2020.9.20 10th Anniversary LIVE “Amazing Road”配信ライブ ライブレポート

心強く生きようという応援の声を届けたRayflowerの無観客配信ライブ!!

今年結成10周年を迎えたRayflower。本当なら、5月17日(日)にEX THEATER ROPPONGIを舞台に10周年を祝う記念公演「Rayflower 10th Anniversary LIVE “Amazing Road”」を行う予定だったが、コロナ禍の影響により延期に。Rayflower 2010-2020 10th Anniversary Best Album『〜One Side & One Side〜』も9月に発売を予定していたが、こちらも同じく延期になってしまった。だが、彼らはそんな逆境さえ力に変えようとしていた。その姿勢を示すように、9月20日に「Rayflower 10th Anniversary LIVE“Amazing Road”配信ライブ」と題し、EX THEATER ROPPONGIより配信ライブという形で全国各地の人たちへライブを届けてくれた。その日の模様を、ここにお伝えしたい。

会場に流れだしたもの悲しいピアノの音色。その調べから一転。荘厳なSEに乗せ、蒼い照明が空間を幻想的に映し出すのに合わせ、メンバーたちがステージへ。「頂点(てっぺん)取るなら この生涯 ひるまずに 勇壮邁進」とヴォーカルの田澤孝介が歌いだすと同時に、演奏が炸裂。Rayflowerのライブは『サバイヴノススメ』から幕を開けた。ベースのIKUOの超絶テクニカルなスラップベース音が身体中へ突き刺さる。煽るように、挑発するように歌い演奏するメンバーたちの気迫が画面を通して伝わってきた。それだけ彼ら自身が、この日のライブに並々ならぬ姿勢で挑んでいたということだ。

気迫と演奏は、さらにパワーを上げ続ける。身体を熱く揺らす跳ねた演奏の上で、田澤が観ている人たちをけしかけるように『Real Game』を歌唱。目の前にこそオーディエンスはいないが、彼らの視線は画面の先にいる人たちへしっかり向いていた。心を燃やしながら熱い演奏をぶつけるメンバーたち。田澤も観ている人たちを煽り続ける。何時もの有観客でのライブと変わらぬ姿勢が嬉しい。「楽しんでるか、それぞれの場所!!」という煽りも、洒落ているじゃない!!

スケールあふれる、シンフォニックなロックナンバーが飛びだした。我々を歌と演奏のダイナミズムで呑み込むように、『Welcome to The Gracious World』を歌い奏で、壮大な景色が広がる世界へ連れ出す。

田澤孝介(Vocal)

一転、哀切なピアノの音色に乗せ、田澤が「緩やかに冷めてゆく微熱が 僕らの時間 奪う前に」と雄々しく歌いだす。『Garbera』の登場だ。雄大な世界観を抱きながらも、その中へ破裂寸前の感情を注ぐメンバーたち。クールで凛々しい演奏とは裏腹に、昂る気持ちのままに熱唱する田澤。そのコントラストが生み出すスリリングさが、たまらなく格好いい。

都啓一の美しくも哀愁を抱いたピアノの音色が、会場中を満たしていく。その音色へ導かれるように田澤が歌うのを合図に、熱を持った演奏を響かせるメンバーたち。熱情した気持ちを、歌心抱いた『イニシエ』にぶつける田澤。ひと言ひと言を突き刺すように歌う声や、情熱ドラマチックな演奏に触れていると胸が熱くなる。気持ちの内側から熱が沸き立ってゆく。

さぁ、踊り騒げと言わんばかりに『U-TOPIA』が飛びだした。身体の内側から熱情を起こしていく楽曲だ。何時しか彼らと気持ちがシンクロ。「動き出した未来に 待っているユートピア」と、一緒になって歌っていた。ギターのYUKIとベースのIKUOも舞台の上でステップを踏みながら演奏することを全力で楽しんでいるようだ。その楽しさも、タイトなドラムビートで支えるSakuraと壮麗な鍵盤演奏を届けるキーボードの都啓一の存在もあってこそ。

