それこそが、我々の求める楽園の姿だ!!!!!

衝撃の幕開けから、1年強。East Of Edenが、結成1周年記念スペシャルライブ「East Of Eden Anniversary Live “1st.”」を、11月29日にLINE CUBE SHIBUYAで行った。会場には、ぎっしりの観客たちが詰めかけていた。その様が、今のEast Of Edenへの期待を示していた。

闇に包まれた場内へ流れだした荘厳な音色。場内中から上がる声と熱いクラップ。でも、真紅の幕の前から光が射し込むのをきっかけに、誰もが、これから幕開ける物語の始まりを食い入るように見つめだした。心を揺さぶる衝撃が、今、目の前で起きようとしている。その期待に、誰もが嬉しい緊張を覚えていた。 やがて、幕が左右にゆっくりと開きだした。そこに居たのは…。

Ayasa(Violin)

Ayasaの荘厳かつ勇壮な、でも、凛々しさを持ったヴァイオリンの音色が響き渡る。とても厳かな音色だ。まるで創世の時を告げるよう。そこへ荒々しくも壮大な音が轟きだす。激しくも重厚な演奏が吠えるのと同時に、場内中から野太い声が上がり、拳が突き上がる。楽曲は次第に激しい曲の輪郭を露にしだした。

East Of Edenのライブの冒頭を飾ったのは、彼女たちのライブを語るうえで欠かせない始まりの歌『Evolve [Extended Version]』。身体を貫く攻撃的かつ勇壮な演奏の上で、湊あかねが新しい世界の始まりを告げるように雄々しく歌いだす。強い意志を持ってシャウトする歌声が、胸を貫く。その衝撃に魂が熱く奮える。白い衣裳に身を包んだ彼女たちは、不動の姿勢で次々と音を繰り出す。途中、AyasaとYukiがお立ち台の上に立って演奏で煽れば、わかざえもんと湊あかねも舞台後方のステージに凛とした姿で立ち、観客たちのハートに熱い魂をダイレクトに突きつける。だから、興奮を抑えきれない観客たちが激しく手を打ち鳴らしていた。そうしなきゃ高ぶる気持ちを止められない。いや、この音に乗せて、ただ感情が奮えるままに突き進みたい。それが、この場にある確かな真実と答えだ。

楽園へようこそ!!」の声を合図に、彼女たちは美しき獣となり、さらに荒ぶる音の牙を剥きだして襲いかかる。『Eden』、彼女たちが作りあげた楽園は、触れた人たちも雄々しき野獣に変えてゆく。理性という服をすべて脱ぎ捨て、本能という裸の姿に戻していく。現実?そんなものとっくに消えてしまったよ。今は、この場に生まれた熱く魂を燃え滾らせる楽園の中、5人と共に心の底から沸き立つ思いを叫び続けたい。この空間を突き抜ける勢いで拳を突き上げていたい。それこそが、我々の求める楽園の姿だ!!!!!

MCになった途端、いきなり甘い声になる湊あかね、そのギャップも嬉しい。「今回、幕の後ろでずっとあなた方のことを待ってた」と語ったのは、リーダーのAyasa。最初のMCから、メンバー全員が1周年の思いや、この日の意気込みを嬉々として語っていたのも印象的だった。

湊あかねの雄々しき歌声をリードに、ふたたび楽曲が、この空間に荘厳かつ目まぐるしく変幻していく世界を描きだす。まるで人類が創世していくような激しく展開してゆくスケール大きな『Judgement Syndrome』を通して、East Of Edenは、自分たちの作りあげる物語の中へ観客たちを飲み込んでゆく。場内中の人たちも拳を高く突き上げ、5人の描きだすプログレシッブで幻想的かつ、雄々しく激しく轟く世界へ身を預け、歌と音の作り出す大きなうねりの中へ、激しく身体を揺さぶりながらも心地よく身を投じていた。

わかざえもん(Bass)

煌めいたエレクトロな音の嵐が巻き起こる。ステージの中央に立っていたのは、スラップベースを打ち鳴らすわかざえもんだ。『New Day』でも5人は、同期を用いた激しく狂うエレクトロな音の上で、心を揺らすドラマチックな世界を描きだす。感情のエンジンを全開でせまる彼女たちへ向け、場内中から終始力強く手を叩く音が飛び交っていた。この曲中に見せたレーザーの演出も、楽曲の持つ近未来感を彩る嬉しい要素になっていた。ポイントごとに、唸るベース音で観客たちの気持ちを煽ったわかざえもんの姿も印象的だった。

