2018年のデビュー以来、さまざまな編成でライブを繰り広げてきた竹内アンナ。今回はベーシストの森光奏太とドラマーの上原俊亮によるユニット、dawgss(ドーグス)をサポートに迎えた3ピースのバンドスタイルだ。全国9ヵ所で行なった5th EP『at FIVE』のリリースツアーより、ファイナルとなった恵比寿LIQUIDROOM公演の模様をレポートする。

Taxedoの『2nd Time Around』をSEに、最新アーティスト写真を彷彿とさせる衣装を纏った竹内アンナ(Vo&Gt)、そしてdawgssの森光奏太(Ba)と上原俊亮(Dr)が登場。トライアングルの布陣を組み、「あなたらしく楽しむ準備はできてますか?」という呼びかけとともに、まずはEP『at FIVE』に収録された疾走感のある切ない失恋ソング『サヨナラ』が満員のフロアに放たれ、ライブがスタートした。

透き通ったボーカルはもちろんのこと、シンプルながらもボトムの強さが伝わる、3ピースらしいパキッとしたアンサンブルに早くも心を奪われる。それによって、『Free! Free! Free!』での竹内のカッティングやラップもいっそう切れ味鋭く聴こえる。瞬く間にいい雰囲気を作り上げると、甘くチャーミングなラブソング『あいたいわ』ではのっけからコール&レスポンス。ここ数年、初夏の恵比寿LIQUIDROOMワンマンが恒例になっている彼女だが、同会場でのコール&レスポンスはずっと実現してこなかっただけに、マスク着用で声出しできる状況がとても嬉しそう。

そして、オープニングからこの日もうひとつ印象的だったのは、竹内が昨年夏に購入したエレキギター(赤のGibson ES-335)を多くの曲で快調に弾いていたことだろう。バンド編成でのライブで、彼女のエレキをメインギターとしてふんだんに楽しめるステージはかなりレア。時にロックテイスト全開に振ったりもするそのわかりやすく熱いプレイ、これまであまり聴けなかった響きを活かしたアレンジは、非常に新鮮なポイントであったと言える。

待ちわびてましたー!すでに最高ですね。本当に素晴らしい景色を見せてもらってます。いっしょに歌うも良し、揺れて踊るも良し、心の中でひとり静かに楽しむも良し。あなたらしいのが、きっと正解だと思います

以降はエレキと並行してMartinのアコギを使いながら、パフォーマンスの幅を広げていく竹内。ストリングスやピアノの同期を交えた『Love Your Love』、青い照明とフューチャーソウル的なサウンドメイクで浮遊感を演出した『TOKYO NITE』と続く中、リズム隊のアプローチもじわじわと変化を見せ、『made my day』においては森光がワーミーなベースソロを奏でるシーンも。その直後にフロアから拍手が湧いていたのが、なんだかジャズのコンサートみたいで心地よい。

3ピースでのツアー自体が初めての経験で、しかも同世代のメンバーと回れたのがすごく新鮮でした」と、ここで竹内がdawgssの2人を改めて紹介。

ツアーはあっという間だったね。香川でうどんをめっちゃ食べました」(森光)

ライブを重ねるたびに、ステージ上で2人との会話がちょっとずつ増えていったのが思い出深いです(笑)。今日はなんか……口数が少ないんじゃない?」(竹内)

ごめんなさい、気を遣わせてしまって(笑)。僕らは勝手に楽しませてもらってますよ」(上原)

ツアーを振り返りつつ、和やかにトークする3人。「とてもカッコいい音楽をやっている」と竹内が推す、今年のフジロックに初出演が決まったdawgssの活動もぜひチェックしてみてほしい。

同世代の3人が生み出すグルーヴは、中盤でさらに深みを増す。既存曲も次々に新たなアレンジで届けてくれたこの日、長く彼女を観てきているファンは、初期の楽曲『20 -TWENTY-』『ALRIGHT』の変化にグッときたのではないかと思う。ここでも竹内のエレキギターでの歌唱が大いに輝き、dawgssの2人が刻む洗練されたビートによって、これまでよりも情熱的に聴こえて、これまでにない高揚感を帯びていたのがたまらなかった。

驚くほど大胆なリミックスを施した『泡沫SUMMER』では、森光のファンキーなスラップ弾きと上原の手数が多いドラムが冴え渡る中、竹内はギターを置いてハンドマイクで躍動。オーディエンスを果敢にジャンプさせたり、間奏でパッドを操作したり、ライブならではのハツラツとした立ち回りで場を盛り上げる。

バリエーション豊かなパフォーマンスでさらに充実したライブ後半へ

竹内アンナ

初のビルボードライブツアーが決定!

デビュー5周年を迎えた竹内アンナが自身初のビルボードライブツアーが決定!
東京、大阪、横浜の3ヵ所を巡るこのツアー、バックバンドはネオソウルやジャズをルーツとしたインターナショナルなグループ「パジャマで海なんかいかない」ことPAJAUMIが務めます。

<竹内アンナ Billboard Live Tour 2024>
2024/3/1(金) ビルボードライブ東京
2024/3/8(金) ビルボードライブ大阪
2024/3/20(水・祝) ビルボードライブ横浜

チケット情報等詳細はこちら
https://takeuchianna.com/news/#104709


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