次は、Unlock the girlsとしてのライブだ。岸谷香以外の3人のメンバーが、『Diamonds<ダイアモンド>』を発売した89年生まれというのも素敵な縁じゃないか。

岸谷香が真っ赤なテレキャスターを熱く掻き鳴らしながら、「全速力で駆け抜けてゆく」と『STAY BLUE』を力強く歌いだした。輝きへ向かって走り出すその姿が眩しい。PRINCESS PRINCESSナンバーの数々を聞いているときは、あの頃と今を照らし合わせていた自分がいた。でも『STAY BLUE』を聞いているときは、今でも自分の気持ち次第で輝けるんだという思いを強く感じていた。エネルギッシュでパワフルな楽曲が、10代や20代の頃に持っていた無敵な気持ちを甦らせ、もう一度青春しようという新たな活力を引き出し、あの当時のような夢を追いかける自分の姿を今の自分に塗り重ねていた。誰だって、自分の気持ち次第で何度だって青春を繰り返せる。やり直すのではない、繰り返し、塗り重ねてゆく。それが大切なんだと思う。夢をずっと抱いていてもいいんだよという気持ちを、岸谷香の歌が、『STAY BLUE』が伝えてくれた。ステージの上でロックしてゆくことを楽しむメンバーたち。晴れ渡る声を無限の空へ向かって解き放つように岸谷香は歌っていた。この歌を胸の中で強く抱きしめたとたん、どんな困難も乗り越え、まだまだ輝く自分になれた気がした。この歌が、新しい自分に気持ちを染め上げていった。

ロックンロールしてゆくことを本気で楽しんでいる岸谷香が、3人の仲間と無邪気に音楽を楽しんでいるヤンチャな大人の女の子がそこにはいた。続くワイルドで雄々しいロックナンバー『Unlocked』を、気持ちを熱く奮わせながら歌い演奏する彼女たち。強い自信が、そのライブからは見えてきた。重くロックにスウィングする演奏の上で、Unlock the girlsのメンバーたちは沸き立つ熱い思いをエンブレムに(胸に掲げ)、『Unlocked』に乗せ、もっともっとダンスしちゃおうぜと誘いをかけてゆく。豪快に跳ねた演奏に合わせ、メンバーも、観客たちも飛び跳ねていた。心弾む感情を抑えられないのなら、思いきり跳ね続ければいい。それで気持ちが晴れるなら、思いきりロックのグルーヴに溺れてしまえ。Unlock the girls流のダンスロックが、騒ぎたい心の衝動を解き放つ。さぁ、そのまま熱いロックナンバーに乗せ、心も身体もスウィングしてゆけ!!

軽快なHALNAのベースの演奏から幕を開けたのが、新曲の『Wrong Vacation』。何時かこの長い休み期間(自粛期間)が終わり、また一緒に楽しもうという気持ちを歌に込めた楽曲だ。岸谷香は、心の奥に溜まっていたフラストレーションを、ワイルドでブルーズなロックンロールに乗せ全力で解き放ってゆく。メンバーらが「OH YEAH!」と声を上げ、誘いをかける。その声に高く手を上げ、飛び跳ねながら想いを返す観客たち。これが、Unlock the girls流の心のデトックスの仕方。ステイホーム中の日常をシニカルな歌詞にして切り取りながらも、ゴキゲンなロックンロールに乗せて吹き飛ばす。それこそが、ロックンロールの魔法じゃない!?観客たちも「OH YEAH!」と心の声を上げ、拳を振り上げ、彼女たちと一緒にツイストを踊りながら楽しんでいた。さぁ、もっと一緒に「OH YEAH!」と心で叫びながらはしゃぎ倒そうか!!

続く『charm』は、PRINCESS PRINCESSを再結成した翌年に、富田京子が当時のPRINCESS PRINCESSが新曲を作るとしたらと想定して書いた歌。甘くメロウな旋律も心地好い、とてもハートフルな楽曲だ。岸谷香がこの曲でのみ使用したEpiphone カジノもピッタリ。少しノスタルジックな気持ちに心を染めながら、青春の忘れ物を取り戻すように岸谷香は歌っていた。少しだけ心の蓋を緩め、今は甘えた気分に浸りたい。彼女たちの演奏に触れていたら、何時しか気持ちがスーッと歌の中に溶け込んでいた。岸谷香の歌声が導く淡い想いへ寄り添い、あの頃の素敵な記憶を改めて胸の中で整理しながら、この歌に気持ちを寄り添わせていた。

