いよいよ、トリを飾るのはもちろんPoppin’Party(ポピパ)だ。

1曲目の『ぽっぴん’どりーむ!』では、明るくポップで弾けるようなサウンドに乗せて、観客がジャンプでリズムを取り、色とりどりのペンライトが大きく揺れる様子は壮観だ。間奏部分のメンバーソロのパートで曲調がガラリと変わるのも面白いナンバーだ。

Gt.&Vo. 戸山香澄 (CAST:愛美)
おなじみのESP RANDOM STAR Kasumiだが、Seymour DuncanのP90タイプ・ピックアップがエスカッション・マウントされている。ハムバッカーよりもさらに芯のあるアタック感が得られる。近年になって見られるようになったこの仕様は、彼女のギターサウンドへのこだわりを反映したカスタムだろう。

MCからカットインするように『イントロダクション』が始まる。大サビの転調でさらにグッと盛り上がり、続けざまに『イニシャル』へと突入する。メンバーの動きがよりアグレッシブになり、ステージ上で仰向けになるシーンも見られた。ブレイクの静寂で空気が引き締まる感覚も最高だ。ポピパが秘めるクールさやカッコよさを披露した。

Gt.花園たえ(CAST:大塚紗英)
センターステージでの大胆なプレイはまさに“ギターヒーロー”といった貫禄だ。おなじみのギターESP SNAPPER Taeは、2020年頃まではリアピックアップがシングルサイズのハムバッカーが主流であったが、近年ではシングルコイルピックアップ×3のレイアウトがメインのようだ。

さらに続けて披露された『Hello! Wink!』では、ダンサブルなビートに乗せて、おなじみのダンスで会場がひとつになった。アグレッシブなベースソロやハイテンポなライトハンド奏法などトリッキーなテクニックが散りばめられ、 可愛らしいだけでなく、バンドとしての高い実力を随所に感じることができる。

Ba. 牛込りみ (CAST:西本りみ)
髪を振り乱すほどの演奏の激しさが伝わってくる。写真に写っているのはSeymour Duncan製ピックアップが搭載されたESP VIPER BASS Rimiだ。製品版とはコントロールノブ等が異なっており、本人仕様のカスタムが施されているのがわかる。
Dr. 山吹沙綾 (CAST:大橋彩香)
オリジナルイエローカラーのPearl Reference PureのドラムキットにLEDライトでデコレーションが施されている。シンバル・フェルトもイエローで統一されている。今回はドラムスティックのタイトグリップを装着していないようだ。まぶしい笑顔でカラッとしたポピパらしいサウンドを奏でていた。

こうやってライブができることは当たり前じゃなくて、奇跡みたいなこと

Live Beyond!!』では、今回のライブにかけた想いと歌詞が重なり感極まる愛美のそばまでメンバーが駆け寄る場面があった。他のメンバーの目元にも光るものがあった。思わずこちらも胸が熱くなる。感動と同時に、このライブからさらに未来へとつながっていくのだという期待に胸が膨らんだ。

Key. 市ヶ谷有咲(CAST:伊藤彩沙)
Roland JUNO-DS61Wと同社製ステージピアノRD-2000をテクニカルに使い分け、ポピパのサウンドを華やかに彩る。ミネラルウォーターの横にわずかに映っているタンバリンも、ライブを盛り上げるための必須アイテムだ。

ノンストップで『キズナミュージック♪』へと続く。ポピパの中の絆だけでなく、バンドを超えたバンドリ!全体の絆を感じられる。大サビでスモークが吹き上がり、センターステージを駆け回るフロントメンバーの姿も相まって、会場の盛り上がりが最高潮に高まっていた。6曲のコンパクトなセットリストだが、とても内容の濃いエモーショナルなステージを観ることができた。

アンコールパートの最初は、愛美、佐倉綾音、相羽あいな、伊藤美来の4人がステージに登場し、『クインティプル☆すまいる』~『TWiNKLE CiRCLE』をメドレー形式で歌った。それぞれの声に明確な個性があり、各バンドのボーカル4人による壮大なハーモニーを楽しめる。

MCのフリートークもこれまでのどのライブよりも賑やかだ。次の機会には前島亜美もここに並ぶことを会場にいる全員が望んだに違いない。

続いては、Poppin’Party×Roselia×RAISE A SUILENによる『夢を撃ち抜く瞬間に!(3rd Season #13 Full Ver.)』だ。3バンドの楽器、そしてメンバー15人がひとつのステージに並ぶのはもちろん初めての光景だ。ステージ上の全員が思い思いに演奏を楽しんでいる。適切な言葉が見当たらないほどに壮大で、そして感慨深い演奏だった。観客も演奏に応えてペンライトを左右に大きく振る光景も壮観だ。

いよいよ最後を飾る『CiRCLE THANKS MUSiC♪』では、本日の出演メンバー23人がステージ上に勢揃いした。普段は楽器の演奏に徹しているメンバーの多くがここではマイクを手に歌い、自由に駆け回り、メンバー同士がライブを楽しんでいた。このライブでしか見られないプレミアムな光景だ。大サビで銀テープが舞い、さらにクライマックスには大きな花火の音が轟いた。これまでのどのライブよりも盛大で豪華なグランドフィナーレを迎えた。

それぞれのバンド毎の個性や魅力を、ひとつのライブで感じられる贅沢さは何ものにも変えられないプレミアムなひとときだった。また、2年前には無かったバンドの枠を超えたコラボ楽曲の存在が、今回のライブの魅力を大きく増していた。

ライブが延期されていた2年の歳月を経てバンドリ!コンテンツが進化を遂げてきたことで、待ち望んでいたファンの期待を超えたものになっていたと感じた。

今回のライブは、ひとつの集大成のような非常に大きなライブだったが、もちろんこれが終着点ではない。このスペシャルなライブがまた開催されるときにはさらに多くのメンバーが加わってくれれば、ファンにとっても嬉しいことこの上ないだろう。今後の活躍やさらなる進化は止まらないと、このライブで確信できた。

取材・文:佐々木雅晃
Photo:ハタサトシ、福岡諒祠(GEKKO)、池上夢貢(GEKKO)、高田まき子
©BanG Dream! ©Craft Egg Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.


Larrivee MONO Case
BlackSmoker_BM_MISA BS FUJI 聖飢魔II&DHC
LOVEBITES digimart DIXON