最後の最後までLOVEBITESは、観客たちを絶頂と絶叫、興奮と激情の頂きまで連れ出してくれた。

各地Zeppとメンバー出身地などを巡った全国ツアー「ETERNAL PHENOMENON TOUR」。そのファイナル公演が、3月13日にZepp DiverCity(TOKYO)で行われた。当日の模様を、ここに届けたい。

Asami(Vocal)

麗しくも荘厳でシンフォニックな音楽が場内中に響きだす。その音色へ導かれるようにメンバーらが次々と舞台へ登場。『Glory To The World』だ。最後にステージ上に姿を現したヴォーカルのAsamiが「Tokyo!!」と叫ぶのを合図に、MiyakoとMidoriが高速で音を突き刺せば、HarunaとFamiが猛々しい音を轟かせる。そのうえで歌うAsamiのハイトーンを魅力にした声が凛々しく響き渡る。一度、爆音を響かせて走り出した演奏は、曲が進むごとに激しく音の刃を突き立て、観客たちから理性を奪い去る。左右の台の上に片足を乗せて弾き倒すMiyakoとMidoriの姿も強烈なインパクトを放ち、Asamiが歌いながら拳を突き上げるたびに、フロア中からも無数の拳が突き上がる。とても気高くも雄々しい姿だ。胸を揺さぶる歌も含め、5人が思いを一つにした演奏は、目の前に雄大なドラマのように激しくも彩り鮮やかな世界を描きだす。

Unchained』が立て続けに始まった途端、フロア中から響き渡る観客たちの荒ぶる声と高く突き上がる拳。その様を見て、さらに煽るメンバーたち。高速でリフメロを刻むギター陣。Asamiがステージの上を左右に動きながら高らかに歌声を響かせれば、Miyako・Midori・Famiの3人も、身体を揺さぶりながら次々と攻撃的な音を繰り出し続ける。Asamiの「JUMP!×4」の声に合わせて観客たちが跳ねる様も見せれば、サビでは、彼女と一緒に「Anywhere you want」と叫ぶやりとりも誕生。間奏では、MiyakoとMidoriのギターが高速でハモる卓越したプレイも見せていた。今はただただAsamiと一緒に 「Anywhere you want」と叫びながら、この身体に興奮という熱を膨らませていたい。

Fami(Bass)

Famiのゴリゴリとしたベース演奏から始まり、そこへ荒ぶるギターの音を筆頭に、メンバーらのラウドな演奏が折り重なる。『Scream For Me』だ。フロア中から突き上がり続ける無数の拳。その様を見ながら、身体を揺さぶり、攻めるように歌うAsami。この曲では、勇壮かつ高らかに歌うAsamiの声を煽ろうと、FamiがHarunaの元へと寄り添い演奏する場面も見せていた。MidoriとMiyakoがリレーするように演奏する様も、胸を熱く騒がせる。後半には、Asamiもスティックを手にHarunaの側へ寄り添いシンバルを叩き、手にしたスティックをタクトのように振り回し、熱狂を生み出すコンダクターとなり、観客たちを暴れさせていた。

MCでAsamiが口にした「今日は勝ちに来てる」や「最後まで燃え尽きましょう」の言葉も印象的だ。

ハモリながら突き進む2本のギターの音が、触れた人たちを異世界へと連れ出す。次のブロックは、『Soul Defender』からスタート。気高くも凛々しいAsamiの歌声に気持ちを奮い立てた観客たちが拳を振り上げ、Asamiと声を掛け合う。その様をさらに煽るように、2本のギターの音がときに掛け合い、ときにユニゾンで音を鳴らし、熱狂というアクセルペダルに乗せた観客たちの足をグイグイ踏み倒す。だから、高く拳を突き上げ、Asamiと一緒に声を掛け合い、熱情に溺れていたかった。

Miyako(Guitar/Piano)

続く『Paranoia』では、ダーク&ラウドかつスリリングな鉄槌(演奏)で、観客たちの感情を強く叩きつけてゆく。爆走する楽曲の上で、終始攻撃的な姿で攻め続ける様が、緊張感や絶頂という嬉しい刺激を与える。だから、メンバーも観客たちも感情を剥き出しにぶつかりあっていた。

不穏な空気を描きだすFamiのベース演奏に続き、オーケストラヒットのような猛々しくも派手な音が場内中に響き渡る。その音へ負けずと激烈な音を折り重ねる演奏陣。その上で勇ましい様で高らかにAsamiが『Judgement Day』を歌っていた。まるでバビロンの城門を潜った先で繰り広げられる戦いのようだ。Asamiの高く突き上げる拳へ思いを重ね合わせ、高らかに進撃の声を上げるように、フロア中から無数の拳が突き上がる。中には、ともにシンガロングする人たちも。曲が進むにつれハイトーンの冴え渡るAsamiの歌声も、強烈なインパクトを放っていた。

