自分で強く実感しているのが、弾けば弾くほど音がよくなっていくこと。出来れば、3年くらいは毎日弾くくらい、『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』をかわいがってほしいです。

──今ではライブでも『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』を多く弾いています。実際に弾いていて感じる印象も聞かせてください。

岸谷:ライブ環境によって、アコースティックギターを2本持っていけるときは『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』と1967年製のGibson Hummingbirdを持っていくんですけど。ライブのスタイルや会場によっては、アコースティックギターを1本しか持ち込めない環境のときもあります。そのときに持っていくのは、どんな環境にもオールマイティに対応していける『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』。それくらい信頼を寄せています。

──1975年製のMartin D-41は、サイド・バックにローズウッド材を用いています。でも『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』の木材はマホガニー材ですよね。材でのサウンドの違いはもちろんあると思いますが、それ以外の印象の違いも弾いていて感じますか?

岸谷:本当に長く時間をかけ、弾き続けてきたからこそ出せる音というのが1975年製のMartin D-41にはあるんですけど。『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』は、まだまだ音が若いんですね。でも、最初の弾きだしたときとは雲泥の差くらい、今は若いなりに凄い良い音を鳴らしてくれます。大事なのは、弾いて弾いて、良質な音を楽器から導き出してあげることですからね。

──『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』を用いて、既にいろんな楽曲が生まれているのでしょうか?

岸谷:けっこうありますよ。Unlock the girlsで演奏している『STAY BLUE』や『Wrong Vacation』は、まさに『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』を手にして間もなく生まれた曲たち。

これはアコースティックギターに限らずだけど。それがエレキギターでも、ピアノだろうと、新しい楽器を手にすると、いろいろと弾いてしまうじゃないですか。「この音綺麗だなぁ」「この楽器の鳴り音に、このコードの響きがすごくフィットするんじゃない?」と、手にした楽器の音の鳴りを楽しんでいるうちに楽曲を作りあげていくことは、よくあります。

──『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』は、岸谷香さんのファンクラブで先行発売して既に受注を受けて制作しています。ファンの方々に、どんな使い方をしてもらいたいでしょうか?

岸谷:多分、手元に届いた楽器を弾いたときに、「香ちゃん、こんなに鳴らないギターを弾いてるの?」と驚かれると思います。それに気づける方は、相応にアコースティックギターを弾いてきた方だと思いますけど…。自分で強く実感しているのが、弾けば弾くほど音が良くなっていくこと。出来れば、3年くらいは毎日弾くくらい、このギターをかわいがってほしいなと思います。

アコースティックギターの魅力って、一緒に音を育てていくところなんですよね。オールドのギターの音が良いのは、前のオーナーが、そのギターの音を育てあげ、ある程度完成したうえで手放しているから。新品のギターは子育てと同じで、一緒に音の鳴りを育て、成長させる。そこに面白さがあるなと、私は感じています。

これまでに10枚作りあげたPRINCESS PRINCESSのアルバムの中から、1枚だけをセレクトし、そのアルバムを曲順通りに丸々1枚再現するライブを行います。

──6月からは、Unlock the girlsのメンバーと共に「KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024」ツアーがスタートします。このツアーでは、歴代PRINCESS PRINCESSのアルバムの中から1枚ピックアップし、それを再現するそうですね。

岸谷:今年は、私がデビューしてから40周年となる年。ファンの方々には、私との付き合いが本当に長い人たちが多いです。それこそ30年以上どころか、40年間という人たちもいます。そういう仲間たちに向けて「私たちの付き合いも長くなったよね。ほんと、ありがとね」という感謝の気持ちも込めて、普段だったら絶対にやらないですけど。今回は、本当に長く歩んでくださっているファンの方々へのプレゼントの意味も含めて、これまでに10枚作りあげたPRINCESS PRINCESSのアルバムの中から、1枚だけをセレクトして、そのアルバムを曲順通りに丸々1枚再現するライブを行います。それ以外は、Unlock the girlsの楽曲をお届けします。どのアルバムを再現するのかは、初日の公演までのお楽しみです。

