0th LIVE「Primo die in scaena」では漆黒のローブに身を包み、センセーショナルな初ステージを披露したAve Mujica。
この時キャスト名は明かされず、SNS上に謎めいたメッセージを含ませるなど、様々な面において謎に包まれていた。これまでバンドリ!に登場してきたどのバンドとも違った異質な雰囲気は、ファンの心に強く焼き付いた。
さらに同年6~9月に放送されたTVアニメ「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」で、その素性が徐々に明らかになる。バンド活動における“光”と“影”があるとすれば、Ave Mujicaのストーリーは暗い“影”の面が強調されている。
Ave Mujicaとの関係性が明示されたバンドMyGO!!!!!も、ドロドロした人間関係や葛藤の描写がかなり印象的だったが、それに輪をかけて、更にただならぬ展開に驚愕したファンも少なくないだろう。
そして、いよいよこの日ひらかれる1st LIVE「Perdere Omnia」。
ライブタイトルを直訳すると“すべてを破壊する”という意味になる…果たしてどんなステージが展開されていくのか。
開演時間を迎えると、イングランド民謡(Greensleeves)の独唱が美しく響き渡る…TVアニメ「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」第13話中の芝居シーンがライブへの導入として映し出される。
「…ようこそ。Ave Mujicaの世界へ」
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やがて仮面をまとったAve Mujicaの5人が登場。開幕を飾る『Ave Mujica』が披露される。王道なハードロックビートからワルツ調の拍子へと急変化をするなどテクニカルかつミステリアスなナンバーだ。バンド名を冠したこの表題曲が、まさにバンドの個性を物語っている。
ステージ上には絢爛なシャンデリア、ろうそくの燭台…ミステリー作品に登場する古びた洋館のような雰囲気だ。
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SCHECTER製の7弦ギターAR-07を基にしたプロトモデルを使用。ブラックを基調にゴールドメッキのハードウェアがあしらわれた高級感のあるシックなルックスがステージにマッチしている。メイプル指板とリアピックアップがハムバッカーになっているのがサウンド面での特徴だ。Soldano製SLO-100との組み合わせで、パンチの効いたタイトでジューシーなハイゲイン・サウンドを奏でている。ボーカルギターでありながら、タッピング奏法やテクニカルなリードプレイを随所で披露する。また、非常に卓越した歌唱力で妖艶な歌声を自在に操り、楽曲の世界観をより深く、広く歌い上げ、観客をAve Mujicaのマスカレードへといざなってみせた。
禍々しさすら感じさせるピアノの短調フレーズから、2本の7弦ギターのヘヴィなリフが折り重なり『ふたつの月 ~Deep Into The Forest~』へと展開する。演奏中に互いに手を差し伸べ合うGt.&Vo.ドロリス(CAST:佐々木李子)とKey.オブリビオニス(CAST:高尾奏音)の姿が印象的に照らし出されていた。リードシンセのサウンドがアクセントになっており、ドラムのツーバスを多用したビートやリードギターのタッピングなど、重厚かつシンフォニックなメタルのエッセンスを感じられるナンバーだ。
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Ave Mujicaのバンドサウンドを牽引するピアノサウンドを奏でるのは、Rolandのフラッグシップ・モデルのサウンドと機能を継承した最新モデルFANTOM-08だ。オルガン/リードシンセの音色で使用するRoland V-Combo VR-730にはアンティークのオルガンのようなセットがあしらわれている。2台のキーボードが彼女を中心に向い合せになるようにセットされている。この2台を同時にノールックで演奏したり、キーボードの背面側から演奏したりと、上品な立ち姿からは想像できないような圧巻の演奏を見せる。それもそのはず、国際的なピアノジュニアコンクールで最高位を受賞しており、卓越した演奏技術は折り紙つきだ。また演奏中の手振りが妖艶かつミステリアスで、バンドの世界観を一層深いものにしている。
さらにノンストップで披露されたカバー曲『KINGS』で、疾走感のあるメロディアスなバンドサウンドと、伸びやかで高らかな歌声で観客を魅了する。ピックでの演奏が主なスタイルのBa.ティモリス(CAST:岡田夢以)が、この曲では軽快なスラップ奏法を見せてくれる。