MIZUKIのドラムカウントを合図に始まったのが、『螺旋回廊』。この空間を一気に飲み込んでゆく黒くスケール大きな、まるでブラックホールのような楽曲だ。闇の底で吠えるような、野太く雄々しい湊あかねの声も印象的。彼女たちは雄大な景観を描きながらも、これまで以上に黒い衝撃を持って、観客たちを奈落へ落としてゆく。この曲で見せたAyasaとYukiの演奏の掛け合いは、まるで暗黒の城門を前にして繰り広げられる勇猛な戦いのよう。魔性のような湊あかねの深い声の魅力に気持ちがどんどん吸い寄せられる。もっともっと恍惚を感じながら、このまま落ちていきたい。

ここでのMCでは、この日より新衣裳姿になったことをアピールしていた。

Yuki(Guitar)

Ayasaの胸を揺さぶる印象深くメロディアスな旋律と、Yukiの荒々しく歪みを上げた旋律か絡みだす。そこへさらに、触れた人たちの身体を高く高く飛ばす演奏が絡みだした。East Of Edenは『無重力飛行』を歌い奏でながら、この場にいる人たちから重力を奪い、気持ちを天へ天へと跳び跳ねさせる。とてもメロディアスでエモーショナルな楽曲だ。気持ちを揺さぶる激しさを持ちながらも、その演奏は観客たちの心を弾ませ、身体を跳ねさせていた。間奏では、AyasaとYukiが激しく音を連ねあう場面も登場。心地よい浮遊感を持ちながらも、East Of Edenらしい激烈な表情もしっかり差し色として加えてゆく。だから、身体中が熱く奮え、笑顔で拳を突き上げたくなる。さぁ、もっともっと激しくも華やかな世界へと連れ出してくれ。

ダークでジャジーな演奏とエレガントな音色が絡みだす。シャキシャキっと跳ねた、Yukiの切れ味鋭い演奏も印象的だ。MIZUKIの叩きだす跳ねた変拍子に乗せて届けたのが『残された果実』。真正面からダイナミックに攻める姿も胸を熱くするが、メンバーそれぞれが技巧派な面を示しながら、大人の女性だからこその妖しくも妖艶な様を見せてきた。湊あかねもこの曲ではスタンドマイクを用いて、演奏と感情をシンクロしながら艶やかに歌いあげていた。

冒頭からAyasaとYukiの伸びやかな音色が重なり、胸を悲哀な色に染め上げる。5人は、深い深い感情の奥底で生まれた物語の中へ観客たちを誘うように、スケール大きなドラマを描きだすバラードの『echo echo』を届けてきた。2階ステージで、言葉のひと言ひと言に生きた感情を、いや魂を込めながら湊あかねが歌いあげる。その歌声へ、4人の演奏陣が、地を這うような重厚な音を折り重ね、物語へ胸を揺さぶる色を与えていた。遠くを見つめながら、ときに身体を激しく折り曲げ、思いを込めた魂の声で歌う湊あかね。その姿を、誰もが食い入るように見つめていた。無数のスモークが舞台を覆い尽くす幻想的な世界へ、心がずっと引き寄せられていた。

MIZUKI(Drums)

MIZUKIのドラムがいきなり吠えだした。そのリズムにわかざえもんが絡みだせば、Yukiが、Ayasaが音を重ねだす。その様に興奮を覚えた観客たちも、熱く手を叩きながら声を張り上げる。やがて楽曲は、美しく華やかに駆けだした。Ayasaの奏でるヴァイオリンの音色が胸をときめかせるほどに美しい。その音色に毒々しい音を重ねてゆくところが、East Of Edenらしい。インストナンバー『YELLOW CARD』を通して、4人の個性を存分に味わえたのが嬉しい。後半には、観客たちをソロやセッションしたグルーヴの中へ巻き込み、この場に熱情した景色を作りあげる。縦横無尽に揺れ動くレーザーや照明も、感情を揺さぶる最強の視覚的な演出を見せていた。

2階ステージの上で、アカペラで高らかに歌いだす湊あかね。その声を合図に飛びだしたのが、勇壮かつシンフォニックなドラマを描きだす『This Moment』だ。曲が進むごとに気持ちが熱く高ぶりだす。興奮と高揚を引き連れながら、彼女たちは満員の観客たちを熱狂と恍惚が広がる世界へ導きだす。だから場内中の人たちが、野太い声を張り上げ、拳を突き上げて、East Of Edenが作り上げた美しくも興奮を導きだす世界の中へ激しく身を投じていた。間奏で、YukiとAyasaが舞台中央で寄り添うように演奏していた姿も印象深く見えた場面。美しく、雄々しく、気高い、まさに高貴かつ激しくシンフォニックな世界が、そこには映し出されていた。

