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これからも共に歩みながら、世界中の人たちを全員「太田姓」に変えていこう。
太田家、ワンマン公演「春のおおたまつり2023」ライブレポート
太田家の4周年公演として、4月19日に青山RizMで行われた「春のおおたまつり2023」。周年公演だからと言って、集大成や記念日公演で終わらせないところが、太田家。この日の模様を、さっそくお届けしたい。
フロア中に響きだした『太田家』の楽曲。ゆっくりと幕が上がり、『太田家』の曲へ導かれるようにメンバーたちが舞台の上に姿を現した。ドラムの太田たけちゃんは、持参した太田のネームカードを観客たちに配りだす。そう、ここに集まった人たちは、この瞬間から全員が太田姓だ。遊び心を持って観客たちを巻き込む姿こそ、太田家らしさ。『太田家』の楽曲に合わせ、メンバーと観客たちが一緒にクラップ。その後、メンバーたちは楽器を手に準備を始めるが、その間も観客たちは、拳を振り上げ、声を張り上げ、流れる曲に合わせて無邪気に楽しんでいた。
ライブは、この空間にひと足早い夏を連れ出すように、『夏のイカれ野郎』を演奏しながら幕を開けた。「春のおおたまつり」と名付けつつも、いきなり夏を引き寄せるところが自由奔放な太田家らしさ。この曲では、凛々しい表情や演奏を示しながら、スタート。でも、曲が進むにつれ、4人はフロアへ向けて猛暑並の衝撃を持った熱い演奏をぶち噛ます。太田彩華の歌声にもどんどん熱が増す。メンバーたちの掛け合う声からも、気合が伝わってくる。もちろん、フロアは、拳を高く突き上げ、早くも熱狂をむさぼり喰らう人たちであふれていた。
熱風吹き荒れる中へさらに熱い衝撃を叩きつけようと、太田家はエモパンク/スカビートナンバーの『赤赤』を演奏。オラオラと煽るように歌う太田彩華。勇ましいその様へ引っ張られるように、楽器陣もタイトかつスリリングな演奏を突きつけ、この空間に心地好い緊張感を作りだす。メンバーたちの歌声や演奏とシンクロするように、フロア中の人たちが拳を突き上げる。そのやりとりも胸に熱い!!!!
次に披露した『夢の散歩者』は、上京して間もない時期、これまでいろんな景色を見せてくれたからこそ、今度はわたしがいろんな夢の景色を見せてあげたいと、家族に向けて歌った楽曲。「夢の散歩者~」と歌う声から始まるマーチングナンバーだ。この曲に触れていると、果てない夢に向かい、勇ましい気持ちに心を染め上げ、共に夢に向かって歩んでいける。この日も、太田彩華を先頭に、メンバーたちが並走し、その後ろを、ここに集った仲間たちが、共に胸を張って更新してゆくような様が生まれていた。実際に行進は出来ないぶん、そんな風に気持ちを染め上げ、高らかに、輝く未来へ向かって雄々しく拳を振り上げ進みたい気持ちでいた。
太田エリカ様のギターの音を合図に、楽曲はエモい衝動と熱情を膨らませるように『夏影方程式』へ。気持ちを嬉しく奮い立てる演奏だ。疾走するタイトなビートの上で、次々と思いを言葉に乗せて発し続ける太田彩華。歌声と演奏がシンクロしながら、曲が進むにつれ、どんどんエモさを膨らませる。終盤には太田彩華の感情的なセリフも組み込みながら、メンバーと観客たちが「オーオーオー」と声を張り上げ、気持ちに一つに結びあえば、太田たけちゃんと太田ひさおくんの煽り声に合わせ、高く拳を突き上げていた。
熱くなった空気を、もっともっと空高く、開放的な場所へ連れ出すように、太田エリカ様のギターを軸に据えたインストナンバーの『HIGHER GROUND』を演奏。青空へ向かって旋律の翼を広げ、心地好く羽ばたいてゆく。そんな感覚を覚えるくらいに、気持ちを大きな空間へ向けて解き放つ楽曲だ。途中にはメンバーどうしでスリリングな音をぶつけあう様も登場。太田エリカ様の伸びのある開放的なギターの旋律に乗せ、爽やかで心地好い。でも、灼熱の陽差しが降り注ぐ夏の海辺へと心を運んでゆくような気分を味わえた演奏だった。