──いままでもUnlock the girlsで、PRINCESS PRINCESSの楽曲をカバーしていますよね。

岸谷:演奏しています。Unlock the girlsでPRINCESS PRINCESSの曲を演奏するときは、「この曲のこの部分が好きなんだよね」という想いを持ってくださっているファンの方々も多いから、必ず原曲のイメージを損なわないようにアレンジをしています。ただし、Unlock the girlsにはキーボード奏者がいないから、そこをいかにUnlock the girls風にアレンジするのかも楽しんでいることです。結果、「たとえキーボードが入っていなくとも、こうアレンジすることで、鍵盤がないことがマイナスにはならない」形にして演奏をしています。大事なのは、「キーボードがいないからこうなった」ではなく「キーボードが無くても曲の良さを味わえるね」というアレンジにしていること。そこも、Unlock the girlsとしての活動経験を重ねてきたことで、だいぶ腕を上げた面です。

今回のツアーでは、アルバム再現のパートのみ、キーボードを入れて演奏しようと思っています。もちろんメンバーも異なるので完全なる再現まではいかないけど、Unlock the girls風にではなく、Unlock the girlsのメンバーたちと鍵盤奏者を加えた形で、PRINCESS PRINCESSのアルバムブロックについては、極力再現を求めようと思っています。個人的には曲間まで再現したいくらいですけど(笑)、そこもどうするか考えています(笑)

──9月からは、恒例の弾き語りツアーもスタートします。

岸谷:9月から12月にかけて全国各地を弾き語りでツアーを行うのは、今や恒例の行事にもなっていますからね。このツアーこそ、『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』が大活躍の場になります。ツアー中はこのギターをずっと持ち歩き、いろんなところで弾き続けているはずです。

アコースティックギターを2本持っていければ、それだけで音の色が変わるからベストなんですけど。かならずしも出来る環境ではないからこそ、『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』に絞ってツアーを巡ります。最近はルーパーを使っていますし、弾き方だってストロークかアルペジオかでも音色の変化が出るから、そういうところでも『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』の音の鳴りの魅力を弾きだしていくつもりです。

──その言葉を耳にして、ライブツアーが楽しみになりました。

岸谷:弾き語りツアーの場合、ピアノでも演奏をしますけど。その会場に設置してあるピアノを使うのがマストの条件になるから、どんなピアノが置いてあるかで、音の響きも違ってくるんですね。それこそ、「打鍵の音が大きい小さい」や「思ったよりも強弱をつけにくい」など、自分ではコントロールできない善し悪しも出てきます。その環境の中、いかに最善を導きだすかになりますけど。アコースティックギターに関しては、愛用の1本さえあれば、音色は安定しているし、どんな環境でも求める音を鳴らせるから、そこは本当に安心にも繋がることなんですよね。

──弾き語りツアーを通して弾き続けることで、『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』モデルの音もどんどん成長していきますしね。

岸谷:そう。ギターって生き物なんですよね。弾き続けることで音色はどんどん成長していきます。同時に、2弦の音が比較的狂いやすいなど、ギターの音の癖もわかってくるから、そことも上手く向き合いながら高めあっていける。

そこは結婚と一緒ですよね。いくら好きで結婚をしても、相手の気に召さない部分も受け入れたうえで、共に成長しあっていく。アコースティックギターとの付き合いも、同じなんですよね。

今やギターは、私に欠かすことの出来ない最高のパートナーになっています。

──いい話が聞けました。最後に、40周年に向けてひと言いただけますか?

