美しくも狂気を孕んだギターの演奏がドラマを描きだす。それまでの攻めた視線から色を塗り替えるように、LOVEBITESはミドルメロウな『A Frozen Serenade』を奏で、観客たちの心に歌声と演奏を染み渡らせてゆく。2本のギターがフレーズを重ねたときの、むせび泣く気持ちがたまらない。言葉のひと言ひと言を噛みしめながら歌うasami。彼女の想いへ深い色を塗り重ねる演奏陣。その音色は、深遠へ深く深く堕ちてゆくようにも聞こえていた。後半では、miyakoがピアノの旋律を奏でだす。そこへmidoriが切ないアコギの音色を重ねてゆく。とてもメランコリックな展開だ。やがて楽曲は美しき狂気を携えながら、ふたたび天へ向かって高く上がり続ける。2本の美しいギターの旋律は、見ている人たちの気持ちを天空の彼方まで連れ出していくようにも思えていた。

楽曲は、美しき鋼の翼を広げ舞い躍るように『Swan Song』へ。asamiが、2階の舞台上で美しき白鳥の化身と化し舞い躍る姿も見せていた。この曲も、美しい狂気を秘めた楽曲だ。感情荒ぶるリフ中心の重厚な演奏の上で、asamiが歌声の翼を広げ、触れた人たちの気持ちを雄々しい世界へ連れ出した。途中、想いを馳せるように美しい声を羽ばたかせるasamiの歌声がとても印象深く耳に響いていた。最後に、miyakoが力強く叩いたピアノの旋律も、胸にジンと染み渡った。

ここで、asamiが語りだした。「ライブという存在が突然遠いものになって、みんなとの繋がりも絶たれた気がしてとてもつらい1年間でした。いろんなことを考えさせられました。音楽とは、LOVEBITESとは…。心折れそうになったこともあります。5人ともそれぞれの想いがありました。ただ、どんなときも、いつも思い出すのはみんなのことだった。みんなの顔、声、想い、言葉。それが一つ一つ原動力となって、LOVEBITESはやるべきことを見失わずに進んでこれた1年間になったと思います。この1年、本当に無駄じゃなかったよ。この1年が無かったら、この空間も、本当に大切なものだと気付けなかったかも知れない。物事に無駄なことは一つもないと思っています。わたしたちにとって音楽はけっして不要じゃなかったね。これからも音楽と共に生きていくし、みんなで前を向いて進むのみだと思っています。これからも変わらずみんなと一緒に歩んでいきたいなと思っています。ついてきてくれますか。もっともっと最高の景色をかならず見せてあげる。それが私たちにできる唯一の恩返しだと思っています。愛すべきみんなに、そして世界にこの曲を捧げます」と。

とても美しくシンフォニックな音色が流れだした。気持ちを熱く昂らせる演奏を合図に、楽曲は次第に勇壮さを増してゆく。シンフォニック/ハードな演奏が炸裂すると同時に、楽曲は『Glory To The World』へ。沸き立つ想いのままに雄々しく歌うasami。彼女の昂る気持ちを力強く勇壮に支える演奏陣。サビ歌へ突入する頃には、そのドラマは心揺さぶるシンフォニックハードなオペラに姿を変えていた。この曲には、メンバーたちの心の叫びや祈りが、燃え滾るマグマのような熱となって詰め込まれている。気持ちが勇壮さを増していく。気がつけば共に拳を振り上げていた。演奏が進むごとに激しさと雄々しさが、何より高陽した気持ちが増してゆく。これはオペラだ。LOVEBITESが奏でる魂の解放と祈りを詰め込んだ、最高にドラマチックなロックオペラだ。

2階ステージでasamiがアカペラで歌いだした。とても朗々とした、魂を浄化するような歌声が響き渡る。その声を合図にmiyakoのギターが火を噴くや、演奏は『The Apocalypse』へ。ふたたび彼女たちは唸るような音を突きつけ、観客たちを挑発し続ける。余計な装飾を取り払い、剥きだした音と歌声を5人は突きつけながら、裸と裸の心のぶつかりあう闘いを挑んでいた。その闘いに触発され、会場中の人たちが拳を突き上げ、想いを全身で受け止めていた。剥きだした痛苦しいドラマが、こんなにも胸を強く突き刺すとは…。