フロア中に沸き立った熱い空気へ、スカッと爽やかな。でも、確かに火照った熱を持った風を吹かせけるように、太田家は『ストラトシャウト』を演奏。太田彩華は、着物を半分脱ぎ捨て、気合の入った姿で、沸き立つ衝動のまま高らかに歌っていた。心地好く疾走するロックンロールに飛び乗り、フロア中の人たちが拳を振り上げ、ときにクラップをしながら、一緒にエモい衝動を感じあっていた。歌声と演奏が沸き立つ気持ちを持って重なりあうたびに、嬉しいくらいに心がシャウトしてゆく。その感覚が、胸に熱かった。
次に届けた2曲が、ゲームやアニメのタイアップ曲。先に披露したゲーム「SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-」のテーマ曲『言ノ葉二咲ク』は、オリエンタルな音色も巧みに取り入れた、切なさを抱きながらも、エモーショナルな歌に心が揺らぎ、揺さぶられる楽曲だ。太田家は愛しい君のことを思いながら、その人の心をぎゅっと抱きしめるように歌い奏でていた。美しくもメロウな。でも、胸をキュッとしめつける切なさを持った楽曲だ。触れている間中、涙が瞼に次々と重なってゆく。そんな気持ちに心も染まりながら、哀愁美メロな歌に気持ちを寄り添え、悠久の音色と共に、切ない物語へしばし浸っていた。
アニメ「トラとミケ」のテーマ曲として流れていた『四季とカスミソウ』は、ピアノの音色に乗せた優しい歌声から始まる、こちらは哀愁浪漫漂う楽曲だ。小さな種が芽吹き、やがて花を咲かせるように。胸の内に抱いた思いを少しずつ膨らませ、育み続けるように、温かい演奏と優しい歌声やハーモニーが、この空間にいる人たちの心にほっこりとした優しさや小さな温もりを与えていた。終盤には、メンバーと観客たちが気持ちを一つに「オーオー」と温かい歌声を重ねあっていた。その景色が、とても愛おしい。
途中、「春のパンまつり」にかけた、ランチパックの神経衰弱を太田たけちゃんが実施。そんな遊び心も挟みつつ、ライブは後半戦へ。太田エリカ様の荒ぶるギターの演奏をきっかけに、太田彩華が手にした扇子を振り回しながら、演奏は、エモくパンキッシュな『じゃぱにーず・いでぃおっと』へ。サビ歌では、扇子を振り回し「色即是空」と歌う太田彩華に向け、メンバーやフロア中の人たちが、同じく扇子や腕を振りながら「ぎゃーてーぎゃーてー」と歌を交わしあう。頭を空っぽに、エモい歌と演奏に乗せて無邪気にはしゃぐ。その楽しさこそが、太田家が届ける青春パンク・熱情熱狂篇の姿だ。
先の勢いをさらに膨らませるように、太田家は激熱エモパンクナンバーの『クソゲーって言うな!』をぶち噛まし、これまで以上に熱い声をフロア中から響かせた。途中、太田彩華が客席へ飛び込めば、彼女を囲むように大きなサークルを描き、観客たちがフロアの真ん中で熱唱する太田彩華に向け、拳を突き上げて熱いエールを送る。歌心で気持ちを熱くするのも太田家だが、ストレートなメロコアナンバーを通して熱情へと導くのも、太田家らしい姿だ。
「自分のやりたいことを否定されようと、あきらめずにきて良かったなと思います。自分の夢は自分でしか育てられないから、自分のやりたいことを大事にしてください。わたしは真正面から、あなたのやりたいことを全肯定してあげます。わたしもまだ夢の途中ですけど、一緒に頑張って生きていけたらなと思います」(太田彩華)
