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みんなが太田家色にがんぎまった一夜!!
太田家として初ライブを行ったのが、2019年4月19日。渋谷REXで行われたイベントへの出演だった。あれから丸5年。太田家は活動5周年を記念し、4月19日に渋谷REXで単独公演『5周年記念ワンマンライブ「おおたの源 5!ゴー太田家」』を行った。5年後に、始まりの地へ単独公演で戻ってくる。もちろん、これまで何度もワンマン公演は行ってきた。でも、あえて始まりの地へ戻ってきたところにドラマを覚える。この日のチケットには、新潟県は燕三条市で作ったカレースプーンがついていた。当日の会場内では、「ぎふカレー」さん、「GENKI ROCK CURRY」さんが作る「ゲンキーマカレー」と「太田彩華のガンギマリカレー」の3種類のカレーを販売。一体どんなライブだったのか、当日の模様をここにお伝えしたい。
カレーの匂いが漂う場内。カレーの飲食はみなさんロビーで味わってとはいえ、開けた扉越しや、フロアに入る人たちからも、そこはかとなくカレーの匂いが漂っていた。3種類のカレーの香りがミックスした場内には、スパイシーな刺激が漂い続けている。さっき一個食べたのに、また食欲が…。
太田家、初となるMV『名もなき少年の 名もなき青春』を先に上映。太田家の歴史は、まさにこの曲から始まったことを、5年前の映像を観て懐かしさも覚えながら再確認。そして…。
太田たけちゃんの「せ~の」の声を合図に、メンバーたちによる「太田、太田」の熱い声が飛び交う。スクリーン変わりの幕が上がると、そこには太田家のメンバーらの姿が…。ライブは、この場にいる人たち全員を「太田家」の仲間に染めあげる『太田家』から幕を開けた。太田彩華の歌にあわせ、場内中の人たちも一緒にシンガロング。メンバー紹介も兼ねたこの曲を通し、それぞれがさりげなく、でも熱くプレイをアピール。触れた人たちを太田姓のみならず、祭り人にも変えてゆく楽曲だ。後半にはメンバーと観客たちが共に手を振り上げ、「太田、太田」と大合唱。この瞬間、この会場にいたすべての人たちが太田姓に染まり、この日限りの癖の強いファミリーを作りだしていた。
その勢いへ、さらに熱を注ごうと太田家が歌いだしたのが『パンクソーラン』。この曲では、MVに登場していたキッズダンサーたちから代表で4名が出演、舞台の上で愛らしい姿で踊りだす。お馴染みの『ソーラン節』をパンクスタイルにアレンジした、華激な祭り曲だ。誰もが一度は耳にしたことのある馴染み深い楽曲という理由や、原曲をパンク色に染めあげたことで一緒に「Oi!Oi!」と叫べることから、場内のあちこちから熱い声が飛び交えば、その場で跳ね人となって祭り上がる人たちも誕生。この曲でも、ひと際大きな声を張り上げていたのが、ドラマーの太田たけちゃん。でも、そうであってこそ太田家のライブ。彼こそが、祭りの影の先導役(先供)なのだから。
MC TIMEでも、場内中の人たちが螺子を外して沸き立っていた。この一体感こそが、太田家ファミリーらしさ。
次のブロックは、春を通り越し、ひと足早く夏の風を吹き込むように『夏影方程式』からスタート。この曲でも、太田たけちゃんの「Oi!Oi!」と煽る熱い声へ刺激を受けた大勢の仲間たちが、拳を振り上げ、最初から感情のアクセルを全開に騒ぎだす。太田家が連れてきた夏は、爽やかどころか、猛暑以上の熱風を巻き起こしていた。けっして暑いだけではない、そこには胸をキュンとくすぐる青春の香りが含まれている。だから大勢の人たちが眩しかった青春の景色を思い出すような表情で、メンバーらと一緒に「Oh!Oh!Oh!」とシンガロングしながら、舞台上に向かって拳を振り上げていた。
続く『ストラトシャウト』が始まったとたん、太田彩華と観客たちがクラップを交わしあう。太田エリカ様のギターが歪んだ音を撒き散らし、楽曲が勢いよく駆けだすのを合図に、フロア中の人たちが拳を突き上げ、ときに「Oi!Oi!」と声を張り上げ、舞台の上の4人と共鳴しあう。さぁ、もっともっと熱狂の風を巻き起こし、この場に最強のメロディーを振りまいてゆけ。間奏では、演奏陣のソロまわしも登場。一緒に熱狂の風を掻き回し、最高の宴を作りだせ!!駆けるビートに合わせて、身体を揺さぶれ。それだけで僕らは、熱情した風になれる!!
