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ボーカルとベースは声優としても知られるハイブリッドなガールズロックバンドのLonesome_Blueが、2024年12月に東名阪で2ndワンマンライブツアー『The Three in One』を開催。その最終公演となった一夜の模様をレポートする。

年末の平日にもかかわらず、たくさんの観客が集まった東京・渋谷CLUB QUATTRO。海外のファンも思ったより多く熱気十分な中、Lonesome_Blueのバックドロップを掲げたステージにメンバーが登場し、スラッシーなハードロックで攻める『Blind In The Chaos』からライブがスタートした。ツアーファイナルにふさわしい勇猛果敢なパフォーマンスを受け、フロアにはたちまち拳が突き上がり、喜びにあふれた大歓声が鳴り響く。

「今持ってるもの、全部置いて帰ります!」と力強く宣言した野村麻衣子(Vo)のラップが際立つ『Body Rock』は、サビで痛快極まりないシンガロングを湧き起こし、カウントダウンする導入から一体感に満ちた『Parallel World』は、同期の流麗なストリングスサウンドとともにSF的な世界観で魅せるなど、かわいくてカッコいい、バチバチに仕上がったアンサンブルで挑んでくるLonesome_Blue。


眩しい笑顔で凛とした歌声を聴かせる野村を中心に、楽しそうにぴょんぴょん動き回りながらヘヴィな低音を奏でる広瀬ゆうき(Ba&Vo)、トレードマークの金髪をなびかせてパワフルかつシャープなビートを紡ぐMIZUKI(Dr)と、ライブバンドとしての成長ぶりが鮮やかすぎて、結成3年弱とはまったく思えない。複雑なフレーズを弾きこなすYASHIRO(Gt)のサポートも盤石だ。
「今年もいろんなことがあったけど、溜まったものを全部この渋谷CLUB QUATTROで出し切ろうと思って、私たちはここまで来たんです」と、最初のMCで広瀬がメンバーの総意を改めて示す。そして「みんなに新曲を持ってきました。なんと2曲連続でやっちゃいまーす!」と表明する強気な姿勢も素晴らしい。

“狂おうぜ”“バカになろう”という意味を込めた最新デジタルシングルの『Go Nuts』は、突き抜けた明るさと楽しい振り付けが噛み合い、早々とキラーチューンに躍進していて好印象。未発表曲のアッパーな『Elemental』も、ヘドバンを誘うほどの大盛況で、野村&広瀬によるツインボーカルの受け渡しが息ぴったりだった。


サポートギターのYASHIROを紹介しつつ、ツアータイトルの『The Three in One』=“三位一体”というロンブルの関係性に触れたあとは、さらなる新曲として、MIZUKIが作曲したバラード『Final Calling』を披露。胸の内に抱える悔しさや希望を吐露した情熱的な歌唱、ドラムの手数が多い壮大なアレンジに浸れる瞬間が心地よく、激しい曲が並ぶ彼女たちのレパートリーにおいて、とてもいいアクセントになっていたと思う。


ここから再びギアを切り換え、変拍子と浮遊感がビビッドに映える曲調がたまらない『Superhero』、野村が「全部曝け出して踊れ!」と導いた4つ打ちのダンスナンバー『Welcome To Heavenly Secret Base』を立て続けに投下。中盤はロンブルらしい振り幅の広さをアピールし、歓喜のハンドクラップで沸かせたりと、会場をますます興奮の渦へ巻き込む。
MIZUKIがヨガマットに寝ているところをSNSで拡散された話、帰り道にみんなで星空を眺めた話、ロンブルの楽曲を数多く手がけるMaoに親身なアドバイスをたくさんもらった話など、各自がツアーの日々をマイペースに語る一幕も。その後「ファイナル出し切れるのか? 渋谷揺らせんのか!?」と気合を入れ直した広瀬の呼びかけから、ライブはいよいよラストスパート。

撮影OKとなった『To Our Blue』では、ロンブルの“青”をフィーチャーした歌詞や照明、野村と広瀬の背中合わせパフォーマンスに心奪われる。スマホを構えながら4人を懸命に後押しするファンの姿も印象深い。そのまま挑発的でパンキッシュな『Hide And Seek』になだれ込み、コール&レスポンスを勢いよく決めると、王道のメロスピを感じさせる『Rising Up For Gloria』、バンドの逞しい生き様がオーディエンスに伝わった『Face The Fear』を畳みかけ、本編は大熱狂のうちに終了した。

「ライブができること、みなさんが来てくださることは、当たり前なんかじゃなく、すごく特別なことだなと噛み締めております。私もロンブルのメンバーが大好きになってるので、ここにいられて本当に嬉しいです」(YASHIRO)
「2回目のツアーだったんですけど、自分が書いた新曲もできて、とにかくみなさんに楽しんでもらえたらという気持ちでやってきました。ロンブルはいい形で成長できてるし、どんどんリリースをしていきたいなと。大きくなりたいので、力を貸していただければありがたいです!」(MIZUKI)
「ベーシストの話をいただいたとき、最初は自分に務まるのかわからなくて。でも、続けてきた結果、このツアーでLonesome_Blueのベーシストは私じゃなきゃダメだと思えるところまで来られました。メンバーやスタッフさんもそうですけど、何よりこうやって集まってくださってるみなさんのおかげです!」(広瀬)
「音楽をやる理由とか歌を歌う理由って、たぶん人によっていろいろあるんだろうなと思うんですけど、私は今こうして目の前にいるみなさんがずっと笑っていてほしい。それがLonesome_Blueで歌ってる理由です。これからもどうぞよろしくお願いします!」(野村)

アンコールでは、涙ぐむシーンを挟みつつ、4人が現在の心境を明かす。ファンへの感謝や未来に対する期待……さまざまな想いを乗せたラスト『It’s My Time!』の爆発力も凄まじく、タオル回しで見事にエモーショナルな結束が生まれ、思い入れたっぷりの『The Three in One』ツアーは完走を迎えた。
メタル/ハードロックの屈強さとポップな響きを併せ持つ自分たちのチャームポイントを存分に発揮したLonesome_Blue。現在ニューアルバムを制作中で次なるツアーをやりたいという言葉もあったので、今後の活動に注目しよう。
取材・文:田山雄士
《SET LIST》
- 1.Blind In The Chaos
- 2.Body Rock
- 3.Parallel World
- 4.Go Nuts
- 5.Elemental
- 6.Final Calling
- 7.Superhero
- 8.Welcome To Heavenly Secret Base
- 9.To Our Blue
- 10.Hide And Seek
- 11.Rising Up For Gloria
- 12.Face The Fear
- <ENCORE>
- EN1.It’s My Time!
Lonesome_Blue
Lonesome_Blue東名阪対バンツアー「Blue Rush vol.2」開催
東名阪対バンLIVE
『Blue Rush Vol.2』
4/18(Fri) 東京:GRIT at Shibuya / coming soon
4/24(Thu) 名古屋: ell FITS ALL / LUMiRiSE
4/25(Fri) 大阪:梅田Zeela / LUMiRiSE
チケット一般発売:3/8(Sat)10:00〜
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