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真っ赤に滾る血を沸騰させ、刹那のギターリフに身を浸し、互いに熱狂と恍惚を覚えながら絶頂を求めあい続けた甘い断頭台のワンマン公演!!!!!
昨年12月にリリースされた1st Full Album『Memoire Rouge』を手に、甘い断頭台が12月より始めた「1st Full Album “Memoire Rouge”リリースツアー」。同ツアーのファイナル公演が、2月8日に吉祥寺CRESCENDOでワンマン公演として行われた。

暗くなった場内へ、荘厳かつシンフォニックな音が流れだす。アルバムの幕開けを飾った『-The Ceremony of Decapitation-』だ。その音色へ導かれるようにメンバーが次々と舞台へ。そのたびに上がる歓声。重厚かつシンフォニックなサウンドが、さらに音圧を増す。そして…。

美しく気高く壮麗な演奏に乗せて、「紅いドレスに染みついた欲望の香りが」と歌いだしたMinami Maria(Vocal)の声がフロア中へ響き渡る。ライブの幕開けを飾ったのが『Bloody Dress』だ。Louis(Dr)が雷鳴のように叩き出す凄まじいビートに乗せ、Hiko(Ba)のベースが唸りを上げれば、Yuria(Gt)が甘くメロディアスな旋律を奏で、Hitomi(Gt)が攻撃的なリフを刻みだす。演奏が一気に駆けだすと同時に、楽曲は激しくもエモーショナルなドラマを描きだす。最初から気持ちを熱く高ぶらせる攻狂曲だ。巧みに緩急を付けながらも、一貫して荒ぶる音を突きつける演奏に乗せ、お立ち台の上で身を乗りだし、観客たちを煽るように歌うMariaの姿が強烈な存在感を放っていた。途中、Yuria の奏でる旋律へHitomiが寄り添う様も登場。激しく、美しく。何よりも気持ちを熱く揺さぶる高貴な演奏が、大勢の観客たちの目の前で燃え盛っていた。



美しく幻想的な鍵盤の音色が流れだす。そこへMariaの「いくよー!!」の声が重なるのを合図に、楽曲は一気に荒ぶる牙を剥きだした。甘い断頭台は『CHI.SHI.BU.KI』を通し、甘いメロディとグロウルを巧みに使い分けた歌声で攻めたてる。Hitomiの奏でる印象深く甘い旋律を含め、気持ちを滾らす高揚メロウな演奏を次々と突きつけ、観客たちの身体や頭を揺さぶり続ける。Louisの叩き出すタイトなビートも、気持ちを熱く揺さぶる。ときにメンバーと観客たちが共に身体を折り畳めば、Mariaの掲げた拳へ呼応するように、フロアのあちこちからも拳が突き上がる。荒ぶる演奏の上で、艶めいた歌声とグロウルした声を巧みに駆使し、Mariaがドラマを描き続ける。間奏で響かせたHitomiとYuriaのツインリードギターの演奏も胸を騒がせる。途中には、Hitomiと観客たちが共にシンガロングする場面も登場。演奏が進むにつれて感情が激しく掻き乱され、理性が消し飛んでゆく。両腕を大きく広げ、観客たちの熱狂をすべて受け止めていたMariaの姿も印象的だ。最後、2本のギターがハーモニーを奏で、ドラマチックに終わる展開にも胸が熱くなっていた。
MCでは、場内を埋めたファンたちの姿を見て、Mariaが嬉しい感謝の思いを言葉にしていた。「燃え尽きる勢いで、熱く盛り上がっていけるかしら」と誘いかける声も嬉しい。

レーザーも飛び交うステージの上から甘い断頭台が繰り出したのが、『ラ・ヴィ・アンテリュール』だ。曲が始まったとたんに、フロア中から野太い声と拳が突き上がる。その様へさらに刺激を加えるように、拳をくるくると回しながら歌うMaria。彼女の歌声へ色を加えるように寄り添うHitomiのコーラスも印象的だ。激しくシンフォニック、高貴でメロウなサウンドも甘い断頭台らしい。Louisの荒ぶるドラムのビートにあわせ、Mariaが拳を振り回す。Hikoのベースが身体を激しく突き動かせば、YuriaとHitomiによるツインギターが、ずっと感情を熱く揺さぶる激烈でメロディアスな旋律を繰り出し続ける。だから、限界など忘れて熱狂し続けたくなる。

