
2005年に結成し2010年にメジャーデビューしたバンドFLiPでの活動を経て、現在はLAZYgunsBRISKYでの活動に加え、元プリンセス プリンセスの岸谷香が新たに結成したガールズバンドUnlock the girlsでも活躍しているギタリストのYuko。3つのガールズロックバンドでの活動を中心に、ギターとの出会いからギターとともに歩み続けてきたキャリアを振り返ってもらった。
本当に軽い好奇心から始めた道
―ご自身のバンドをはじめ、数々のサポートでも活躍されているYukoさん。“かっこいいロックギタリスト”というイメージが私の中にはありますが、そもそもギターとの出会いは何歳頃だったんですか?
Yuko(以下Y):ギターとの出会いは高校に入ってからなんですよ。その前は特に家族に楽器を弾いてる人がいるわけではなかったんですけど、なんとなく音楽が好きで。それで高校生のときに軽音部があって、ちょっと入ってみようかなと本当に軽い好奇心から始めた道ですね。
―ご出身は沖縄なんですよね?沖縄って言うと割とみんな音楽をやってそうなイメージがあるんですが。
Y:そうですね。結構ある学校と無い学校があるんですけど、音楽の時間で三線習ったりとかもあるらしくて。うちの学校は無かったんですけど。
―習い事でピアノをやってたりとかそういうことも無かったんですか?
Y:無かったです。
―高校で1年のときに軽音部に入って。そこでは、はじめからギターだったんですか?
Y:はじめからギターです。ギターが一番分かりやすい楽器だったんですよ。始めた頃はバンドとかも詳しくなくて。ギターとベースの違いも最初は分かってなかったんだろうなぁとも思うし、ギターは一人でも弾いてて楽しいっていうか、コードを弾けるし曲になるじゃないですか?ベースはルート弾きとか、一人ではあまり成立しないっていうか、本当にざっくりした理由でギターを始めたんですよ。
―高校では周りにはもう既に楽器をやっていた方も多かったですか?ちょっと出遅れた感じを受けたりはしませんでしたか?
Y:いましたね周りに。出遅れた感じはあったんですけど、でもそんなにはいなかったんです。多分同じ学年に10何人かいたんですけど、楽器経験者って言うか、中学から始めてるって人は1人2人でした。
―軽音部に入って。軽音部って言うと楽器がいっぱい置いてあるんですか?
Y:置いてなかったです。そんないい軽音部じゃなかったです(笑)
―そうすると、使える楽器っていうのはあったんですか?先輩方はいるわけですよね?
Y:一番最初の始めますっていうぐらいのときは先輩の楽器を貸してくれて。それで練習して、正式に入部してから先輩の付き添いで買いに行きました。初心者セットってあるじゃないですか?ギターの本体も含めて1万、2万みたいな。ミニアンプも付いて。
―ギターとミニアンプとシールドとチューナーと…で、いくらだったんですか?
Y:スターターパックみたいな(笑)2~3万には収まってたんじゃないかな。2万かな。
―それは自分のお小遣いで?
Y:自分のお小遣いです。
―買ったお店は覚えてますか?
Y:高良楽器です(笑)。那覇市には高良楽器以外無かったと思います。
―その最初に買ったギターはどこのブランドだったんですか?
Y:Ibanezです。
―Ibanezでセットだったらいいですよね。軽音部でバンドを組んで、最初は課題曲とかやっていくんですかね?一番最初にやった曲って覚えていますか?
Y: MR.BIGの『To Be With You』が最初の、人生のファースト曲です。
―『To Be With You』はなんとなく頑張ればできたとしても、その他のMR.BIGの曲は難しいですよね?
Y:その他は無理です(笑)。ドリル無いと弾けませんもん(笑)
―『To Be With You』の後はどんな曲をやっていったんですか?
Y:『To Be With You』はギターをしたい子は全員とりあえず弾けるようになれっていう課題曲だったんですけど、その後は同学年でバンドを組んで、そのバンドの好きな曲をやっていきました。
―バンドはその時点ではもう組んでいたんですね。
Y:組んでましたね。それはFLiPとはまた違うバンドなんですけど。同じ高校の中で組んで。曲は何やってたかな?その時の先輩がちょっとメタル系って言うか…HIGH and MIGHTY COLORが同じ高校の先輩でOBだったんで、ちょっとそういうジャンルが流行ってたんですよ。だから、弾けはしなかったんですけど、メタリカ、スリップノットとか…あ、でも『Enter Sandman』はコピーしたかもしれないです。
―そういう感じで1年生が過ぎていって。2年生が過ぎて…
Y:高校でやってたバンドは3ピースだったんですけど、他の二人が大学受験で、そんなにもう活動できないと。だから高校二年の秋ですね。活動できないってなって。とりあえずまだ音楽は楽しいし続けたいなぁって思ってたら、うろ覚えなんですけど、たまたまFLiPのボーカルのサチコも別でやってたバンドが解散になったみたいで、「一緒にバンドやんない?」みたいな話になりました。サチコは中学校が一緒で、お互い音楽やってることを知ってて。タイミングよく、一緒にバンドをやることになりました。
―そのときはサチコさんが直球でそういう風に連絡してきたんですか?それともなんとなくそういう話がしたくて会ったり?
