LUNA SEAのギタリストであるINORANが、ニューアルバム『IN MY OASIS Billboard Session』のリリースに伴って東京、横浜、大阪のBillboard Live 3会場でアコースティックライブを開催(各地2days&2部制)。本稿では、その中盤となった神奈川・Billboard Live YOKOHAMAの2日目、7月28日(木)の1stステージの模様をレポートする。

2019年からBillboard Liveとタッグを組み、たびたびアコースティックライブを行なってきたINORAN。ソロ活動25周年を記念したアルバム『IN MY OASIS Billboard Session』がまさにここBillboard Live YOKOHAMAでレコーディングされたとあって、同地での公演は彼にとってもファンにとっても味わい深いスペシャルなひと時となった。

開演時刻になると『千年花』のイントロがSEとして流れ、ミラーボールの青い光が辺りを幻想的に照らす。アルバムにも参加した葉山拓亮(Pf)、Yui(Vn)、島津由美(Vc)が登場してスタンバイ、続いてバーガンディのジャケットを着たINORANがステージへ。そのまま『千年花』を歌い出す形でライブが始まった。コロナ禍のかなり前に作られた楽曲でありながら、“蝕まれ 壊れる この世界を 目の当たりにして 誰を責められる?”といった歌詞が今と絶妙にフィットして聞こえたりもするソロの代表曲、さらに英語詞曲『Starlight』を、まずは祈るようなやさしいボーカルで聴かせる。

今日はどうぞゆっくり楽しんで、渇いた心をこのオアシスで存分に癒していってください」と挨拶したあとは、メロウなラブソング『Daylight』を披露。アコースティックセルフカバーによって表情豊かに生まれ変わった曲の数々を、リズム隊のいない独特のアンサンブルに乗せて温かく届けていく。INORANはファルセットもふんだんに織り交ぜ、時にハンドマイクでより想いを込めるように歌う。

4ヵ月くらい前にここでライブレコーディングをして、その匂いや空気が入ったアルバム『IN MY OASIS Billboard Session』(ジャケット写真、アーティスト写真、『Glorious Sky (feat. Mao Denda)』のMVも録音日に同地で撮影)を出しました。こうやって作ったアルバムの曲を演奏できることが僕にとってはすごくかけがえのない経験で、みんなが居てくれることを本当に嬉しく思います。ビルボードのステージには2019年から何度も立たせてもらって、最初は“自分なんかにやれるんだろうか……”という不安もあったけど、どんどん心地よくなっていった感じで。今はもう、なくてはならない大切な場所です」と、集まったお客さんとビルボードのスタッフに感謝を告げつつ、誠実に語るINORAN。

そして彼女が居てくれたからこそ、アルバムに輝きが生まれたんじゃないかなと思います」と、同作にスペシャルゲストとして参加したボーカリストの傳田真央がここで登場。INORANがアコギを弾いてアメリカのカントリーのようなフォーキーさを醸し出した『Fading Memory』、Tourbillon(RYUICHI、INORAN、この日のピアノを務めた葉山によるユニット)の『kagari-bi』のカバーを通して、2人は美しいハーモニーを響かせ、先程までの雰囲気を良い意味でガラリと変えてみせる。

なんかヤバいね。ライブを重ねるごとに曲が馴染んできて、もっとこうしたいっていう欲が出てきます」(INORAN)、「みなさんに温かく迎え入れていただいて、まさにオアシスのようです」(傳田)と手ごたえを覗かせる両者。アルバム唯一のカバーであるシンディ・ローパーの名曲『Time After Time』では、傳田のボーカルを支えるように一段と抑揚を付けて歌うINORANのエスコートぶりが素晴らしい。演奏後に傳田が「高校生だった90年代に聴いていた曲を、時を超えて2020年代にここで歌っているのが感慨深いです」と話すシーンも。新曲の『Glorious Sky』になれば、今度はINORANの声に寄り添うように傳田がアプローチ。ソウルフルに絡み合う2人のパート、優雅な音の広がりが場内を大いに高揚させたのだった。