岸谷:私の場合々、子育てなどで10 年ほど途中休んだ時期もありましたけど。16歳でデビューして57歳の今まで、よく続けてこれたなと思っています。40年という歳月を通して、楽器との付き合いもいろいろ変わってきたなと感じています。ピアノは幼少の頃から習うという感覚で弾いてきたけど、ギターは、本当にゼロから一緒に積み上げてきたもの。いろいろと気苦労や喧嘩もしながら。でも、今やギターは、私に欠かすことの出来ない最高のパートナーになっています。

一生愛用していく1975年製のMartin D-41はもちろん、ライブで愛用し続けていく『MARTIN 00-18 KAORI MODEL』と1967年製のGibson Hummingbirdともずっと切磋琢磨し続け、私のスキルをもっともっとアップしていく一緒に育っていくパートナーたちで居続けるんだと思います。

PHOTO:野田雅之
インタビュー:齋藤直行
TEXT:長澤智典

岸谷香/Unlock the girls

LIVE Blu-ray「KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!” -FINAL-」2024.12.25 Release!!

KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!” -FINAL-
発売日:2024 年12 月25 日(水)
価格:8500 円(税込) / 品番:SEXL-311
岸谷香ソロでは初の映像作品。40 周年ツアーの最終公演。ソールドアウトとなったZepp DiverCity(TOKYO)の模様を全20曲、完全収録。PRINCESS PRINCESS の伝説の名盤「HERE WE ARE」を全曲カバーした貴重なライヴ映像をBlu-ray 化。

Sony Music Shop予約リンク
https://KaoriKishitani.lnk.to/57thSHOUT_SMS
その他CD店舗 予約リンク
https://KaoriKishitani.lnk.to/57thSHOUT_BD

FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024ーレディクレ15th-

『FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024ーレディクレ15th-』
日時=2024 年 12 月 27 日(金)、28 日(土)、29 日(日)10:00 OPEN ・ 11:00 START                       
※岸谷香は28日(土)の出演になります。
●会場=インテックス大阪
https://www.intex-osaka.com/jp/access/
●主催=FM802/キョードー関西 
●企画制作=FM802/キョードー関西

チケットなどの公演詳細はこちら
FM802 35th ANNIVERSARY“Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024-レディクレ15th-

KAORI OARADISE2025 新春スペシャル ビルボードライブ3会場で開催!

■2025年1月11日(土)
ビルボードライブ横浜
<1st ステージ 開場15:00/開演16:00>
<2ndステージ 開場18:00/開演19:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ横浜:05-7005-6565

■2025年1月17日(金)
ビルボードライブ大阪
<1st ステージ 開場16:00/開演17:00>
<2ndステージ 開場19:00/開演20:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ大阪: 06-6342-7722

■2025年1月19日(日)
ビルボードライブ東京
<1st ステージ 開場15:00/開演16:00>
<2ndステージ 開場18:00/開演19:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ東京:03-3405-1133

「岸谷香感謝祭2025」2025.2.22-23開催!

2025 年2月22 日(土)23 日(日)
会場:EX THEATER ROPPONGI
22 日OPEN/16:45 START/17:30
23 日OPEN/15:45 START/16:30
チケット料金/全席指定9,900 円(ドリンク代別、税込)
<一般発売>
2024 年12 月14 日(土) 各プレイガイドにて

MARTIN CUSTOM 00 Style 18 KAORI KISHITANI

「KAORI PARADISE 2021 年末スペシャル」でお披露目された、「Transparent “KAORI” Red」の鮮やかなカラーも印象的なMartin Custom Shop製のカスタムモデルが遂に発売!!

MARTIN CUSTOM 00 Style 18 KAORI KISHITANI
https://www.kurosawagakki.com/martin/kaori_custom/


ESP E-II Horizon Infinite MOGAMI
山野楽器Ginza Guitar Garden Digimart LOVEBITES
Ryoga Snare Weight DRUMSHOW
Dean Martin Ukulele Cannonball
Hofner Orange Valve Tester MkII Heritage
Orange Glenn Hughes MONO