『鋼』の歌や演奏に合わせ、冒頭から「GO!!」の掛け声はもちろん、爆走するパンキッシュな楽曲に乗せ、誰もが全身全霊で声を張り上げ、大きく身体を揺らし、この場に熱狂という生きた証を刻み続けていた。テンポ速く軽快に走る楽曲が、心のエンジンもフル回転してゆく。ときに激しく疾走する音楽に身を委ね、ときにクラップをしながら、ずっと拳を突き上げ、大勢の人たちが全身全霊で「GO!!」と叫び続けていた。
場内中に生まれた熱を高く高く青空へ舞い上がらせて未来へ繋げるように、太田エリカ様がインストナンバーの『to the FUTURE』を演奏。この曲では3人も、太田エリカ様の解き放つ、心をカラっと晴れた景色に染め上げる華やかなギターの旋律へ寄り添い、一緒に心を高く舞い上がらせるように演奏を繰り出していた。身体をのけぞらせ、次々と気持ちを解き放つ旋律を響かせる太田エリカ様。その姿へ向けて拳を突き上げる人もいれば、心地よく身体を揺らし、共に気持ちを未来へ繋いでゆく人たちも、そこには大勢いた。
MC TIMEでは、太田たけちゃんが前に出て、この日用意した3種類のカレー「ぎふカレー」「ゲンキーマカレー」「太田彩華のガンギマリカレー」の中から、隠しスパイスを使って作りあげた「太田彩華のガンギマリカレー」を試食。一口食べては「家庭的な味がする」「野菜もゴロゴロしていてめっちゃ食べ応えがある」と感想を述べつつも、なかなか隠し味のスパイスが何なのかを突き止められずにいたことも伝えておこう。ちなみに、MC中3人が楽器を置いているのに、太田エリカ様だけはずっとギターを抱えていたところも、彼女らしい。
「カレーの神様、私に力をください」と叫ぶ太田彩華。次のブロックは、この会場をインドに染めてしまえと、この日のライブに相応しい『咖喱』を演奏。身体中を熱々にする「太田彩華のガンギマリカレー」を食べたばかりの太田たけちゃんの叫び声も、ひと際圧を増している。ラウドでパンキッシュ、しかもエスニックなスパイスとパンチの効いた楽曲に合わせ、場内中の人たちも「Oi!Oi!」と叫び声を上げながら雄々しく拳を突き上げる。まさに「咖喱」のパワーが、この空間を熱々な景色に染めあげていた。
熱々とした景色へ、赤赤と熱情した色を加えるように、太田家はスカパンクナンバーの『赤赤』を演奏。真っ赤な照明に照らされた中、太田彩華が熱唱すれば、その声に向け、場内中から無数の拳が突き上がる。間奏で起きた「Oi!Oi!」のコールも、この曲ではお馴染みの景色。赤く塗り上げた沸き立つ感情を、限界までもっともっと赤く染めあげたい。
その気持ちへ応えるように、太田家は『限界HERO』をぶち込んだ。「Oi!Oi!」と熱い声が場内中を揺るがすのは、この場のスタンダード。その上でメンバーたちは、感情を熱く沸き立てる激エモな歌と演奏を次々と突きつければ、一緒に声を張り上げオーイングしようとずっとずっと熱い誘いをかけていた。場内中の人たちも限界を超える勢いで、メンバーらと一緒に「Oh!Oh!Oh!」とシンガロングしてゆく。何時しかこの場にいる人たち全員が、熱狂の鎧を身にまとった無敵なヒーローに染め上がっていた。
