2019.7.8@中野サンプラザホール SUGIZO 聖誕半世紀祭 HALF CENTURY ANNIVERSARY FES. ライブレポート

 SUGIZOの50歳の誕生日を祝い、7月7日と8日に中野サンプラザホールにて行われた「SUGIZO 聖誕半世紀祭 HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.」。ここでは、SUGIZO×HATAKEN/TK from 凛として時雨/TAKURO(GLAY) with Journey without a map BAND/SUGIZOという当日の出演順に沿って8日のライブの模様をお伝えしよう。

SUGIZO×HATAKEN

 SUGIZOの最初の舞台は、モジュラー・シンセサイザー・ライブ・パフォーマー/エレクトロニック・ミュージック・プロデューサーのHATAKENとのインプロビゼーションから。HATAKENの作りあげるサウンドスケープの上で、SUGIZOが心の疼きをギターに投影。そのフリーフォームなセッション演奏は、生命の誕生を描く壮大な叙事詩にも見えていた。

 2人の音は無限に広がる銀河を創造。その先に生まれた巨大なブラックホールへ吸い込まれゆく感覚を覚えながら、何時しか、宇宙の中に新たな星という生命の誕生を抱かせる音の風景へと意識を塗り替えていった。ギターの音を唸らせ、ときにシンセサイザーを用い、SUGIZOは命の胎動を示しているかのようだった。生命を生み出す母体となる星の誕生。その星が形を成すまでの経緯と、その中へ産声を上げながら生まれた人という意思を持った生命体の誕生。そんな風にも想像を巡らせる物語を、2人は演奏という会話を交わしながら生み出していた。その場へ、”生きた音楽”を創造し続けていた。

 2人が生み出していたのは、生命の源となる”音の原子”。2人が次々と誕生させた原子が互いにぶつかり合い繋がり合いながら、この空間に様々な生命を生み出していった。命の始まりを、SUGIZOとHATAKENは原子のレベルから創り出していた。中野サンプラザという場に、まさにコスモを創りあげていたのだ。

TK from 凛として時雨

 ライブのバトンは、TK from 凛として時雨へ。彼らも、”感情”それ自体が意思を持ち声を上げるような『Fantastic Magic』を手にライブをスタート。続く『flower』や『katharsis』では、美しくもスリリングな歌と音を突き刺しながら、触れた人たちを強烈なエナジーを発する生命体(つまりそれはTKその人だ)の元へと引き寄せてゆく。沸き立つ感情。彼らも生命を生み落とすように。原子のレベルから起源を創りだすよう、音楽という命を描き出していった。

 『Signal』を介した、とてもダイナミックな感情のドラマ。緩急抱いた楽曲の中へ、TK from 凛として時雨は様々な気持ちの揺れを、原色の気持ちのまま太い音楽の絵筆でなぐり書きしてゆく。嘆くように、感情の内側に渦巻く巨大なコスモを突き刺すように歌った『unraval』。心を激しく掻きむしるように届けた『P.S.RED I』。最後に披露した『film A moment』まで、TKの心を司る原子の数々を曲ごとに結びつけては、衝動のままに突きつけていった。唸る感情のドラマを短い時間の中へ詰め込み、触れた人たちに胸を騒がせる興奮を。何より、生きた叫びを共に感じあう喜びを、TK from 凛として時雨はライブを通し示してくれた。

TAKURO(GLAY) with Journey without a map BAND

 TAKUROは、ソロ活動時に率いるJourney without a map BANDと共にステージへ。気持ちを心地好く弾ませるように、スウィングした『TM St.2am』を通し、心を騒がせる空間を会場へ作りあげる。胸を踊らせる演奏に触発され、フロアからも手拍子が生まれていた。メンバー自身も互いに音で握手を交わしながら、その場にスウィングするパーティ空間を描き出していくようだった。

「SUGIZOさんとの出会いは、GLAYが目黒鹿鳴館でライブをやった日に、長い丈のコートを来たSUGIZOさんが階段を降りて現れたとき。その日から25年間、GLAYはずっとSUGIZOさんの背中を追いかけてきた」と思い出話を語りながら、甘くとろけるような『TIMELESS WONDER』へ。この曲でTAKUROはヴォーカルも担当。演奏の間にはSUGIZOとの思い出話を挿みながら、音楽に乗せSUGIZOとの蜜月な日々を歌い語ってくれた。

 続く『Journey without a map』では、SUGIZOをゲストに招聘。TAKUROのリードギターを、さりげなく支えるSUGIZOの演奏。ときにはユニゾンで音を重ねながら、2人は音で楽しく会話を弾ませていた。それはまるで、様々な音楽の風景を共に旅するようにも見えていた。演奏が進む毎に表情を変えてゆく様も、この楽曲の魅力だ。

 次の曲でTAKUROは、TERU/JIRO/HISASHIを呼び入れた。舞台上にはGLAYのメンバーが勢揃い。そこへSUGIZOも加わった形で演奏したのが、GLAYの『誘惑』だ。それまで椅子に座りながらも身体をうずかせていた観客たちが一切に立ち上がり、飛びだした『誘惑』に合わせ弾けだす。いつものGLAYのライブのような、華やかな熱狂描く風景がそこに広がっていた。しかもそのメンバーにSUGIZOが加わり、SUGIZOが、TERUやTAKUROと共に背中合わせで寄り添いながら演奏する場面も。仲間たちと音楽を楽しくセッションする光景には、見ているこちらが嬉しくなってしまう。

 最後は、GLAY×Journey without a map BANDという編成で、同じくGLAYの『彼女の“Modern…”』を演奏。SUGIZOの誕生日を華々しいパーティのようにTAKUROは祝ってくれた。

