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LOVEBITESが自身初となるワールドツアーの日本公演を、9月1日(日)に東京ガーデンシアターで開催した。
2023年を通じて新体制での復活をアピールし、2024年6月からは満を持して「THE THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE WORLD TOUR」がスタート。イギリス、スペイン、フランス、デンマーク、韓国など世界各国での公演を経験した彼女たちは、果たしてどんなライブを日本で見せてくれるのか。会場に集まったたくさんのファンも期待感を募らせている。
ジューダス・プリースト『ダイヤモンズ・アンド・ラスト』がフルで流れたのち、オーディエンスの熱いLOVEBITESコールに迎えられ、白い衣装を纏った5人がステージに登場。鮮やかなレーザー放出に合わせて、ライブは『The Crusade』から幕を開けた。まるで天守閣を思わせるかなり高い位置のセットに鎮座し、ツーバスをドコドコ叩き込んでくるHaruna(Dr)の存在感がエグい。Fami(Ba)も屈強なビートを刻み、共に全体を支えながら引っぱる。そこに色を添えるMiyako(Gt&Pf)とMidori(Gt)のタッピングや速弾き、凛々しく響きわたるAsami(Vo)の歌声と、スリリングな演奏に早くも息を呑む。
「We are LOVEBITES and we play heavy metal!」とAsamiが高らかに宣誓し、続く『When Destinies Align』では、リズム隊のタフさ、ツインギターのドラマティックなソロがいっそう際立つ中、“バンドの結束”がエモーショナルに歌われる。さらに、キラーチューン『M.D.O.』を惜しみなく繰り出し、CO2の荒々しい噴射も加えてシンガロングを激化させるなど、過去最大規模にして2024年国内唯一のフルセットライブということもあり、メンバーのパフォーマンスはいつも以上に気合十分だ。
「ただいま日本!(台風10号による荒天の影響で)本当にどうなることかと思いましたが、今年一度限りのLOVEBITES日本公演、なんとか開催できて何よりです。みんながありとあらゆる手段でここに辿り着いてくれたこと、私たちは知ってます。残念ながら来場が叶わなかった方もいます。だからこそ、集まった我々は全力で楽しまないといけないよね。日本の団結力を世界に見せつけてやりましょう!」
配信組のファンにもAsamiが感謝を伝え、HarunaのスティックトリックやMiyakoが途中でピアノに移るワルツ調の展開が美しかった『Rising』、ブリティッシュメタル色の強いギターサウンドが光る『Wicked Witch』と、ライブはますます痛快に進む。約2年前にLOVEBITESへ加入したFamiも、もうすっかり輪に馴染んだ様子。また、ワールドツアーを経たバンドのグルーヴがめちゃくちゃタイトに締まっていて、8,000人キャパの東京ガーデンシアターがよく似合っていることに驚かされる。想像以上のパワーアップを目の当たりにすれば、オーディエンスは歓喜のメロイックサインを掲げるしかない。
8月28日にリリースとなった最新作『LOVEBITES EP II』より、リード曲『Unchained』もこの日本公演で世界初披露。金&銀テープが華やかに発射され、レーザーが一段とギラギラ飛び交う特殊効果のもと、今の5人でゼロから作り上げた新曲を勇ましく聴かせ、抜群にライブ映えするナンバーであることを印象づけた。そして、花道に躍り出たFamiの獰猛なベースソロが先陣を切る『Stand And Deliver (Shoot ‘em Down)』を叩きつけ、なおも攻撃の手を緩めず、ステージに(大型ビジョンにもCGで)炎が燃え盛ったスラッシュメタル曲『Set The World On Fire』へと勢いそのままに繋いでいく。
容赦なきヘヴィネスやテクニカルなプレイはもちろんのこと、Miyakoのピアノソロでクラシカルなムードを添えて始まった『The Final Collision』、激しい雷雨×稲光が降り注ぐ演出を織り交ぜた『Thunder Vengeance』と、レアな楽曲をフレッシュな見せ方で届けてくれる点もたまらない。フロントの4人はいつもより広い舞台を活かして大いに躍動。客席からはすでに「最高!」の叫び声が上がっていたりも。
メタルウォーリアーズの気概が漲るアンセム『Holy War』までを駆け抜けると、「ちょっとクールダウンしようかな。みんなにお願いがあります。スマホのライトを点けてもらえますでしょうか?」とAsamiが協力を仰ぎ、重厚なミディアム曲『A Frozen Serenade』へ。東京ガーデンシアター内いっぱいに明かりが灯る幻想的な光景に加え、間奏では雪がはらはらとステージに降り出し、MiyakoのピアノとMidoriのアコギが切ない表情を覗かせるなど、一転して儚くソウルフルに魅せるという、硬軟自在のアレンジにも唸らされるばかり。
「次の曲は特別に……撮影OKにしちゃいます!」とAsamiが許可を出したのは、メンバーにひときわ超絶テクが求められる『Soldier Stands Solitarily』。そんな強気のチョイスにもバンドの好調ぶりが窺える。LOVEBITES復活の狼煙となった『Judgement Day』も目の覚めるような音塊で轟かせ、次の『Raise Some Hell』にはさらなるサプライズが。Asami、Miyako、Midori、Famiが、なんとアリーナ席エリアに不意打ちで降りていき、通路を移動しながら演奏、オーディエンスとハイタッチまで交わしたりと、この日の喜びをよりダイレクトに分かち合う。
