15分のインターバルを挟んで、第2部はダンサブルな『It’s Alright』から軽快にスタート。ニューアルバム『Mary’s Blood』のリリースに伴う黒ベースの衣装を纏っていた第1部に対し、メジャーデビューアルバム『Countdown to Evolution』(2014年発表)のジャケットで見せた白ベースの衣装にチェンジした第2部。吊り下がりの舞台装飾もプラスされてガラッと雰囲気が変わる中、手を左右に振るアクションによって心地よい一体感が生まれていく。明るく開けたところで、Mary’s Blood史上最もポップでキュートなラブソング『HANABI』へ繋げると、爽やかなサビに合わせてジャンプするオーディエンスが続出。テクニカルな演奏のみならずメロディの聴きやすさをモットーにしてきたバンドの歴史が、今一度しっかり再確認できるような時間となった。

続いてのMCタイムでは、SAKIがファンと関係者に感謝をしつつ、「EYEちゃんはオラオラに見えるかもしれないけど、実はものすごく繊細な人です」「RIOちゃんはムードメーカーで、いつもバンドを楽しくしてくれました」「MARIさんは見てのとおりのメタルドラマーで、私が絶対にやりたくないような細かい資料も作ってくれたりね」「YASHIROちゃんはサポートしてもらえたことを心から誇りに思ってます」とメンバーに一言ずつメッセージを添え、「今後も自信を持って活動していってほしい」と伝えた。「できない約束はしたくない性分なので、“必ず戻ってきます”とは言えないんだ。ごめんね。でも、何が起こるかはわからないし、どこかで縁は繋がっていくものだから」と付け加えていたのも彼女らしい。

さらに、YASHIROも「最初はSAKIちゃんが声を掛けてくれて、Mary’s Bloodのサポートを始めて早8年。たくさんの貴重なステージを経験させてもらったり、やさしくしてもらったり。思い返せば楽しいことがいっぱいありました」と話し出すのだが、途中でたまらず感極まってしまうというハプニングも。客席からは彼女を後押しするような拍手があふれ、「おい! “メンバーより先に泣かない”って言ってたじゃねえかよ(笑)」とEYEがツッコむなど、会場全体が温かくセンチメンタルなムードに包まれた。

そんなMCを受けて「私たちとみなさんの絆を歌った大切な曲です」(SAKI)と『Campanula』を聴かせる流れには、さすがに目頭が熱くなってしまう。美しいメロディやツインギターがスケールたっぷりに映えた名曲であることに加え、“また再び会う時 おかえりって言ってほしい 時間を巻き戻すように”の歌詞も今のシチュエーションに寄り添いすぎているから。

心の中で大いにシンガロングをしたあとは、MARIがドラムソロを披露。勢いそのままに、代表曲『Marionette』へなだれ込む。「泣いてんじゃねえぞ!」と喝を入れるEYEをはじめ、自分たちの真骨頂を最後にしっかり見せるんだとばかりにフロアを煽る5人。激しく交わる赤と青の照明の下、SAKIの華麗な長尺ギターソロ、メタルのツボを押さえたツインハモが炸裂する『Bite The Bullet』の展開美や突進力も凄まじい。熱くハードなサウンドで攻め抜く演奏から、Mary’s Bloodがいつの時も真摯に音楽と向き合ってきたのが伝わってくる。

第2部後半のMCを務めたのは、リーダーのMARI。「まだ声が出せない状況ですけど、みなさんのパワーと拍手があふれていて、最高の景色を見せてもらってます。今日がいちばんじゃないかな。結成したばかりの頃とか、お客さんが10人、20人のスタートだったので。そこからアルバムを作ったり、海外にライブをしに行けたり、メジャーデビューができたり。ここまでがんばってこられたことを誇りに思うし、メンバーにも応援してくれた方々にもお礼が言いたいです。ありがとうございました!」と、バンドの歴史を振り返って感謝を述べた。

本編ラストは、再び火柱とスモークを重ねての超速スラッシュ『Coronation Day』、この場にいる多くのオーディエンスにとって出会いの曲となったであろうMary’s Bloodの初MV曲『Burning Blaze』、MARIのフルスロットルなドラムがリードするヘヴィネスと爽快さを兼ね備えたメロパワチューン『Promised Land』と、ファン垂涎の3曲を畳みかけて圧倒! 疾走感に満ちた怒涛のテンションながらも、やはり奏でられる旋律はどこまでも美しく、入魂のギターソロを決めたSAKIの頭をYASHIROがポンポンと撫でるシーンもあったりと、とことん自分たちらしく躍動し切ってステージを降りた。

Photo by nonseptic
取材・文:田山雄士

鳴り止まない手拍子の中、アンコールへ…!

Mary’s Blood

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