大きな拍手とともに傳田を送り出し、以降は再びINORANのソロボーカルスタイルに。最後のMCタイムは、「日々生きていると、いろんな心配事があってギスギスしたり。答えを見つけようとあくせくしちゃう感じにもなるかもしれないけれど、決して焦らなくていいんじゃないかなと思います。そういうときは“待つこと”が大切」と、自身の人生観をゆったりと説き、クラシカルなイントロで荘厳に始まる『raize』へと繋げた。

クライマックスの『Rise Again』では、「マスクをしていてもできる心の表現をしてもらえたら」とオーディエンスを半分に分け、別々の手拍子を自らレクチャー。ステージもフロアも明るく照らされる中、全員参加型のパフォーマンスによって、まるでコール&レスポンスが完璧に成立しているかのような最高の開放感とピースフルなムードを演出した。

今日はこの時間を選んでくれてどうもありがとう。『IN MY OASIS』のおかげで少しでもがんばれたりとか、元気になるのなら、僕はとても嬉しいです」と改めて感謝を伝え、フィナーレはそんな想いの詰まった『Thank You』。すこぶる楽しそうに歌い、サポートメンバーにソロ回しを弾かせてはにこやかな笑みを浮かべるINORANの姿を観られて、ファンもきっと大満足だったに違いない。

ソロ25年で磨き上げたボーカル、長く歌ってきたからこそ生まれた豊かな音楽性で充実の現在地を伝えてくれたINORANは、Billboard Liveでのアコースティックライブを経て、9月にはバンド編成で回るツアー『TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022』を開催する予定だ。さらなる刺激と進化を求め、その活動はまだまだ続く。

取材・文:田山雄士
撮影:小野寺将也

《SET LIST》
  1. 1.千年花
  2. 2.Starlight
  3. 3.Daylight
  4. 4.Fading Memory
  5. 5.kagari-bi
  6. 6.Time After Time
  7. 7.Glorious Sky
  8. 8.raize
  9. 9.Rise Again
  10. 10.Thank You

INORAN使用楽器・機材紹介

INORAN

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定価:¥3,300 (税抜価格:¥3,000) | KICS-4067
<収録曲>01. raize 02. Daylight 03. Beautiful Now 04. Time After Time (feat. Mao Denda) 05. Starlight 06. Fading Memory (feat. Mao Denda) 07. I swear 08. 千年花 09. Long Time Comin 10. Rise Again 11. Glorious Sky (feat. Mao Denda) 12. Thank You

[完全生産限定盤-LP SIZE DIGIPAK 仕様-]
価格:¥14,300(税抜価格¥13,000)| NKCD-6974
CD+Blu-ray+写真集(LP SIZE デジパック仕様)
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<写真集>全 24 ページ カラー写真集

-solo works 25th anniversary special act.3- INORAN TOUR BACK TO THE ROCK’N ROLL 2022

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9月11日(日) 渋谷WWW X
[OPEN]17:15 [START]18:00
[お問合せ]クリエイティブマン Tel 03-3499-6669(月・水・金12:00~16:00)

9月18日(日) 梅田 CLUB QUATTRO
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9月25日(日) 水戸 LIGHT HOUSE
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[お問合せ]クリエイティブマン Tel 03-3499-6669(月・水・金12:00~16:00)

9月29日(木) 恵比寿LIQUIDROOM
[OPEN]18:15 [START]19:00
[お問合せ]クリエイティブマン Tel 03-3499-6669(月・水・金12:00~16:00)

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9月30日(金) 恵比寿LIQUIDROOM
[OPEN]18:15 [START]19:00
[お問合せ]NO NAME? Tel 03-5333-1014(平日14:00~18:00)

[チケット料金]
オールスタンディング
前売¥6,300(税込)/当日¥6,800(税込)
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