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バイオリニストのAyasaが率いる新たなロックバンド、East Of Edenが10月8日(日)にZepp DiverCity (TOKYO)でデビューライブを開催した。
East Of Edenは今年8月に始動を電撃発表。リーダーのAyasaが“世界進出を目指す”という強い意志を持ち、ボーカルに昨年までアイドルグループのprediaに在籍していた湊あかね、ギターにインストゥルメンタルバンドのD_Driveで活動するYuki、ベースにマキシマム ザ ホルモン2号店ことコロナナモレモモのメンバーであるわかざえもん、ドラムにさまざまなアーティストのサポートで腕を振るうLonesome_BlueのMIZUKIを迎えて結成された。初ライブがいきなりZepp DiverCity (TOKYO)で、チケットが瞬く間にソールドアウトを記録した点からも注目度の高さが窺え、開演前の場内はそこはかとなくワクワク感が漂う独特の雰囲気に満ちている。
そんな手練れの女性ミュージシャンが集まったスーパーバンド、East Of Edenが荘厳なSEと大歓声の中、いよいよ初めてステージに姿を現す。五角形の布陣を組んだメンバー。鮮やかなブルーのレーザーとともに解き放たれたのは、結成アナウンス時に配信となった1stシングル『Evolve[Extended Version]』だ。
イントロから麗しい旋律で満員のオーディエンスを歓喜させるAyasa(Vn)、“声のままに 突き進め 未来へ”“腐りきった「ルール」や「当たり前」 全部 撃ち砕け今”と勇敢なメッセージを堂々たる歌唱で轟かす湊あかね(Vo)、Ayasaとの掛け合いで魅せる速弾きソロなどアグレッシブなフレーズで攻めるYuki(Gt)、時折スラップを交えながら5弦でタフな低音を繰り出すわかざえもん(Ba)、ツーバスのパワフルなビートによってバンドを見事に支えるMIZUKI(Dr)と、早くもそれぞれのカラーが顕在化する、音源以上の迫力がある演奏に思わず息を呑む。
現時点において聴けるEast Of Edenの音源はこの『Evolve[Extended Version]』のみで、以降は未発表の新曲がふんだんに届けられていく超ディープゾーンへと突入。よりキャッチーなメロディが映える『Deep Dive』を受けて、彼女たちのサウンドはゴリゴリにハードな路線ばかりではないことが判明したり、AyasaのバイオリンとYukiのギターを立たせたツインリード的なアンサンブルの華々しさが実感できたりと、オーディエンスも初めての曲を大いに楽しんでいるのが見て取れた。
Ayasaが「楽園へようこそ!」と呼びかけたあとの『無重力飛行』では、バイオリンの響きを中心に爽やかなムードが広がり、『鈍色のラビリンス』になると一転、ヘドバン必至の快速BPMでタイトに駆け抜ける5人。各プレーヤーのテクニックを活かしつつ、ヘヴィにもポップにも、ダークにもブライトにも振れる、バリエーション豊かで見栄えのするパフォーマンスが刺激的でたまらない。
「ありがとうー! East Of Edenです。けっこう知ってる曲だったでしょ? 約束したもんね、知ったかぶりするって(笑)。みなさんが聴いたことがあるのは1曲目だけなんですけど、知ってるふうに振る舞ってください!」と湊が話し出せば、「すごく知ったかふうにできてましたよ。10回目くらいのライブかと思った!」とAyasaも続くなど、最初のMCはメンバー紹介がてら一言ずつ挨拶。
「初日でこんなにたくさんの方がいらっしゃるなんて……本当にびっくりです!」(Yuki)
「ヤバいよね、4曲目にして汗だくよ(笑)。まだまだやりますから、最後まで楽しんでいってください~!」(MIZUKI)
「なんか本番前にめっちゃ蚊に食われたんですけど、みなさんは大丈夫ですか?無事でしょうか(笑)。よろしくお願いします」(わかざえもん)
「すごーい!感動しちゃったよ、わたしゃ。1曲目であんなに声を出していただけるとは思わなかったんで。どれだけ聴いてきてくれたんだろうと」(Ayasa)
「歌いに来たぞ、Zeppー!」(湊あかね)
5人のキャラクターも垣間見られ、初めてだらけの楽しい雰囲気のまま、レフティベーシストのわかざえもんのワイルドな弾きっぷりをフィーチャーした『New Day』、シーケンスもうまく使って退廃的な世界観を作り上げた『螺旋回廊』と、ライブはなおもテンポよく進む。
中盤のミディアムナンバー『残された果実』『echo echo』で光ったのは、徐々にソウルフルな味わいが増していった湊の圧倒的なボーカル。その素晴らしい歌唱力、バンドサウンドに埋もれない抜群の声量、聴き手をグッと惹きつける強さが、East Of Edenの音楽にさらなる深みと奥行きを感じさせてくれた。
そして、湊がいったんステージを降り、楽器隊オンリーで5分半に及ぶバチバチのインスト曲『YELLOW CARD』を聴かせる場面も。作曲者のMIZUKIが激烈ヘヴィなドラムソロを挟むなど、今度は演奏力の凄まじさをダメ押しでこれでもかと印象づけ、“既存のジャンル・イメージ・属性を飛び越えた音楽を体現する、世界基準のロックバンド”という謳い文句に偽りがないことが、初ライブを通して非常にわかりやすく証明されていたように思う。
