ジャンルをスタイリッシュに跨ぎ、常に時代をとらえて進化を続けるヴァイオリニストNAOTOが、通算10枚目となるNEWアルバム『Get over it』のリリースを記念し、10/28(金)、東京国際フォーラム ホールCにて「NAOTO LIVE 2022 -Get over it-」を開催した。

開演前の会場から感じる穏やかな空気。それがいかにもNAOTOのファンらしく、始まる前からなんだか嬉しくなってしまう。

客電が落ちステージの明かりがゆっくりと立ち上がると、レコーディング&バンドメンバーの、松本圭司(Keyboard)、伊藤ハルトシ(Guitar/Cello)、須藤満(Bass)、齋藤たかし(Drums)、大谷舞(Violin)が大きな拍手で迎えられる。そしていよいよNAOTOが登場となると、座っていたオーディエンスが皆一斉に立ち上り、より熱を帯びた拍手が会場を包み込んだ。

冒頭からノリの良いバンドサウンドを披露した『Conflict of mind』のステージに、オーディエンスは手拍子と身体を揺らして応え、会場は早くもヒートアップを見せる。

続く『Nice Try!!!』ではバンドの中で映えるヴァイオリンサウンドが爽やかな風となって会場中を吹き抜けた。

ロックなナンバー『Make a Change』で完全に会場の温度を上げたNAOTO。バンドが生み出す熱気とダイナミズムが、確かな感触を持って身体へと流れ込んでくる。いまだ制限された空間の中であっても、皆それぞれが、心の赴くままに身を浸している。そんな姿を目の当たりにすると、音楽の素晴らしさを改めて実感するのであった。

元気でしたか?こうしてここでみんなに会えて、めっちゃ嬉しいです!」とファンとの再会に感謝するNAOTO。ウィズコロナという時代、そして今回、独立後初めてとなったライブに足を運んでくれるファンたちへの感謝の気持ちは一層強いものなのだろう。そうしたNAOTOの誠実な思いに応えるように、客席からは大きな拍手の音が響いたのだった。

温かくやわらかな『幸せな食卓』。『Stay With Me』ではそんな優しさがますます強くなり、包み込まれるような演奏を届けた。優しくて、美しくて、清々しい。そんなNAOTOの世界で、会場は溢れていた。

今日は音が良いから、弾いていて気持ち良い!」と話すNAOTO。自然体でいるNAOTOが届ける『NATURE SOUR』は、心地良い音の風に誘われるかのように、気付けば自然と身体を揺らしていた。

躍動感にあふれる『Explorer 改 ~Band Ver~』では、バンドメンバーが一際魅せる。巻き起こるアグレッシブなバンドサウンドが一体となって、会場を一気に飲み込み盛大な拍手で湧き上がった。

2005年にソロデビューを飾り、今年で17年を迎えたNAOTO。その足跡を辿るかのように披露された、デビュー曲の『Sanctuary』と「現状から立ち直る、乗り越える」といったリスタートの意味を込めたNewアルバム『Get over it』のタイトルチューン『Get over it』。まさに、NAOTOがファンと共に歩み、成長し続けていることを物語った、とても美しく、感動的なライブパフォーマンスであった。

ライブ終盤は『Get over it』からの楽曲に新旧を織り交ぜ、5曲続けての演奏を披露した。

準備はいいか!盛り上がっていくぞ!」の掛け声に応じ、オーディエンスが再び一斉に立ち上がる。そこでは、かつての楽曲が何のノスタルジーも感じさせないばかりか、新曲と同じ輝きを放ちながら共存していた。

オーディエンスの笑顔が印象的だった『Shining』。軽快な手拍子も相まって、会場がきらきらとしている。

NAOTOが「久しぶりにやるぞ!!」と煽りファンを沸かせた『GE・I・SHA』は、雅さをイメージさせる鮮やかなナンバー。バンドメンバーも巧みなセッションプレイを披露する中で、NAOTOが跳ね、ファンも上下に動く。生み出された一体感は、続く『SHARE!』『Glowing』においてより一層昇華し、歓喜に満ちた音が響き渡った。

ポップなリズム、メロディに合わせてNAOTOとファンが大きく跳ねた『Glowing』。互いのフレーズを実に楽しそうに交わし合っていたバンドメンバーたちの姿が印象深い。本公演が初めてという人もベテランも、NAOTOの核にあるピュアなエネルギーに触れ、同じ素敵な空間を共有していた。

