2020.10.10 ARGONAVIS AAside ライブ・ロワイヤル・フェス2020 ライブレポート(前編)

各バンド用の楽器やアンプがずらりと並ぶステージ上。開演時間を迎えると、今回出演するキャラクターが次々とに画面に映し出され、客席のボルテージが上がる。今回の「ライブ・ロワイヤル・フェス2020」では、各バンドがステージに登場する際に、アタック映像でメンバーが紹介される。まさに音楽フェスの雰囲気そのものだ。

Argonavis

スタートを飾る一番手は“Argonavis”だ。白基調の衣装に身を包んだメンバーが登場すると、会場はイメージカラーの青いペンライトの光が一面に広がった。

1曲目は『ゴールライン』。歌い出しから伊藤昌弘(七星 蓮役)は積極的に客席に向かって乗り出してくる。爽やかで伸びやかなハイトーンが真っ直ぐに突き抜けていく。夜空にキラキラと星が輝いているかのようなサウンドをピアノプレイで聴かせてくれる森嶋秀太(桔梗凛生役)、2コーラス目でみせてくれるソロ歌唱パートも印象的だ。徹底した感染症対策が行われているこの会場では観客が一緒に歌うことはできないのだが、後のMCで“客席からみんなの声が聞こえた気がした”とメンバーが語ったのが実に印象的だった。

太く甘いクランチサウンドで『AGAIN』が始まる。日向大輔(五稜結人役)が持つギターは、アクアブルーカラーのキルテッド・メイプルの見事な杢目が照明の光でキラキラと輝き、大海原のような美しさだ。前田誠二(的場航海役)のSGベースとギターの音が織りなすリフは、太いサウンドの中にもどこか爽やかさを感じる。

星空のような照明の中、ディレイのかかったギターの印象的なフレーズから始まり、全体的にキラキラとした音が印象的な『Starry Line』。ストリングスサウンドとバンドサウンドが織りなす明るいメロディはまるで透き通るような広い星空の下にいるようだ。演奏中に伊藤昌弘が何度もメンバーの方を振り返っている光景には、絆を確かめ合っているようにも感じられた。

続いて演奏される『雨上がりの坂道』。橋本祥平(白石万浬役)が奏でるドラムサウンドは、音圧と音の抜け感が心地よく、サビ前に3拍子に変化する部分でその存在感がきらりと光る。雨上がりの空にかかる虹のようなライティングと相まって、心温まるナンバーだ。

情緒的なピアノソロから始まり、夕焼けのような色にステージが染まる。『Pray』は、劇中で万浬に向けて作られたエモーショナルなメッセージソングだ。曲の最後は橋本祥平がゆっくりと立ち上がり、想いを噛み締めるように笑顔で頷いた。

ラストの曲はTVアニメ「アルゴナビス from BanG Dream!」のオープニング曲でもある『星がはじまる』。フロント3人がステージ上を縦横無尽に行き交い、ドラムセットの台まで駆け上がったり、キーボードに駆け寄ったり楽しそうな演奏を見せる。それぞれの楽器のソロパートではスポットライトが当たり、テクニックを楽しませてくれた。“はじまり”を感じさせる爽快ナンバーで、次のバンドへとバトンを渡し、彼らの演奏を締めくくった。


風神RIZING!

“風神RIZING!”がアタック映像で紹介されると、中島ヨシキ(神ノ島風太役)が颯爽と登場する。

1曲目の『ランガンラン』のイントロからつい身体が動いてしまう。サックスやトロンボーンなどのブラスサウンドが特徴的な、いわゆる“スカバンド”サウンドが楽しいアッパーチューンだ。

MCでもう1人のメンバー、酒井広大(若草あおい役)が登場し、ツインボーカルで『ダチフレンド』を披露。サビでは左右に大きく手を振り、観客もそれに合わせて、バンドカラーである黄色いペンライトを左右に振り楽しんでいた。

ラストの『バンザイRIZING!!!』は、サビの2・3・4拍子で身体を動かしたくなる楽しい曲で、一度聞けば誰でも口ずさめるキャッチーなナンバーだ。まさに楽しむための曲と言える。 「また絶対戻ってくるけん!」歌詞に織り込まれた長崎弁や曲調が楽しく、コミカルなやり取りで観客の笑いを誘う陽気なバンドは最後までポジティブなオーラ溢れるステージを見せてくれた。


Fantôme Iris

続いての“Fantôme Iris”はヴィジュアル系バンドだ。

暗いステージにスモークが立ち込め、鐘の音が鳴ると、ランズベリー・アーサー(FELIX役)が、仮面を纏ったバックバンドを連れて登場する。

エレガントなストリングスアレンジで織りなされる『histoire』と、エッジの効いたヘヴィなバンドサウンドで奏でられる『ザクロ』は、対照的でありながらも妖艶で甘い歌声がバンドのキャラクターを確立しているのも印象的だ。

MCでは「良い夜だ…」と囁くと、おもむろに赤ワイン(?)を飲んでみせるなど、“Fantôme Iris”の世界観に対するこだわりが随所に散りばめられていた。 ラストの曲『銀の百合』は、前2曲のエレガントさとヘヴィさがどちらも強く感じられるクールなナンバー。終始一貫した世界観に貫かれたFantôme Irisのステージは華々しく幕を閉じた。


取材・文:佐々木雅晃
Photo:西槇太一
©ARGP ©DeNA ©BUSHI

《SET LIST》
  1. 1.ゴールライン/Argonavis
  2. 2.AGAIN/Argonavis
  3. 3.Starry Line/Argonavis
  4. 4.雨上がりの坂道/Argonavis
  5. 5.Pray/Argonavis
  6. 6.星がはじまる/Argonavis
  7. 7.ランガンラン/風神RIZING!
  8. 8.ダチフレンド/風神RIZING!
  9. 9.バンザイRIZING!!!/風神RIZING!
  10. 10.histoire/Fantôme Iris
  11. 11.ザクロ/Fantôme Iris
  12. 12.銀の百合/Fantôme Iris
  13. 13.Sake it L⓪VE!/εpsilonΦ
  14. 14.Play With You/εpsilonΦ
  15. 15.光の悪魔/εpsilonΦ
  16. 16.MANIFESTO/GYROAXIA
  17. 17.REVOLUTION/GYROAXIA
  18. 18.GETTING HIGH/GYROAXIA
  19. 19.LIAR/GYROAXIA
  20. 20.SCATTER/GYROAXIA
  21. 21.IGNITION/GYROAXIA
  22. En1.AAside/ALLキャスト
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