「“こんなに(新曲を)続けていいもんかね”と思いながらやってるんですけど、みんな初めて聴いたんだよね?」と話す湊をはじめ、メンバーは想像以上の大盛況ぶりに改めて驚きの表情を見せる。クライマックスの『花美』(読み:はなび)と『Chasing The Moon』では、コール&レスポンスやハンドクラップまで巻き起こし、熱狂のうちに本編が終了。
大きな“EOE”コールに応えて再登場したバンドは、ひときわポップな曲調の『This Moment』を披露。幻想的に輝くミラーボールのもと、さらに夢心地な空間を生み出してみせる。
「片手間でできるようなグループじゃないんですよ」「本当にそう!」とEast Of Edenが稀有なバンドである事実をお互いに噛み締め、オーディエンスの温かい反応に感謝を伝えた5人は、この日演奏した『Evolve』『This Moment』『螺旋回廊』『無重力飛行』『花美』を収めた1stミニアルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』を12月20日にリリースし、めでたくメジャーデビューすることを大発表。ファンクラブ「楽園」の告知と合わせて、来春に次のライブが控えていることも明かされ、今後の展開がいっそう楽しみに。
「ドラムを叩きながら動いたり回ったりしてみたいとか、もうちょっと真面目なやつも含め、個人的な目標がいくつかあるんですけど、このバンドだったらいっぱい叶えられそうだなと、今日ライブをしていて思いました」(MIZUKI)
「ロックバンドへの憧れがずっとあったので、“このメンバーで音楽してます!”って言える、一種の帰る場所を一緒に作れたのがすごく嬉しいし、本当に声かけてくれてありがとうございますっていう感じです」(わかざえもん)
「だいたいのメンバーがはじめましてにもかかわらず、最初からめっちゃ打ち解けられて、刺激がもらえる、居心地のいいバンドです。Zeppに立つことも私の目標のひとつだったので、一緒に叶えてくれてありがとうございます!」(Yuki)
「“もうグループはたぶんやらないかな……”と思っていたんですけど、こういうお誘いをいただいてね。こんなに素敵なメンバーが集まったんだから、“これはやらないわけにはいかないな!”となりました」(湊あかね)
「ロックと出会ったのは、Sword of the Far Eastというバンドでした。当時の自分はライブをやったことが全然なかったし、まさしく剣を振り回すようにバイオリンを弾いていて、ステージが戦いの場所でしかなかったんですよ。でも、いろいろな活動をさせていただくうちに、人生でいちばん大事な場所になってきた。これまではひとりで戦う場所だったステージが、こんなに素晴らしいみなさんと音を奏でられるのなら、ここからはきっと楽園になるだろうなって(涙)。簡単に作れたバンドじゃなくて、構想は2年以上。途中で“もう無理かもしれない……”と挫けそうなときもあったけど、今じゃなかったらこのメンバーは集まらなかったと思います」(Ayasa)
East Of Edenへの想いを全員が熱く語り、最後はデビュー曲『Evolve [Extended Version]』を再びプレイ。特大のシンガロングで沸き、フロアに金&銀テープが発射される中、記念すべき1stライブは美しく締め括られた。
終わってみれば、カバーなし、極上の未発表オリジナル曲を浴びせまくるという規格外のパフォーマンスで、約2時間の初ライブをやりきってしまったEast Of Eden。メンバーにとっても、オーディエンスにとっても、事前の期待を遥かに超える、忘れられない経験となったに違いない。まだ動き始めたばかりのバンドなので、楽園の名にふさわしいエレガントなサウンドを今のうちにチェックしておこう。
取材・文:田山雄士
《SET LIST》
- 1.Evolve [Extended Version]
- 2.Deep Dive
- 3.無重力飛行
- 4.鈍色のラビリンス
- 5.New Day
- 6.螺旋回廊
- 7.残された果実
- 8.echo echo
- 9.YELLOW CARD
- 10.花美
- 11.Chasing The Moon
- -ENCORE-
- EN1.This Moment
- EN2.Evolve [Extended Version]
Ayasa(Violin / Producer / Leader)使用楽器・機材紹介
East Of Eden
2ndミニアルバム『Forbidden Fruit -2nd piece-』7/24(水)リリース決定!
【2ndミニアルバムリリース情報】
[タイトル] Forbidden Fruit -2nd piece-
[発売日] 2024年7月24日(水)、CD&配信同時リリース
[収録曲] ※全5曲入り、曲順未定3タイプ共通
Judgement Syndrome / Chasing The Moon / 鈍色のラビリンス / Eden / 新曲(タイトル未定)
【初回限定盤A】CD+Blu-Ray
価格:¥5,500(tax included) 品番:VIZL-2327
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