. ]Zepp Nagoya(愛知県)
2025.02.15[ Sat. ]Zepp Sapporo(北海道)
2025.02.22[ Sat. ]仙台GIGS(宮城県)
2025.03.06[ Thu. ]新潟LOTS(新潟県)
2025.03.08[ Sat. ]LIVE ROXY SHIZUOKA(静岡県) ※SOLD OUT
2025.03.13[ Thu. ]Zepp DiverCity (TOKYO)(東京都)
チケット情報等詳細はLOVEBITESオフィシャルサイトまで
https://lovebites.jp/shows/
最新ライヴ作品『KNOCKIN' AT HEAVEN'S GATE - PART II』Now On Sale!!
楽園の門をくぐり、辿り着いたのは母なる大樹の下
2023年3月開催の「WE ARE THE RESURRECTION」、その2日目をフル収録。この伝説の公演の第二夜をもって、彼女たちは完全なる復活を遂げる
タイトル: KNOCKIN’ AT HEAVEN’S GATE – PART II / ノッキン・アット・ヘヴンズ・ゲイト -第二章-
発売日:2023年12月20日(水)
形態:
・Blu-ray (VIXL-428 税込¥6,600) ※初回プレス分のみロゴ型マグネットシート封入/各メンバーにフォーカスしたボーナス映像収録
・DVD (VIBL-1118 税込¥5,500) ※初回プレス分のみロゴ型マグネットシート封入/同ボーナス映像収録
・2CD (VICL-65909~10 税込¥3,960) ※初回プレス分のみジャケットステッカー封入
4th Album 『JUDGEMENT DAY』好評発売中!
発売日:2023年2月22日(水)
形態:
・生産限定盤A:CD+Blu-ray
VIZL-2151 税込¥5,940 (税抜¥5,400)
・生産限定盤B:CD+DVD
VIZL-2152 税込¥4,950 (税抜¥4,500)
・生産限定盤C:CD+インストゥルメンタル10曲入りCD
VIZL-2153 税込¥3,960 (税抜¥3,600)
・通常盤:CD
VICL-65777 税込¥3,300 (税抜¥3,000)
収録内容:<CD> 全10曲
《各完全限定盤付属品》
<Blu-ray / DVD> ※完全生産限定盤A / B
ベーシスト・オーディションのドキュメンタリー+スタジオ・セッション4曲収録
「The Hammer Of Wrath」「Golden Destination」「Shadowmaker」「Bravehearted」
<CD> ※完全生産限定盤C
全10曲のインストゥルメンタル・ヴァージョン収録