Hitomiの奏でるギターの旋律を合図に、『永久の冠』へ。先に生まれた情熱的な表情の上へ、彼女たちはさらに華激な表情と色を塗り重ねる。巧みに緩急をつけた演奏を通して気持ちを上げながら、サビで熱情した思いを一気にバーストしていく。疾走するビートをタイトに刻むLouisの演奏も心地好いが、その上で笑みを浮かべながらも攻撃的な音を繰り出すHikoのベースプレイも印象的だ。揺るがぬその軸があるからこそ、Mariaの超絶ハイトーンヴォイスも、甘く熱い刺激として胸に突き刺さる。どの曲もそうだが、甘い断頭台の楽曲は、気持ちを熱く掻き立てる熱狂かつ高貴なドラマを描きだす。気高さをけっして失うことなく、そのうえで、触れた人たちから理性を次々と奪い去る。サビ前までの展開を通して破裂寸前まで気持ちを膨らませたうえで、サビで一気に感情を爆発させ、観客たちの理性をぶち壊す。美しくも荒々しい展開を描くドラマに魂がずっと奮い立っていた。3人の竿隊が頭を振りながら演奏。HitomiとYuriaが胸を騒がせる旋律を掛け合う。終盤、Maria、Yuria、Hitomiの3人がお立ち台の上で煽る姿も嬉しいインパクトだった。
MCでMariaは、自ら作りあげたアルバムが、一人一人の手元に届いていく様を見続けてきたことに感謝の思いを述べていた。サブスクでも、日本のメタルチャートで第1位を手にしたことも報告してくれた。
ここで、今年6月14日に吉祥寺CRESCENDOで2周年記念2マンライブ「甘い断頭台2周年記念ツーマンLIVE!!〜星降る夜にカンシャカンゲキの処刑執行…♡〜」をSiriusと共に行うことを発表。


そのうえで甘い断頭台が演奏したのが、2本のギターの重なり合う甘い旋律に心地好く酔い知れる始まりも印象的。そこから、物語が激しく華激かつシンフォニックに展開していく『不滅の花』だ。YuriaとHitomiのギターが激しいリフを刻むのを合図に、楽曲は攻撃的な演奏を突きつける。Louisの叩きだすビートに合わせて、拳を振り上げる観客たち。メロディアスなサビのパートを攻めるように歌うMaria。その姿に向け、フロア中から無数の熱い拳が次々と突き上がる。どんな華激な楽曲でも、つねに笑顔と荒ぶる演奏で観客たちをなぶり倒すHikoの姿も印象的。激しく攻撃的な楽曲の上で、気高き生き様を、華やかでおおらかに歌うMaria。そのコントラストも魅力だ。間奏では、YuriaとHitomiがステージ中央で背中合わせに寄り添い、ときに掛け合い、ときにハモリながら、感情を揺さぶる演奏を繰り広げる。そこからの、雄大かつ激烈な演奏が作りあげるドラマチックな展開に気持ちが嬉しく煽られていた。歌い終え、「merci」と叫んでいたMariaの姿も印象的だった。


さらに激しさと速度を上げるように、甘い断頭台は重厚な演奏と激烈なリフを刻みながら『LABYRINTHE』を突きつけた。荒ぶる牙を剥いた演奏の上で、高貴な様で美しくたおやかに歌うMaria。彼女が高く掲げた手を左右へ振るたびに、Yuria・Hitomi・Hiko・Louis の4人が頭を左右に振って演奏していた姿も印象的だった。サウンドがいくら激しくせまろうと、つねに歌心を持った声を響かせ、彼女は触れた人たちを魅了してゆく。途中には、語り部となったMariaが舞台の一場面を演じるように、この場に迷夢の物語を描きだす。そこに、YuriaとHitomiが互いに顔を見合せて美しくも気高きリフを刻めば、この場に生まれた熱狂を、Mariaがさらに艶やかに彩っていた。


「燃やせ炎より熱く 祈りを捧げよ」と高らかに歌うMariaの声から始まった『Histoire -紅き宝石の呪い –』でも、これまで以上に攻撃的なリフをギター陣が高速で刻みだすのを合図に、観客たちも荒ぶる声を上げ、メンバーらへ思いを捧げるように拳を突き上げて騒ぎだす。Mariaの歌や4人の演奏とユニゾンするように観客たちが拳を振り上げ、感情を高めてゆく様も印象的だ。一つ一つの言葉に熱情した気持ちが漲っている。その歌声と荒れ狂うリズム隊の演奏が、心臓を激しく速く叩きつける。間奏では、Hikoが重厚なベースの音を響かせれば、YuriaとHitomiのギター陣が現実を奪い去るリフを次々と高速で繰り出す。曲が進むごとに激しさと速さが増す。美しく気高く抑揚した2本のギターの音に気持ちが熱く揺さぶられる。Mariaの歌声へ、グロウルをした声を重ねるYuriaのコーラスも、いろんな楽曲で嬉しいスパイスになっていた。


