山本彩、1年ぶりの単独ライブで見せた、未来を見据えた力強い姿。 

山本彩が、約1年ぶりとなる単独ライブ「SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now”」を、東京と大阪で開催。ここでは、12月27日にEX THEATER ROPPONGIで行った公演の模様をお伝えしよう。

熱いクラップが響き渡る場内。その音へ導かれるように“チームSY”のバンドメンバーが。そして、山本彩が姿を現した。フロア中で鳴り響く音へ呼ばれるように、彼女も高く両手を掲げ、クラップしている。いいよね、気持ちを一つにしたこの感覚が。

よっしゃ東京、盛り上がっていくぞ!!」の声を合図に、山本彩のライブは『ドラマチックに乾杯』から幕を開けた。心地好く駆けだす楽曲に合わせ、彼女自ら軽やかに飛び跳ねながら歌う。この日は、舞台の左右に大きなお立ち台を用意。左右それぞれの舞台の上に立ち、場内の遠くにいる人たちもしっかり視界に捉えながら、山本彩はその声を高らかに響かせていた。凛々しい歌声からも伝わる沸き立つ思いと熱。この日のライブ、嬉しい何かが起きそうだ。

演奏は止まることなく、熱情した音をぶつけたロックナンバーの『Let’s go crazy』へ。山本彩は手にしたタオルをくるくると回し、観客たちを煽りだす。どんどん速度を上げる楽曲に合わせ力いっぱいタオルを振りながら、山本彩は「Oi!Oi!」と声を荒らげ観客たちを煽っていた。彼女の振りまわすタオルの動きと重なりあうように、フロア中で数多くのタオルが舞い踊る。 山本彩は、お立ち台の上で高く掲げたタオルを振りまわし、一緒にここで熱いエナジーを分かちながら、楽しくロックなパーティーを繰り広げようぜと誘っていた。フロア中から突き上がる拳やタオルの景色はまるで夏フェスのよう。『Let’s go crazy』自体が、開放的な気持ちに変えてゆく歌。その心地好さを、今は存分に味わおう。

荒ぶるギターの音が炸裂。山本彩も手にしたレスポールを掻き鳴らし、凛々しい声で『TRUE BLUE』を歌い奏でだす。沸き立つ感情を、山本彩は歌声とギターにすべて託していた。フロア中の人たちへ挑みかかるような、凛々しい姿も印象的だ。彼女自身が大きな熱源になり、この場の空気を熱くスリリングな色に染めあげる。気持ちを嬉しく刺激する衝撃を、山本彩はこの曲でも与えてくれた。

止まない拍手。その拍手に感動し、少し涙顔になる山本彩。「こうやってみんなと一緒に作るライブ。また、みんなと会えてめちゃくちゃ嬉しいです。みんなの顔を見たら、ようやく実感が沸いてきました。本当にありがとう。今日は人生で一番楽しい日になるかも知れない気がしています」。その言葉が嬉しい。

ギターを弾きながら歌う山本彩の声から始まったのが、『against』。手にしたギターを掻き鳴らし、歌詞と気持ちをシンクロしながら、彼女は言葉のひと言こと言に感情という色を塗りこめるように歌い奏でていた。ストロークするギターの音に合わせ、歌声も次第に熱を帯びてゆく。曲と心をシンクロしながら、そこへ生きた感情を次々と塗り重ねる。その姿が刺激的だ。さぁ、一緒に風になろう。ともに追い風を吹かせ、ここから新しい物語を共に描きだそう。どんな逆風でも、仲間と一緒なら蹴散らしていける。そんな熱い気持ちに山本彩が染めあげてくれた。

鳴り響くピアノの音色。そこへ思いを重ねるように、山本彩が胸に手を当て『夢の声』を歌いだした。その声からは、夢を追うことをあきらめない強い意志が伝わってくる。思いをほとばしらせるように歌う彼女の姿も印象的だ。優しい曲調だが、山本彩の歌声には強い意思が漲っている。言葉のひと言ひと言に今の熱情した気持ちを重ねあわせ、彼女は自らへ、そして、その夢を一緒に見てくれる愛しい君へ届くように歌っていた。胸に手を当て歌う山本彩に向け、たくさんの拳が突き上がる。その景色が、嬉しく心を高ぶらせた。