Rayflowerは、配信ライブだからこその楽しみ方として、フロアの真ん中へミニステージを設置。花道を歩いてメンバーたちがセンターステージへ。メンバーみんなで向かい合い届けたのが、温かい歌声や演奏を側で寄り添うように楽しめる『My Dear…』だ。彼らは、画面の先で観ている人たちへ想いを近づけ、側へ抱き寄せるようにこの曲を届けてくれた。その温かい歌声や調べに、優しさを感じずにはいられなかった。

同じくセンターステージで届けたのが、『Words Of The Wise Men~時の贈り物~』。こちらも、メンバーの息吹や鼓動を側で感じるように味わえる楽曲だ。メンバーたちのリラックスした空気や温かい心模様も伝わる演奏に触れながら、穏やかな気持ちでそのメロディーに触れ続けていたかった。

メンバーがふたたびメインステージへ。飛びだしたのが、気持ちを一気に解き放つ『Brilliant Place』。彼らは、一緒にこの空間で夢や熱を分かち合い、ともに新天地を築きあげようと誘いをかけてきた。光を感じる歌声や演奏に触れながら、ともに素敵な未来を描きたい気持ちに心から染まってゆく。

眩しい輝きが一気に降り注ぐように、Rayflowerが届けたのが『It’s a beautiful day』。田澤はカメラマンからカメラを借りてメンバーや自分を映す遊び心も披露。無邪気な気持ちへ導いていく、ハッピー感たっぷりの楽曲だ。田澤とYUKIが互いにかけっこしながら花道やセンターステージまで足を伸ばしてはしゃぐ姿を見せれば、IKUOと田澤が横に並びカメラ目線で2ショットの動きも。止めどなく楽しさが沸き上がれば、その楽しさをもっともっと笑顔のまま彼らと一緒に味わっていたかった。

メンバー紹介を兼ねた田澤と各メンバーとの気ままなトークを挟み、ライブは終盤へ。

「それぞれの場所、飛ばしていくぜー!!」の声を合図に、セッション演奏から楽曲は『Runaway Brain』へ。熱を孕んだスリリングな演奏だ。ふたたび気持ちが熱く滾りだす。このまま気持ちをどんどん高めながら、彼らと一緒に熱狂描く世界へ突き進んでいきたい。終盤にはパワフルなSakuraのドラムソロも登場。

そのドラム演奏を受け継ぐ形で、演奏はポップな歌が耳に心地好い『ユースフルハイ』へ。胸をくすぐる青春ロック調の楽曲に触れながら、身体中に歌の光を浴びてゆく気持ちでいた。舞台上では、YUKIが田澤のマイクへコーラスを乗せようとしたところ、「ソーシャルディスタンス」と田澤に笑顔でストップをかけられる姿も。こういう光景も、この日のようなライブだからこそ観れた様。むしろ、軽快なポップチューンに乗せみんな笑顔ではしゃいでいた姿が、とても輝いて見えていた。

続く『Soul survivor』も、想いを分かちながら「We’re Soul survivor」と一緒に大きく手を振り歌いたくなる楽曲だ。たとえ画面越しだろうと、ともにこの時代を乗り越えようという想いはしっかり伝わってきた。

最後にRayflowerが届けたのが、『Bloom Moment』だ。「限りある日の終わりまで 輝いて」と歌うその声が、今は、とても心に勇気を与えるエールソングとして響く。この日は無観客配信ライブという理由も加味されてか、何時も以上に、どの歌からも心強く生きようと応援の声を送ってもらえた気がした。そう感じられたことが嬉しいじゃないか。この日受け取った気持ち、絶対に失くせない。

「目一杯の愛を込めて、この曲を送ります」。アンコールで届けたのは、『花束~from rose with love~』。今、音楽に乗せて届けたい想いをすべて歌声と演奏に乗せ、彼らは観ている一人一人の胸に届けてくれた。その歌に、演奏に触れ、じんわり温かい想いを感じれば、その熱にずっと心を温めていてもらいたいと思えた。

メンバー一人一人の想いがしっかり伝わる素敵なライブだった。今度はぜひ、目の前でその想いを感じたい。

TEXT:長澤智典
PHOTO:山下深礼(PROGRESS-M)、村井香
機材撮影:小野寺将也


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