
アコースティックギター・インストゥルメンタル界のトップを走る押尾コータローとDEPAPEPEによるユニット「DEPAPEKO」。2018年にDEPAPEKOとしての1stアルバム『PICK POP! J-Hits Acoustic Covers』をリリースした彼らが、4月9日に6年半振りとなる2ndアルバム『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』をリリースする。6月からはDEPAPEKOとしての東名阪ツアーも開催。今回、ニューアルバムについての話を中心に話を聞くことができた。
―6年半ぶりのニューアルバムという事で、まずはリリースおめでとうございます。
全員:ありがとうございます。
―アルバムを聴かせて頂いたんですが、アレンジの緻密さというか、作り込みがやっぱりすごいなと思いました。アレンジはどのような順序で進めているのでしょうか?
徳岡慶也:最初に言っていいですか? DEPAPEKOに関しては、押尾さんがほぼ全部アレンジしてくれています。今回1曲三浦くんがアレンジしたのもあるんですけど、基本DEPAPEKOってものに関しては押尾さんがベーシックアレンジはガッツリしてくれますね。前作の『PICK POP!』からそうなんですけど。各パートもかなり緻密に振り分けてくれて、それを元に弾いてます。
押尾コータロー:そうですね。最初はもうちょっとイーブンにと言うか、本当にギター3人の軽いセッションからはじまったんですけど。DEPAPEPEとならそうじゃないものができるなと思ったのは、DEPAPEPEの曲『START』をセッションした時です。自分の得意奏法――要するにパームを使ったり、オープンチューニングを当てはめたら面白いなと思って。セッションって無難にもできると思うんですけど、DEPAPEPEの曲をセッションするのにチューニング変えて、どやー!ってやってるところが面白いなっていうのがはじまりでした。
特に、カバー曲をやろうって決めたわけでもなかったんですが、『PICK POP! ~J-Hits Acoustic Covers~』のアルバムを作るきっかけになったのが『チョコレイトディスコ』だったんです。DEPAPEPEのバレンタインコンサートにゲストで呼んでもらって、折角のバレンタインコンサートだし、どんな曲がいいかなー?と考えて、あ!『チョコレイトディスコ』をやってみたいと思ったんですよね。この曲はギターアレンジの難易度が高いけど、タタタッタ…(イントロのシーケンスフレーズ)、あ、こういうの三浦くんが得意そうと思って。思い切って提案しました!三浦くんが延々やってくれるに違いないと思って(笑)
―あのフレーズを(笑)
押尾:そう。あのフレーズをメカのように弾いてくれるに違いないと。で、徳ちゃんはメロを弾くから、僕はその他のドラム・ベースをやったら、これかっこいいんちゃうかなー?って。それで味をしめたというか(笑) DEPAPEKOとしてのアレンジの面白さにハマりました。
―そこで形がある程度できたわけですね。
押尾:そうです。これは絶対3人でできる!っていう。

―アルバム制作の経緯でしたりとか、今回のアルバムの選曲についても少しお聞かせ頂きたいのですが。代表で押尾さんお願いしてもよろしいですか?
押尾:選曲も結構ライブでやってる曲を、と思ってはいたんですけど、色々、権利的に難しいものがあったりとかで(笑) 今までやってきたレパートリーとクラシックの曲からも選曲して『運命』と『ボレロ』。『ボレロ』は元々アレンジの曲があったので、そこに入ってもらうっていう形だったんですけど、『運命』は三浦くんがアレンジをしてくれました。3人で集まってやる時間が頻繁にはとれない中でも、洋楽邦楽からも新たにアレンジしたものも多いですね。
―ありがとうございます。アルバムのジャケットのデザインについても少しお伺いしたいんですが、『PICK POP!』のときを踏襲したデザインかと思うのですが、コンセプト等何かあったりしますか?
三浦拓也:今回新曲のタイトルにもなっている『meets the World』っていうところがひとつテーマになっています。ジャケットは船の窓をモチーフにしていて。よく見ると、船の窓がギター(のサウンドホール)になってるっていう、僕たちらしいジャケットが出来ました。中のブックレットを開けると、僕たちが乗ってる船がいろんな世界に行くみたいな仕掛けになってるんですよ。

―開けるとまた世界がつながってるんですね。
三浦:そうそう。たとえば僕らのアー写も窓から出てきたりとか。『PICK POP』ってタイトルがついてるので、「ポップ」っていうところは自分たちなりにジャケットで表現したいなってところでデザイナーの方に色々アイディアを出してもらって。ブックレットの中にも、よく見たら“おっ”と思ってもらえるような遊びが詰まっているので、隅々まで見て楽しんで欲しいです。
―ありがとうございます。前回の『PICK POP!』のときと比べて、今回のアルバムでここを聴いてほしいみたいなポイントはありますか? 演奏テクニックでしたり、特徴的な部分でしたりとか。
徳岡:僕はやっぱり、7曲目の『アイドル』。本当にYOASOBIの『アイドル』の原曲で鳴ってる音をギター3本だけでオーバーダビングもなしで表現できてる。ほぼ聞こえてくる音を表現してるっていうのが。
―かなり忠実な感じでしたよね。結構エフェクトとかも入ってるんですか?
徳岡:そうですね。エフェクトも入ってるんですけど、合間に入ってくる音とか、アレンジの中でYOASOBIさんがやってる音はほぼギターで表現してるんです。ヘッドフォンで聴いてくれたら、こんなこともやってるんやなって分かると思いますし。そもそもラップの部分をギターでやってるっていうのが斬新過ぎやなって思いますね(笑)

