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限界を忘れる勢いでぶつかりあう、だから生まれた景色や、最後にみんなで交わしあった声のやりとりが忘れられない。
チケットは本番を迎える前にSold Outを記録。2月25日(日)、MardelasがSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで「Mardelas Oneman Show “Dead or Alive”」を行った。当日の模様を、ここにお伝えしたい。
命の起源を示すような荘厳かつシンフォニックなSEに乗せ、メンバーが舞台へ姿を現した。一人一人へ向けて上がる歓声、目の前には、舞台中央に凛とした姿で立つ蛇石マリナの姿があった。彼女がドラムのカウントを合図に『Last Round Survivor』を高らかに歌いだすのにあわせ、この会場を揺さぶる勢いで野太い声が場内中から上がり、無数の拳が3人に向かって突き上がる。熱狂一体化したこの景色は誰にも奪えはしない。早くもMardelasは、この会場を自分たちの支配する熱情した儀式の場へ染めあげる。張り上げる蛇石マリナのハイトーンヴォイスに触れ、感情が騒ぎだす。唸りをあげて走り続ける本石久幸のベースに、熱の滾る及川樹京のギターの音の刺激に、理性の留め金が次々と壊れだす。
及川樹京の攻めた、でも泣きのフレーズも印象深いギターの音が響き渡る。『千羽鶴-Thousand Cranes-』でMardelasは、さらに雄々しい様を見せ、観客たちの意識から現実を奪い去る。気持ちが騒ぐままに暴れ狂え。お前らが求めているのは興奮という刺激だろとでも言うように、及川樹京と本石久幸が居並び演奏する様も、気持ちを嬉しく高ぶらせる。舞台の中央にどっしりと身構え、雄々しき声を張りあげる蛇石マリナの姿に向けて思いきり頭を振って、この身を捧げたい。
ギラギラとした魂に染めあげる『G-Metal』の登場だ。蛇石マリナはメガホンマイクを手に観客たちをけしかける。挑みかかる姿勢と言えば良いだろうか、3人とも攻めた表情や演奏だ。気持ちを揺さぶる…いや、感情を奮い立てる刺激をMardelasは次々と突きつける。フロアでは、相変わらず無数の拳が3人に向かって突き上がる。後半には、マイクを手に雄々しく歌う蛇石マリナの姿も舞台にあった。
『Cleopatra』の演奏が時代の波を揺さぶり、この場にいる人たちを太古の儀式の世界へ導きだす。及川樹京の刻むリフメロに興奮を隠せない観客たちが、声を荒らげ、激しく拳を突き上げる。胸に熱い血潮を覚える蛇石マリナの歌声だ。麗美な歌姫と化した彼女の声に惚れながらも、魂を揺さぶる演奏に触れ続け、拳を振り上げずにいられない。及川樹京の間奏のギタープレイの間中ずっと、お立ち台に右足を乗せ、太股を露にセクシーにせまっていた蛇石マリナの姿も見逃せない。さすがメタル界のクレオパトラ。熱唱するその歌声と姿にハートが落とされた。
『Daybreak』では冒頭から観客たちが声を張りあげ、拳を突き上げる。その様を前にMardelasは、気持ちを高揚や恍惚へと導く美しい歌を通して身体や感情を奮い立てる。その歌声にずっと心を浸していたい。及川樹京の胸をくすぐる速弾きの演奏に触れ、気持ちが騒ぎ続ける。本石久幸のベースの音が、身体を熱く奮わせる。何より、沸き立つ思いのままに歌いあげる蛇石マリナの歌声にずっと溺れていたい。終盤には一緒に歌う人たちも登場。まさにシンガロング出来るメタルナンバーなのが嬉しい。
時計の針の音が、ふたたび時の流れを揺さぶりだす。Mardelasは『The Fox and The Grapes』を通し、轟音の洗礼を浴びせてきた。疾走感と重厚さを巧みに折り重ねたヘヴィ&ハードロックな演奏の上で、蛇石マリナが高音を生かした歌声を高らかに響き渡らせる。言葉のひと言ひと言へ命を注ぐように歌う彼女の声が、気持ちを揺さぶり続ける。間奏では、速弾きを見せる及川樹京へ向けて多くの手が上がっていた。激しさの中へ逞しい存在感を塗りつけた3人の姿が、瞼へ強烈に焼きついた。
激しく攻撃的な、まるで野獣のように牙を剥き出した演奏だ。Mardelasは『Force & Justice』を歌い奏で、観客たちを暴れ、猛り狂う野獣どもへと様変えた。もっともっとと熱狂を求める観客たちを、3人は余裕を持った表情と演奏で煽り続ける。3人もまた、この場に生まれた熱狂を貪り喰らうように求めていた。