豪快なYuumiのドラム演奏が飛び出した。フロアからも熱い手拍子が飛び交う。岸谷香の「1.2.3.4!」の掛け声を合図に、『レミニセンス』がスタート。Unlock the girls流の雄大な、でもとても身近さを覚える楽曲だ。ワイルドな演奏とは裏腹に、どこか甘えた素振りで歌いかける。その不思議なバランスが心地好い。ゴキゲンにロックンロールしてゆく演奏に身体が気持ちよく揺れだした。どこか郷愁も呼び起こす岸谷香の甘い歌声とワイルドなロックとのミックスが、気持ちをキュンとさせてゆく。何より、歌い演奏することを楽しんでいる4人の姿が、とても眩しく輝いて見えていた。

「Unlock the girlsとして活動を始めて丸4年、あっと言う間だね。音楽をやる当たり前のことが昨年は出来なかったことで、音楽や、バンドをやることに新鮮になれた気がしています。音楽から少し離れていた時間が、バンドを少し育ててくれた気がします。

次の曲は、中山加奈子が歌詞を書いてくれました。再結成の前にこの歌詞を作ってたような気がしなくもないような…。とにかく10年以上前に歌詞を書いてくれました。この『A VISITOR』は当時に書いた歌詞のままです。やっと日の目を見て聞いてもらえます。きっと加奈ちゃんも喜んでくれてると思います」

A VISITOR』は、歌詞は切ないながらも、曲調自体はクールでワイルドなロックナンバー。でも岸谷香の歌声は、弾むような前向きさを持っている。演奏が進むごとにどんどんエナジーとパワーが増してゆくのが嬉しい。それだけ、気持ちが高ぶり続けていたという証拠だ。歌詞へ想いが入り込むほど心が複雑に揺れ動くが、同時に気持ちの高ぶりも覚え続けていた。それだけ今も、恋心という気持ちへ純粋に真っ直ぐに向きあえているから!?けっして派手ではないが、とてもエモーショナルな歌と演奏を楽しめる楽曲だ。岸谷香とギターのYukoが、顔を見合せギターの音を交わしあう場面も印象的だった。

岸谷香のノーキャスターから繰り出されるソリッドなカッティングビートから楽曲はスタート。クールでスリリングな香りを振りまきながら楽曲は疾走してゆく。岸谷香の歌声のテンションも、サビヘ向かってどんどん上がり続けてゆく。『バタフライ』、気持ちを熱く揺さぶり、心を思いきり解き放つ歌だ。彼女たちの凛々しい演奏が身体を熱く騒がせる。何時しかエモーショナルな気分になり、演奏に合わせ大きく両手を広げ、誰もが頭上高く掲げた両手を翼変わりに羽ばたかせていた。心に翼を授けてゆく『バタフライ』が、僕らにどこまでも飛んでゆく無限の力を与えてくれた。

軽快に飛び出したのが、Unlock the girls流のダンスナンバーの『ミラーボール』だ。身体を揺さぶる強烈なディスコビートに乗せ、軽やかで晴れた演奏を塗り重ね、観ている人たちの心を4人は心地好い熱狂の世界へ連れ出してゆく。誰もが大きく手を振りながら、彼女たちが作り出したロックなパーティを彩る一員になり、一緒に笑顔で身体を揺らしていた。さぁ大きく手を左右に振りながらUnlock the girlsのメンバーたちと共に無邪気な笑顔を浮かべ、蕩けるような気持ちのまま今を存分に楽しもう。Unlock the girlsが掛けた素敵なロックンロールの魔法が、夢見心地の素敵な気持ちに染め上げてゆく。音楽は、心を開放する素敵な力を持っている。キラキラと輝く音に触れながら、何時しか自分たちも心から輝きを放っていた。一緒に光の中でキラキラと混じり合っていた。

そのまま演奏は『ハッピーマン』へ。彼女たちは挑発するように攻めてゆく。甘い歌声の中にも攻める気持ちを忘れることなく、Unlock the girlsはタフなロックをぶつけてきた。ワイルドに攻める岸谷香のギターリフ。ロックしてゆくことを楽しんでいる姿が、とても凛々しくて格好いい。がなるように歌う声に、あの頃のPRINCESS PRINCESSの姿を重ねてしまう。そんな『ハッピーマン』に触れながら、誰もが両手を高く掲げ、Unlock the girlsと一緒にロックンロールの沼に、いや、Unlock the girlsという沼にどっぷりとはまっていた。

止まない熱狂の拍手と手拍子を受け、ふたたびメンバーたちが舞台へ姿を現した。ここで、スペシャルゲストとして、富田京子が『STAY BLUE』を演奏するために登場。まさかの嬉しいサプライズに、ファンたちも大興奮。