ライブは早くもラストナンバーへ。次々と様々な表情を描き出すドラマチックな展開に無我夢中になっていたところへ、甘い断頭台は最後に熱風渦巻く楽曲『薔薇色革命Wonderland』を叩きつけ、甘い断頭台流の熱狂の革命を起こしていった。大勢の観客たちが、Mariaの振り回すタオルの動きと高ぶる感情を重ねあわせ、タオルや拳を回し続ける。緩急をつけた展開を楽曲の中へ次々と作りあげ、彼女たちは変化の富んだ演奏を繰り出し、観客たちの熱情した気持ちをさらに揺さぶり続ける。リフレインしながらも微妙に変化し高揚へと導くギターリフの応酬も含め、目の前で次々と変幻していくドラマに魅了され、感情が奮い立つ。だから無我夢中で甘い断頭台の描くドラマに高ぶる気持ちをぶつけ、一緒に高貴で攻撃的な物語へ血の色の熱狂という彩りを描き加えていたかった。


流れだした重厚かつシンフォニックな音色。舞台の上にふたたびメンバーらが姿を現した。アンコールは、攻撃的なリズム隊の演奏の上で激烈なリフと胸を揺さぶる甘メロなフレーズを繰り出す4人の演奏陣によるインストナンバー『Battle of the Nobles』からスタート。Louisの叩き出す音を合図に、YuriaとHitomiのギターが印象深い旋律を重ね合わせる。その演奏を、Hikoのベースが唸る音を通して華激に押し上げる。その上でHitomiが、続いてYuriaが胸を踊らせる旋律を奏でれば、ふたたびツインギターのハーモニーを魅せるなど、高揚を覚えるドラマを次々と描き出していた。彼女たちは一体化した演奏を見せながらも、その中へ、それぞれが巧みに癖の強い演奏を組み込み、さりげなく、でも、荒ぶる牙を剥いた演奏を突きつけていった。


続いて繰り出したのが、Hitomiの超絶激リフとMariaのグロウルで攻める『執刀ルネサンス』だ。ここでは甘い表情を覆い隠し、徹底して暗黒な世界を突きつける。とはいえ、サビでは胸に印象深く響く甘くメロディアスな歌もしっかり魅せれば、その背景で、Yuriaがデスボイスをぶつけ、楽曲に黒い攻撃性を加えていた。そのコントラストも甘い断頭台らしい。激しくも高貴な旋律を繰り出すYuriaのソロも印象的。後半には、メンバーと観客たちがクラップを交わす場面も登場。どんどん感情を露に歌いあげるMariaの姿も印象深く瞼に焼きついた。甘い悪夢は、とても胸を踊らせる夢だった。

ここでLouisが、何故かサングラス姿に。YuriaはギターをZemaitisに持ち替え、次に繰り出したのが、X JAPANのカバー曲『X』。5人ともX JAPANのメンバーに心を染め上げ、雄々しくも攻撃的かつ紅に染まった姿で激熱な演奏を繰り出していた。激しくシャウトするMariaの煽りを受け、フロアではXジャンプをする観客たちも登場。ステージ上のメンバーも、カバー演奏することを、感じるままに、叫ぶままに、心を燃やしながら純粋に楽しんでいた。


W ENCOREは、甘い断頭台の原点となる1stシングル曲『exe♡cute』からスタート。背景にはMVも投影。「聞こえない 触れられない 前を向いているのに」と歌う美しくエモーショナルな声と攻撃的かつシンフォニックな音色が重なりながら物語を描きだす。気高き姿で、美しくも妖艶な歌声を響かせるMaria。彼女の歌声へ黒い彩りを与えるYuriaのグロウルした野太いコーラス。その様へ向けて、フロア中から野太い声や無数の拳が突き上がる。終始笑みを浮かべた表情で攻めるHikoとLouisの姿も印象的だ。間奏では、お立ち台の上で攻撃的なリフをYuriaが次々と繰り出てしていた。Mariaがお立ち台の上から呼びかけるように歌うたび、場内のあちこちから声と拳が飛び交う。Yuriaが何度も突きつけるグロウルした声にあわせ、観客たちが拳を突き上げる様も絶景だ。高貴で激しくシンフォニック、美しくもエモーショナルで、緩急を付けたドラマチックな展開を描き出すこの曲こそ、甘い断頭台の原点となる姿だ。