『蛇に牡丹 -snake & peony-』でMardelasは、嘆くメロウな表情を提示。とても艶(なまめ)かしい歌謡メタルナンバーだ。妖しくも歌心に満ちた楽曲に触れていると、その世界へ心地よく溺れたくなる。歌声も演奏も、とても艶(つや)めいている。だから気持ちを濡らすように、しばし心地よく演奏に浸っていた。及川樹京と本石久幸のメロディアスな演奏も巧みに挟み、妖艶な香りを膨らませながら楽曲は進んでいった。
激烈なギターのリフが炸裂。『神風』の演奏が始まるのにあわせ、場内中から野太い声が響き渡る。唸りを上げて疾走する楽曲の上で、雄々しく歌いあげる蛇石マリナ。ハイトーンヴォイスを武器に歌う彼女の声の響きの一つ一つへ触れるたび、気持ちが騒ぐ。その歌声へ、激しさという刺激的な刺を演奏陣が加えてゆく。サビでは、観客たちと一緒に歌いあげる場面も登場。そこからの、蛇石マリナと観客たちとの絶叫のやりとりが胸に熱かった。
次に披露したのが、久しぶりにライブで演奏をした『Phantasia』。この日は、イントロに美しくもセンチメンタルな音色も加え、この楽曲を、よりドラマチックに彩っていた。その後に続いたシンフォニックな音色。その音を聴き、フロアから起きた拍手。野太いギターの音に乗せてメロディを奏でる及川樹京。その旋律へ寄り添うように、蛇石マリナが朗々と歌いあげる。より感情を揺さぶる楽曲として進化。どのフレーズも、どのパートも泣かせる、高揚したドラマを描きあげる楽曲だ。『Phantasia』に気持ちを揺さぶられた観客たちも、拳を突き上げ、3人に想いを返していた。間奏では、及川樹京が歌をなぞるように美しいフレーズを演奏。終盤には観客たちも熱いクラップを捧げ、この曲に魂揺さぶる物語を描き加えていった。
さらに激しく、攻撃性を増すように、Mardelasは『Strike the Beast』を演奏。挑発するメンバーらの歌い奏でる姿に向け、場内中から感情のストッパーを壊した声や拳が突きあがる。互いに燃え立つ感情と感情をぶつけあう。そこで生まれる熱情した炎の中で、今は焦げるまで燃えていたい。蛇石マリナに煽られ、絶叫止まない様も、ここにいるとすごくわかる。彼女の歌にあわせ、共に声を張りあげ、熱情一体化した様を描きだす。だから、胸の高ぶりが止まらない!!!
畳みかけるように『Apocalypse』へ。激烈なリフの応酬へ刺激を受けた観客たちが激しく頭を振り乱せば、力強く拳を高速で突き上げる。爆裂激走した楽曲の上で、懐深い歌声で蛇石マリナが歌いあげる。曲が進むごとに、興奮や絶叫という階段を全力で駆け上がってゆくような気分だ。途中には、本石久幸が野太い声で煽る場面も登場。熱狂の翼をはためかせ自由奔放に弾きまくった及川樹京のギターの音色も、凄まじい音を身体中へ張り付けるように打ち鳴らすMAKIのドラムも、とても刺激的だった。
観客たちと野太い声とやりとりも交わした、暴れ狂う野獣の雄叫びのようなMAKIのドラムソロ。そこへMAKIと本石久幸がリズムを作りだす。その上で、及川樹京が6本の弦の上で指を自由に、しかも高速で滑らせ、マシンガンのように次々と音の玉を投げつけだす。途中からは、及川樹京のギターソロのコーナーへ。
ふたたび3人で音を交わしあう中、着替えを終えた蛇石マリナが舞台へ。楽曲は『Eclipse』へと表情を様変える。とても攻撃的な姿だ。一つ一つの音や歌声が切っ先鋭い刃となり、身体をグサグサと突き刺す。その音へ痛みを覚えるたびに、興奮という筋肉が奮い立ち、熱くなる。 身体をのけぞらせて歌う蛇石マリナの姿も刺激的だ。メンバーへ向けて声を張りあげる観客たちの姿からは、理性なんて言葉はすっかり吹き飛んでいた。
サイバーな同期の音へ美しくも切なさを抱いた及川樹京のギターの旋律が絡み合う。スケール大きなミドルナンバーの『String of Life』を、蛇石マリナは朗々と歌いあげる。巧みに音を抜き差しながら、Mardelasはこの場にいる人たちを雄大な音世界へ飲み込んでいった。激しく攻める姿も胸を騒がせるが、魂を揺さぶるようなドラマを描く様も、とても刺激的だ。
ミドルで攻めた後には、激しく速く、感情をアッパーにと、Mardelasは巧みに表情を変えながら熱狂のドラマを描きだす。『Patriot Anthem』でも3人は、雄々しき姿を示し、観客たちを挑発していった。いくら熱狂していようがまだまだ狂えるだろと言わんばかりに、Mardelasはけっして攻撃の手を緩めることはない。だからこそ観客たちも、限界を超える勢いで熱情した想いをぶつけていた。