STAY BLUE』の演奏が全速力で駆けだした途端に、気持ちが一気に青春の景色の中へ飛び込んでいった。フロア中から湧き出る手拍子も、いつも以上に大きく響いていた。息の合ったツインドラムのビートもとても躍動的だ。いつも以上に迫力を増した演奏が、気持ちを最強の自分に染め上げる。彼女たちと一緒に、無敵なパワーを相棒に未来へ突き進みたい。幾つになっても、想像の中では無敵だ。いや、『STAY BLUE』が、幾つになろうと、自分次第で青春は終わらないんだと教えてくれる。この歌に触れている間中、無敵な自分に巻き戻してくれたのが嬉しかった。何より、5人で顔を合わせて演奏する姿がとても眩しかった。いつしかUnlock the girlsのメンバー自身が無敵で無邪気なガールズになり、どんな限界さえも超え、どこまでも羽ばたける存在に変わっていた。とても眩しい姿になって、僕らに輝きを放っていた。その姿を観れたことで、僕らもまた、とても素敵な宝物を手にできた気持ちになれていたのが嬉しい。今度は、思いきり声を張り上げ一緒に騒ぎたいね!!

ライブ撮影:MASAHITO KAWAI
TEXT:長澤智典

今回新たに使用された機材を紹介!

岸谷香/Unlock the girls

LIVE Blu-ray「KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!” -FINAL-」2024.12.25 Release!!

KAORI KISHITANI 40th Anniversary LIVE TOUR 2024 “57th SHOUT!” -FINAL-
発売日:2024年12月25日(水)
価格:8,500円(税込) / 品番:SEXL-311
岸谷香ソロでは初の映像作品。40周年ツアーの最終公演。ソールドアウトとなったZepp DiverCity(TOKYO)の模様を全20曲、完全収録。PRINCESS PRINCESS の伝説の名盤「HERE WE ARE」を全曲カバーした貴重なライヴ映像をBlu-ray 化。

Sony Music Shop予約リンク
https://KaoriKishitani.lnk.to/57thSHOUT_SMS
その他CD店舗 予約リンク
https://KaoriKishitani.lnk.to/57thSHOUT_BD

FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024ーレディクレ15th-

『FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024ーレディクレ15th-』
日時=2024年 12月 27日(金)、28日(土)、29日(日)10:00 OPEN ・ 11:00 START                       
※岸谷香は28日(土)の出演になります。
●会場=インテックス大阪
https://www.intex-osaka.com/jp/access/
●主催=FM802/キョードー関西 
●企画制作=FM802/キョードー関西

チケットなどの公演詳細はこちら
FM802 35th ANNIVERSARY“Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024-レディクレ15th-

KAORI OARADISE2025 新春スペシャル ビルボードライブ3会場で開催!

■2025年1月11日(土)
ビルボードライブ横浜
<1st ステージ 開場15:00/開演16:00>
<2ndステージ 開場18:00/開演19:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ横浜:05-7005-6565

■2025年1月17日(金)
ビルボードライブ大阪
<1st ステージ 開場16:00/開演17:00>
<2ndステージ 開場19:00/開演20:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ大阪: 06-6342-7722

■2025年1月19日(日)
ビルボードライブ東京
<1st ステージ 開場15:00/開演16:00>
<2ndステージ 開場18:00/開演19:00>
公演に関してのお問い合わせ
ビルボードライブ東京:03-3405-1133

「岸谷香感謝祭2025」2025.2.22-23開催!

2025年2月22日(土)23日(日)
会場:EX THEATER ROPPONGI
22日 OPEN/16:45 START/17:30
23日 OPEN/15:45 START/16:30
[ゲスト]:森高千里/渡瀬マキ(LINDBERG)
チケット料金:全席指定9,900円(ドリンク代別、税込)
<一般発売>
2024年12月14日(土) 各プレイガイドにて

MARTIN CUSTOM 00 Style 18 KAORI KISHITANI

「KAORI PARADISE 2021 年末スペシャル」でお披露目された、「Transparent “KAORI” Red」の鮮やかなカラーも印象的なMartin Custom Shop製のカスタムモデルが遂に発売!!

MARTIN CUSTOM 00 Style 18 KAORI KISHITANI
https://www.kurosawagakki.com/martin/kaori_custom/


ESP E-II Horizon Infinite MOGAMI
山野楽器Ginza Guitar Garden Digimart LOVEBITES
Ryoga Snare Weight DRUMSHOW
Dean Martin Ukulele Cannonball
Hofner Orange Valve Tester MkII Heritage
Orange Glenn Hughes MONO