THE BOOGIE JACK
1曲目は『STARRY ROAD』。メンバーの掛け声に合わせて、オーディエンスも力強く拳を掲げた。ストレートにぶつかってくる音楽に自然と心が開いてしまう。そのまま音を止めずに『宝人』、旅を続ける仲間のバンドマンのことを歌った『イッツオーライ!』が投げ込まれる。アッパーでパワフルなナンバーの連続に、あっという間に体から汗が滲んできた。『彼方のラブソング』が始まると、オーディエンスは拳を突き上げながら音楽に心地よく身を委ねていた。
「太田家のみんなが準備してくれた最高の場所。本当だったら2月に今日出たバンドが集まってライブする予定が、小樽の花男と名古屋のTHE BOOGIE JACKだけが東京に行くことができなかった。それでも諦めきれなくてどうしてもまたやりたくて、太田家が頑張って準備して今日みんなで集まれました。本当にありがとうございます。俺は太田家というバンドが好きで。今日は本気で太田家を倒してやろうと思って名古屋からきてます。だからみんなも本気で何も残すことなく楽しんでください!」ヒライシュンタ(Vo.)がそう語ると会場からは盛大な拍手が。『Today』では、ヒライシュンタもアコースティックギターを持ち演奏に参加。続いて『クレーターストーリー』を披露し、ラストの『オーイェイ』では会場中でピースサインが高く掲げられ、全員でシンガロング。最後は全員で「おおた、やー!」の掛け声で締めくくった。
Gt.野津秀雄 使用楽器・機材紹介
ギター、野津秀雄の使用ギターはPaul Reed Smith SC245。PRSが一般的に採用している25インチスケールよりも短い24.5インチスケールを採用しており、その独特なサウンドと弾き心地に根強いファンも多い。
アンプは、ヘッドがFriedman BE-100、キャビネットがOrange PPC212。キャビネットは一見、縦型のPPC212Vにも見えるが、横型のPPC212を縦置きで使用するためエンブレム等が貼り直されており、スピーカーもErectro Voice EVM 12Lへと換装されるなどの改造が施されている。
野津のペダルボードがこちら。一見点数が多く見えるが、KLON CENTAURを中心にコーラス、ディレイ等を配したシンプルなラインナップだ。ボード奥側のペダルは踏みやすいように底上げされている。
( 1 ) Providence PEC-04(プログラマブル・スイッチャー)
( 2 ) tc electronic Polytune 2 mini Noir(チューナー)
( 3 ) KLON Centaur(オーバードライブ)
( 4 ) Electro-Harmonix Neo Clone(コーラス)
( 5 ) tc electronic Flashback X4 Delay(ディレイ)
( 6 ) MXR M237 DC Brick(パワーサプライ)
( 7 ) MORLEY Mini Mark Tremonti Wah(ワウペダル)
( 8 ) MXR M108 10 Band Graphic EQ(イコライザー)
( 9 ) Ernie Ball Volume Pedal(ボリュームペダル)
―今回使用した機材との出会いや選んだ理由、購入の経緯等あればお聞かせください。
野津秀雄(以下、野津):PRSは、2019年に購入しました。完全に見た目で買いました。トップ材が、標準的な2ピースではなく1ピース仕様です。杢目のよく出た綺麗なギターです。
アンプ(Friedman BE-100)は、発売当初からずっと注目してきたのですが、たまたま見た海外オークションで出品されているのを発見し、勢いで購入しました。音が飛んでくるような、突き刺すサウンドが気に入っています。
Orange PPC112は名古屋のバンド「みそっかす」の元ギターのノブリルから受け継いだものです。スピーカーをElectro-Voice社製のEVM12LとEVM12Sに交換してあります。かつ、縦置きに変えています。
エフェクターは、ブースターとしてケンタウルス、ディレイにFLASH BACKを使っています。ワウは、CREEDのMark Tremontiが好きで彼のモデルを購入しました。が、あまり使えていないですね。ギターソロの際、気が向いたときに踏むくらいです。イコライザーは置いているだけで、基本使っていないです。
―サウンド面での特徴や魅力、その機材への愛着の理由をお聞かせください。
野津:歪が命の直線番長。FriedmanとOrangeの組み合わせが最高だと個人的に思っています。手元でボリュームを絞ればクリーンも綺麗にでます。ディストーションとオーバードライブの中間が狙える、優れものですね。
―独自の調整や改造をしている部分があれば教えてください。
野津:PRSには、バッファー回路のバイタライザー(Providence VZ-G1)を組み込んであります。On/Offをコントロールできるよう、スイッチをギター本体につけています。
Friedmanは、初期型のため、BEモードとHBEモードを切り替えられないモデルですが、フットスイッチで切り変えられるよう改造してあります。
キャビネットは、横置きモデルですが、聞きやすいよう縦置きに変えました。スピーカーはElectro-Voice社製のEVM12LとEVM12Sに交換してあります。中古市場でも中々見ない、絶版のモデルのようです。ミドルにピークのある、特徴的なサウンドが気に入っています。
―曲ごとでどのように使い分け・使用をしているか教えてください。
野津:基本、あまり曲ごとには使い分けはしていません。どうしても歪を減らしたい場合に、アンプ側のチャンネルで歪を落としている(HBE→BE)くらいです。
―音作りで気を使った点やサウンドメイキングのこだわりがあれば教えてください。
野津:歪はアンプ側で作っています。クリーンは足元のボリュームペダルで作ることもありますが、基本、ギターのボリュームでコントロールすることが多いです。
基本、音色を曲ごとにあまり変えないタイプのため、足元にエフェクターはたくさん要らないはずなんですが、なぜか歳を重ねるごとに増えていくんですよね。
Ba.Yoppe 使用楽器・機材紹介
ベーシストYoppeの使用ベースはMusic Man Stingray 発売20周年記念モデルとして1996年に発売されたMusic Man Limited Edition Stingray 20th Anniversary。ボディトップの美しいフレイムメイプルの杢目が印象的な一本だ。
アンプはMarkbass Big Bangヘッドを使用。コンパクトなサイズながらMarkbassならではのサウンドと500Wの出力を誇るモデルだ。
Yoppeのペダルボードがこちら。チューナー、コンプ、プリアンプとシンプルな構成だ。
( 1 ) KORG Pitchblack(チューナー)
( 2 ) EBS Multi Comp(コンプレッサー)
( 3 ) Crews Maniac Sound Quad Sound-Bass Pre AMP(プリアンプ)
( 4 ) Voodoo Lab Pedal Power 2 Plus(パワーサプライ)
撮影:菊島明梨
取材・文:上間江望
THE BOOGIE JACK
太田家
太田家3rdフルアルバム「あいことば」
5周年を迎えた太田家の魅力を詰め込んだ1枚!
[収録楽曲]
・夏影方程式
・君と世界征服
・言ノ葉ニ咲ク
・ストラトシャウト
・ERIKA様インスト
・パンクソーラン
・咖喱
・鋼
・沈黙と歓声の間
・ハナミズキ2
・限界ヒーロー
・新曲
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