岸谷香が自身のガールズバンドであるUnlock the girlsを率いて、11月から12月にかけて全国4ヵ所でツアーを開催。その東京編、日本橋三井ホール公演の模様をレポートする。

厳かに灯る青い光、ひんやりと響く近未来的なSEに合わせて、Unlock the girlsの4人がステージへ。Yuko(Gt&Cho)、HALNA(Ba&Cho)、Yuumi(Dr&Cho)の順にそれぞれが音を重ね、岸谷香(Vo&Gt)がオープニングナンバー『RELAX』を凛々しく歌い出せば、登場シーンとは打って変わって、一気にロックなモードが全開だ。

最初からYuko、HALNA、Yuumiにバンドアンサンブルをすべて任せ、いきなりハンドマイクで躍動する岸谷。ステージを自由に駆けて頭や腰を振るなど、のびのびと歌うその姿に、メンバーへの信頼の厚さが垣間見えて気持ちいい。『デロリアンドライブ』でパワフルな演奏はいっそう加速し、オーディエンスも大いに興奮してタオルを振り回す。

ずっと1人で弾き語りのツアーをしていたので、反動がたまらなく出ています(笑)。これまでやってこれなかった曲もたくさん用意してきました。今日はUnlock the girlsをうんと身体で感じて、歌って踊って叫んでいってください!」と、久々のバンドツアーに嬉しそうな表情を見せながら岸谷が挨拶。

続いては、HALNAのメロディアスなベースラインが引っぱる『キッチン』。岸谷とYukoによるツインギターのカッティング、Yuumiの軽快なリズムもいい感じに絡む中、オリエンタルなリフが眩しい『Unlocked』で、場内にますます開放的なムードが広がる。『あいのうた』になると一転、シューゲイズ調のアウトロを含めてメロウに聴かせたりと、4人は変幻自在のパフォーマンスで魅了していく。

難度の高いフレーズやギターソロもガンガン弾きまくる岸谷と、頼れるボーカリストに負けないくらいコーラスで楽しげに歌いまくるYuko、HALNA、Yuumi。Unlock the girlsならではのそうしたチャームポイント、ガールズバンドらしい華やかさ、結成5年を迎えてより自由に音楽を鳴らしている4人の今が、このあたりから鮮明に感じ取れるようになってきた。

岸谷と3人のメンバー(Yuko、HALNA、Yuumi)の間に20歳以上も歳の差がありながら、世代を越えて強く結びつき、お互いに多くの刺激を与え合い、めくるめく珠玉のグルーヴを生み出すことができる。そんなUnlock the girlsがいかに稀有なバンドなのかを、この日は観る側もしみじみと実感するライブだったように思う。

「Unlock the girlsの中でも特に好きな曲」だと岸谷が前置きしたアップチューン『バタフライ』、ハードロック風味のタフなサウンドとマイナーコードのシャッフルビートが映える新曲『AND THE LIFE GOES ON』、Yuumiの力強いドラムソロで幕を開けたプリンセス プリンセスの激レア曲『GLASS HEAVEN』で沸かせたあとは、この一年でレッド・ホット・チリ・ペッパーズやハリー・スタイルズのライブをメンバーみんなで観に行った話など、再び和気あいあいとしゃべる4人。

NewJeansやBTSなどのK-POPにハマっているという岸谷は、昨今の音楽シーンにおいて曲を共作する作家たちが多いことを知ったそうで、自分もここに来て初チャレンジしてみたと明かす。中盤では、飽くなき挑戦心のもと、27歳の男性トラックメイカーとコライトしたその新曲『Beautiful』を披露。これまでにないエレクトロタッチで彩った2020年代仕様のダンスナンバー(作詞は元プリプリのドラマーである富田京子)を、同期もうまく使いつつ、Unlock the girlsによるアレンジバージョンでフレッシュに聴かせてくれた。「近いうちにリリースしたい」と話していたので、ファンは楽しみに待っておこう。

