2021.2.23@横浜アリーナ Poppin’Party×Morfonica Friendship LIVE「Astral Harmony」ライブレポート(前編)

前日のラウクレⅡに続いて、本日はPoppin’PartyとMorfonicaによるFriendship LIVE『Astral Harmony』が開催となった。この2組といえば、2020年8月に『BanG Dream! 8th☆LIVE』のDAY3での共演を経て、同年10月に共にワンマンライブで大成功を収めたことは記憶に新しい。『ガルパ』のストーリーでも深い接点を持つ両バンドによる初のツーマンライブ、どんな音楽が紡ぎ出されるのかとても楽しみだ。

開演を告げるブザーと共にいよいよ幕開け。BGMに合わせてPoppin’Party、Morfonicaのメンバーが次々とスクリーンに映し出され、それに応えて観客たちはバンドカラー、キャラクターカラーに合わせてペンライトの色を変えてゆく。

会場がふわりと花の香りに包まれる…前半はMorfonicaの出番だ。
1曲目から熱いアッパーチューン『Flame of hope』を披露した。Vn.八潮瑠唯(CAST:Ayasa)による優雅なバイオリンの音とGt.桐ヶ谷透子(CAST:直田姫奈)のエッジの効いたギターリフがぶつかり合うように力強いサウンドを奏でる。サビではステージが真っ赤に照らされ、燃え上がるような気迫溢れる熱い演奏で観客を魅了した。

ノンストップで披露されたカバー曲『CQCQ』では、リズム隊の音の存在感がグッと前に出た。サビ前でBa.広町七深(CAST:西尾夕香)が奏でるスラップのフレーズが、グルーヴィーでいいアクセントになっている。そしてDr.二葉つくし(CAST:mika)のプレイは1音ずつのアタック感が心地よく、とても安定感があり、バンドの柱として演奏をしっかりと先導しているのがよくわかる。

倉田ましろ「ごきげんよう、Morfonicaです

演奏のラストにブレイクを挟んで、おなじみの挨拶を決めた。

メンバー紹介を挟んで披露されるのはカバー曲『月光花』。セットリストの中でも、Vo.倉田ましろ(CAST:進藤あまね)の感情豊かに歌い上げるその姿と歌声が印象的なナンバーだ。この楽曲では、Gt.桐ヶ谷透子が奏でるクリーンサウンドが、原曲でいうピアノのフレーズを担当していて、有機的で温かみのある中音域が特徴的に感じられる。バンドリ!コンテンツのリアルバンドの中で唯一、Morfonicaにはキーボードがいない。原曲ではピアノやシンセサイザーが用いられる部分を、各パートに落とし込むことで、唯一無二のMorfonicaのサウンドを表現していることは特筆すべきポイントだ。

清々しい森のような香りに会場を包まれ、続いては『金色へのプレリュード』が披露された。明るい気持ちにさせてくれるナンバーで、1曲目の演奏が“ぶつかり合うようなサウンド”なら、この曲の演奏は“互いに寄り添うようなアンサンブル”といった印象だ。曲中、Vo.倉田ましろがステージの端から端まで歩いて観客へと歌声を届ける。以前のライブよりもステージをさらに大きく使っているのがわかった。

Vo.倉田ましろ(CAST:進藤あまね)

続く『LEVEL5-judgelight-』は今回が初披露となった。人気アニメのオープニング曲のカバーということもあり、ライブ演奏を待ち望んでいたファンは少なくないだろう。疾走感があり、サビ中の転調など難度が高いナンバーだ。原曲ではシンセサイザー等で表現されるテンポの速いフレーズを一手に担うVn.八潮瑠唯の演奏は圧巻だ。最後まで正確無比に弾き切り、弓をくるりと振り下ろす精悍な姿に観客の眼は釘づけになった。

ステージが深いブルーに包まれ、カバー曲『深海少女』が披露される。バイオリンのピッツィカート奏法(弦を弓ではなく指ではじく奏法)が、水泡がはじける音のように響き、その他の楽器隊のサウンドにもどこか柔らかさが感じられる。スクリーンに映し出される映像も相まって、会場が深い海の中のようだ。

再び森のような香りと淡いスモークが漂う。Morfonicaの始まりの曲である『Daylight -デイライト- 』は、演奏回数を重ねてきたゆえの5人の音の一体感がある。それでいて各パートのサウンドがしっかりと体感でき、パフォーマンスの熟成が感じられた。大サビではスクリーンに5人のアップが一斉に映し出され、その輝かしい表情に観客の熱量が一層高まってゆく。Morfonicaの象徴となっている蝶をモチーフにした華やかなデザインの新衣装も華を添えていた。

続いては『ブルームブルーム』。甘い花の香りが辺りを包み込み、ステージが桜色と空色に彩られた。軽快なリズムやメロディと相まって、少し早い春の訪れを感じさせるナンバーだ。間奏ではフロントメンバー3人がお立ち台に上がり、観客をさらに盛り上げていた。華やかさの中にロックなカラーが散りばめられていて、他のバンドには無いエレガントでクールなサウンドに仕上がっている。

カバー曲『Nevereverland』では、優美なバイオリンの旋律をバックに英詞をしっとりと歌い上げるAメロから、一転アップテンポでハードなロックサウンドを力強く歌い上げるVo.倉田ましろの抑揚の幅広さが光る。バンドサウンドはヘヴィさが際立っており、楽器隊全員で一体となって力強くビートを刻むような演奏も迫力に溢れていた。

前半のラストを飾るのは、初披露の新曲『ハーモニー・デイ』だ。歌詞の中にある「キラキラ」という単語は、Poppin’Partyの戸山香澄が作中でよく口にするワードでもある。Poppin’Partyに背中を押され前進することで成長を遂げたMorfonicaを象徴するようで、とても前向きな気持ちにさせてくれる。また、Morfonicaとして初めてとなる5人のソロ歌唱パートも必聴ポイントだ。5人の歌声やサウンドに躍動感を感じられる素晴らしい演奏だった。

最後まで明るく、そして優雅に演奏を締め括り、達成感に満ちた笑顔で観客の拍手に応えながら、メンバーはステージを後にした。Morfonicaらしさが詰まったセットリストで、ライブを重ねることで成長してきたパフォーマンスで観客を魅了してくれた。

取材・文:佐々木雅晃
©BanG Dream! Project ©Craft Egg Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.

《SET LIST》
  1. Morfonica
  2. 1.Flame of hope
  3. 2.CQCQ
  4. 3.月光花
  5. 4.金色へのプレリュード
  6. 5.LEVEL5-judgelight-
  7. 6.深海少女
  8. 7.Daylight -デイライト-
  9. 8.ブルームブルーム
  10. 9.Nevereverland
  11. 10.ハーモニー・デイ

Gt.桐ヶ谷透子(CAST:直田姫奈)使用機材紹介


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