MCでは、太田たけちゃんが「がんぎまってきた!!」と今の気持ちを報告。ここでは、どんなときでもライブに駆けつけてくれる、太田家にとってのヒーローに当たるファンたちに捧げる曲として『限界HERO』を作ったと語っていた。
次のブロックは、太田家の楽曲の中でも、情緒のある歌詞を綴った歌たちを集めて演奏。物語に登場するヒロインに心を染めあげ、逢いたい人へ向けた切ない心模様を零すように歌った『無糖』。太田彩華が「逢いたいよ 逢いたいよ」と歌うたびに、同じように切ない感情が体積してゆく。心の叫びを連呼する太田彩華の歌と、その声に色をつける演奏に触れ続け、いつしか瞼が温く滲んでいた。
和心を抱いた太田エリカ様のギターの旋律が、胸をキュッと疼かせる。続く『言ノ葉ニ咲ク』でも太田彩華は、手渡すことのない恋文に綴った文字を、切々とした思いを胸に、演奏に乗せて詠み続けていた。まるで、和歌を読むような楽曲だ。その歌声や演奏からは古の浪漫も覚える。時空を超えてさえ、変わらぬ普遍な心模様。それを、『言ノ葉ニ咲ク』に触れながら、ずっと感じていた。
メンバーたちの「オーオオーオオー」と合唱する声が場内中に響き渡る。最新アルバム『あいことば』の最後に収録した『沈黙と歓声の間』だ。胸の内に抱いた思いを愛しく語りかける歌声は、次第に温もりを増しながら、言葉(思い)のブランケットで、この場にいる人たちの心を包みこむ。生きる意味を示すように、この歌が響き渡る。フロアにいる大勢の人たちが、メンバーらと一緒に手を振り上げ、「オーオオー」と合唱。その景色の、なんとエモかったことか。振り上げたたくさんの手の中には、この日配られたカレースプーンを掲げている人たちがいたことも報告しておこう。
太田ひさおくんの奏でるエレピの音色に乗せ、今、感じている素直な気持ちを語る太田彩華。一人一人が人生の主人公であると伝えたうえで歌ったのが、今を生きているすべての人にエールを送る『シュプレヒコールが眠らない』。胸に抱いた思いを小さな勇気や自信という光にし、目の前にいる一人一人の胸の内へ差すように太田彩華は歌っていた。彼女の解き放つ歌声を一つとして零さないようにと場内中の人たちが手を振り上げ、太田彩華の声を合図に、みんなで拳を振り上げ「オッオッオッオー」と声を張り上げ続けていた。
熱情したい感情へ気持ちを奮い立てるエナジーを注ぎ込むように、太田家は『君と世界制服』を演奏。曲が進むごとに、歌声や演奏がどんどん熱を上げだす。だから、エモーショナルに駆ける曲に心地よく身を委ね、膝を大きく折り曲げながら、メンバーらと一緒に高まる熱を感じ続けていた。とても青春の息吹を覚える曲だ。いつしか4人と一緒に、眩い青春の景色の中へ飛び込んでいた。
この萌え立つ気持ちよ、もっともっと輝きを放て。眩しい景色の中、この場にいる人たち全員を夢に恋していた少年少女へ戻すように、太田家は『光れ』を熱唱&熱演。気持ちを熱く奮い立てる楽曲だ。拳を高く突き上げ、共に大声を張り上げて歌い続けたい。その声が、この場にいる一人一人を無敵のドリーマーにしてゆく。さぁ、その熱意を持って輝いていけ!!!!
