アコースティックギターを1本しか持ち込めない環境のときもあります。そのときに持っていくのは、どんな環境にもオールマイティに対応していける『Martin Custom 00 Style18 Kaori Kishitani』。それくらい信頼を寄せています。岸谷香インタビュー!!

岸谷香さんが愛用している、“Transparent “KAORI” Red”と名付けられた特注シースルー・レッドのカスタムモデルのアコースティックギター『Martin Custom 00 Style18 Kaori Kishitani』。
岸谷香さんといえば、1975年製のMartin D-41というイメージが強い。もちろん、今も1975年製のMartin D-41を愛用している。そのうえで、なぜ自身のカスタムモデルをを作ったのか。その背景を、彼女自身のアコースティックギターとの出会いも振り返りながらお伝えしたい。

私の感覚に寄り添ってくれたのが1975年製のMartin D-41でした。

──まずは、岸谷香さんとアコースティックギターとの出会いから教えていただけますか?

岸谷:中学時代にバンド活動を始めたとき、私はベース担当でした。楽器は小さい頃から習っていたピアノ、他にもドラムを叩けましたが、歌とギターはやっていませんでした。アマチュア時代に一番のめり込んだのはベースだったんですね。

PRINCESS PRINCESSの前身バンドのオーディションも、私はヴォーカル&ベースで合格して。そこには、後のPRINCESS PRINCESSのベーシストになる渡辺敦子さんもいました。彼女もベースでオーディションを受けたのですが、私がベースになって。。。

メインギターに中山加奈子ちゃんがいたとはいえ、サイドギターに相応しい人がいなかったので、プロデューサーに「君はベースではなく、ギターを弾いて」と言われた敦子さんが「コードくらいは弾けます」と言ったのもあり当初はサイドギターを担当することになったんです。

ただ、敦子さんはベースを弾きたくてバンドへ加入したということもあって、少しずつストレスを感じ始め、ベースを熱望したことと、私自身も、彼女がそこまで悩んでいるなら「じゃあ、私が変わってあげるよ」と安易に言葉を発したことから、「じゃあ香は歌とサイドギターを担当」と言われ、気づいたらそうなっていました(笑)

ただ、当時の私はギターを弾いたことがなかったから、本当にギター初心者として学び始め、弾けないながらもライブでの経験を重ね、徐々にプレイに磨きをかけていきました。それが、16歳のとき。あの頃は、本当に少しずつ少しずつ経験を重ね、自身のギターの腕を磨き続けていました。その後、バンドはPRINCESS PRINCESSとして活動を始めることになりました。

──そんな経緯があったんですね。

岸谷:PRINCESS PRINCESSではギターも弾いていたとはいえ、クリーンな音で演奏をすると下手さが目立ってしまうので、活動を始めたばかりの頃は歪んだ音でしか演奏できなかったんですけど(笑)。私は、当初から作家としてもバンド内で活動していたし、経験を重ね、作曲のスキルが上がっていくごとに、いろんな曲調を書きたくなるじゃないですか。そうすると、アコギが必要な曲だって求めたくなりますよね。

今でも覚えているのが、KISSの『Hard Luck Woman』のような楽曲を歌いたいなと思って……当然アコギですよね。どうしてもアコースティックギターの必要性を感じて…。でも、当時の私はアコースティックギターを持っていなかったから、他の人から借りて、似合う曲作りを始めました。そうしているうちに、やっぱり自分のアコースティックギターが欲しくなるわけですよ。

──それが、自身のアコースティックギターとの出会いに?

岸谷:そう。時期的に、ちょうど『Diamonds <ダイアモンド>』が大ヒットして、とにかく忙しすぎて余裕のなかった頃。あの当時は、楽器店に行って試し弾きをしている余裕もないほどのスケジュール感だったから、当時お世話になっていた楽器の担当の方へ「私に似合いそうなアコースティックギターを何本か選んでくれませんか?」と依頼したら、3本セレクトして持ってきてくださいました。その中にあったのが、今も愛用している1975年製のMartin D-41なんです。

今となっては、他の2本のアコースティックギターがどこのメーカーの何という機種だったのかも覚えてないし、1975年製のMartin D-41だって、メーカーや値段で判断していたのではなく、まずは3本を弾いてみて、弾いた感触が私に一番しっくりくるギターということで決めました。だからMartinのブランドを意識してではなく、私の感覚に寄り添ってくれたのが1975年製のMartin D-41だったんですよね。その後、値段を確認して「高ぇ~!!」と思いましたけど(笑)、「私のギターはこれだぜ!!」という意識が強かったから手にした次第ですし、それがMartinのアコースティックギターとの出会いになりました。

