周知のとおり、2月に行なわれた自身初の日本武道館でのワンマンライブを経て、ギターのSAKIがバンドを脱退。華々しい大舞台のあとだけに衝撃だったが、それでもNEMOPHILAは4人での再出発を宣言し、活動をストップさせることなく、今現在もがむしゃらに走り続けている。彼女たちの背中を押そうと、その姿を目撃しようと、会場にはたくさんのオーディエンスが足を運んだ。

新体制のNEMOPHILAが心機一転で臨む全国ツアーより、9月25日(水)に開催されたZepp Haneda(Tokyo)公演の模様をレポートする。

開演時刻を少し過ぎた頃、トライバルなSEに乗せて、mayu(Vo)、葉月(Gt)、ハラグチサン(Ba)、むらたたむ(Dr)が登場。ステージ中央に集まって結束を確かめ合うと、ライブはグリーンの照明が鮮やかに放たれる『ZEN』から勢いよくスタートした。mayuの絶好調なスクリームをはじめ、葉月のギラッと歪んだ妖艶なギター、ハラグチサンとむらたたむの重量感のあるビート……気迫がこもった新生NEMOPHILAの演奏に、早くもフロアは大きく沸き立つ。

ハラグチサンの一声「ハイッ!」が決まり、そのまま電光石火の如く武道館でオープニングを飾った『RISE』へ。ギターとベースがソロを繋いで魅せる間奏など、現編成のニューアレンジがカッコいい。mayuによる「お手を拝借」の合図でハンドクラップがあふれた『AMA-TE-RAS』も痛快に炸裂し、ピンチをチャンスに変えてきた4人のタフな生きざまが序盤からキリッと顕在化されていく。

“Zepp Hanedaってこんなにデカかった?”と不安になってたんですけど、遊びに来てくれてどうもありがとうございます」とmayuが感謝を伝え、「全力前進でやるから、ついてこいよ!」と生配信の視聴者にも呼びかけて次のブロックに突入。

葉月が長い髪を振り乱しながらスラッシーなリフを轟かせた『Back into the wild』、オーディエンスの屈強なシンガロングを味方につけた『Change the world』、狂喜乱舞のタオル回しとヘドバンをフロアに大発生させた『OSKR』と、地獄のように激しいバキバキなサウンドが健在の中、4人はまさに全力前進でバンドのさらなる“開花”を目指す。この日初めて新体制のライブを観たファンも多かっただろうけど、きっと彼女たちの今にまだ見ぬワクワクを感じ取れたのではないかと思う。

会場の雰囲気はすでに最高で、むらたたむが「みんなー、今日ってなんの日か知ってます~?」と話し始めるやいなや、お祝いの「ハッピーバースデートゥーユー」が湧き起こる。ライブ当日に誕生日を迎えた彼女は「産んでくれてありがとうー!」と母親にメッセージを送るとともに、NEMOPHILAの結成も9月だと触れ、「いろいろあったけど、6年目に入りました」と笑顔で報告。

ハラグチサンは「ステージに立てることやライブができることは当たり前じゃないんだなって、今回のツアーですごく思わされました」と幸せを噛み締めつつ、「NEMOPHILAの最終目標は葉月さんもずっと言ってるけど、宇宙でライブをすることです!」とビッグアーティストになるというこの先の野望を力強くアピール。

むらたたむのバースデーに加え、NEMOPHILAの1stアルバム『REVIVE』(2021年リリース)のバンドスコアもこの日発売となったことを知らせた葉月は、武道館公演の際に望んでいた地元凱旋ライブが本ツアーの合間に実現できた喜びを、「島根県にあんなに人がいて驚きました(笑)。めっちゃ弾丸のスケジュールだったので、今度はゆっくりワンマンをやりたいです」と嬉しそうに語る。

中盤では、新曲を立て続けにプレイ。爆発するヘヴィネスと切ないクリーンボイスの折衷が見事な『G.O.D.』も、(直近のアルバムが『EVOLVE』=“進化”だったにもかかわらず)果敢に“進歩”のタイトルを冠した『PROGRESS』も、生で聴くと破壊力が一段と凄まじく、現場のシンガロングによって輝きがグッと増す。前を向いている4人の意志も強く込められていて、これからのNEMOPHILAを彩る重要なピースになっていきそうな期待感を存分に抱かせてくれた。

また、さらに新曲を制作しているというNEMOPHILAは、11月6日にCDシングルをリリースすると発表。mayu曰く「さっきの2曲が入って、もうひとつ“そう来たか!”ってなる感動的な曲を作りました。絶対に後悔させない曲だと、自信を持って言えます」とのことなので、こちらも仕上がりを楽しみに待ちたい。