予想外のアクションで存分に沸かせたあとは、Harunaのドラムソロコーナー。トレードマークの星型シンバルもくるくると回しつつ、強靭な連打で会場全体をアジテートし、気づけばライブは佳境に。現編成でまた新たな輝きを得た初期曲『Don’t Bite The Dust』、ツインリードの受け渡しやハーモニーが格段に尊かった『The Spirit Lives On』と、後半は再びエネルギッシュなナンバーをガツンと畳みかけ、本編ラストの『Under The Red Sky』では、見事にこの日いちばんのシンガロングを巻き起こしてみせた。
熱い歓声に応えて再登場したアンコールは、ライブ定番曲の『Shadowmaker』を投下。ヘドバン必至のダイナミックなサウンドに乗せ、Asamiが驚愕のロングシャウトで圧倒するさま、ここに来てもメタルスピリットを貫いて攻める姿勢が、まさしく世界基準のパフォーマンスといった感じで素晴らしい。
「この日、この場所、この瞬間に集まってくれたこと、本当に感謝してます。どこにいても、どんなときも、私たちの心はひとつだってこと、決して忘れないでください。最後に、今日最大の、最大で最強の、最強で最愛の……みんなの声、聞かせてーーー!!」
Asamiがそう呼びかけ、最後は『We The United』。オーディエンスが拳を力強く突き上げる一体感の中、MiyakoとMidoriがギターソロ後にグータッチを交わすシーンも胸熱で、文字通りユナイトする空間を作り出し、新たな試み満載の記憶に残るライブは大盛況のうちに締め括られた。
終演後はハンディキャノンを手に取り、客席にプレゼントを撃ち込む微笑ましい一幕でファンを喜ばせた5人。なお、LOVEBITESは東京ガーデンシアターでの単独の日本公演後、アメリカでのライブも大成功させ、初のワールドツアーを無事に完遂。2025年3月にはメキシコで開催される「Titans of Metal Fest」への出演が決定し、世界のメタル好きを魅了する旅はまだまだ続いていく。
取材・文:田山雄士
Photo:Hajime Kamiiisaka & Makiko Takada
《SET LIST》
- 1.The Crusade
- 2.When Destinies Align
- 3.M.D.O.
- 4.Rising
- 5.Wicked Witch
- 6.Unchained
- 7.Stand And Deliver
- 8.Set The World on Fire
- 9.The Final Collision
- 10.Thunder Vengeance
- 11.Holy War
- 12.A Frozen Serenade
- 13.Soldier Stands Solitarily
- 14.Judgement Day
- 15.Raise Some Hell
- 16.Don’t Bite The Dust
- 17.The Spirit Lives On
- 18.Under The Red Sky
- EN1.Shadowmaker
- EN2.We The United
Miyako(Guitar, Piano)使用楽器・機材紹介
LOVEBITES
ETERNAL PHENOMENON TOUR開催!
各地Zeppとメンバー出身地などを巡る過去最大規模、全9公演の国内ツアー!
2025.01.26[ Sun. ]Zepp Fukuoka(福岡県)
2025.02.07[ Fri. ]高松DIME(香川県)
2025.02.10[ Mon. ]Zepp Osaka Bayside(大阪府)
2025.02.12[ Wed. ]Zepp Nagoya(愛知県)
2025.02.15[ Sat. ]Zepp Sapporo(北海道)
2025.02.22[ Sat. ]仙台GIGS(宮城県)
2025.03.06[ Thu. ]新潟LOTS(新潟県)
2025.03.08[ Sat. ]LIVE ROXY SHIZUOKA(静岡県) ※SOLD OUT
2025.03.13[ Thu. ]Zepp DiverCity (TOKYO)(東京都)
チケット情報等詳細はLOVEBITESオフィシャルサイトまで
https://lovebites.jp/shows/
最新ライヴ作品『KNOCKIN' AT HEAVEN'S GATE - PART II』Now On Sale!!
楽園の門をくぐり、辿り着いたのは母なる大樹の下
2023年3月開催の「WE ARE THE RESURRECTION」、その2日目をフル収録。この伝説の公演の第二夜をもって、彼女たちは完全なる復活を遂げる
タイトル: KNOCKIN’ AT HEAVEN’S GATE – PART II / ノッキン・アット・ヘヴンズ・ゲイト -第二章-
発売日:2023年12月20日(水)
形態:
・Blu-ray (VIXL-428 税込¥6,600) ※初回プレス分のみロゴ型マグネットシート封入/各メンバーにフォーカスしたボーナス映像収録
・DVD (VIBL-1118 税込¥5,500) ※初回プレス分のみロゴ型マグネットシート封入/同ボーナス映像収録
・2CD (VICL-65909~10 税込¥3,960) ※初回プレス分のみジャケットステッカー封入
4th Album 『JUDGEMENT DAY』好評発売中!
発売日:2023年2月22日(水)
形態:
・生産限定盤A:CD+Blu-ray
VIZL-2151 税込¥5,940 (税抜¥5,400)
・生産限定盤B:CD+DVD
VIZL-2152 税込¥4,950 (税抜¥4,500)
・生産限定盤C:CD+インストゥルメンタル10曲入りCD
VIZL-2153 税込¥3,960 (税抜¥3,600)
・通常盤:CD
VICL-65777 税込¥3,300 (税抜¥3,000)
収録内容:<CD> 全10曲
《各完全限定盤付属品》
<Blu-ray / DVD> ※完全生産限定盤A / B
ベーシスト・オーディションのドキュメンタリー+スタジオ・セッション4曲収録
「The Hammer Of Wrath」「Golden Destination」「Shadowmaker」「Bravehearted」
<CD> ※完全生産限定盤C
全10曲のインストゥルメンタル・ヴァージョン収録