Symphonic Concert 2021@LINE CUBE SHIBUYA 〜SILENT SIREN Special Orchestra Live〜 ライブレポート
SILENT SIREN×東京ニューシティ管弦楽団が作り上げた、華やかな物語。
6月17日(木)にLINE CUBE SHIBUYAを舞台に行なわれた、SILENT SIRENと東京ニューシティ管弦楽団によるコラボレートライブ「Symphonic Concert 2021@LINE CUBE SHIBUYA~SILENT SIREN Special Orchestra Live~」。東京ニューシティ管弦楽団によるオーケストラ演奏を背景にSILENT SIRENのメンバーたちが作り上げた、もう一つのSILENT SIRENの音楽世界。その模様を、ここにお届けします。
この日のステージは、後方に東京ニューシティ管弦楽団が。前方には、SILENT SIRENの4人が機材を横並びでセット。オーケストラの演奏を背中に感じながら歌い奏でる形を取っていた。
ライブは、美しく壮麗なオーケストラの調べに乗せて始まりを告げた。まるで、童話や絵本に綴られた心温まる物語を読み進めるような幕開けだ。そこへ、すぅ(Vo&Gt)のギターがジャーンと音を鳴らし絡みだすのを合図に、楽曲の表情が一気に華やいだ。今宵のライブの1曲目を飾ったのが、『stella☆』。美しく洗練された管弦楽団の演奏の上に、SILENT SIRENのメンバーたちが太い音の絵筆で色を塗り重ねてゆく。それはまるで、舞台の上を漂っていた数多くの音符へ、4人が楽器という絵筆を通してカラフルな音の色を足してゆくようだ。その演奏に触れ、気持ちが心地好く弾みだす。楽曲は、オーケストラの演奏という厚みを加えたことで、より華やかさを増していった。
ひなんちゅ(Dr)のドラムカウントに続いて、すぅのシャキッとしたギターの音が流れだす。ひなんちゅの「ワン・ツー」の声を合図に『milk boy』の演奏が軽快に走り出した。この楽曲では、SILENT SIRENのメンバーたちによる歯切れ良い演奏に、オーケストラの演奏がシンクロ。軽やかさの上へ深みと厚みを与えることで、明るく華やいだ楽曲へ、より濃厚な色が加わったような感覚を覚えていた。それ以上に、気持ちを奔らせる演奏に刺激を受け、彼女たちと一緒に騒ぎたい気分。でも、この日は椅子席に座ってのライブ。身体がうずうずしていくのに…気持ちがもどかしい!!
MCでは、すぅが「待ちに待ったシンフォニックコンサート。いつもと違うSILENT SIRENを楽しんでほしいなと思います。今日は座っての観覧ですけど上半身は自由なので、一緒に身体を動かして楽しみましょう」と語っていた。
音符の風を吹かせるように、楽曲はふたたびノリ良く駆けだした。『八月の夜』の演奏に合わせ、キーボードのゆかるんが手を振れば、自分の演奏パートではないときに、管弦楽団の人たちも、ゆかるんの動きに合わせ一緒に大きく手を振っていた。管弦楽団の人たちもノリノリで楽しんでいる、その姿が素敵だ。『八月の夜』でも、メンバーの楽器の音とオーケストラの音色がしっかり重なりながら華やかな音を描きだせば、その演奏に触れながら、わくわくとした感情が大きく膨らんでゆく感覚を覚えていた。もう、はしゃぐ気持ちを抑えられない!!
激しくも華やかさを持ったシンフォニックな音が炸裂。冒頭からテンションの高い演奏を届け、SILENT SIRENと東京ニューシティ管弦楽団によるチームは観客たちの気持ちを騒がせる。飛びだしたのが、『HERO』。演奏の熱が上がるのに合わせ、観ている側の気持ちも同じように熱を高めていた。途中、大きな手拍子が起きたのも納得。勢いを持って駆け続ける演奏が、たまらなく刺激的だ。
「今日はオーケストラの方々の力をお借りして、このステージを作りあげています。新鮮な環境でのライブのようにオーケストラと演奏をして本当に良かったと思います。次は、数年ぶりに演奏する曲です」
その言葉に続いて流れたのが、『nukumor』。バンドと管弦楽団とが織りなすしっとりとした演奏へ、甘い歌声が染み渡る。胸に抱いた思いをしっかり届けようと歌うすぅの姿も印象的だ。恋する女の子の切ない心の叫びがオーケストラの演奏と混じり合うことで、優しさを覚える歌として伝わってきた。歌声がシンシンと心に染み渡る感覚が、不思議と心地好い。『nukumor』に切ないドラマを覚えていたのも、この日の演奏が生み出したマジック!?
