ライブレポート

着実にライブの回数を重ね、バンドとしての実力と共にその人気を伸ばしているMorfonica。TOKYO DOME CITY HALLで行われた「Resonance」の様子をお届けしよう。

今回、Ba.広町七深役の西尾夕香は、諸事情で出演が叶わず4人でのライブとなる。

この日の東京は小雨。会場に入ると、着席する前から爽やかな森のような香りに包まれる。この会場はどの席もステージからの距離感が近く、バンドのサウンドはもちろん、メンバーの熱量をどの席からでも感じることができるだろう。

開演時間を迎えると待ちきれないかのようにクラップが自然と湧き上がり、バンドカラーの青をメインに色とりどりの光が客席を彩っていく。

物語のオープニングを飾ったのは新曲『fly with the night』のshort ver.。どこか情緒的でありながらも力強いハーモニーが魅力的だ。ステージ前面の薄いスクリーンを巧みに使うことで、蝶が舞う月明かりの下でメンバーが演奏している光景が展開され、幻想的な世界観へと観客を一気に惹き込んだ。

今回は初の“Concept LIVE”ということで、ステージ上のセットや、背景に映し出される様々な映像が相まって、まるで絵本の世界に飛び込んだようなファンタジックな世界観の中で、Morfonicaならではの独自のライブが構築されていた。

Vo.倉田ましろ(CAST:進藤あまね)

続いての『Sonorous』では、華やかなメロディに合わせて衣装が左右にゆったりと揺れる愛らしい振り付けを披露したり、『金色へのプレリュード』では、Vo.倉田ましろ(CAST:進藤あまね)がペンライトで黄金色に輝く客席へと手を振ったりと、観客をさらに楽しませてくれた。どちらも優しく優雅な雰囲気のナンバーで、観るものの心を和ませる。

ステージに漂うスモークと共に、ライブ初披露のカバー曲 『unravel』が演奏される。アグレッシブなサウンドのギターやバイオリン、迫力と安定感のあるドラム、そして、繊細なファルセットと力強いハイトーンを織り交ぜたボーカル。これまでとは一味違うMorfonicaの新境地と言える演奏で観客を魅了した。

Vn.八潮瑠唯(CAST:Ayasa)

水の泡が弾ける音とともに客席のペンライトは青く輝き、『深海少女』が披露され、さらに『V.I.P』とカバー曲が続けて演奏された。バイオリンが持つアコースティックな箱鳴り感や残響音を巧みに操るVn.八潮瑠唯(CAST:Ayasa)の演奏で、会場の空気を楽曲の世界感へと彩っていく。

MCの代わりに、おとぎ話のようなBGMに乗せられた朗読が展開される。

ライブとともに、物語もさらに進んでいき、続いての『Secret Dawn』が披露された。この楽曲だけに限らず、演奏される楽曲の世界観と朗読される物語が絶妙にリンクし、まるでライブ演奏が物語の起承転結を彩る劇伴の役割を果たしているようにも感じた。

Gt.桐ヶ谷透子(CAST:直田姫奈)

ブルームブルーム』へと移行すると、曲のテーマやモチーフに合わせて華やかな香りが会場を包み込む。メンバーが目を合わせ、互いの呼吸を読み合いながらの高いグルーヴ感を生み出していた。Gt.桐ヶ谷透子(CAST:直田姫奈)の全身を大きく動かすダイナミックなプレイで奏でる太く艶やかなサウンドは、作中の彼女らしさが溢れる演奏スタイルで、優雅な世界観の中に熱いパッションを感じさせる。

倉田ましろ「音楽はね、誰かを救うためにあるんだよ

前曲の終わりからノンストップでドラムソロが展開し、観客のクラップをリードしつつカバー曲『chAngE』へとシームレスに繋がる。これまでのMorfonicaのライブでは見られなかった新しい繋ぎ方だ。飽くなきチャレンジ精神、そして成長の証を感じる見事なアレンジだ。

Dr.二葉つくし(CAST:mika)

ライブはさらに進み『ハーモニー・デイ』の演奏が終わると、ドラム、ギター、バイオリンが順々に織り重なってゆくジャムセッション的なアレンジのイントロでカバー曲『Nevereverland』 へと繋がる。激しいスモークが立ち上がるステージから、パワフルな演奏に乗せて観客を煽り、観客のボルテージも一気に上げていく。

疾走感あふれる素早いフレーズでも一発ごとの音の粒が綺麗に抜けてくるドラムは、Dr.二葉つくし(CAST:mika)の持ち味と言える見事なプレイだ。

そしてさらに前曲から完全ノンストップで『flame of hope』へと繋ぎ、会場をさらに熱くさせる。音だけでなく互いの呼吸が「共鳴」しているような一体感を感じさせるアツい演奏だ。

その演奏に応える声援に代わって、力強くペンライトを振り、音楽に没頭する観客。ライブ会場での声出しルールが変わってから2年強、現地に赴くファンたちの腕が逞しくなってきた頃かもしれない。

今回のライブ後半に見せた曲の繋ぎ方の進化で、同じセットリストでも疾走感や高揚感が格段に変わってくる。場数を重ねるごとにパフォーマンスの進化が体感できるのは、Morfonicaファンの特権のひとつと言えるだろう。

そして物語の朗読へと続き、本編の最後を飾ったのは『fly with the night』のフルバージョンだ。物語の始まりと終わりを彩る、今回のライブの主軸となる楽曲だ。まさに、蝶の小さな羽ばたきから大きな嵐が世界を変えるように、曲が壮大に展開していく。この曲自体が持つ世界観と、物語のストーリー、そしてこのライブ全体の展開が綺麗にマッチしている。会場の一体感がピークに達した瞬間だった。

物語の終結と共にライブ本編も締めくくられる。

アンコールパートは『Fateful…』から始まり、MCではメンバーの微笑ましいやり取りで観客を和ませた。記念撮影時には、客席を広町七深カラーのオレンジ色のペンライトで彩るなど、バンドの絆を実感できる一幕もあった。

そして、今回のライブのラストを代表曲『Daylight -デイライト- 』で飾った。

演奏回数が特に多い楽曲だけあって、ライブごとに各楽器の細かいフレーズがアレンジされている。ライブを重ねるごとにバンドのアンサンブルが熟成していくのがよくわかるのがこのナンバーだ。

全ての演奏を終え、晴れやかにライブを締めくくったMorfonica。今回はなんとサプライズで観客の見送りも行われ、最後の最後までファンに幸せを与えてくれた。

今回、残念ながら西尾の出演は叶わなかったが、そこには確かにMorfonicaの5人の音楽があった。彼女たちの音楽が観客たちの琴線に触れることで、心の何かが共鳴(Resonance)したのではないだろうか。

6月にはRAISE A SUILENとのツーマンライブ、そして9月には単独ライブ開催が既に決まっている。そこでは5人の演奏を観られるだろう。さらなる躍進にも期待が絶えない。 ライブが終わる頃には現地の雨もほぼ上がっていた。晴れやかな気持ちにさせてくれるMorfonicaの楽曲が天気に共鳴したのか…そんな気持ちになれる素晴らしいライブだった。

取材・文:佐々木雅晃
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Gt.桐ヶ谷透子(CAST:直田姫奈)使用楽器・機材紹介

Morfonica

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