「僕の人生の主役は まぎれもなく僕だってこと」の言葉を合図に、太田家は、すべての人の夢を追いかける姿にエールを送るように『シュプレヒコールが眠らない』を届けてくれた。太田彩華の思いの詰まった温かい歌声や気持ちへ優しく寄り添いながらも、でも確かな熱を持った演奏に、変わらずフロア中から熱い拳が突き上がる。サビでフロア中に生まれた「オーオーオーオー」の声。太田家の思いに共鳴した人たちの揺らした拳には、強さと同時に、共感や共鳴という温かさがあふれていた。
演奏は、さらに熱情したパワーを上げるように『君と世界制服』へ。幾つになっても、何時までだって、僕らは青春時代の衝動を忘れることなく生きていきたい。無理に自分を殺すことが大人になることなら、この空間にいる間だけでも、無邪気で無敵だった10代の頃の自分に戻って、心のままに騒げばいい。その姿こそ、君が一番輝ける姿なのだから。
「みんなの明日がもっともっと輝きますように」の言葉を受けて飛び出したのが、『光れ』。譲れない気持ちを胸に、信じた夢に向かって力強く駆けだせば、その思いは、“君”を絶対に輝かせる。腰をグッと落としながらギターを掻き鳴らす太田エリカ様の姿も胸に熱い。メンバーが、フロア中の人たちが、『光れ』の演奏に気持ちを重ね合わせながら自分自身を輝かせていた。
最後に太田家は、『愛とアストロノミア』を演奏。太田彩華のベースのフレーズに合わせ、フロア中からクラップが響き渡る。むちゃくちゃ魂を熱く掻き立てる楽曲だ。太田彩華の歌へ思いを重ね合わせるように、フロア中の人たちが「Oi!Oi!Oi!」と叫べば、「オーオーオー」と高らかに声を上げてエールを送っていた。曲が進むごとに心の奥底から、熱情した気持ちがマグマのように沸き上がる。滾り続けるこの感情を、「オーオーオー」と声を張り上げて解き放ちたい。いや、そうしなきゃ、心が破裂しそうだ。誰もが、あるべき自分の姿に戻り、4人と本気で音楽を楽しんでいた。
アンコールの最初に太田家は、支えてくれる人たちへ、これからも太田家というバンドの歩みを止めないと約束を交わすように『ツアーは続く』を演奏。とてもハートフルなミドルメロウナンバーだ。温かい太田彩華の歌声やメンバーたちの演奏へ、ずっと気持ちを寄り添えていたい。フロア中の人たちも、心地好く身体を揺らしながら、舞台の上から届く演奏を優しい表情で受け止めていた。
最後に太田家は、このバンドを、太田家のライブをずっと支え続けてきた『名もなき少年の名もなき青春』を演奏。メンバーと観客たちが、共に熱く声を張り上げ、拳を突き上げ、これからも共に歩みながら、世界中の人たちを全員「太田姓」に変えていこうと、熱い絆を改めて強く結び合っていた。
この日の模様は、映像作品になることが決定。5年目へ突入した太田家。引き続き、あなたも太田家のライブに足を運び、「太田」姓になってしまえ!!
PHOTO: 鶴田健吾
TEXT:長澤智典
《SET LIST》
- 1.太田家
- 2.夏のイカれ野郎
- 3.赤赤
- 4.夢の散歩者
- 5.夏影方程式
- 6.HIGHER GROUND
- 7.ストラトシャウト
- 8.言ノ葉二咲ク
- 9.四季とカスミソウ
- 10.じゃぱにーず・いでぃおっと
- 11.クソゲーって言うな!
- 12.シュプレヒコールが眠らない
- 13.君と世界制服
- 14.光れ
- 15.愛とアストロノミア
- -ENCORE-
- EN1.ツアーは続く
- EN2.名もなき少年の 名もなき青春
太田家
太田家3rdフルアルバム「あいことば」
5周年を迎えた太田家の魅力を詰め込んだ1枚!
[収録楽曲]
・夏影方程式
・君と世界征服
・言ノ葉ニ咲ク
・ストラトシャウト
・ERIKA様インスト
・パンクソーラン
・咖喱
・鋼
・沈黙と歓声の間
・ハナミズキ2
・限界ヒーロー
・新曲
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