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スラリとした精悍な佇まいとは裏腹なホットでファンキーなビートから、テクニカルでメロディアスなベースラインまで非常に幅広いプレイでバンドサウンドを支える。使用ベースはSCHECTER製EXBシリーズを基にした専用プロトモデルだ。JBスタイルのボディにテレキャスベースタイプのピックガードが備えられ、シンプルながら個性的なルックスに仕上がっている。ソープバータイプのピックアップとプリアンプ回路はSeymour Duncan製を搭載している。コントロール部のミニスイッチはアクティブ・パッシブの切替と、スラップスイッチ(スラップ奏法に最適なサウンドに切り替えるスイッチ)を備えている。アンプ(ヘッド)はEBS製Reidmar 752。
楽曲の合間に展開される芝居が、Ave Mujicaが醸し出すミステリアスな雰囲気を一層深いものにしている。5人は捨てられた人形たちという設定でストーリーが展開していく。
セリフはすべて会場のスピーカーから流れ、舞台上のメンバーはそれに合わせて芝居をする。その際、口を一切動かさず、身振りと仮面越しの表情だけで表現しているのが印象的だ。人形劇のような無機質さが出ており、ミステリアスな世界観が展開されているのだ。
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ここで『素晴らしき世界 でも どこにもない場所』がライブ初披露される。青白い灯りの中で「破壊」がテーマになった重厚かつメロディアスなミディアムナンバーが展開するエモーショナルでスリリングなステージだ。ノンストップでカバー曲『暗黒天国』が続く。跳ねるようなビートから急激にビートが変わるトリッキーなナンバーでさらに観客の心を揺さぶる。
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さらに続けて、今度は幻想的なコーラスが会場に響き『Choir ‘S’ Choir』が披露される。
Aメロのファンキーなメロディ、ラップパートからビート、大サビ直前で難度の高い変拍子が盛り込まれ、曲調も目まぐるしく変化する。聴く者の心に深く引っかかるAve Mujica独特のナンバーのひとつだ。テクニカルな楽曲を抜群の安定感で支えるDr. アモーリス(CAST:米澤茜)のプレイも見どころだ。
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艶消しパープルバーストのシックで引き締まったルックスが凛々しいツーバス仕様のDW製ドラムキットを使用。また、高い位置まで3次元的に配置されたPaiSTe製シンバルも相まって、演奏する姿が非常にダイナミックだ。一般的なドラムの演奏スタイルとは異なるオープン・ハンド(両手を交差させずに左手リードで演奏するスタイル)を主としている。抜群の安定感を誇るリズムキープからもその実力は明らかだ。キュートなキャラクターとは対照的な迫力とテクニックの持ち主だ。
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ティモリス「requiescat in pace…」
芝居パートを経て披露された『Mas?uerade Rhapsody Re?uest』。
間奏中に発狂したかのような壮絶な悲鳴をあげるドロリス…そして5人が何かに取りつかれたように一心不乱にヘッドバンギング…さらにオブリビオニスはキーボードの背面に回り込んで反対側から演奏するなど、観客の心をざわつかせるほどスリリングなステージは圧巻だ。
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ノンストップで『堕天』へと展開。疾走感あふれるアップテンポなビートに乗せて会場のテンションも一層熱く加速していく。さらに緩急をつけるようにパワフルかつエモーショナルなナンバー『神さま、バカ』を続けて披露し、観客の感情を揺さぶっていく。力強いボーカルとバンドサウンドの陰にうっすらとオブリビオニスの「神さま、バカ」という囁き声のようなコーラスが混ざっている…彼女の心情を吐露したナンバーであることが感じられる。
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月の光によって仮初めの命を得た人形たち、 月が沈めばその命も終わるはずだった。
だが、悲しい過去を世界ごと破壊し、何もかも吹っ切れた今こそ新しい世界と時代の始まりの時…『黒のバースデイ』はまさに、古い自分との決別、新しい世界への力強い一歩を感じさせるナンバーだ。決意の力強さの中に、どこか儚さを含んでおり、これもオブリビオニスの心情が描写されているようだ。この心情描写が重要な鍵であるように感じる。
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いよいよ最後のナンバー『Angles』はライブ初披露の新曲だ。Ave Mujicaの楽曲の中では最も“バラード”に近いナンバーだ。ヘヴィでダークな世界観やバンドサウンドだけではない、彼女たちのポテンシャルの高さを雄弁に物語っている。
淡いスポットライトに照らされ、しっとりとしたピアノ伴奏に乗せた美しいボーカルで高らかに歌い上げる。やがてギター、ベース、ドラムの演奏が加わると同時に、終幕を告げるように深々とお辞儀をするオブリビオニス。