本編のラストを飾った『HIRUKAZE』は各楽器が絡み合うことで生み出された音楽が風と色を纏っていた。掲げられたサイリウムの動きが連動し応える姿は、この日のライブの楽しさを象徴するものであった。

鳴り止まない拍手を受けて答えた『Like a gigue』でNAOTOはソロ演奏を披露。限りなく”生音”に近いアコースティックサウンドは、弾く人がいて、聴く人がいる、そんな「人と人」の関係によって場が形成されていくライブ空間を見事に演出したのだった。

ファンに「ありがとう」の言葉を改めて伝えたNAOTO。音を通じて伝わる幸福があり、かけがえのないこの幸せを大切にしたいと感じる音楽を、この日のNAOTOが届けてくれた。

ラストナンバーは『Si-So♪Dance』。オールスタンディングでメンバーが迎えられ、演奏がスタート。ソロ回しの圧倒的なプレイはさることながら、メンバーが楽器を通して会話を楽しむかのような演奏は実にスタイリッシュだ。もちろん、床に寝そべりブリッジをしながらのパフォーマンスも惜しみなく披露された。NAOTOのブリッジ中に応えるオーディエンスの美しい人波の光景は、本当に美しいものだった。

めっちゃ楽しかったぞ!またきてね!」と締めくくり、NAOTOは最後に再開を約束してくれた。

温かさと安心の中に興奮があって、なにより、いい音に出会える。そんなライブを体験した。自由に声を上げることも、一緒にタオルを振り回してはしゃぐことも、今はまだできない。それでもNAOTOは決して失われることのない音楽の持つ力、可能性を信じて、感謝と共にその高見を更新し続けるのだった。

取材・文:廣瀬航
撮影:加藤浩平

《SET LIST》
  1. 1.Conflict of mind
  2. 2.Nice Try!!!
  3. 3.Make a Change
  4. 4.幸せな食卓
  5. 5.Stay With Me
  6. 6.NATURE SOUR
  7. 7.Explorer 改 ~Band Ver~
  8. 8.Sanctuary
  9. 9.Get over it
  10. 10.Shining
  11. 11.GE・I・SHA
  12. 12.SHARE!
  13. 13.Glowing
  14. 14.HIRUKAZE
  15. EN1.Like a gigue
  16. EN2.Si-So♪Dance

NAOTO(Violin) 使用楽器・機材紹介

NAOTO

2022.12.29(木) ワコーレ和田興産プレゼンツ NAOTO×鳥山雄司 live authentic vol.1 開催決定!

【公演名】ワコーレ和田興産プレゼンツ NAOTO×鳥山雄司 live authentic vol.1
【日程】2022年12月29日(木)
[1st] OPEN 13:45 / START 14:30
[2nd] OPEN 17:45 / START 18:30
【会場】兵庫:クラブ月世界
【出演】NAOTO(Vn) 鳥山雄司(Guitar) 松本圭司(Keyboard)川崎哲平(Bass) 川口千里(Drums)
【料金】全席自由(整理番号付) 8,800円(税込) ※未就学児入場不可
【一般発売】2022年11月19日(土) 10:00〜
イープラス:
https://eplus.jp/nt-la/
ローソンチケット:コード 51738
https://l-tike.com/naoto/
CNプレイガイド:
https://www.cnplayguide.com/liveauthentic/
チケットぴあ:コード 229-020
https://w.pia.jp/t/naoto-toriyamayuji/
【問合】キョードーインフォメーション 0570-200-888 (平日・土曜 11:00~18:00)

最新アルバム『Get over it』Now On Sale!!

Artist:NAOTO
Title:Get over it
型番:SURE-1001
発売日:2022年4月6日(水)
価格:¥5,000(税込)

01 SHARE! KFB福島放送「シェア!」テーマ曲
02 Nice Try!!!
03 NATURE SOUR FM栃木 RADIO BERRY開局25周年記念「レディオベリーウエザー(お天気のお知らせ)」テーマ曲
04 Get over it
05 Like a gigue
06 Stay With Me
07 幸せな食卓 La La TV「眼福食堂」テーマ曲
08 Explorer 改 〜Band ver〜 アバルト「The SCORPION SPIRIT―挑戦―」オリジナルアレンジ曲
09 Shining FM岡山「牛嶋俊博ドリームファクトリー」テーマ曲
10 Conflict of mind
Bonus Track 心のふるさと〜Inst Ver〜 北清水小学校創立50周年記念歌


Larrivee MONO Case
BlackSmoker_BM_MISA BS FUJI 聖飢魔II&DHC
LOVEBITES digimart DIXON