ベースのHARUのグロウルが炸裂。デスとメロな表情を巧みに交錯させ、『The Moment』は爆走し続けてゆく。激烈な縦のリフビートに触れ、画面越しでも頭を振りたくなる衝動を抑えられない。デスメロ/緩急を巧みにつけながら、BRIDEARは熱狂のドラマを描き出す。

バンドが持つドラマ性をさらに強調するように、MISAKIとAYUMIのギターがドラマチックでメロウな旋律をハモらせる。そこへ、破壊衝動をぶつけるようにNATSUMIのドラムが炸裂。HARUのグロウルとKIMIの歌が激しく絡み合う。ラウドなリフと、メロディアスでヘヴィ、ドラマチックな表情を交錯させた『Light in the Dark』だ。枠に収まりきれない豪放無頼な姿勢こそBRIDEARらしさ。ヘヴィメタルという枠の中とはいえ、つねにルールを壊し、様々な要素を繋ぎ合わせては自由に楽曲を組み上げてゆく彼女たちらしさを、この曲を通して感じた。

メンバー紹介では、各自がライブが出来ることの喜びを隠さずに表現。その無邪気な素直さも、BRIDEARの魅力の一面なのだろう。

「頭振っていきますか」の声を受け、切れ味鋭いAYUMIのギターリフが炸裂。リズム隊とギター陣のリフが心地好くシンクロしながら、演奏はどんどん加速してゆく。黒い音の風を切るように『Thread of the Light』が走り出す。サビに向かって激しい音へ磨きをかければ、サビでは気持ちを解き放つ歌声と演奏が響き渡る。攻めと開放二つの表情が、心地好い流れを持って綺麗に描き出される。思い切り頭を振っていたはずなのに、サビでは心解き放たれ笑顔を浮かべていた。そんな気持ちへ導くドラマチックな暴走開放曲なのが嬉しいじゃない。

美しい鍵盤の音が流れだす。その調べに導かれるよう、2本のギターもハモリながら美しい旋律を響かせた。これまでの暴走した表情から一変、BRIDEARは美しくも儚いバラードナンバー『misery machine』を奏で、触れた人たちの心を切な色で揺さぶりだす。壊れそうな切ない恋心を零すように歌うKIMI。後半へ進むに従い、KIMIの感情が大きく揺れ動くのに合わせ、演奏もダイナミズムを増し、楽曲に魂揺さぶる色を塗り重ねていた。終盤にMISAKIが奏でた泣きの旋律の数々が、胸を痛く刺激していった。

ふたたび気持ちを昂らせようと、BRIDEARは『Rebirth』を演奏。激リフ&ビートの上で、琴線刺激する感情的かつ印象深いメロディアスな歌が響き渡る。歌謡メロな歌を主軸に据えれば、その歌声を後押しするように、ギターもメロディアスなフレーズを通して、描きだした感情物語へ高揚という色を塗り重ねてゆく。その表情をタイトかつヘヴィな音で支えるリズム隊。歌に胸を焦がしながらも身体が熱を求めて止まないのは、そこに魅力と要因がある。

終盤には、英語でのMCも。これも世界中にファンがいるBRIDEARらしい姿勢。しかもここで、来年5月に欧州ツアーを予定していることも語られた。

終盤に披露したのが、YouTube上に公開している創作絵本のテーマ曲であり、「遠くても気持ちは近くにいる」思いを形にした『Starlight』。ミドルなマーチングビートに乗せ、祈りにも似た歌声で、今の素直な気持ちをKIMIが切々と歌いあげる。美しく、そして胸をキュッと揺さぶる切なくも壮大な楽曲が、新たにBRIDEARの中へ加わった。

ふたたび、画面越しにライブ参戦している人たちの身体へ熱を注ぐように、グロウルと歌声が交錯する疾走メロデスナンバーの『Sick』を叩きつける。胸をくすぐる歌曲でありながらも、身体を騒がせるエクストリームな演奏が炸裂し、気持ちの疼きが止まらない。速射砲のように次々と感情を詰め込んだ言葉を吐き出し歌うKIMI。何時しか楽曲にメンバーたちのコーラスが加わり、胸揺さぶるドラマを描き出していた。

最後にBRIDEARは、すべてのわだかまりを吹き飛ばし、新たな気持ちに心や身体を入れ換えるように『Again』を熱唱。互いの関係性を歌にしたこの曲が、これからもBRIDEARと一緒に夢を見続けてゆく気持ちに染め上げてくれた。『Again』を通し、メンバーと仲間たちが共に心の手を繋ぎ、一緒に素敵な未来図を描きだそうと約束を交わしていた。   BRIDEARが行った配信ライブ。次に彼女たちがどんなアプローチを示すのか、そのアクションを楽しみにしていようか。

取材・文:長澤智典
撮影:添田晃史

BRIDEAR

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New Full Album『Born Again』2024.6.28 Release!!

BRIDEARがFredrik Nordström(フレドリック・ノルドストローム)のプロデュースによる新作『Born Again』を2024/6/28にリリースする。
Fredrik Nordström(フレドリック・ノルドストローム)とは、HAMMERFALL、ARCH ENEMYのプロデューサーとしても知られる実力者だ。

このレコーディングはスウェーデン・イェーテボリにあるStudio Fredman(スタジオ・フレッドマン)にて3週間に渡り敢行され世界と戦えるサウンドを目指し製作されたという。

アルバム『AEGIS OF ATHENA』(2022年)以来約2年振り、通算5作目のスタジオ盤フルアルバムとなる期待大の大作だ。

MOEのアルバムレコーディング参加は今回が初、1曲目の先行シングル『Still Burning』がそのMOEの作曲した曲と言うのも更に強力になった証だと思われる。

前作『AEGIS OF ATHENA』では2曲を作曲したAYUMIは本作『Born Again』では4曲の作曲の他、2曲の作詞に挑戦している事も新境地に踏み出した勢いを感じる。
10曲目『Die Like This』にはスウェーデンのヘヴィメタルバンドDream EvilのボーカリストNick Nightもゲストボーカルとして参加している。

BRIDEAR『Born Again』
2024年6月28日発売

<収録曲>
01. Still Burning  (Music: MOE Lyrics: KIMI)
02. Braver Words  (Music: AYUMI Lyrics: KIMI)
03. Born Again  (Music&Lyrics: AYUMI)
04. Cult  (Music&Lyrics: KIMI)
05. Empty Mind  (Music&Lyrics: AYUMI)
06. Scar of Reunion  (Music&Lyrics: KIMI)
07. Real is Real  (Music: AYUMI Lyrics:KIMI)
08. Fight it Down  (Music: MOE Lyrics:KIMI)
09. No Angels  (Music: HARU Lyrics: KIMI)
10. Die Like This  (Music:MOE Lyrics:KIMI)

Psychomanteum Recordsより全世界発売に先立ち日本盤がリリース。
先行シングル『Still Burning』のMVの撮影はArch EnemyやIn Flamesも手掛ける著名監督との事で、とてもカッコイイ仕上がりになっている。


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