SUGIZO

「誕生日とか、50歳とか関係ないです。最初からアゲアゲで行くので、みなさん付いてこれますか?!」

煽る声からSUGIZOのライブは幕を開けた。SUGIZOのギターが唸りを上げると同時に、楽曲は激しくオルタナティブな音をぶちかまし、フロア中の人たちを一斉に立ち上がらせ熱狂の中へ連れ出した『禊』だ。

魂を野生へ揺り戻す2つのビート(ドラム&パーカッション)に導かれ、会場中の人たちの意識が心の奥底から沸きだす歓喜に包まれる。その様は、現実という意識を遠ざけ、あるべき自分の姿へ立ち返るようだ。途中、心を原始の魂へ還元するかのようなジャンベとのセッションも挟みながら、その演奏は、理屈ではなく感覚のみに反応する身体へと遺伝子を組み換えていった。胸ざわめく刺激を抱いたまま、より激しく攻めの姿勢を持って身体を貫いた『TELL ME WHY NOT PSYCHEDELIA』。沸き立つ感情が、大きく膨らみ続けてゆく。

 閃きと解放感を持った音が響きだす。鋭敏な感覚のまま遥か銀河の世界へ連れ出すように、SUGIZOは『NEO COSMOSCAPE』を演奏。壮大な音の中へ差し込んだ力強いビートが、生命の誕生を想起させる。SUGIZOのギターが、生まれた喜びを泣くように音を上げる。演奏が進むごとにビートが躍動を増せば、そこへ絡む演奏も、命を描くように様々な感情の声を発していた。ここでもSUGIZOは、存在の…生命の誕生を、長大な絵巻のようにこの空間へ筆書きしていった。

 ヴァイオリンを携えたSUGIZOは、会場中を深海へ誘った。壮麗な音のベールで泡立つ意識を包むように、『FATIMA』を演奏。大きな愛へ抱かれてゆくような感覚だ。決して激しいわけではない。だが、美しくもおおらかなサウンドスケープは、自然と沸き立つ意識を導きだしていった。これは、心を踊らすダンスミュージックだ。小さな泡のような宴の音色が次々と沸きだし、魂を震わせる。

 ここでSUGIZOは、盟友であり、大切な仲間でもあるGLAYのTERUとTAKUROを舞台へ招き入れた。2人をゲストに披露したのが、SUGIZOが大切に育み続けてきた歌系ナンバーの『巡り逢えるなら』。雄々しくも哀切な演奏へ、TERUが想いを寄り添わせるように歌声を重ねだす。その歌声と演奏は、魂が謳うようにも響いていた。何時しかその楽曲に、心は強く引き寄せられ、想いを重ねていた。

 ライブの後半戦は、一筋の強烈な光を突き刺すように、炸裂した音を打ち放った『Decaying』へ。演奏が進むごとに魂が大きく騒ぎだす。心が原始を呼び起こし、身体を歓喜させてゆく。

 最後にSUGIZOは、強烈なファンクミュージック/サイケデリックトランス・ナンバーの『DO FUNK DANCE』を叩きつけ、中野サンプラザを巨大なミラーボールの光が降り注ぐダンスホールへと塗り替えていった。すでに理性は塵となって吹き飛び、内なる野生の声へ導かれ、絡み合うリズムに煽られるまま、ただただ歓喜の宴の中へ誰もが身を浸していた。SUGIZOの奏でる音楽は、最強のダンスミュージックだ。魂を歓喜させ、意識を原始へと立ち返らせ恍惚へと導くソウルなダンスミュージックだ。

 アンコールでは仲間たちがバースデーケーキを持ってSUGIZOを祝うシーンも。アンコールでは、同じく25年来の盟友である清春をパートナーに、『VOICE』を披露。熱情を帯びた歌声とSUGIZOのギターの音色が絡みあい、とてもエモーショナルな歌を作りあげていった。互いにナチュラルに絡みながら、互いの声(歌声とギターの旋律)を交わし、生きる意味を高らかに響かせているようだった。

「祈りを込めて」。最後にSUGIZOは、MAIKOとHATAKENを招き入れ『The Voyage Home』を演奏。SUGIZOの言葉通り、その音色の連なりは、祈りを捧げる人たちの心の声にも聞こえる。穏やかな演奏は次第に潮が満ちるように、優しく歓喜の想いとして心を満たしていった。いつしか誰もが穏やかな気持ちのまま、大地へ、海原へ、宇宙の中へと自身の気持ちを溶け込ませ、一つに混じり合っているかのようだった。それは、命を成す原子へと立ち返る儀式のようにさえ感じられた。

 SUGIZOのライブは、自分の存在自体を問いかける様々なヒントを与えてくれる。そして、……次に続く言葉は、あなた自身がSUGIZOの作品やライブを通して導き出していただきたい。

取材・文:長澤智典
ライブ写真撮影:田辺佳子
機材撮影:小野寺将也

SUGIZO

SUGIZO ライヴアルバム発売決定!
SUGIZOソロキャリア初となるライヴアルバム「LIVE IN TOKYO」発売決定!
電子音楽、サイケデリック、テクノ、トランス、トライバル、アンビエント、ラウドロック、ゴス、ハードコア、ジャズ、ファンク、クラシック、現代音楽・・・。 あらゆるエレメンツが融合された音の万華鏡、唯一無二のSGZ MUSICが初のライヴ音源となって蘇る。
自身の生誕半世紀を記念した「SUGIZO 聖誕半世紀祭 HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.」より、COSMIC DANCEアクトの2Daysが、あのDub Master Xによるミックスで2枚組CDとして収録!!
SUGIZOライヴアルバム『LIVE IN TOKYO』2019年10月リリース予定


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