切ない余韻を残したスケールの大きいバラード『BOY』『Signs』、ひさびさに演奏された元恋人の回顧ソング『A VISITOR』、“あなたの未来に 歌いつづけるから ずっと”という一節がボーカリスト・岸谷香の生き様に感じられた『Singing』と、その後もさまざまなアプローチでライブを展開するUnlock the girls。鉄板の煌びやかな『Diamonds<ダイアモンド>』では、客席からド派手なシンガロングが湧き、会場がひときわホットになる。

終盤はポジティブなエネルギーをさらに増幅させ、爽快なサマーチューン『STAY BLUE』を勢いよく投下。ギラギラと光る照明の中、本編ラストに『WAR』を畳みかけ、岸谷は公演タイトルに冠した“56th SHOUT!”を強烈に印象づけてみせる。Unlock the girlsのトレードマークと言えるカラフルなコーラスワークも、ブラー『ソング2』のオマージュを織り交ぜた遊び心満点のアレンジも最高だった。

そして、ツアーTシャツに着替えて戻ってきたアンコールで嬉しい発表も。恒例のイベント『岸谷香 感謝祭』が、2024年も2月23日(金・祝)に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催されることが伝えられた。ゲストはトータス松本(ウルフルズ)と永井真理子。この日限りのコラボレーションが目撃できるとても貴重なライブ、ぜひチェックしてほしい。

最後は、クリスマスシーズンにぴったりなプリプリの『DING DONG』、ピースフルな雰囲気に満ちたUnlock the girlsの『レミニセンス』を笑顔で清々しく届け、4人は2時間強に及ぶライブをハッピーに締め括った。来年は記念すべきデビュー40周年を迎える岸谷香。そのスタートは新春1月に横浜、大阪、東京でビッグバンドを従えて行なうビルボード公演となり、2月には『岸谷香 感謝祭2024』が控えているが、ほかにもスペシャルなツアーを企画中とのこと。アニバーサリーイヤーへの期待は膨らむばかりだ。

取材・文:田山雄士
PHOTO:MASAHITO KAWAI

《SET LIST》
  1. 1.RELAX
  2. 2.デロリアンドライブ
  3. 3.キッチン
  4. 4.Unlocked
  5. 5.あいのうた
  6. 6.バタフライ
  7. 7.AND THE LIFE GOES ON
  8. 8.GLASS HEAVEN
  9. 9.Beautiful
  10. 10.BOY
  11. 11.Signs
  12. 12.A VISITOR
  13. 13.Singing
  14. 14.Diamonds<ダイアモンド>
  15. 15.STAY BLUE
  16. 16.WAR
  17. <ENCORE>
  18. 1.DING DONG
  19. 2.レミニセンス

岸谷香(Vocal&Guitar)使用楽器・機材紹介

岸谷香/Unlock the girls

岸谷香 感謝祭2024 トータス松本さん、永井真理子さんのゲスト出演が決定!

「岸谷香 感謝祭2024」
日時:2024年2月23日(金/祝)
会場:EX THEATER ROPPONGI
会場 16:45 / 開演 17:30
全席指定 9000円(税込/ドリンク代別)

「岸谷香デビュー40周年」記念イヤーの2024年!第一弾公演として開催する今回の感謝祭に
トータス松本さん(ウルフルズ)、永井真理子さんをゲストに迎えて晴れやかに開催します!

詳細は岸谷香オフィシャルサイトまで
http://kaorikishitani.com/

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“今こそ青空を駆け抜けよう!岸谷 香・富田 京子の盟友コンビによる光輝く青春エールソングを収録!”こんな時代だからこそ精一杯の元気を届けたいという想いから、プリンセス プリンセスの盟友・富田 京子と共に、世代を超えたエールソング「STAY BLUE」を制作。切ない恋愛を歌った「A VISITOR」の作詞には中山 加奈子が参加。岸谷 香率いるガールズバンド”Unlock the girls”のパワーアップした演奏にも注目の、キラキラとした青春を感じる1枚が完成。

SECL-2498 ¥2,400 tax in

<収録内容>
M1:STAY BLUE 作詞:富田 京子 作曲:岸谷 香
M2:Wrong Vacation 作詞・作曲:岸谷 香
M3:A VISITOR 作詞:中山 加奈子 作曲:岸谷 香
M4:charm 作詞:富田 京子 作曲:岸谷 香

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