LOVEBITESのギタリストのMiyakoが、約1年ぶりとなるピアノリサイタル『A DAY WITH MIYAKO 2024』を開催。前回よりもさらに磨きがかかった演奏で、来場者を至福のひと時に誘った。

第2弾の今回も、TOKYO FM HALLを舞台に昼夜2部構成で実施。それぞれに異なるセットリストが用意され、ソールドアウトを記録し大盛況となったパフォーマンスのうち、夜公演『An Evening with Miyako』の模様をレポートする。

シックでエレガントな黒のオフショルダードレスで登場したMiyakoは、待ちわびた満員の観客に向かって一礼。グランドピアノの周りがやわらかに照らされたシチュエーションのもと、メタリカの『Battery』から演奏をスタートさせた。荘厳な響きが印象的な立ち上がりを経て、その調べは次第にスピードを増し、美しいメロディと華麗な運指も冴えわたるなど、わずか1分ほどで心をグッと掴まれてしまう。

続いては、同じく昨年6月にリリースしたソロデビューEP『Etude Op.23(覚醒のエチュード)』より、ハロウィンの『Eagle Fly Free』。凛と引き締まったムードを維持する一方、サビの明るい音色をパッヘルベルの『カノン』に近いタッチで弾いたりと、Miyakoはヘヴィメタルとクラシックの親和性の高さを鮮やかに顕在化させていく。

去年の11月に初めてリサイタルをやったとき、自分的にはドレスがちょっと着こなせてなかったので、この日のためにダイエットしたんですよ。華奢になったんですけど、明日からはいっぱいお肉を食べたいと思います(笑)

くだけた調子も交えつつ、「一ギタリストがピアニストとしてこんなイベントをやれるのは、本当にみなさんのおかげです。いつも応援ありがとうございます!」と挨拶したあとは、彼女のルーツが伝わってくるようなクラシックの楽曲をプレイ。

シューマンの『Sonata No.2 in G Minor』(ピアノソナタ第2番)は、低音から高音までを流れるように行き交う、静と動を感じさせる展開が素晴らしく、モシュコフスキーの『15 Etudes de Virtuosité』は、練習曲でありながらカッコよさをふんだんに兼ね備えている。こうした抑揚に富んだクラシックナンバーを、しかもスタインウェイで堪能できるのは、普段なかなか味わうことがない贅沢な時間。Miyakoによる曲の解説も嬉しく、メタル好きのファンにとって新鮮だったはずだ。

その後はEPの収録曲に戻って、イングヴェイ・マルムスティーンの『Far Beyond the Sun』、ゲイリー・ムーアの『The Loner』。MCはまだ緊張した様子も少しあるけれど、(同日の昼公演を含め)通算4ステージ目のソロリサイタルとなり、Miyakoのパフォーマンスは堂々と落ち着き払った感じがある。

対話するようなピアノの奏法に酔いしれる中、リクエストが多かったという、映画『戦場のメリークリスマス』のメインテーマとなった坂本龍一の『Merry Christmas, Mr. Lawrence』も選曲。繊細で透明感のあるサウンドをしっとり届け、彼女の新たな一面を見せてくれた。

後半には、LOVEBITESの最新作『LOVEBITES EP II』から、9月に行なわれた東京ガーデンシアター公演の記憶が甦るリードトラック『Unchained』、ピアノを軸に作曲したという『Someone’s Dream』を披露。音源でよく聴き込んでいる2曲だけに、ファンは心の中で熱唱しながら楽しんでいたに違いない。アレンジがガラッと変わることによって、Miyakoのコンポーザーとしての非凡なセンス、歌メロの魅力がわかりやすく再確認できたりも。

ありがとうございます。LOVEBITESもだんだんと大きな会場でライブをやれるようになってきたんですけど、初期からのファンの方が今も来てくれて、なおかつ新しく知ってくれる方がいてこそです。私たちはみなさんを飽きさせることなく、進化していかなきゃいけない。バンドでピアノを弾くときにいつもめちゃくちゃ緊張するのもあって、クオリティをもっと高めるためにソロの活動やリサイタルを始めました

自身が抱える現在の想いを語り、「素敵な未来をいっしょに迎えられたらいいなと思いますので、これからもLOVEBITESのことをよろしくお願いします!」と結んだMiyako。アイアン・メイデンの『Aces High(撃墜王の孤独)』、そしてジューダス・プリーストの『Painkiller』と、最後はメタラー垂涎の名曲をドラマティックに、ギターソロの旨みなども活かしたクラシカルなアレンジで聴かせ、入魂のピアノリサイタルは盛大な拍手とスタンディングオベーションで締め括られた。

取材・文:田山雄士
PHOTO:Ryutaro Saito

《SET LIST》
  1. 1.Battery(Metallica)
  2. 2.Eagle Fly Free(Helloween)
  3. 3.Sonata No.2 in G Minor(Schumann)
  4. 4.15 Etudes de Virtuosité(Moszkowski)
  5. 5.Far Beyond the Sun(Yngwie J. Malmsteen)
  6. 6.The Loner(Gary Moore)
  7. 7.Merry Christmas, Mr. Lawrence(Ryuichi Sakamoto)
  8. 8.Unchained(LOVEBITES)
  9. 9.Someone’s Dream(LOVEBITES)
  10. 10.Aces High(Iron Maiden)
  11. 11.Painkiller(Judas Priest)
LOVEBITES

LOVEBITES LIVE AT BUDOKAN開催決定!

日程:2026年3月29日(日)
開場 16:00 / 開演 17:00
会場:東京・日本武道館
チケット:一般チケット 9,500円(税込)、ユースチケット 3,900円(税込)

Miyako ピアノ・リサイタル『BLOOMING NOTES 2025』開催決定!

<リサイタル公演詳細>
公演名:BLOOMING NOTES 2025
公演日:2025年4月5日(土)
会場:東京オペラシティ リサイタルホール
公演時間:
【昼公演】OPEN 13:00/START 13:30
【夜公演】OPEN 16:30/START 17:00

チケット:各¥7,500(税込/全席指定)
チケット販売期間:
先行抽選申込受付 2025年1月18日(土)12:00 ~ 2025年1月28日(火)23:59
https://r-t.jp/miyako

最新ライブ作品『NO MORE TRAGEDY』2025.3.5 Release!!

2024年9月1日に開催されたバンド史上最大規模の会場である東京ガーデンシアターで行なった、ワールドツアー「THE THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE」における唯一の日本公演の模様を収めたライブ作品がBlu-ray、DVD、CDで発売。
Blu-rayとDVDには、6月から7月にかけてのイギリス、ベルギー、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、デンマーク、8月の韓国、そして9月の日本とアメリカ、そのワールドツアーのドキュメンタリー映像を約1時間20分にもわたり収録し、それに対してメンバー自身が思い出を語るコメンタリーも副音声で収録。さらに、東京ガーデンシアター公演当日にファンの皆さまによって撮影され、後日バンド側に提供してくださった動画ファイルを使用して制作された「Soldier Stands Solitarily」のファンカム・ミュージックビデオもボーナスとして収められています。

商品詳細
Blu-ray: ¥7,700 / VIXL-477
2DVD: ¥7,700 / VIBL-1172~1173
2CD: ¥4,000 / VICL-66046~66047


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