
次のブロックは美しく壮大なロックバラード『Starlight』と共に幕を開けた。
AYUMIとMOEの織りなすメロディアスな旋律は物語の輪郭を際立たせ、ひと言ひと言を大切に歌うKIMIの歌声にグッと熱い感情がこもる。
繊細でありながらどっしりと存在感のある演奏と胸を打つ歌声に共鳴し、観客達も温かくも感傷的なムードに浸っていく。


暗転した場内に鐘の音が響き渡り、暗鬱で妖しいギターのアルペジオに包まれる。
『BRAVE NEW WORLD REVISITED』によって一転BRIDEARはシンフォニックで荘厳な世界を描き出した。
徐々に重厚に激しさを増していくサウンドに身体を揺らし、会場全体が深く深く引き込まれる。
懐深く悲哀を帯びたKIMIの歌声とHARUのグロウルが交差し感情を昂らせていくにつれ、演奏陣もプログレッシブに狂気を増してゆく。


続く楽曲では更にハードでディープな世界に我々を導く。ここに来ての新曲『Born Again』だ。
重く暗く沈み込んでいくようなリフワークとメカニカルなグルーヴの中を研ぎ澄ました歌声が漂う。
深淵から遥かな光を仰ぐような激しくも美しい展開に魅入られて心が溶かされていく。
ドラマティックに色彩を変えるステージの展開に魅了され時を忘れてしまうが、ライブは終盤へ向けて更にギアを上げていく。


「最後まで暴れ倒していくぞ!!」の声を合図にAYUMIとMOEによる情熱を掻き立てる熱いリフメロが炸裂する。
最終ブロックを彩ったのはタフでワイルドな激熱ロックチューンの『IGNITE』。
ハードエッジなリフの応酬と共にKIMIの歌声にも野生味が増し、荒ぶる感情を叩き付ける。全力で攻め立てる彼女らの姿勢に触発され、フロア中の人々が感情を解放し、激しく乱れ騒ぐ。
MOEのメロウで情緒溢れるソロからAYUMIのロックスピリッツ溢れるスリリングなソロへとドラマティックに繋がる様式美も堪らない。


そして熱狂する観客に更なる刺激を突き付けるが如く、熱情乱れるナンバー『Ghoul』が投下された。
凄まじく激しいNATSUMIのツーバスビートにHARUも荒ぶる重厚なベースを強力に絡ませ、強靭なグルーヴをもって猛烈に観客を煽り立てる。
荒れ狂う轟音の嵐に打たれながら、痛切な思いをぶつけるように熱唱するKIMIの歌声が胸に刺さる。



突き抜ける NATSUMIのフィルインから楽曲は『Bloody Bride』へ、本編最後もBRIDEARはハードでエモーショナルな世界へ観客たちを連れだした。
フロア中の人たちが身体を激しく折り畳み、爆裂激走する演奏に身も心も捧げながら熱い衝動を存分に解放していった。
4人がステージ中央に身を寄せ、一丸となって盛り立てる姿にも胸が熱くなる。客席からも野太い叫びと無数の拳が突き上がり熱狂のカオスが極まる中、異様にデカいモンスターマスコット“Brideちゃん”も登場!笑顔で圧巻のパフォーマンスを繰り広げるメンバー達に寄り添いつつ観客を煽り続ける。


激しく疾走するNATSUMIのビートに乗ってアンコールには『Road』が放たれた。眩い光の中へと全力で走り抜けるような爽快でエモーショナルなナンバーだ。
AYUMIとMOEが背中合わせに寄り添いながらフレーズをユニゾンさせる熱い場面も登場。そこにいる全ての人たちに心を通わせるように歌うKIMIの歌声に胸が高鳴る。

「最後に大暴れしてこうぜ!」とBRIDEARは最後の最後に『Voice Is To Silence』を突き抜ける。鋭く攻撃性を増したサウンドに理性のたがが外れ、観客たちは全身全霊で熱狂を捧げていた。KIMIがハイトーンで感極まるサビメロを情熱的に熱唱する。
間奏ではMOEとAYUMIの超絶ギターバトルが炸裂!めくるめく勢いで凄まじいフレーズが繰り出され、一瞬たりともステージから目と耳が離せない。楽曲が終盤に向かうにつれ猛り狂う歌声と演奏。フロア中の誰もが荒ぶる感情を剥き出しにし、凄まじい景色を作り出していた。新たな楽曲と共に深化した刺激と感動をもたらしてくれたBRIDEAR。
熱狂と共にライブの幕を閉じるも、客席からは熱いクラップと声援がいつまでも鳴り響いていた。

取材・文:小池高広
Photo:yui
《SET LIST》
- SE
- 1.Daybreak
- 2.The Moment
- 3.Determination
- 4.Dimensions
- 5.Eyes Of Doubt
- 6.Still Burning
- 7.Braver Words
- 8.Scar Of Reunion
- 9.Starlight
- 10.BRAVE NEW WORLD REVISITED
- 11.Born Again
- 12.IGNITE
- 13.Ghoul
- 14.Bloody Bride
- En1.Road
- En2.Voice Is To Silence
BRIDEAR
New Full Album『Born Again』Now On Sale!!

BRIDEARがFredrik Nordström(フレドリック・ノルドストローム)のプロデュースによる新作『Born Again』を2024/6/28にリリースした。
Fredrik Nordström(フレドリック・ノルドストローム)とは、HAMMERFALL、ARCH ENEMYのプロデューサーとしても知られる実力者だ。
このレコーディングはスウェーデン・イェーテボリにあるStudio Fredman(スタジオ・フレッドマン)にて3週間に渡り敢行され世界と戦えるサウンドを目指し製作されたという。
アルバム『AEGIS OF ATHENA』(2022年)以来約2年振り、通算5作目のスタジオ盤フルアルバムとなる期待大の大作だ。
MOEのアルバムレコーディング参加は今回が初、1曲目の先行シングル『Still Burning』がそのMOEの作曲した曲と言うのも更に強力になった証だと思われる。
前作『AEGIS OF ATHENA』では2曲を作曲したAYUMIは本作『Born Again』では4曲の作曲の他、2曲の作詞に挑戦している事も新境地に踏み出した勢いを感じる。
10曲目『Die Like This』にはスウェーデンのヘヴィメタルバンドDream EvilのボーカリストNick Nightもゲストボーカルとして参加している。
BRIDEAR『Born Again』
2024年6月28日発売
<収録曲>
01. Still Burning (Music: MOE Lyrics: KIMI)
02. Braver Words (Music: AYUMI Lyrics: KIMI)
03. Born Again (Music&Lyrics: AYUMI)
04. Cult (Music&Lyrics: KIMI)
05. Empty Mind (Music&Lyrics: AYUMI)
06. Scar of Reunion (Music&Lyrics: KIMI)
07. Real is Real (Music: AYUMI Lyrics:KIMI)
08. Fight it Down (Music: MOE Lyrics:KIMI)
09. No Angels (Music: HARU Lyrics: KIMI)
10. Die Like This (Music:MOE Lyrics:KIMI)
Psychomanteum Recordsより全世界発売に先立ち日本盤がリリース。
先行シングル『Still Burning』のMVの撮影はArch EnemyやIn Flamesも手掛ける著名監督との事で、とてもカッコイイ仕上がりになっている。

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