作品について
#11
あいな:この作品は、「グラスに反射」というイメージでまずは撮影をしました。グラスに映っている目は後で合成しています。最初は写真を通してと思いましたが、グラスに明瞭に反射した目として映し出したかったことから、今回は合成という形を取りました。
わたしはこの写真で、アルコールインクアートというインクを垂らしてフーッと吹いた中、絵の上で滲むように広がってゆく様を写し取りたくて、その手法を用いました。ただし、広がりきった形で作品にするのではなく、広がってゆく様を写真で次々と撮影してゆく形で作品化しています。というのも、広がりきった作品が乾くと求めているのとは異なる質感になってしまうのが、理由の一つ。もう一つの理由が、SAYNという会社として、「目に見える奇跡を作ろう」という方針を掲げています。この作品に映し出された絵も滲み広がってゆく過程を映し出しているから、あの瞬間の絵はあのときにしか存在し得ないものでした。むしろ、その綺麗な瞬間瞬間を形にしたくてそういう手法を取ったわけですけど。それをここでは、上手く表現できたと思っています。また、作品全体を水の中にいるような感じにしたかったので、そこはアミに委ねました。
アミ:息を吹きかけたインクの広がっていく様を切り取ったことで、躍動感が出ていていいなぁと思って見ていました。デザインしていくときにも、お姉ちゃんが吹きながら切ったいろんなアルコールインクアートをいくつもレイヤーしながら、そのうえでグラスっぽい質感を全体的に意識しながら作り上げています。
あいな:最初はもっと炭っぽさの出たアルコールインクアートだったところを、アミのグラフィックで透明な水っぽくしてもらっています。
アミ:グラスっぽい色合いに変えてゆくのは意識していたところでした。理由は、中のグラスと外の現実世界を、反射したような二つの世界として映し出したかったからです。結果、不思議な世界観も描き出せたなと思っています。
あいな:グラスと外の世界が共に反射しあう世界を表現したかったし、その意味合いをしっかりと描き出せた1枚になりました。普通なら重ねすぎるとベタッとしすぎるところも、透明感のある質感にして構築したことでむしろ奥行きを出せたから、そこも良かったことでした。
#2
アミ:個展のテーマにもなっている「REFLECTION」感を強く感じるのが、大きいすぅちゃんの写真です。もともとはカラーの写真だったところを、わたしがレイヤーしながらモノクロな質感に仕上げています。
サイズが大きい分、一番作品と長く向き合いあいながら作りました。撮影のとき、ちょうど人物の影を綺麗に活かせる壁があったんですね。だから、影を綺麗に活かせる形で撮影をし、それをデザイン化しました。そのうえで、お姉ちゃんがジェルメディウムという画材を使って上からアートを描いてくれました。透明感を持った絵の具との一体感がすごく好きで、めちゃめちゃ気に入ってます。
あいな:もともと、被写体と影とのコントラストといいますか、光と影という反射を表現した一つの作品として完成もしていました。それを活かした上で、光のスポットライトが伸びたような感覚を持って絵の具を塗り重ねました。結果的に隠れてしまった部分もありますけど、もともとの作品にはもっと綺麗に伸びた影が映し出されていました。その面を活かしつつも、大胆に攻めていこうと勢いよく絵の具を縫った結果が今の形になりました。むしろ、その勢いが良い質感を生み出したから、わたしもすごく気に入ってます。
#13
あいな:この作品はポストカードにもしたくらいお気に入りです。作品を作るうえで、鏡や反射をどう絵の具を使って表現しようかと思い始めたときに、あらかじめシルバーの絵の具で描いたアートをアミがデータ化して取り込み、作品にレイヤー化してくれました。作品の上に直接塗るのではなく、アートした絵の具をグラフィック化して取り込んだことで、また良い質感を出せたなと思っています。
アミ:この作品では、同じ何枚もの写真を切ってはずらしてという手法も取ってデザインをしています。モデルさんの表情の魅力を消したくはなかったから、写真のずらし方にもすごく気を使いました。お姉ちゃんも言っていましたが、お姉ちゃんの作った絵の具アートをデータ化して取り込み、写真の上に重ねあわせることで、いい感じで反射感も出せたなと思っています。
インタビュー・文:長澤智典
撮影:小野寺将也
えじにゃん個展vol.03『film』 in Tokyo & Nagoya
★東京会場: WONDER PHOTO SHOP
2023年5月12日(金)〜5月24日(水)
開場:11:00 / 閉場:19:00 (※第2・第4木曜日は17:00まで)
入場料:無料
★名古屋会場:ROOMCRIM NAGOYA conceptshop
2023年5月24日(水)〜5月28日(日)
開場:11:00 / 閉場:20:00
入場料:無料
※28日はイベントを開催しているため、一部時間が変更になっております。
https://www.roomcrim.conceptshop.online/blogs/news/ejinyan_film
Chapter.4×おすし屋さんのポークたまごおにぎり展
2023年6月5日(月)〜2023年6月11日(日)
open 10:00~20:00
会場:おすし屋さんのポークたまごおにぎり(東京都渋谷区神宮前6-2-7)
https://osushinoportama.shopinfo.jp/
★山内姉妹1日店長
2023年6月11日(日) 16:00〜20:00