ゆったりと微睡みを覚えるダウナーな音に乗せ、山本彩は歌詞の一つ一つをしっかりと胸の中で受け止め、目の前の一人一人へ、一つ一つの言葉が伝わるようにと最新曲のバラード『ラメント』を歌っていた。とても優しい歌声だ。いや、そこには強く、逞しい意思や、思いという熱が漲っていた。演奏に乗せ思いを紡ぐように、放つ言葉の一つ一つへ命を宿すように彼女は歌っていた。だから、朗々としたその歌声が心を奮わせていたのかも知れない。まさに、山本彩の新しい表現の扉を開けた歌だ。

続くのは『あいまって。』 ちょっとジャジーでソウルフル?、アーバンなシティポップ??そんなお洒落なムードも醸しながら、山本彩は曲の世界へ身を寄せ、淡い心模様の中へ切ない思いを塗り重ねていった。都会の喧騒の中、そこだけ時が止まったような感覚だ。哀愁メロウでソウルフルな音の上で、切ない思いをフロア中へ響かせるように歌う姿も印象的だった。

アコギを手にした山本彩は、どうしようもないくらいにもどかしい感情を、弦を鳴らす力強いストロークと感情的な声に乗せて歌い叫んでいた。今の季節に似合うバラードの『雪恋』だ。弾き語りしてゆく歌へ、少しずつ演奏陣が音を重ね、楽曲へ彩りを与えだす。彼女自身の気持ちに熱が生まれるごとに、降り積もる思いを溶かしてゆくようにも思えていた。悲しみを白い雪で覆い尽くすように、静かにその悲しみを溶かし、前へと進もうとするように。抑揚していく歌声にじっくりと耳を傾け、しばし、粉雪の世界に浸っていた。

軽妙な演奏が流れだす。自然と起きたクラップ。山本彩は『ゆびきり』を歌い、この空間に明るい笑顔の花を咲かせる。お立ち台に座り、リラックスした様子で彼女は歌っていた。互いの心の距離をもっともっと縮めるように、またここで会おうねと約束のゆびきりを交わしていた。『ゆびきり』自体は別れをテーマにしているが、この場では、また一緒に遊ぼうねと、また遠くない時期に再会するための約束として、この楽曲を届けていたのだろう。歌い終わったあと、彼女自身も「みんなとの繋がりを再確認出来る曲だと思って歌っちゃいました」と語っていた。

昨年秋、山本彩は大好きなELLEGARDENのトリビュートアルバムに『風の日』のカバーで参加。MCで、敬愛するELLEGARDENへの思いを語ったうえで、両足でしっかりと舞台を踏みしめながら、彼女は力強く、いや、ガツガツとギターを掻き鳴らし、雄々しく声を張り上げ、白いスポットに照らされた中で『風の日』を歌いだした。言葉のひと言ひと言に魂を込めながらギターを打ち鳴らす。ふたたび、ギターを掻き鳴らしたのを合図に、楽曲は加速度を上げてバースト。熱情した演奏の上で、山本彩は気持ちを解き放つように歌っていた。大好きなバンドへのリスペクトを込めながら、この場にいる人たちに思いと言葉をしっかりと突き刺していった。

凛々しくもスリリングなギターの音が響き渡る。その音を攻撃の合図に、山本彩は凛々しい声を刀に観客たちへ挑みかかる。ラップのように荒ぶる言葉を突きつけ、『Don’t hold me back』を通して満員の観客たちを挑発し続ける。挑みかかるその姿勢に、心地好い緊張感も覚える。クールに、次々と言葉を突きつける山本彩。挑むその姿勢からは強い野生の香りが漂う。曲が進むにつれて重厚さを増す演奏。その衝撃を全身で受け止めながら、彼女は「生きたいように活きてやるぜ」という思いを雄々しい声に乗せ、フロア中の人たちへ沸き立つままに突き刺していった。

ライブも終盤へ。アコギを手にした山本彩が、力強くギター掻き鳴らす。飛びだしたのが『喝采』だ。不器用な自分の生き方を、彼女はアコギを鳴らしながら、その生きざまを誇らしく歌っていた。沸き立つ思いのままにギターを掻き鳴らし、感情をぶつける。その歌声が胸を熱く騒がせる。メンバーらの「Oi!Oi!」と煽る声に合わせ、フロア中から拳が突き上がる。荒ぶる感情を引き連れ、もっともっと熱情した世界の中へ山本彩と一緒に飛び込んでいきたい。