──そこから、1975年製のMartin D-41を弾き始め、音に磨きをかけていったわけですね。

岸谷:結果的に、そうなりましたね。ただ、家やレコーディングで座って弾いているときと、ライブで立って演奏しているときとでは、「なんか音の鳴りが(レコーティング)スタジオとライブでは違くない??」ということもあり、ライブで演奏をする用のアコースティックギターとしていろいろと試した結果、今の1967年製のGibson Hummingbirdを手にしました。そこから1975年製のMartin D-41は、主に作曲やレコーティングのときに用いるようになりました。ライブに於いては、バンド演奏でガンガンにアコースティックギターを鳴らしたいときは1967年製のGibson Hummingbirdを使い、生音を重視するときは1975年製のMartin D-41をと、使い分けるようにしています。

それまでは、アコースティックギターといえば1975年製のMartin D-41の鳴り響く音しか知らなかったけど、1967年製のGibson Hummingbirdを手にして使い始めたことで、「アコースティックギターの音の鳴りの違いってこういうことなんだ」と、ようやく理解できるようにもなりましたね。

──比較対象が生まれたことで、それぞれの楽器の魅力の理解を深めたわけですね。

岸谷:そうなりましたね。ただ、本当の意味で1975年製のMartin D-41の良さを理解できたのは、ソロ活動を始めて、アコースティックギターの弾き語りでもライブをやるようになってからでした。当たり前ですけど、椅子に座って、身体に抱えてアコースティックギターを弾くことで、音を身体全体で感じるようになって、そこで「なんていい楽器なんだろう」と再認識しました。

その頃になると、経験も重ねていたから細かな音の変化にも気づくようになるんですね。ただ、私には専門的な知識がなかったから、よくギターテックの方に「なんか音の鳴りが違ってきたんだけど」と聞いたら、「ネックが反ってますね」と言われて直したり。その原因が何かではなく、音の変化を感じるくらいにまではなっていました。そういう経験値を持ったからこそ、ようやく自分のオリジナルのアコースティックギターを作ることにも手を伸ばせたんだと思います。

──岸谷さんといえば、1975年製のMartin D-41を愛用している印象を長く持ってきました。

岸谷:和音を鳴らしたときの音色が、とても綺麗ですからね。それこそ、1975年製のMartin D-41を開放弦で鳴らしたとき音の綺麗さは、どんな楽器の音にも負けないなと私は思っているし、そこを気に入っています。

今でこそ、こんなことを言ってますけど。1975年製のMartin D-41を手にして弾き始めた頃は、なかなか求める音を鳴らせなくて、他のアコースティックギターに乗り換えようと思ったことも正直ありました。でも、周りの方々は分かってくださってたんですよね。今もお世話になっているギターテックの方に「香さん、弾き続けないと、本当にそのギターの良い音は出せませんよ」とずーっと言われ続けて、私も「そ。だよねぇ」と言葉を返しつつ、頑張って弾き続けていった結果、今となっては、1975年製のMartin D-41が一番のお気に入りのアコースティックギターになっています。

──でも今回、2本目のMartinとして、『Martin Custom 00 Style18 Kaori Kishitani』を作りました。なぜ、Dタイプではなく00タイプを選んだのでしょうか?
(以降、『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』/マーチン ダブルオー イチハチ カオリ モデル)

岸谷:新たなアコースティックギターを手にするうえで、楽器店に行ったら「ここにあるアコースティックギターを全部弾いて試してください」と言われて、色々と手にして弾きました。女性の方ならわかると思いますけど、私、そんなに身体が大きくはないから、ボディやネックを含めて、大きさや太さの面でのフィット感の違いを感じるんですね。いろいろと試し弾きをした中で、身体に一番しっくりきたのが00シェイプでした。なので、1本目とはサイズも変えたわけです。

──2本目のMartinはD-41スタイルを継承してというわけではなかったんですね。

岸谷:最初に1975年製のMartin D-41を手にしたときもそうだったように、私にとって大切なのは、弾いたときに、どれだけ感覚や身体にフィットするか。結果的にベストなチョイスだったけど、1975年製のMartin D-41を手にしたときは、選んでいただいた3本のアコースティックギターの中からの選択でした。だけど今回は、いろいろと弾いた中、ネックの細さやボディの厚みなど「これが一番、今の私にフィットする」というところで「Martin 00 Style18」を選んでいます。私の場合、他のモデルと比較して云々ではなく「弾いてどうか」が選ぶ理由だから、そこで私の感覚と「Martin 00 Style18」がフィットしたんでしょうね。

──『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』で印象的なのが、Transparent Redという上品な赤い色を用いていること。それも、こだわりなのでしょうか?

