大原櫻子が、5月にライブハウスツアー『10(天)まで届け!!』を開催した。

来年のデビュー10周年へ向けての序章と位置づけ、福岡、広島、愛知、東京、大阪、宮城と全国6ヵ所のライブハウスを回ったツアーより、5月11日(木)の東京・EX THEATER ROPPONGI公演の模様をレポートする。

赤、青、緑、紫、オレンジ、ピンクと、色とりどりのペンライトがフロアにあふれる中、白地×ブルーストライプ柄のトップスとショートパンツに、羽根が舞うような印象を与えるレースのブラウス、白の厚底ブーツを纏って登場した大原櫻子。ワインレッドのエレアコを携え、ライブの幕開けを飾ったのはデビューのきっかけとなった『明日も』で、“10年後の未来のことなんてわかんないよ ねえ難しく考えすぎてない?”というラインに感慨深さを覚えつつ、今現在もすこぶる元気に歌っている彼女の姿に早くもグッときてしまう。

スタートから待ちわびたシンガロングが湧き起こる場内。晴れやかなボーカルと同期の明るいブラスサウンドが映える『Jet Set Music!』では、大原の合図によってタオル回しで盛り上がり、この先の暑い季節が楽しみになるようなサマーチューン『真夏の太陽』も颯爽と届けるなど、声出し解禁のシチュエーションにマッチしたポジティブなナンバーの連発が眩しい。おなじみのバンドメンバーである草刈浩司(Gt)、前田逸平(Ba)、髭白健(Dr)、小名川高弘(Key&Gt&Mani)のサポートも盤石だ。

今日はみなさんマスクをしてくれているので、声出しOKでございます! いっしょに歌って踊って楽しんでいきましょう。EX THEATER ROPPONGIはすごく縁のある場所で、10代の頃にここでテレビ番組のMCをさせていただいていたんですけど、そのときに私のライブのコールが生まれました。ということで、ちょっとやってもいいですか?

そんな歓喜の「チェリー!」「ブロッサーーーム!!」に加え、「10(天)までー!」「届けーー!!」とツアータイトルのコール&レスポンスを即興で決めたあとは、大原が青いタンバリンを片手に歌った『無敵のガールフレンド』へ。ここでも心弾む曲調に合わせて“ダバ シャバダバ シュビドゥビ シュビドゥバ”の振付をファンが楽しそうに踊り、会場の一体感が増していく。

続けて、まっすぐでピュアなラブソング『泣きたいくらい』『初恋』を披露。ストリングスの音色を入れた壮大なサウンドに乗せ、情感をたっぷりと込めた堂々たる彼女の歌からは、さすが10年選手のパフォーマンスだなと思える凛々しさが伝わってきた。ピンスポに照らされた大原のアコギ弾き語りで始まる→途中でアカペラを挟む→バンド演奏に切り換わる→ラスサビをオーディエンスが大合唱するという、この日ならではのライブアレンジで聴かせた代表曲のひとつ『』も素晴らしい。

重厚なバラードタイムを終えると、ホッと一息つくようにトークする大原。「ツアー中にショートヘアになりまして。まだ言えないんですけども、“何か”のために切りました(笑)」と今後の展開を期待させたり、現在出演中のドラマ『正義の天秤 Season2』をPRしたり、自身のYouTubeチャンネルにアップされたひとり旅の話をしたり。「遠くから来た人いる?」という問いかけには、「福岡」「長崎」「北海道」「香港」「オーストラリア」と多くの声が上がるなど、ファンとのコミュニケーションを存分に楽しんでいた。

今年でデビュー10周年なんですけど、落ち込んだときにはこの曲に励まされて、また明日を生きていこうと思えます」と前置きした『STARTLINE』は、小名川のエレピを立たせたアコースティック寄りのアレンジで演奏。そして失恋ソングの『Door』では、シックな照明のもと、オーディエンスを横向きで見つめながら艶めかしく歌い、息遣いと声色で抑揚を付け、女性の持つさまざまな感情を繊細に表現してみせる。髭白のドラムマーチが印象的な『Fanfare』になれば一転、右腕を高らかに掲げて“さあ 共にゆこう”と力強く先導する。こうしたアプローチの豊かさは、映画やドラマ、舞台、ミュージカルなど幅広いフィールドで役者としても活躍中の大原ならではだろう。