演奏は、さらに激しさと速度を増して襲いかかる。メンバー自身も身体を前のめりに、観客たちを喰らう勢いで『M.D.O.』を突きつけてゆく。サビでは声を出せない代わりに、客席中の人たちが力強く拳を振り上げていた。激烈なリフをガツガツ叩きつけながら、鋭い歌声の牙を剥き出しに、彼女たちは食らいつくような姿で歌い演奏していた。雄々しい5人の姿に触発され感情がバーストしてゆく。やばい、理性という言葉がどっかへいっちまった。

まだまだこれからだよ、いくよ」。asamiの煽り声を合図に、美しいギターの旋律が気持ちを華やがせた。LOVEBITESは『Don’t Bite The Dust』を歌い奏でながら、客席中の人たちの気持ちをどんどん開放してゆく。この華やかさは、華を持った彼女たちに似合う表情だ。過激に攻めるのも魅力だが、華激な姿を魅せてゆく様も、LOVEBITESに似合う姿だ。

最後にLOVEBITESは、勇壮でシンフォニック&ラウドな『Holy War』を突きつけ、激しさと華やかさを重ね合わせたドラマチックな演奏を通し、この空間へ熱狂で色づいた花を咲かせていった。雄々しい声と感情を揺らめかせ、LOVEBITESは、この空間を華やかな楽園へと染め上げていった。いや、楽園なんて綺麗なものじゃない。鮮血にも似た熱狂の飛沫が飛び散り赤く染め上がった闘技場のようだ。それくらい圧巻の演奏で、LOVEBITESは終始観客たちを熱狂の虜にしていった。終盤に魅せたmidoriとmiyakoのソロの掛け合い。いつしかフロントには4人が陣取り、2人のソロに彩りを添えていた。まさに美しき熱狂の宴がそこには生まれていた。

アンコールは、雷鳴と吹きすさぶ雨の音へ導かれるように『Thunder Vengeance』から。雷鳴以上に凄まじい音の衝撃を突きつけ、演奏はふたたび走りだした。重い音を響かせ疾走する楽曲が、気持ちを熱く昂らせる。フロア中から付き上がる無数の拳。LOVEBITESのメンバーたちは、荒ぶる気持ちで挑む姿を崩すことなく、激烈なリフを刻み続ける。攻撃に徹してこそ最高の防御と言わんばかりに、彼女たちは激熱な音を次々と叩きつけながら、会場をカオスな空間に染め上げていった。

LOVEBITESが最後に突きつけたのが、『Under The Red Sky』。彼女たちは、最後まで激烈なリフが叫びを上げる楽曲を叩きつけ、観客たちの感情を痺れ、狂わせていった。終始攻撃の手を緩めないどころか、気迫満載の姿で攻め続ける姿こそLOVEBITESらしさ。猛々しいLOVEBITESの繰り広げた闘いの舞台劇に、終始気持ちを射抜かれ続けた気分だった。その美しき狂気へ、またたっぷりと浸りたい。決して下ろされることのない無数の突き上がった拳の風景が、この日の熱狂を物語っていた。

取材・文:長澤智典
ライブ撮影:SHINGO TAMAI、中島たくみ
機材撮影:小野寺将也

《SET LIST》
  1. 1.When Destinies Align
  2. 2.The Crusade
  3. 3.Golden Destination
  4. 4.Set The World On Fire
  5. 5.Shadowmaker
  6. 6.Today Is The Day
  7. 7.Winds Of Transylvania
  8. 8.Spellbound
  9. 9.The Unbroken
  10. 10.A Frozen Serenade
  11. 11.Swan Song
  12. 12.Glory To The World
  13. 13.The Apocalypse
  14. 14.M.D.O.
  15. 15.Don’t Bite The Dust
  16. 16.Holy War
  17. EN1.Thunder Vengeance
  18. EN2.Under The Red Sky
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