最後は、やはりこの曲。どんな状況下でも、必ずその場にいる人たちと一緒に「Oi!Oi!Oi!」とシンガロングしながら、眩しい青春のひとときを共に描き続けてきた『愛とアストロノミア』だ。メンバーらへ向けて声を張り上げ、高く手を伸ばしたい。心が騒ぐままに「Oi!Oi!Oi!」と声を張り上げ、拳を突き上げながら「オオオオオー」と一緒に歌いたい。終わらぬ青春を感じるたびに、気持ちが熱く騒ぎだす。高ぶるこの血潮をほとばしらせ、歌い続けたい。限界さえとっくに超えた、その先の景色の中、眩しい一つの光となってずっとずっと輝き続けていたい。ただ、それだけが欲しかったんだ。
アンコール変わりに場内中に飛び交う「太田」コール。声を重ねるごとに熱と圧が上がっていくところが、太田家のライブらしい。
ベースボールシャツを着て舞台に姿に現したメンバーたち。丸5年を迎え、翌日から6年目へと歩みだす太田家。これからも太田家の歩みは長く続いてゆく。4人の気持ちと視線が未来へ向き続けている限り、太田家の歩みは止まることはない。だから、太田家の歩みと一緒にこれからも人生というツアーを続けていこうじゃないか。そんな思いを歌に乗せ、応援してくれる人たちへ感謝の気持ちも届けるように、アンコールの最初に太田家は『ツアーは続く』を歌っていた。太田彩華のベースから演奏はスタート。そこへメンバーらが音を奏で、寄り添いだす。目の前にいる大勢の仲間たちも音の方舟の上に乗せ、ゆったりとした歌の波に揺られながら、みんなで優しい笑みを浮かべて寄り添っていた。
この日のライブの最後を飾るのは、やはりこの曲しかない。太田家の始まりを告げた『名もなき少年の 名もなき青春』だ。初ライブの最初の曲として、太田家は渋谷REXのステージの上で『名もなき少年の 名もなき青春』を歌っていた。あの頃の自分たちを振り返りながら。けっして郷愁に浸るのではなく、これからも純粋で無垢で真っ直ぐな気持ちを胸に尽きぬ夢を描き続けると仲間たちへ誓うように。その夢を、これからも一緒に描き続けようと、観客たちの振り上げた拳も未来を描く絵筆に変えながら、次の景色のための一歩目の文字と背景を、この場へ一緒に描いていった。止まない「Oi!Oi!」の声が、ずっとずっと胸の内にこだましていた。最後、メンバーと観客たちによる「太田」「家」の掛け声5連発も強烈だった。
太田家は今、6年目の道の上を歩いている。相変わらず舗装された綺麗な道じゃないけど。仲間たちと一歩一歩しっかりと踏みしめ、歩くたびに、踏みしめた草たちによって生まれた色鮮やかな道が、歩いたその後に広がってゆく。そうやって、これからも共に道を作り続けようか。
TEXT:長澤智典
《SET LIST》
- 1.太田家
- 2.パンクソーラン
- 3.夏影方程式
- 4.ストラトシャウト
- 5.鋼
- 6.to the FUTURE
- 7.咖喱
- 8.赤赤
- 9.限界HERO
- 10.無糖
- 11.言ノ葉ニ咲ク
- 12.沈黙と歓声の間
- 13.シュプレヒコールが眠らない
- 14.君と世界制服
- 15.光れ
- 16.愛とアストロノミア
- -ENCORE-
- EN1.ツアーは続く
- EN2.名もなき少年の 名もなき青春
太田家
太田家3rdフルアルバム「あいことば」
5周年を迎えた太田家の魅力を詰め込んだ1枚!
[収録楽曲]
・夏影方程式
・君と世界征服
・言ノ葉ニ咲ク
・ストラトシャウト
・ERIKA様インスト
・パンクソーラン
・咖喱
・鋼
・沈黙と歓声の間
・ハナミズキ2
・限界ヒーロー
・新曲
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