その後は、ツアー初日の長野で空調が効かずに室温が50℃まで上がったという話のほか、岡山で焼肉のあとに桃パフェを食べたこと、同地でのライブ本番中にmayuが足を攣ってしまったこと、夏フェス『CRASH CRISIS』の楽屋で人間椅子の和嶋慎治(Gt&Vo)と鈴木研一(Ba&Vo)がふんどし姿だったことなど、近況を思いつくままに振り返って、ゆるふわなMCを繰り広げるシーンも。

そして演奏に戻れば、一瞬で攻めのモードへと切り替わる4人。“君は輝けるよ 何度だって”と希望を信じるライブ定番曲『雷霆 -RAITEI-』が、再び場内を熱気と興奮で包み込む。生きている証を改めて示した『ALIVE』、明るくガーリーな色が映える『Waiting for you』では、mayuがギターを弾きながら歌ったりと、NEMOPHILA第2章の変革が滲むパフォーマンスも観る側の心を大いに動かす。

私、このツアーで喉を壊しちゃって、初めて4公演も飛ばしてしまってね……だから、今日はファイナル(仮)なんです。なかなか本調子に戻れず、“自分に声がなくなったら何も残らないじゃん”みたいな。肯定感爆下げの日々が長く続いていて、復活のさせ方もわからないし、生きてきた中でいちばん言葉に表せないもどかしさがありました。めちゃめちゃつらい時間を過ごして、ご迷惑とご心配をおかけしたんですけど、みなさんの前でまた歌うことができる幸せを噛み締めて歩んでいくので、これからもどうぞよろしくお願いします!

ライブ終盤には、急性偽膜性声帯炎による音声障害および新型コロナウイルス感染を受け、ツアーの宮城・岩手・大阪・愛知公演が開催延期となったことについて、mayu自らが陳謝しつつ、心に秘めてきた想いを吐露。その上でどうにか全快したことを明かすと、フロアからは彼女の労をねぎらうような温かい拍手が。

mayuは「もっともっと汗をかかせたい。せっかくこんなに激しいサウンドのライブに来たんだから、頭を振ったことがない人は、1回くらい振ってみたらいいと思います!」と促し、キラーチューン揃いのクライマックスに火を付ける。葉月、ハラグチサン、むらたたむのソロフレーズも冴えわたった『Seize the Fate』、大きく開脚し叫ぶ渾身のボーカルで完全復活を重ねて印象づけた『DISSENSION』を畳みかけ、本編ラストは“上がれ上がれ舞い上がれ”とアジテートする『OIRAN』で豪快に締め括ってみせた。

アンコールで再登場した4人は、ステージにいっぱいの光が満ちる中、多くのファンが待ち焦がれていたであろうパワーバラード『Life』を披露。mayuと葉月がタッピングでハモるドラマティックなイントロ、バンドの骨太なアンサンブル、さまざまな想いをもって“傷ついても 前へ前へ前へ今を進め”“苦しくても 次へ次へ次へ強く歩け”と全員が声を寄り添わせるさまに、これまでの道のりがオーバーラップし、思わず感極まってしまう。オーディエンスが歓喜の大合唱で応えたのは言うまでもない。

はーっ! 大きい声が聞けて、すっごい嬉しかったです」と笑顔を見せ、「私たち、いろいろあって4人になりました。これまでの歴史を考えても生半可じゃ勝てないなと、一人ひとりが全力前進するしかないと思って、このツアータイトルを付けました。もっとカッコよくなってやろうとがんばってます!」とメンバーの総意を語り始めるmayu。

「もうひとり入れないのか?」といった心ない言葉をかけられたりもしたそうだが、たとえ顔が良くてギターが弾ける誰かがいたとしても、簡単に加えるわけにはいかない。そんな強い決意も示してくれた。5年の時を共に過ごし、会話を積み重ね、お互いの好みや性格を理解し合いながらここまで来たこと、かけがえのない関係性であることを訴え、mayuは「この4人以外ありえない」と清々しく誓う。

今の気持ちをまっすぐに打ち明け、最後に『REVIVE』『鬼灯』をブチかましたNEMOPHILA。笑顔で爆音を繰り出す4人の姿には美しさしかない。大歓声を上げるオーディエンスも、不屈の精神で突き進むこのバンドに惚れ直し、Zepp Haneda(Tokyo)公演は素晴らしいムードのまま幕を閉じた。

なお、11月6日リリースのCDシングルのタイトルは『Beautiful days』と発表され、開催延期となっていたライブの振替日程も決定。強い絆のもと、ますますカッコよく進化し続けているNEMOPHILAに注目してほしい。

取材・文:田山雄士
PHOTO:佐藤広理

《SET LIST》
  1. 1.ZEN
  2. 2.RISE
  3. 3.AMA-TE-RAS
  4. 4.Back into the wild
  5. 5.Change the world
  6. 6.OSKR
  7. 7.G.O.D.
  8. 8.PROGRESS
  9. 9.雷霆 -RAITEI-
  10. 10.ALIVE
  11. 11.Waiting for you
  12. 12.Seize the Fate
  13. 13.DISSENSION
  14. 14.OIRAN
  15. <ENCORE>
  16. EN1.Life
  17. EN2.REVIVE
  18. EN3.鬼灯

mayu(Vocal, Guitar)使用楽器・機材紹介

NEMOPHILA

4人体制となって初のシングル”Beautiful days” 2024.11.6 Release!!