ふたたび、不穏なベース音を唸らすFamiのベース演奏から楽曲が始まりを告げる。そこへ絡むMiyakoのギターリフ。さらに、Harunaのドラムがバーストするのを合図に、Asamiが「休んでる暇ないよ!」と叫んだうえで『Break The Wall』を歌いだした。この曲中も、フロアには凄まじい数の拳の針山が生まれていた。けっして攻撃の手を緩めることのない演奏陣。その上でAsamiも、観客たちへ向かって叫ぶように歌い、一人一人の感情を煽り続ける。途中、哀愁を帯びた様へ転調しつつ、Miyakoのギターがむせび泣くように響き渡れば、ふたたび楽器陣が攻撃的なリフメロや演奏を突きつける。終盤には、Asamiと観客たちによる熱い歌と声の掛け合いも生まれていた。

続くMCでは、Famiの大学卒業の報告と、この日のライブがFamiにとって大学生として最後のライブになることを報告。さらに、次の楽曲は、とあるモンスターの数奇な運命を描いた物語であることを説明。でも、本当のモンスターは、見た目の醜いその人物なのか、彼を迫害する人間が持つ心なのか…。

厳かに鳴り響く鐘の音。そこへ、不穏と恐怖の音を塗り重ねるように激烈な音が響き渡る。狂気を抱いたドラマを描くように切っ先鋭い音をメンバーらが次々と繰り出せば、語り部となったAsamiが言葉たちを突き刺すように『The Bell In The Jail』を歌っていた。心の嘆きを怒りに変えるように歌うAsami。その感情に演奏陣が激しいドラマを描き加える。だから、Asamiが気持ち高ぶるままに両腕を上げて歌えば、フロアでも同じように無数の拳と雄叫びが上がり続けていた。

Haruna(Drums)

Harunaのドラム演奏をきっかけに、『The Unbroken』へ。この曲でも、冒頭からフロア中の人たちが声を上げて叫び、拳を突き上げる。とても印象的なギターリフだ。高揚した気持ちを解き放つようにサビメロを歌うAsamiの声に触れていると、同じように気持ちが高ぶりだす。攻撃的な演奏に触れて興奮するのはもちろん、感情を揺さぶる歌で気持ちが高ぶり、場内中の人たちが思いを一つに溶け合えていたのも嬉しかった。

Miyakoが真っ白なグランドピアノに座り、スモークが立ち込めるステージの上で悲哀を帯びた音色の涙を流していた。物悲しい…けれど、美しい。その後、すっくと立ち上がり、2本のギターが攻撃的なリフを次々と刻みだした。華やかさと荒ぶる牙を剥き出しにした感情が交錯しあう『Dystopia Symphony』だ。美しくも刺々しい演奏が熱狂のシンフォニーを描き出す。この曲では、メンバーそれぞれの華やかなプレイの見せ場もあり、ピアノも交えた表情豊かな演奏を堪能できる。途中、2人のギター陣が美しくも激しく華やかな掛け合いやツインリードプレイを見せれば、その間、Asamiがピアノを演奏する場面も登場。1曲の中、華激で攻撃的かつ勇壮で高貴な交狂曲を5人が歌声と音の絵筆で描き上げる。その壮大な様を、この曲を通してどっぷりと味わえていた。

先のドラマへさらに攻撃的な刺激を降り注ぐように、LOVEBITESは『Soldier Stands Solitarily』を突きつけた。Asamiのハイトーンも冴え渡る。この曲では、メンバー全員が攻撃力をアップし、より強靱さを増した歌声や演奏を、これでもかと突きつけていた。巧みに展開するたびに攻撃力や破壊力が増しているのも、この曲が導きだすパワーによってだろうか?ギター陣のバトルやハーモニー、Famiの短いベースソロなど、巧みに見せ場も作りつつ、破壊衝動を満載に攻撃を仕掛ける彼女たちに刺激を受け、ずっと身体も感情も激しく乱れ狂わせていた。

Midori(Guitar)

ここから、ラストスパート!」という言葉を合図に、本編最後のブロックへ。

攻撃性の高いギターリフの応酬により、これまで以上に気持ちが高ぶる。Asamiも挑みかかる勢いで、叫ぶように歌声をぶつける。彼女の歌に、メンバーや観客たちが荒ぶる声を掛け合う。『Where’s Identity』を通して描きだした激情した感情と感情との応酬。目の前で、とてもパワフルなライブパフォーマンスが繰り広げられていた。2本のギターがバトルするように激烈なリフをぶつけあい、ともに高めあう様に興奮が止まらない。一瞬のブレイクからさらに攻撃性を増すなど、天井知らずで気持ちが荒ぶり続ける。