―そういうアレンジで解決してくるのか!って感じでしたね(笑)
徳岡:しかもラップもハモってますからね(笑) あれはすごいなと。でも、原曲聴いてこれ聴いても、ラップの部分はそうとしか聞こえないですもんね。僕的にはこの『アイドル』はすごいなと思いますね。
押尾:三浦くんは?
三浦:そうですね。どの曲も推しなんですが、今回はクラシックの曲が2曲入ってます。『ボレロ』がきっちりとしたクラシックの形式に則ったアレンジなので、『運命』はまた違う感じでアプローチしてみたいなと思ったんです。元々クラシックの原曲中からモチーフだけ使うんじゃなくて、元々ある旋律を使いながらビート感でDEPAPEKOらしさを出したくて、雛形みたいなのを作ったんですね。そこから押尾さんがさらにDEPAPEKOらしくアレンジしてくれて。前作を作ってから今作にいたるまでで、確立してきたDEPAPEKOらしい奏法をちょっとずつ入れてあったりとかしてます。それが同じように、『meets the World』って新曲にも入ってたりするので、ギター弾く人は聴いて楽しんで頂けると思います。
―3人の集大成的な部分ですね。
三浦:たとえば一人でアルペジオを弾けそうなものを3人で弾き分けたりしてる奏法とか、そういうギミックみたいなものがたくさん入ってるので是非チェックして頂きたいです。
押尾:僕はですね、どの曲も、「どんだけ3人がギターが好きなんだ」っていうのが伝わってくるアルバムで。これはもっともっといろんな人に聴いてほしくて。「ギターいいなぁ」って。「なぜギターなの?」やっぱり、「ギターが好きで好きでしょうがない」っていう気持ちなので。他の楽器はいらないっていうくらいギターのことが好きで(笑) 全部ギターで、ちょっと他の人から見たら「ピアノとか入ればいいのに」とか「歌入ればいいのに」って思う人もいるかもしれないけど、あえてギターだけでやるっていう。そこにこだわりがあるアルバムを作りたい。その思いで、とにかくその楽しさは伝わってくるアルバムになりました。どれって言われたら、どの曲も素晴らしくて、特にオリジナル曲の『シュプール』もそうだし『Sky! Sky! Sky!』も、押尾コータローの『Landscape』も元の曲と比べてもらっても面白い。『Big Blue Ocean』も、また全然広がり方が違うなっていう。
―そうですね。『Big Blue Ocean』は自分の思い出の中と違う新しいものが聞こえてきてすごくびっくりしましたね。ノスタルジーも感じました(笑)
押尾:だから、面白いんですよね。『Sky! Sky! Sky!』も結構前の曲なので、そういう風に映る人がいるってことでしょ?
―まさに僕ぐらいの世代でこの曲を聴いてきた人はそういう感じ方をすると思います。
押尾:あの曲がこういう風に、っていう。だから、オリジナル曲もよかったりして。それにプラス、カバー曲をやる楽しさっていうか。僕はなんかもう次何やろうかな?ってアルバム作りながらも次はこの曲やりたいなとか考えてしまうんですけど(笑)
―ということは、第三弾も期待できると思っていていいですか?
押尾:はい。まぁ出せなくてもDEPAPEKOは更新はされていくんですけど。今回、このアルバムを出せたってことには本当に感謝しています。

押尾コータロー
DEPAPEPE
DEPAPEKO 2nd Album『PICK POP II 〜meets the WORLD〜』2025.4.9 Release!

DEPAPEKO (押尾コータロー×DEPAPEPE)の6年半ぶりのニューアルバム発売決定!
2018年にリリースした1stアルバムでJ-POPシーンのヒット曲をアコギインストでカバーし、斬新なアレンジで話題となった「PICK POP ! 〜J Hits Acoustic Covers〜」の続編となる今作は、邦楽のみならず洋楽・クラッシックや押尾コータロー・DEPAPEPEそれぞれのオリジナル楽曲のセルフカバーに加え書き下ろしの新曲含む全12曲を収録!
DEPAPEKOが世界に⾶び出します!
ニューアルバムでもアコギ3本だけで演奏しているとは思えない、カラフルでダイナミック、テクニカルなサウンドをお楽しみください!
SECL3180 / 3,300円 (税込)
DEPAPEKO -押尾コータロー×DEPAPEPE- LlVE TOUR 2025 “PlCK POP ll”
■東京公演
6⽉29⽇(⽇) 東京国際フォーラム ホールC
開場16:15 開演 17:00
キョードー東京 0570-550-799
オペレータ受付時間(平⽇11:00-18:00/⼟⽇祝10:00-18:00)
■名古屋公演
7⽉4⽇(⾦) ダイアモンドホール
開場18:30 開演 19:00
サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
■⼤阪公演
7⽉5⽇(⼟) サンケイホールブリーゼ
開場16:15 開演 17:00
GREENS 06-6882-1224(平⽇12:00〜18:00)
【料⾦】7,700円〔全席指定/税込〕※名古屋公演のみドリンク代 600円別途必要
※未就学児童のご⼊場はできません。⼩学⽣以上はチケットが必要になります