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類まれなハイトーンシャウトを持つ女性ボーカリストの蛇石マリナが率いるバンド、Mardelasがライブ会場限定シングル『Snake to the Fire』を引っさげて全国8都市でレコ発ツアーを開催。ファイナルとなった東京・池袋 Club Mixa公演の模様をレポートする。


のっけから『Burn Out!』『G-Metal』がヘヴィかつメロディックに届けられる中、メガホンも使って歌う蛇石マリナ(Vo)の声がパワフルに響き、及川樹京(Gt)が鳴らす驚くほどにクリアで抜けのいいサウンド、本石久幸(Ba)の安定感のあるローも耳を惹く。チケットがめでたくソールドアウトを記録したことに加え、最新アルバム『Mardelas IV』の楽曲がどうやら順調に浸透していて、今年2月に同会場で行なわれた2部制ワンマンのときよりも、オーディエンスの反応が一段と良くなっているのが印象深い。

「熱気が本当に凄まじかったんですよ、このツアー。ファイナルの今日はそれをさらに更新していきたいので、感じるままにみなさんの想いを私たちにぶつけてほしいし、声をたくさん聞かせてください。よろしくお願いします!」



蛇石がそう挨拶するとともに、ツアー全公演のサポートを務めてきたYusaku(Dr/Phantom Excaliver)を紹介したあとは、フロアにヘドバンをじわりと巻き起こした『Cleopatra』、及川のレーザーガンを用いたギタープレイに胸躍る『Force & Justice』、4人のグルーヴがますます美しく噛み合った『千羽鶴 -Thousand Cranes-』と、遊び心もちりばめながら、よりディープな世界観を打ち出していくMardelas。まさに、いい雰囲気で各地を回れてきたのがわかる痛快なパフォーマンスだ。
続いてのMCでは、オフィシャルYouTubeのチャンネル登録者数が1万人を突破したことを蛇石が報告。“YouTubeを観て、ライブに初めて来た”というお客さんもこのツアーは多かったそうで、「コロナ禍に思い切って始めて、マジでよかったなと感じてます!」と喜びを伝えた。また、及川が本公演のゲネプロでギタースタンドに右手の人差し指をうっかり挟んでしまい、密かにピンチを迎えていた(コンビニで買った絆創膏を貼ってなんとか乗りきった)裏話をメンバーに明かしたり、本石の見た目が十字架のチョーカーを付けているのもあって、「ジーザス(イエス・キリスト)に似てきた」と盛り上がったりも。



及川が7弦ギターを手にした3ブロック目は、自身初の全曲英語詞となったシングル『Snake to the Fire』からの新曲も披露。高速でまくし立てるような蛇石の歌唱、スラップを入れた及川のテクニックが光る『ICE-PICK』で、場内のボルテージをまたひとつ上げてみせる。さらにスラッシーな『Outsider』『World vs Honor –仁義なき世界-』へと繋げ、ゴリゴリに歪んだヘヴィなサウンドや速弾きなどをもって、激熱なメタル魂を存分に発揮。

そんな中、勢いあまって左目のコンタクトレンズを吹っ飛ばしてしまう蛇石だったが、バンドの演奏は依然として好調なまま、文字通りロック色の強い『Rock On!』、歌謡曲的なメロディで愛憎たっぷりに絶唱する『蛇に牡丹 -snake & peony-』と、今度は先程までとは異なるカラフルな攻め方にシフト。闘争心を掻き立てるアップチューン『Last Round Survivor』、崇高さと貫禄が漂う重厚なバラード『String of Life』も含め、バラエティ豊かに聴かせてくれた。

「この振り幅こそがMardelasです! どの曲も書いてきてよかったと思えるし、こうやっていろいろな可能性に挑戦してきたので、今回の新作が生まれた気がするんですよね」という自信に満ちた蛇石の言葉に、オーディエンスからは大きな拍手が湧く。

コンタクトを付け直し、ライブはいよいよ後半へ。シングル『Snake to the Fire』の中で唯一配信リリースがなく、初聴きのファンが多かったであろう新曲『Strike the Beast』も、アイアン・メイデンを彷彿とさせるドライヴ感やキャッチーなメロディが冴えわたり、見事なまでに熱気あふれるシンガロングを生み出す。