湊あかね(Vocal)

台の上に右足を乗せ、背中を反らしぎみに語る湊あかねの姿も印象的だ。次に届けたのが、この日のために用意した、湊あかねが、強気な女性の姿を歌詞に綴った、新曲の『Breaker』。歌詞も強ければ、これまでの East Of Edenの中でもひと際過激で、テンポも速く、音圧も太い、とても攻撃的な楽曲だ。常識やルールなどすべて破壊しながら突き進み続ける彼女たちに相応しい楽曲だと言えるだろう。身体を折り曲げ、今にも客席へ飛び下りんばかりの姿で歌う湊あかねの姿も、挑発的で眩しい。演奏陣は終始音の粒たちをマシンガンのように次々と撃ち、観客たちの感情を煽り続けていた。East Of Edenのライブの中へバトルという様相を作りあげるに相応しい攻撃的な楽曲が、ここに誕生した。

その勢いへ熱狂を重ねるように、湊あかねと観客たちによる「Go ahead! Go ahead! Oneway!」と雄々しい声のやりとり。East Of Edenは誇り高き魂を雄々しく奮い立て『花美』を熱唱し、激奏。腹の奥底から感情が熱く奮い立つ。だからこそ、誰もが「パッと咲いてパッと散っていけ」の歌詞のように、後悔のないように全力で沸いていた。途中、湊あかねと観客たちによる「Go ahead! Go ahead! Oneway!」のやりとりもふたたび登場。左右の台の上でソロを交わすAyasaとYuki。身体を激しく折り曲げ、熱情した雄々しき声を張り上げて「パッと咲いてパッと散っていけ」と歌いあげる湊あかね。その熱をひしひしと感じるからこそ、気持ちが破裂しそうだ。

そこへ畳みかけるように、彼女たちは『鈍色のラビリンス』をぶち込んだ。この曲では、激しく音を撒き散らすAyasaの演奏を堪能。湊あかねは終始、身体を前のめりに観客たちを煽り続ける。超攻撃的なAyasaの演奏や、力強い様で攻める湊あかねの姿に刺激を受けた満員の観客たちが、高く高く拳を突き上げる。熱狂を導くコンダクターになった湊あかねへ導かれるまま、頭を空っぽに激しく狂い続けていたい。

East Of Edenの剥きだした攻撃的な牙は、さらに熱狂と激しさを貪り喰らおうと、『Chasing The Moon』を通して襲いかかってきた。終盤のブロックは特に、曲を重ねるごとにその身へ無数の傷を作りながら、共に魂と魂をぶつけ合い、燃え盛る熱狂の炎を作りあげる場面を多く重ねてきた。一緒に紅蓮の炎となり、ここから、世の中をEast Of Edenの音楽で燃え盛らせる。そんな強烈に発火する熱を、共に、この場へ作りあげていた。

アンコール前にAyasaは、「長い展望を持って、次の話ができるのが素敵だし、みなさんと次に会う約束をしながら進んでいけるのも嬉しいし、次に向って頑張れると思った1年でした。この1年で作ったものに深みを増しながら頑張っていきます」と、1年間歩み続けたことへ感謝の思いを述べていた。

アンコールで演奏をしたのが、『CROSS∞ROADS』。重厚でエレクトロ、かつ激しくもシンフォニックな音が雪崩の如く襲いかかる。メンバーたちは、緩急の効いたドラマチックな楽曲を描きながらも、常に攻めた姿で観客たちと向き合っていた。中でも湊あかねは、台に右足を乗せ、身体を前屈した姿のまま、思いを込めた荒ぶる声の弾を、一人一人の心へ撃ち続けていた。その声をしっかりと受け止めたくて、場内中の人たちが、高く伸ばした手を、5人に差し伸べていた。

次に彼女たちに会えるのは、春先頃になるだろうか。今は、その出会いを心待ちにしていたい。

TEXT:長澤智典
PHOTO:酒井ダイスケ

《SET LIST》
  1. 1.Evolve [Extended Version]
  2. 2.Eden
  3. 3.Judgement Syndrome
  4. 4.New Day
  5. 5.螺旋回廊
  6. 6.無重力飛行
  7. 7.残された果実
  8. 8.echo echo
  9. 9.YELLOW CARD
  10. 10.This Moment
  11. 11.Breaker(新曲)
  12. 12.花美
  13. 13.鈍色のラビリンス
  14. 14.Chasing The Moon
  15.  
  16. 〈ENCORE〉
  17. EN.CROSS∞ROADS
East Of Eden

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Judgement Syndrome / Chasing The Moon / Eden / 鈍色のラビリンス / CROSS∞ROADS

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