Y:久しぶりに会って。
―会ったきっかけはなんだったんですか?
Y:普通に連絡来てって感じですね。中学の部活も一緒だったんで、頻繁では無いけどたまにちょいちょい連絡は取っていて。途切れてはないっていうぐらいです。
―その連絡が来たときにサチコさん的には一緒にやりたいっていうのがはじめからあったんですかね?
Y:周りに音楽やってる女子がそんなにいなかったんじゃないかな。FLiPのベースとドラムはFLiP始めると同時に楽器始めたぐらいなんで。
―なるほど。サチコさんと会ってそういう話になって、Yukoさんはもうすぐやろうと思ったんですか?
Y:はい。私の所属してたバンドはもうストップしてたんで、「やるやるやる!」みたいな。
―そこからFLiPはどう動き始めていくんですか?
Y:ギターとボーカルは決まったね、と。で、ベースとドラムはサチコがツテって言うか思い当たる人がいるから声をかけてる、みたいな感じだったんです。
ベースのサヤカはそのときはまだ自分で音楽はやってないけどライブを見に行ってて。バンドシーンに理解があるから、「ベースやんない?」って声かけてみたらしく、サヤカも「いいよ!」って快諾してくれて。
ドラムのユウミはクラスとか一緒になったことはないけど通学のモノレールが一緒で、友達の友達ぐらいでちょいちょい喋る仲だったらしくて。そこで、小学生のときに学芸会でドラムを叩いたことがあるみたいな(笑)話があるって言って。だったらドラム触ったこと無いよりは、ゼロよりはドラム叩けるんじゃない?みたいな。
―じゃあFLiPはYukoさんと同じ高校はYukoさん一人だけなんですね。
Y:ひとりです。他の3人は一緒で。
―そこから高3に入って。普通は高3になると大学受験だったり、専門学校の進学にしても忙しくなると思うんですけど。どういう状況だったんですか?
Y:高3のうちにオーディションを受けて。バンドやってる先輩、かりゆし58の方に「こういうオーディションあるんだけど出てみない?」みたいな感じで言われてなんとなく出て。そしたら沖縄予選を勝ち抜いちゃって(笑)
―それは何月ぐらいだったんですか?
Y:何月ぐらいだったかなー…?11月、冬だったかな?
―ってことはサヤカさんとユウミさんは始めてからまだ1年くらいですよね。やった曲っていうのはオリジナル曲ですか?
Y:そうです。二人は楽器始めて1年くらいで。オリジナル曲が1曲だけあって、その1曲だけで応募したんですよ(笑)
―それはすごいですね。
Y:今思えば(笑)
―始めて1年でオーディションを勝ち抜けるようになるなんて相当練習されてたんですかね?当時は皆さん練習はどうしてたんですか?
Y:結構、高校生の頃は一日何時間楽器弾いたら、あるじゃないですか?「昨日何時間弾いたんだぜ」みたいな。だから、普通に7~8時間ぐらいは余裕で練習してましたね。使ってたスタジオがそういう風潮だったんですよ。バンドメンバーと、同世代の他の学校とかのバンドも来てたりして。先輩も普通に使ってるようなスタジオだったんで、先輩もいるから普通に聞いたら教えてくれるんですよ。で、待合室っていうかロビーっていうわけでもないんですけど、スタジオ借りなくてもそこにいていいよっていうスペースがあって。多分本当にそのスタジオがあったおかげで色々助けられてたんですけど。
―そのスタジオはまだあるんですか?
Y:まだありますよ。ハイブリッドっていうスタジオ。多分今も本当に、帰ったらとりあえず顔出しに行って、そのスペースで飲むみたいな(笑)
―それでサヤカさんもユウミさんも初めてだったのにそこまでできるようになるってすごいですね。
Y:うん。多分最初のオーディション通ったのが楽器はじめて1年とかですもんね。
―そのオーディションで11月ぐらいに沖縄代表になって。そこからはどうなっていったんですか?
Y:そこから、各地方から集まって東京で本選みたいなのがありました。でも、そのオーディションでは大賞みたいなのは特に取れなかったんです。で、また他のオーディションに出たんですよ。最初のはYAMAHAのティーンズ(ミュージック・フェスティバル)で、次がFMのオーディションで、それも勝ち抜いちゃって(笑)
―それも同じ1曲のオリジナル曲でですか?
Y:そのときはもうちょっとありましたね。言っても5曲とかだったとは思うんですけど、全部オリジナルで。そこのオーディションの本選で東京でやったときに、主催者のFMさんがいろんな事務所の人を呼んでて。そこでFLiPが所属してたユーズミュージックに声をかけてもらって、そこからですね。
―ということは受験勉強とかそういうのはもうしてなかったんですね?
Y:多分ティーンズで勝った時点で「いけんじゃね?」みたいな。一回ちょっと大学受験は置いておいてやってみるか、みたいな雰囲気になってたんだと思います。
―バンドなので、一人でもそこで違った方向に行くと難しいと思うんですけど、そういうのも無く?
Y:一応、専門行きたいとかいう話もあったんですけど。まぁでも、最終的には「やってみるか、とりあえず」みたいな。
―なるほど。そのタイミングでもう東京に出てきたんでしたっけ?
Y:最初の2~3年はまぁ行ったり来たりでした。
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