デスデビルな雰囲気が怪しくも刺激的だ。Mardelasは『Spider Thread』を通し、ブラックかつサタニックな様相も呈しながらせまり来る。Mardelasはおどろおどろしくもスケール大きな楽曲を示し、観客たちを異世界へ飲み込んでいった。曲の後半から一気に速さを増し、轟音の鉈を振りかざし、観客たちを狂わせる術も刺激的だ。
及川樹京のギターが唸りを上げる。蛇石マリナの言葉を合図に『ICE-PICK』へ。早口で次々と言葉を突きつける蛇石マリナ。荒ぶる彼女の感情へ寄り添うように攻撃的な演奏を仕向ける演奏陣。場内中からも多くの拳が突きあがる。共に心燃えたつまま、熱情し続けていたい。
1曲ごと、巧みに表情を塗りかえてゆくMardelas。続く『Bullseye』では轟音スラッシュな表情も織り交ぜつつ、気持ちを熱く奮い立てるエモーショナルでパッションに満ちた楽曲を通して心を熱く騒がせた。胸をくすぐる蛇石マリナの歌を追いかけながら、火照る気持ちへこのまま触れ続けていたい。
サイレンの音が鳴り響く場内。ラスト前を彩ったのは、メロディアスでハード&ロックンロールな打ち込み演奏から生演奏へとシフトした『Mardelas the THIRD ~ World vs Honor –仁義なき世界-』と続く展開。熱情したくなる要素を濃縮、Mardelasは気持ちを熱く掻き立てる展開を次々と突きつけ、観客たちから理性も現実も奪い取り、身体を激しく折り畳み、本能のままに暴れ狂う野獣へと変えていった。
最後は、やはりこの曲だ。Mardelasは激情した劇場型のドラマを描き出すスケール大きな『Coma』を熱唱&演奏。この場にいる人たちを、まるで巨大なスタジアム空間の中で歌い奏でる様へと連れ出した。壮大でドラマチックな物語の中へ観客たちを飲み込み、ただただ歓喜の想いへと気持ちや身体を染めあげる。Mardelasの演奏へ、大きく身体を揺らしながら身を浸し続ける観客たちの姿も印象的だったが、メンバー自身が、みずから作りあげた世界の中へどっぷりと身を浸すように歌い奏でていた様も、とても印象的だった。
アンコールは、及川樹京の泣きメロのギターの旋律からスタート。蛇石マリナの声を合図に、満員の観客たちが熱い声を張り上げだした。Mardelasはエモーショナルかつ美メロな歌系ナンバー『Burn Out!』を通して、今の自分たちの生きざまを熱く突きつけた。大きく身体を揺らし、一緒に歌を口ずさみたくなる楽曲だ。サビでは、フロア中の人たちが高く拳を突き上げ、「Burn Out!」と叫んでいた。いや、叫ばずにいられないほど感情が高ぶり続け、興奮したこの気持ちをもっともっと燃やしていたかった。
最後の最後にMardelasは、激烈ドラマチックな『Link』を演奏。メンバーも観客たちも、けっして悔いなど残してなるかと全身全霊でぶつかりあう。感情と感情を、魂と魂を、気迫と気迫をぶつけあう。そこで生まれる絶頂感がたまらなく気持ちいい。限界を忘れる勢いで、ガチンコでぶつかりあう。だから生まれた景色や、最後にみんなで交わしあった声のやりとりが忘れられない。
この日のライブの模様は、後に映像化される。ライブを観られなかった人たちはもちろん、この日のライブを体験した人たちも、作品になるのを待っていてもらいたい。
PHOTO:MisaSohma
TEXT:長澤智典
《SET LIST》
- 1.Last Round Survivor
- 2.千羽鶴 -Thousand Cranes-
- 3.G-Metal
- 4.Cleopatra
- 5.Daybreak
- 6.The Fox and The Grapes
- 7.Force & Justice
- 8.蛇に牡丹 -snake & peony-
- 9.神風
- 10.Phantasia
- 11.Strike the Beast
- 12.Apocalypse
- – Dr Solo & Gt Solo –
- 13.Eclipse
- 14.String of Life
- 15.Patriot Anthem
- 16.Spider Thread
- 17.ICE-PICK
- 18.Bullseye
- 19.Mardelas the THIRD ~ World vs Honor -仁義なき世界-
- 20.Coma
- -ENCORE-
- EN1.Burn Out!
- EN2.Link
Mardelas
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