ブルーズなロックンロールギターの音が鳴り響く。胸をくすぐるキャッチーでパワフルな曲に乗せ、もっともっと楽しい未来が待っているはずだから一緒に駆けだそうぜと明るく誘うように、山本彩はレスポールを掻き鳴らし歌いだした。目の前に広がりだす晴れ渡る景色に向かって、彼女と一緒に駆けだしたい。きっと大勢の人たちが、山本彩の歌に合わせて心の中でシンガロングしながら、高ぶる気持ちを解き放っていたに違いない。『Are you ready?』、最高に気持ちを火照らせ、魂を開放する楽曲だ。ギターを掻き鳴らし歌う山本彩に向け、無数の拳がフロア中から突き上がる。山本彩も大きく両足を広げ、豪快にギターを弾いていた。誰もがリミッターを外し、心の動くままに騒いでいた。

アンコールで山本彩は、「マジで、人生の中で一番幸せだ」と述べていた。「改めて、みんなの存在のありがたみを、本当に感じています。たとえ壁にぶつかっても、躓いても、こけまくったとしても、それでもあきらめず、みんなとはずっと一緒にいたいなと思っています」と答えた、その言葉も嬉しい。

アンコールの最初に届けたのが、「あなたがいるこの世界は 何より素晴らしい」と歌った『Larimar』。彼女は歌う前に、「ふっとしたときに自分の存在意義がわからなくなり、落ち込んだりもします。この曲は、今の自分をしっかりと受け止め、今の自分を愛してあげられたらと書いた曲です。何かと闘っている人、我慢している人たちの何か変わるきっかけや、支えになったらいいなと思います」と語っていた。その思いを届けようと、真っ白い光に包まれながら、温かい思いを胸に、言葉のひと言ひと言を歌の手紙にして、目の前の一人一人の胸の内へ届けるように歌っていた。彼女の温かい思いの言葉が心地好い風となり、心を揺らしていた。

これからも“無限の可能性”を信じて」の言葉を合図に、山本彩は最後の最後に『レインボーローズ』を力強く歌いだした。みずからが、輝く光の中へ飛び込んでゆくように。いや、『レインボーローズ』を歌う山本彩自身が光源のような存在に見えていた。彼女が歌う「無限の可能性」という言葉に心のチューニングを合わせるたび、同じように後悔しない生き方をしたくなる。正直、そんな生き方が出来るかなんてわからない。だけど、山本彩の言葉を信じていたい。気持ちのチューニングを合わせると、自分も輝ける一人になれる。たとえそれが錯覚でもいいじゃないか。そうやって、一緒に無邪気な笑顔で、拳を突き上げ、自分自身の気持ちを熱く鼓舞できるなら、そんな楽しいことはない。「明日世界が終わっても後悔しない そう思える生き方をしたいと思った」と山本彩は歌っていた。その言葉を胸に、笑顔を浮かべ、しっかりと未来を見据えて歌うその姿になりたくて、必死に突き上げた手を舞台の上に伸ばしていた。

今年は、精力的にライブ活動もしてくれそうだ。次のアクションへ、また参加しなきゃね。

TEXT:長澤智典

《SET LIST》
  1. 1.ドラマチックに乾杯
  2. 2.Let go crazy
  3. 3.TRUE BLUE
  4. 4.against
  5. 5.夢の声
  6. 6.ラメント
  7. 7.あいまって。
  8. 8.雪恋
  9. 9.ゆびきり
  10. 10.風の日
  11. 11.Don’t hold me back
  12. 12.喝采
  13. 13.Are you ready?
  14. -ENCORE-
  15. EN1.Larimar
  16. EN2.レインボーローズ

山本彩(Vocal, Guitar)使用楽器・機材紹介

山本彩

ニューアルバム「&」Now On Sale!!

山本彩が3年ぶりに自身4枚目となる待望のオリジナルアルバムを発売!
前作『α』以降のシングルCD「ゼロ ユニバース」、「ドラマチックに乾杯」の収録曲に加え、デジタルシングル「yonder」、「Don’t hold me back」、「あいまって。」、さらに未発売曲「ラメント」他、新曲2曲を含む全12曲収録!
『&』と名付けた今作は、一人一人、その時代時代を形作る上で表れる様々な面(二面性、多代性)に着目し、それも自分と認めることや、認識していくことに対して、&(アンド)という一つのテーマで表現。
前作『α』以降の彼女の歩みと、そのアルバムテーマを新曲2曲に落とし込んだ、楽曲を通して様々な感情の山本彩を堪能できるアルバムとなっている。

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