「紅いドレスに染みついた欲望の香りが」とMariaが歌いだしたのが『Bloody Dress』だ。この日の冒頭を飾った楽曲で、ライブの最後も彩り、締め括るところにドラマを感じた。背景にMVを投影。先の『exe♡cute』が甘い断頭台の原点を成す楽曲なら、『Bloody Dress』こそ、進化し続けてきた甘い断頭台にとって、今最も似合う楽曲のドレス。だからこそ、美しくも高貴で攻撃的な牙を剥き出しに歌い演奏を繰り出す彼女らに向け、たくさんの拳が突きつけられていた。真っ赤に滾る血を沸騰させ、刹那のギターリフに身を浸し、互いに熱狂と恍惚を覚えながら絶頂を求めあい続ける。もうすっかり、甘い断頭台の世界観に魂が支配されていた。今度は「merci」という言葉を、こちらが送りたい気分だった。

PHOTO: A.kwsk
TEXT:長澤智典
《SET LIST》
- 0.-The Ceremony of Decapitation-
- 1.Bloody Dress
- 2.CHI.SHI.BU.KI
- 3.ラ・ヴィ・アンテリュール
- 4.永久の冠
- 5.不滅の花
- 6.LABYRINTHE
- 7.Histoire -紅き宝石の呪い-
- 8.薔薇色革命Wonderland
- -ENCORE-
- EN1.Battle of the Nobles(instrumental)
- EN2.執刀ルネサンス
- EN3.X(X JAPAN)
- -W ENCORE-
- WEN1.exe♡cute
- WEN2.Bloody Dress
甘い断頭台
1st Full Album 『Memoire Rouge』Now On Sale!!

甘い断頭台待望の1st Full Albumが2024年12月より、各レコードショップ、ライブ会場で販売中!
◆ 商品情報 ◆
タイトル : 『Memoire Rouge』
発売日 : 2024年12月20日
定価 : 3,000円(税込)
品番 : AMCA-0001
◆ 販売サイト ◆
・ディスクユニオン
https://diskunion.net/metal/ct/detail/1008955541
※特典(先着順となります):2Lサイズブロマイド (6種類からランダムで1枚)
・タワーレコードオンライン
https://tower.jp/item/6653530?srsltid=AfmBOoqXxjCbpdb1hGAxUy4SW73lXUP-0xDKKTAejiQkuS5MpnPBEREv
・HMVオンライン
https://www.hmv.co.jp/artist_甘い断頭台_000000000966985/item_Memoire-Rouge_15486415
・S.A.MUSIC
https://www.metalpesado.com/mailorder/k_shop.cgi?id=81955
・Amazon
Amazon.co.jp: Memoire Rouge / メモワール・ルージュ: ミュージック
◆2025年1月25日より各音楽配信サービスから配信リリース!◆
https://linkco.re/6SS3Eh6V?lang=ja
2025.3.22(土) 吉祥寺CRESCENDO

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ナデシコドール リリース&結成15周年記念主催「淑女ノ飛躍 LIVE TOUR 2025」東京公演
OPEN 16:30 / START 17:00
ADV,DOOR ¥3,500+1D / Streaming ¥2,500
ー 出演 ー
ナデシコドール(O.Aあり)、少女S、しゃべらなければイイオンナ、FullMooN、甘い断頭台
2025.5.24(土)大阪 Bigtwin Diner PANHEAD GROOVE

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『MINSTREL GATHERING vol.4〜Ochoco&syo-go BIRTHDAY PARTY〜』
ADV ¥4,400+1D / DOOR ¥4,900+1D
ー 出演 ー
MinstreliX、Allegiance Reign、甘い断頭台
2025.5.25(日)札幌Crazy Monkey

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ArkRoyal pre.Loyal Rumble “Dawn of the Abyss” release tour Final
OPEN 17:30 / START 18:00
ADV ¥3,500+1D / DOOR ¥4,000+1D
ー 出演 ー
ArkRoyal、閏、甘い断頭台
2025.6.14(土)吉祥寺CRESCENDO

2025.6.14(土)吉祥寺CRESCENDO
甘い断頭台2周年記念ツーマンLIVE!!~星降る夜にカンシャカンゲキの処刑執行…♡~
OPEN 17:30 / START 18:00
ADV ¥3,500+1D / DOOR ¥4,000+1D / Streaming ¥3,000
ー 出演 ー
甘い断頭台、Sirius