4th Single 「Beautiful days 」 2024.11.6Release!!

NEMOPHILA “Beautiful days”『DISSENSION』以来のCD化!4人体制となって初のシングルをリリース!
今回、NEMOPHILAらしくもあり、新たに広がる世界へ踏み出す珠玉のバラード!!
皆様の大切な人をさらに大切に思える・・・そんな楽曲に仕上がっています!
また初回限定盤では、2024年5月28日に新宿のWildSideTokyoにて開催された「ワイサイ爆誕!!15周年おめ&ただいま ~またここから始める第2章~」を収録したBlu-ray+CD(3曲収録)になります。

通常盤:DDCZ-2317 1,650円(税込)
【通常盤】CD全3曲収録!!
1.Beautiful days
2.G.O.D.
3.PROGRESS
※CD収録曲は通常盤・初回限定盤共通

初回限定盤:DDCZ-9079 5,500円(税込)
【初回限定盤】CD+Blu-ray
通常盤収録3曲+LIVE Blu-ray『ワイサイ爆誕!!15周年おめ&ただいま ~またここから始める第2章~』(2024.5.28収録@WildSideTokyo)全17曲収録

各ショップ予約URL&特典はこちら↓↓
【タワーレコード】
■新体制!新ロゴ缶バッジ2個セット(サイズ:32mm)
初回限定盤
https://tower.jp/item/6443543
通常盤
https://tower.jp/item/6447997
【HMV】
■新体制!新ロゴステッカー2枚セット(サイズ:約50mm)
初回限定盤
https://www.hmv.co.jp/product/detail/15264864
通常盤
https://www.hmv.co.jp/product/detail/15264866
【diskunion】
■コメントDVD-R
初回限定盤
https://diskunion.net/metal/ct/detail/1008910970
通常盤
https://diskunion.net/metal/ct/detail/1008912889
【楽天ブックス】
■新体制!新ロゴ缶バッジ1個(サイズ:57mm)
https://books.rakuten.co.jp/search?sitem=2100014019475+4543034053407+4543034053421&f=O
【Joshin日本橋店ディスクピア】
新体制!新ロゴステッカー1枚(サイズ:H50mm×W100mm)
https://joshinweb.jp/dps/artr/?NEMOPHILA&sale_date=2024-11-06

NEMOPHILA SHOPでも発売予定!
近日お知らせします!

NEMOPHILAワンマンTOUR2024『全力前進~開花したけりゃこの指とまれ~』振替日程

【仙台公演】
前日程)8/23(金)仙台Rensa(OPEN 18:00/START 18:45)
振替後)12/26(木)仙台Rensa(OPEN 18:00/START 18:45)
(問)G.I.P https://www.gip-web.co.jp/t/info

【盛岡公演】
前日程)8/24(土)盛岡CLUB CHANGE WAVE(OPEN 17:00/START 17:30)
振替後)12/27(金)盛岡CLUB CHANGE WAVE(OPEN 18:00/START 18:30)
※OPEN/START時間が変更となっております。ご注意ください。
(問)G.I.P https://www.gip-web.co.jp/t/info

【大阪公演】
前日程)8/30(金)大阪GORILLA HALL(OPEN 18:00/START 19:00)
振替後)12/5(木)大阪GORILLA HALL(OPEN 18:00/START 19:00)
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888 (日祝を除く 11:00-18:00)

【名古屋公演】
前日程)9/13(金)名古屋ElectricLadyLand(OPEN 18:15/START 19:00)
振替後)12/4(水)名古屋ElectricLadyLand(OPEN 18:15/START 19:00)
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100 (12:00~18:00)

CLUB SEATA 15th ANNIVERSARY アイリフドーパ VS NEMOPHILA 2024.12.14開催決定!

2024年12月14日(土)
吉祥寺CLUB SEATA
公演名:CLUB SEATA 15th ANNIVERSARY アイリフドーパ VS NEMOPHILA
出演:アイリフドーパ / NEMOPHILA
時間:開場17:00 / 開演18:00
料金:前売5,400円, 当日5,900円 1ドリンク代別途600円


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