中盤には、バンマスの草刈が仕切る物販宣伝コーナーも。和気あいあいとしたムードでメンバーの仲の良さを感じさせ、そのまま今回のツアーで解禁となった新曲『JUMP』へ繋ぐ流れも楽しい。大原曰く「大好きな高橋久美子さんの作詞で、10周年の節目を想って書いてくださった曲です。最初に聴いたとき、改めてファンのみなさんが私にとっての太陽だなと思わされたし、私もみなさんの太陽でありたいなと思いました」とのことで、“これからもよろしくね”というメッセージも入った素敵なポップナンバーが、後半に差し掛かってきたライブをよりドラマティックに色づける。

間奏でコンテンポラリーダンスを繰り出したりと、スケールの大きいEDMサウンドが魅力的な『Joy & Joy』以降、大原は一段とギアを上げてハイテンションに。「ぜんぜん足りない!」「私に負けんなよ!!」とオーディエンスを激しく煽りまくったロックチューン『READY GO!』では、小名川、草刈、髭白、前田の順でソロパートも華麗に炸裂。さらに、再びタオル回しで燃えた『青い季節』を経て、会場全体に壮観なワイパーと最高の多幸感を生んだライブ鉄板曲『踊ろう』で本編を賑々しく締め括った。

鳴り止まない歓声に応えてステージに戻ってきた大原は、10月に愛知、大阪、東京、福岡で『大原櫻子 2023 Zeppツアー』を開催することを発表。

感謝の想いは当たり前なんですけど、それ以外に何を伝えられるかっていうのが、“10周年に向けての序章”と謳った今のツアーが終わったときに見えてくるような気がしていて。Zeppツアーでみなさんにご提示できるんじゃないかなと思うので、私はすごくすごく楽しみになっております!

「10周年の先の景色もみんなといっしょに見ていきたい」と、アンコールは未来を祝福するような『遠くまで』をハンドマイクで味わい深く歌唱。伸びのあるボーカルが場内を温かく包み込み、新旧の楽曲を幅広く披露したライブは美しいエンディングを迎えた。去り際には『10(天)まで届け!!』というツアータイトルを命名してくれたファンのひとりに「ありがとう!」と伝え、TikTokで聴ける『ラーメンのうた』をキュートに口ずさんだ大原櫻子。次なるZeppツアーにも期待しよう。

@official_sakurako

出没!アド街ック天国で、歌った#ラーメンのうた 稽古場で歌ったよ♪ #吉原光夫 さん(声だけ)#中川大喜 さん #梅里アーツ さん #大原櫻子 ミュージカル#おとこたち

♬ オリジナル楽曲 – 大原櫻子 – 大原櫻子

撮影:タマイシンゴ
取材・文:田山雄士

《SET LIST》
  1. 1.明日も
  2. 2.Jet Set Music!
  3. 3.真夏の太陽
  4. 4.無敵のガールフレンド
  5. 5.泣きたいくらい
  6. 6.初恋
  7. 7.瞳
  8. 8.STARTLINE
  9. 9.Door
  10. 10.Fanfare
  11. 11.JUMP
  12. 12.Joy & Joy
  13. 13.READY GO!
  14. 14.青い季節
  15. 15.踊ろう
  16. <ENCORE>
  17. EN.遠くまで

大原櫻子 使用楽器・機材紹介

大原櫻子

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今作タイトル「スポットライト」には、俳優人生と歌手人生と言う、二足の草鞋で浴び続けてきた「脚光」と、10年間で起きた様々な出来事の表側の部分、その裏側に隠れた苦難や努力の道のりの中での「光と影」、と言う2つの意図が込められており、収録される6曲の物語の「主人公」を演じている作品。
初回限定盤Aには、本年行われたライブハウスツアー「10(天) まで届け!!」の東京公演と、リードトラック「bitter sweet cinéma」Music Video とそのメイキング映像を収録。初回限定盤Bには、10周年を迎え少し大人になった彼女の「今」を切り取ったフォトブックを附属。

通常盤 VICL-65871(CD)/¥2,420(税込)
初回限定盤A VIZL-2223(CD+Blu-ray)/¥8,250(税込)
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