『The Fox and The Grapes』でJ-POPのテイストが垣間見られたかと思えば、『Deception』ではリズム隊のビートがグッと際立って壮観なヘドバンを誘ったりと、変幻自在のアレンジで会場をいっそうヒートアップさせ、お待ちかねのニューシングルのリード曲『Patriot Anthem』もクライマックスで投下。ジューダス・プリーストをはじめ、さまざまなヘヴィメタルのネタを盛り込みつつ、息を呑むほどキレッキレの超絶技巧で突っ走る容赦なさがたまらない。そして、ライブ定番曲の『Apocalypse』でも“Mardelasここにあり!”な声量と轟音を叩きつけ、4人は本編を鮮やかに締め括った。


アンコールを受けてステージに戻ってくると、ツアーの完走を改めてオーディエンスに感謝した蛇石、及川、本石。ラストは初期のナンバー『D.D.C.』『Daybreak』をありったけのパワーでエモーショナルに畳みかけ、2時間強に及ぶファイナルは大盛況のうちに終了となった。本公演のライブCDは追って制作予定とのことなので、こちらも楽しみにしておこう。


また、来年2月25日(日)に東京・渋谷PLEASURE PLEASUREで新たなワンマン『Dead or Alive』の開催を発表したMardelas。タイトルからも並々ならぬ気合が窺え、きっと特別な日になるはず。ニューシングル『Snake to the Fire』(キングレコード公式通販サイト「KING e-SHOP」で通販もスタート!)に収録の3曲はいずれもライブ映えする仕上がりだけに、ぜひ生でその興奮を味わってみてほしい。
取材・文:田山雄士
Photo:Hidemi Otsuka
《SET LIST》
- 1.Burn Out!
- 2.G-Metal
- 3.Cleopatra
- 4.Force & Justice
- 5.千羽鶴 -Thousand Cranes-
- 6.ICE-PICK
- 7.Outsider
- 8.World vs Honor -仁義なき世界-
- 9.Rock On!
- 10.蛇に牡丹 -snake & peony-
- 11.Last Round Survivor
- 12.String of Life
- 13.Strike the Beast
- 14.The Fox and The Grapes
- 15.Deception
- 16.Patriot Anthem
- 17.Apocalypse
- <ENCORE>
- EN1.D.D.C.
- EN2.Daybreak
Mardelas
Mardelas Brand New Best 2025 2025.10.8 Release!!
Mardelasのメジャー・デビュー10周年を記念して制作する、メンバー選曲による2枚組のベスト・アルバム!!
本作は全22曲収録予定となり、バンドがこれまでにリリースしてきた楽曲をリ・レコーディング+リミックスし、さらにアレンジも一新してパワーアップした“ニュー・ヴァージョン”として収録!最新リマスターによって磨き上げられた、“バンドの名刺代わり”となる最強のベスト・アルバム!
リリース後は本ベスト・アルバムの発売を記念したワンマン・ツアー“Brand New Best Tour 2025”を開催!!ツアー・ファイナルは12月13日(土)横浜ReNY betaにて開催予定!!
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-4213/
Jupiter Presents "Divine Ceremony" 8/12(火) 初台DOORS

Jupiter Presents 「Divine Ceremony」
Jupiter VS Mardelas
8月12日(火)初台DOORS
[開場/開演] 17:30/18:00
【チケット料金】
VIP ¥10,000(税込・D代別)[優先入場・出演者+お客様との写真撮影]
一般 前売¥6,000 / 当日¥6,500(税込・D代別)
【チケット発売日】:5/24(土)10:00~ イープラスにて販売
【入場順】:VIP(Aチケット)→一般(Bチケット)→当日券
“狂動戦線” 9/13(土) 吉祥寺CLUB SEATA

“狂動戦線”
2025.9.13(SAT)
吉祥寺CLUB SEATA
OPEN 16:00/START 16:45
ADV ¥5,000(+1D) / DOOR ¥5,500(+1D)
Unlucky Morpheus
Mardelas
UNVEIL RAZE
[O.A] FATHOMLESS SKYWALKER
WILD FRONTIER Presents "SOUND OF DEATH vol.110" 10/11(土) 仙台ROCKATERIA
"Brand New Best Tour 2025" (One-man)

"Brand New Best Tour 2025"
10/13(月祝) 東京 青山 RizM
11/16(日) 博多 DRUM SON
11/29(土) 大阪 RUIDO
11/30(日) 名古屋 ell size
12/13(土) 横浜 ReNY beta