短いドラムソロから、『Don’t Bite The Dust』へ。この曲でも、まるでシュプレヒコールのようにフロア中から野太い声が上がり続ける。気持ちを鼓舞する演奏だ。とくにギター陣のエモーショナルな旋律の応酬に、気持ちが高ぶり続ける。胸をくすぐるキャッチーでエモーショナルな歌に触れていると、一緒にシンガロングしたくなる。とにかく今は、アガるところまでアガり続けていたい。

LOVEBITESが最後に突きつけたのが、『Holy War』だ。シンフォニックな演奏を背景に流れるエモメロなギターの旋律が否応なく気持ちを揺さぶる。Asamiの勇ましい歌声が、同じように勇ましい感情に染め上げる。とても勇壮で攻撃的だ。でも、激烈な演奏と雄々しき歌声は、間違いなく気持ちを奮い立て、観客たちの理性を壊し、本能を解き放っていた。アガる、アガる、気持ちが沸騰したままアガり続ける。さぁ、このまま絶頂の頂きまで連れていってくれ!!!!!

2本のギターの重なり合う旋律が、ふたたび牙を剥いて襲いかかる。アンコールは、『Bravehearted』からスタート。疾走する楽曲の上で、エモメロな歌を響かせるAsami。彼女の歌声へ荒ぶる刺激を与えるように、楽器陣が演奏を繰り広げる。途中には、巨大なミラーボールの光がフロア中に降り注ぐ場面も登場。どの曲でもそうだが、MiyakoとMidoriの気持ちを一つにした激烈かつドラマチックなギター演奏には惚れ惚れする。アガり続ける感情。そして…。

2本のギターの美しいハーモニー。そこへ疾走する演奏で激しく絡むリズム隊。『We The United』でもLOVEBITESは、勇壮かつエモーショナルな高揚歌を響かせ、観客たちの気持ちを熱く鼓舞し続ける。サビでは、Asamiと一緒にシンガロングしていたい。この曲では、2本のギター陣の凄まじいバトルの様へ、Asamiがピアノの演奏で彩りを与える場面も。もう、何に奮い立つって、MiyakoとMidoriの息をぴったりと合わせた演奏のバトルとユニゾンしたプレイにだ。まさに、芸術の息まで達したかのような一糸乱れぬプレイに、気持ちがずっと高ぶり続けていた。なんて激しくもドラマチックな表情だ。

LOVEBITESは、最後の最後に『Someone’s Dream』を美しく、激しく、勇壮かつ激情&ドラマチックに演奏。エモーショナルな歌に向けて、フロア中から激しく拳が突き上がる。LOVEBITESらしさを満載し、様式美を描き出した楽曲だ。最後の最後までLOVEBITESは、観客たちを絶頂と絶叫、興奮と激情の頂きまで連れ出してくれた。本当に、fabulousなライブだった。

LOVEBITESは、2026年3月29日(日)に初の日本武道館公演を行うことを発表した。この熱狂を、万を超える人たちとともに分かち合いたい。

Photo:Hajime Kamiiisaka
TEXT:長澤智典

《SET LIST》
  1. 1.Glory To The World
  2. 2.Unchained
  3. 3.Scream For Me
  4. 4.Soul Defender
  5. 5.Paranoia
  6. 6.Judgement Day
  7. 7.Break The Wall
  8. 8.The Bell In The Jail
  9. 9.The Unbroken
  10. 10.Dystopia Symphony
  11. 11.Soldier Stands Solitarily
  12. 12.Where’s Identity
  13. 13.Don’t Bite The Dust
  14. 14.Holy War
  15. -ENCORE-
  16. EN1.Bravehearted
  17. EN2.We The United
  18. EN3.Someone’s Dream
LOVEBITES

LOVEBITES LIVE AT BUDOKAN開催決定!

日程:2026年3月29日(日)
開場 16:00 / 開演 17:00
会場:東京・日本武道館
チケット:一般チケット 9,500円(税込)、ユースチケット 3,900円(税込)

最新ライブ作品『NO MORE TRAGEDY』Now On Sale!!

2024年9月1日に開催されたバンド史上最大規模の会場である東京ガーデンシアターで行なった、ワールドツアー「THE THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE」における唯一の日本公演の模様を収めたライブ作品がBlu-ray、DVD、CDで発売。
Blu-rayとDVDには、6月から7月にかけてのイギリス、ベルギー、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、デンマーク、8月の韓国、そして9月の日本とアメリカ、そのワールドツアーのドキュメンタリー映像を約1時間20分にもわたり収録し、それに対してメンバー自身が思い出を語るコメンタリーも副音声で収録。さらに、東京ガーデンシアター公演当日にファンの皆さまによって撮影され、後日バンド側に提供してくださった動画ファイルを使用して制作された「Soldier Stands Solitarily」のファンカム・ミュージックビデオもボーナスとして収められています。

商品詳細
Blu-ray: ¥7,700 / VIXL-477
2DVD: ¥7,700 / VIBL-1172~1173
2CD: ¥4,000 / VICL-66046~66047


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