第一部の最後に届けたのが、ZONEのカバー曲『secret base ~君がくれたもの~』。その演奏は、なぜか暮れなずむ景色を思い起こさせてくれた。セピアな風景というには、もっと色の濃い歌声や演奏だ。懐かしい想い出を切ないという心の絵筆でなぞってゆくような感覚を覚えていたのも、オーケストラの演奏という記憶を揺さぶる音の魔法がふりかけられていたから。その歌や演奏は、楽曲に触れている一人一人の記憶を揺り戻し、青春時代の景色へと導いていった。そんなノスタルジックな気分にどっぷりと浸りながら、第一部の幕を閉じていった。
暗くなった場内へ、東京ニューシティ管弦楽団による美しい音色が優しく広がりだした。まるで、音のベールを纏ってゆくような感覚だ。その音色へ寄り添うようにメンバーたちが音を重ねれば、すぅが寄り添うように『セピア』を歌いだした。その演奏は、ゆっくりと物語を語るように進んでいく。胸にジンッと染み入るような歌声に強く惹かれる。SILENT SIRENのメンバーによる演奏も、東京ニューシティ管弦楽団が織りなす音色も、すぅの歌声に寄り添いながら、心揺さぶる物語をドラマチックに膨らませていた。
ギターの音色が唸りを上げるのを合図に、眩しい世界が目の前へ一気に広がった。心に音の、歌声の光を射すように『KAKUMEI』を演奏。次々と心の扉を開けてゆくと言えばよいだろうか、その演奏に触れていたら、どんどん気持ちが開放的になっていた。バンドとオーケストラが放つ音の数々は、まるで光の粒のよう。眩しい刺激を受け心が解き放たれれば、明るく色づいてゆくような感覚も覚えていた。
パワフルなひなんちゅのドラムの音を合図に、オーケストラの演奏が激しくドラマチックな表情を描きだす。そこへSILENT SIRENのメンバーたちの演奏が絡み、いつしか楽曲はダイナミックな様を見せていた。オーケストラが生み出す壮大な演奏という魅力を存分に活かした形で『Answer』に触れられたのが嬉しかった。ここまでの3曲の流れを通し、ジワジワと熱を上げながら、どんどん心が色づいてゆく感覚を味わっていた。
すぅの、「ここからはアゲていくよ!!」と叫ぶ声を合図に飛びだしたのが『女子校戦争』だ。オーケストラとバンド演奏が、ロックナンバーを通してシンクロしたときに生まれるパワフルで荘厳な音像。とても力強く躍動した演奏だ。すぅも心を解き放ち、気持ちが熱く高ぶるままに歌えば、彼女の歌声を増幅させるように演奏も重厚さを増していく。一音一音が心を刺すような刺激と興奮を与えてゆく。その場に座っているのが本当にもどかしい。アガり続ける気持ち、思いきりぶちまけてしまいたい!!
『フジヤマディスコ』の登場だ。ひなんちゅとあいにゃん(Ba)のリズム隊が身体を、気持ちをどっしり大きく揺らす心地好いディスコグルーヴを作り出せば、そこへすぅとゆかるんがカラフルな色を塗り重ねてゆく。さらに、東京ニューシティ管弦楽団の勇壮かつ華やかな演奏が加わり、とてもゴージャスなディスコロック曲へと昇華。気持ちがどんどん火照りだす。客席では手にした扇子を振りかざす人たちも大勢登場。東京ニューシティ管弦楽団のメンバーの中にも、自分の演奏パート以外のときは扇子や手を振ってノリノリになっていた人たちもいたように、ディスコ空間に染まった会場の中、みんなが無邪気な気持ちで演奏を楽しんでいた。
最後にSILENT SIRENがぶつけたのが、気持ちを明るく開放してゆく『チェリボム』だ。「チェリチェリボム」の歌声に合わせ、手振りをするお馴染みの場面もしっかり登場。ここにも、東京ニューシティ管弦楽団の人たちがノリノリで参加。いわゆる参加型のパーティロックナンバーのように、客席の人たちもわちゃわちゃ弾けたカラフルな楽曲に合わせ手振りをすれば、拳を突き上げながら、オーケストラ演奏が加わったことでスケールアップした華やかな『チェリボム』に合わせ無邪気に楽しんでいた。
オーケストラとの共演という刺激を加えたことで、いつも以上にドラマ性を膨らませた演奏を味わえた、この日。次は、9月25日(土)に日比谷野外音楽堂で行なわれる「SILENT SIREN きららリベンジ〜サイサイ10歳祭〜」へ参加し、野外で思いきり開放的な気分を味わおうか!!!!
取材・文:長澤智典
撮影:小野寺将也
《SET LIST》
- 1.stella☆
- 2.milk boy
- 3.八月の夜
- 4.HERO
- 5.nukumor
- 6.secret base ~君がくれたもの~
- 7.セピア
- 8.KAKUMEI
- 9.Answer
- 10.女子校戦争
- 11.フジヤマディスコ
- 12.チェリボム
SILENT SIREN
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チケットぴあ: https://w.pia.jp/t/silentsiren/
CNプレイガイド:https://www.cnplayguide.com/silentsiren/
ローソンチケット:https://l-tike.com/silentsiren/
イープラス:https://eplus.jp/silent-siren/
※受付は先着順となります。予定枚数に達し次第、受付終了となりますので、お早めにお申し込みください。
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