最後はGt.モーティス(CAST:渡瀬結月)によるクリーン・アルペジオとドロリスのディストーション・サウンド、2本のギターのハーモニーでしっとりと演奏を終え、幕が下ろされた。
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物静かな印象とは裏腹に、分厚くヘヴィなギタートーンでAve Mujicaのバンドサウンドを重厚に仕上げている。曲によっては透き通るようなクリーントーンも奏でている。こちらの7弦ギターもSCHECTER製EXCEEDシリーズを基にしたAve Mujica専用プロトモデルを使用する。ストラトタイプのボディにテレキャスタータイプに似たピックガードが装着されており、個性的なルックスになっている。不要な共振を押さえるアイテムがナット付近に取り付けられている。DIEZEL製の次世代アンプVHXは、7弦の重低音から高音まで余すことなく、エッジの効いた迫力のハイゲイン・サウンドを繰り出す。
MCやアンコールもなく、ライブの終幕は実に潔い。
このライブ、客席からただ眺めているだけではなく、世界の破壊と創造を共に体験したかのような独特な没入感だ。Ave Mujicaが描く世界観が今後どのように展開していくのか、今後の2nd LIVEや新曲、さらに2025年に放送予定のTVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」から目が離せなくなってしまった。同様に心を掴まれた観客は少なくないだろう。今後も要チェックだ。
取材・文:佐々木雅晃
Photo:ハタサトシ
©BanG Dream! Project
《SET LIST》
- 1. Ave Mujica
- 2. ふたつの月 ~Deep Into The Forest~
- 3. KINGS
- 4. 素晴らしき世界 でも どこにもない場所
- 5. 暗黒天国
- 6. Choir ‘S’ Choir
- 7. Mas?uerade Rhapsody Re?uest
- 8. 堕天
- 9. 神さま、バカ
- 10. 黒のバースデイ
- 11. Angles
Ave Mujica
Ave Mujica 1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」2024.4.24 Release!!
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Ave Mujica 1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」
発売日:2024年4月24日(水)
価格 :Blu-ray付生産限定盤:7,700円(税込)
通常盤:1,540円(税込)
詳しくはこちら:
https://bang-dream.com/discographies/3669
Ave Mujica 2nd LIVEが神奈川・愛知で開催決定!
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公演名 :Ave Mujica 2nd LIVE
日程・会場:神奈川公演 2024年6月8日(土) 神奈川県民ホール 大ホール
愛知公演 2024年7月7日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
チケット :Ave Mujica 1st Single「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」初回生産分に封入の申込券で最速先行抽選申込へご応募いただけます。
詳しくはこちら:
https://bang-dream.com/events/avemujica_2nd
Ave Mujica 新曲の5ヶ月連続リリースが決定!
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Ave MujicaによるDigital Singleを5ヶ月連続でリリースいたします。
詳細は後日公開予定です。
Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」ANIMAXでの独占放送が決定!
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1st LIVE「Perdere Omnia」のANIMAXでの独占放送と、アニマックスオンデマンドでの期間限定独占配信が決定しました。
1st LIVE「Perdere Omnia」の模様に加えて、2023年9月17日(日)に有明アリーナで開催されたRoselia「Farbe」DAY2でのAve Mujicaによるオープニングアクトの模様も同時放送いたします。
放送・配信予定日時は下記の通りです。
<放送日時>
2024年3月31日(日) 23:00~
<配信日時>
2024年3月31日(日) 24:00~