岸谷:愛用の1975年製のMartin D-41もそうですけど、アコースティックギターといえば茶色系ですよね。でも、私のテーマカラーは、レッド。理屈がどうではなく、感覚的に昔から赤が好きなんですね。昔から私が大事にしているものには、赤色が多いです。しかも赤いボディのMartinって無いとも聞いたから、「人と違ってナンボ」の心情の私としては、当たり前のように「じゃあ赤系の色で」とお願いをしました。楽器特有のことですが、弾き続けていれば自然と色も経年劣化し、褪色したり深みを持った色になっていく。そこも、弾く上での楽しみにしてもらえたらなと思います。

──黒いピックガードもいいですね。赤と黒の組み合わせも意識していることですか?

岸谷:そこは、単純にかわいいからでしたね(笑)

MARTIN CUSTOM 00 Style 18
KAORI KISHITANI

TOP:Sitka Spruce
SIDE&BACK:Mahogany
NECK:Mahogany
NECKSHAPE:Mod Low Oval/PA Taper
FINGERBOARD:Black Ebony
“KAORI” INLAY:Mother Of Pearl
RADIUS:16″
TUNING MACHINES:Nickel, BB buttons
HEADPLATE:Solid East Indian Rosewood
HEADPLATE PEARL:C.F. Martin Block, Gold Mother Of Pearl
BRIDGE:Black Ebony
SADDLE:16″ Radius/Compensated/Bone
LABEL:Special “KAORI” Design Label
FINISH:Transparent “KAORI” Red
CASE:Hardshell Case

自分で強く実感しているのが、弾けば弾くほど音がよくなっていくこと。

岸谷香/Unlock the girls

LIVE Blu-ray「KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!” -FINAL-」2024.12.25 Release!!

KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!” -FINAL-
発売日:2024年12月25日(水)
価格:8,500円(税込) / 品番:SEXL-311
岸谷香ソロでは初の映像作品。40周年ツアーの最終公演。ソールドアウトとなったZepp DiverCity(TOKYO)の模様を全20曲、完全収録。PRINCESS PRINCESS の伝説の名盤「HERE WE ARE」を全曲カバーした貴重なライヴ映像をBlu-ray 化。

Sony Music Shop予約リンク
https://KaoriKishitani.lnk.to/57thSHOUT_SMS
その他CD店舗 予約リンク
https://KaoriKishitani.lnk.to/57thSHOUT_BD

FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024ーレディクレ15th-

『FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024ーレディクレ15th-』
日時=2024年 12月 27日(金)、28日(土)、29日(日)10:00 OPEN ・ 11:00 START                       
※岸谷香は28日(土)の出演になります。
●会場=インテックス大阪
https://www.intex-osaka.com/jp/access/
●主催=FM802/キョードー関西 
●企画制作=FM802/キョードー関西

チケットなどの公演詳細はこちら
FM802 35th ANNIVERSARY“Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024-レディクレ15th-

KAORI OARADISE2025 新春スペシャル ビルボードライブ3会場で開催!

■2025年1月11日(土)
ビルボードライブ横浜
<1st ステージ 開場15:00/開演16:00>
<2ndステージ 開場18:00/開演19:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ横浜:05-7005-6565

■2025年1月17日(金)
ビルボードライブ大阪
<1st ステージ 開場16:00/開演17:00>
<2ndステージ 開場19:00/開演20:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ大阪: 06-6342-7722

■2025年1月19日(日)
ビルボードライブ東京
<1st ステージ 開場15:00/開演16:00>
<2ndステージ 開場18:00/開演19:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ東京:03-3405-1133

「岸谷香感謝祭2025」2025.2.22-23開催!

2025年2月22日(土)23日(日)
会場:EX THEATER ROPPONGI
22日 OPEN/16:45 START/17:30
23日 OPEN/15:45 START/16:30
[ゲスト]:森高千里/渡瀬マキ(LINDBERG)
チケット料金:全席指定9,900円(ドリンク代別、税込)
<一般発売>
2024年12月14日(土) 各プレイガイドにて

MARTIN CUSTOM 00 Style 18 KAORI KISHITANI

「KAORI PARADISE 2021 年末スペシャル」でお披露目された、「Transparent “KAORI” Red」の鮮やかなカラーも印象的なMartin Custom Shop製のカスタムモデルが遂に発売!!

MARTIN CUSTOM 00 Style 18 KAORI KISHITANI
https://www.kurosawagakki.com/martin/kaori_custom/


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