
サマーチューン繋ぎながら『ICE CREAM.』は一転、dawgssがステージから捌け、落ち着いた照明のもと、クールダウンさせるようにエレキの弾き語りでしっとり演奏。『RIDE ON WEEKEND』も竹内のソロで、今度はアコギを使って爽やかな風を吹かせてみせる。彼女らしく自由度の高い、キュートでカラフルなプレイスタイルに見惚れているうち、気づけばライブは後半へ。

両翼に森光と上原が戻って『手のひら重ねれば』が始まれば、誰からともなく自然と起こり、音がどんどん大きく広がる温かい手拍子。互いの価値観を大切にしたいと願うこの曲が、いよいよ揺るぎないアンセムとなっているのが見て取れた。『YOU+ME=』では、再びコール&レスポンスを誘い、竹内が「もっと出せますか!?」とオーディエンスをがっちりと味方につけ、そのパワーをフルに活かして楽しむ。

ハッピーなムードになってきたところで、最新EP『at FIVE』の幕開けを飾るアッパーチューン『WILD & FREE』を投下。この日いちばんのバッキバキなサウンドで彩ったのに加え、竹内の強気な高速ラップ、からのスウィンギーなアコギソロ炸裂と、目にもとまらぬ早業で沸かせる。さらに、同じく聴き手の背中を押す自己肯定ソング『I My Me Myself』を畳みかけ、フロア一面には壮観なワイパーが! 3人のソロ回しも痛快。また、例のパートをようやく会場の全員でいっしょに歌えたことは、本人とファンにとって念願だったに違いない。
「私は今年8月でデビュー満5年を迎えるんですけど、続けてこられたのは本当に来てくれる、聴いてくれるみなさんのおかげです。この先も楽しみなことをたくさん用意しているので、ぜひ待っていてください。みんなに音楽を作り続けるために生活を続けていくから、みんなもそれぞれの生活を続けて、またこうやってライブハウスとか曲の中でお会いできたらいいなと思います」

そんな言葉を添えて本編を締め括ったのは、『at FIVE』に収録のジャジーなナンバー『生活』。dawgssの2人と鳴らす、オリジナルと異なる抑揚の効いたアレンジが美しく、“Life goes on 新しい街で”“また出会えたら”“きっと素敵だね”“それまで続けるからさ”と情感たっぷりに歌う竹内のボーカルも、ツアーのラストにふさわしい余韻があった。

新作グッズの黒Tシャツに着替え、ひとりで再登場した竹内は、「もう、終わっちゃうんです。濃厚だからこそあっという間に過ぎ去っていっちゃって寂しい気持ちもあるけど、今後の未来がさらに楽しくなるようなツアーでした」と話す。
「東京はまた待ち合わせができました」と、9月に行なわれる『Slow LIVE ’23 in 池上本門寺 20th Anniversary』への出演を発表し、最後の最後はデビュー5周年の節目に向け、「きっと大丈夫だよ」という想いを込めた『ALRIGHT』を、本編と違うアコギの弾き語りで披露。イントロに超絶アグレッシブなソロを入れ、ラテン風味のホットなサウンドで聴かせ、マイクを通さない生声歌唱も交えるなど、気迫十分のパフォーマンスをもって、大盛況のライブ、充実の『at FIVE』ツアーに幕を下ろした。
Photo:Kazushi Hamano
取材・文:田山雄士
《SET LIST》
- 1.サヨナラ
- 2.Free! Free! Free!
- 3.あいたいわ
- 4.Love Your Love
- 5.TOKYO NITE
- 6.made my day
- 7.20 -TWENTY-
- 8.ALRIGHT
- 9.泡沫SUMMER
- 10.ICE CREAM.
- 11.RIDE ON WEEKEND
- 12.手のひら重ねれば
- 13.YOU+ME=
- 14.WILD & FREE
- 15.I My Me Myself
- 16.生活
- <ENCORE>
- EN.ALRIGHT
竹内アンナ
《ライブ情報》
ACOUSTIC LIVE -atELIER-
2025年3月29日(土) ヒューリックホール東京
開場16:00 / 開演17:00
ゲスト:幹葉(スピラ・スピカ) / 竹内朱莉 / 佐藤まりあ(フィロソフィーのダンス)
<チケット>
at TENDERチケット:8,000円 (終演後に竹内アンナの生歌演奏+お見送り)
指定席一般:6,500円
指定席学割:5,000円
ファンクラブ先行受付中 https://smam.jp/s/sma01/artist/2103
一般発売日 2025年2月15日(土)
問 HOT STUFF 050-5211-6077