ライブレポート

本当なら、昨年に山中湖交流プラザ きららを舞台に、SILENT SIRENの結成10周年を祝うべく行うはずだった『SILENT SIREN 結成10周年LIVE サイサイ10歳祭 〜てっぺん目指してGO!サイレンGO!〜』。同公演は、新型コロナウィルスの感染拡大のためやむなく中止になってしまった。あれから約1年。SILENT SIRENは改めて10周年を祝う公演を、『SILENT SIREN きららリベンジ〜サイサイ10歳祭〜』と題し、9月25日(土)に日比谷野外大音楽堂を舞台に開催した。1年越しに実現したバンド結成10周年記念ライブ。当日の模様を、ここに紹介したい。

本当なら、富士山の麓へ設置した特設ステージで、バンドを支え続けてくれたサイファミ(サイサイのファンの総称)たちとともに10周年を盛大に祝うはずだった。だが、コロナ禍により10周年公演は中止に。 でも、彼女たちはあきらめることはなかった。あれから、1年強の時(発表から数えたら2年の歳月)を経過。SILENT SIRENは場所を日比谷野外音楽堂に変え、満員の観客たちと。会場に足を運びたくても運べなかった人たちのためにライブ配信も行う形を取りながら、改めて10周年を盛大に祝うライブを行った。そのセットをご覧になっていただきたい。そう、富士山だ。彼女たちは、「富士山に行けないないのなら、富士山を連れてきちゃえ」と、富士山を模倣したセットを舞台に用意。富士山の麓でライブを行う雰囲気を作り上げた。

その光景に相応しく、SILENT SIRENがライブの幕開けに選んだのが『フジヤマディスコ』。演奏が始まると同時に、日比谷野外音楽堂は一瞬にして巨大なディスコ空間へ塗り変わっていった。手にした扇子を振りまわし、気持ちも、身体も熱く揺らすディスコビートに合わせ、ノリノリで躍る観客たち。今もまだ、声を出すことはできない環境だ。でも、心騒ぐ音楽に触れ、気持ちを抑えるなんて出来るはずがない。メンバーたちの奏でる熱いディスコロックに刺激を受け、会場中の人たちが、自分の居る場所をお立ち台に変え、身体を大きく揺らしながら躍っていた。

演奏は、止まることなく『milk boy』へ。甘い衝撃を受け、さらに身体が騒ぎだす。心地好く駆けるビートポップチューンに身を任せ、一緒にはしゃいでいたい。サビでは会場中の人たちが、拳を突き上げ一体化した景色を作り上げていた。ドキドキやワクワクとした気持ちが、どんどん膨らんでゆく。

今回のライブは、10周年というSILENT SIRENの歩みを振り返るように、演奏する楽曲を通して、いろんな時代へ気持ちをタイムトラベルしながら進んでいた。普段でも、バンド名が“Silent Siren”表記時代(※2016年末に現在の全て大文字の“SILENT SIREN”へ改名した)の楽曲も演奏しているが、この日は、いつも以上に多くSilent Siren時代の曲を楽しめたのも、ファンには嬉しい選曲だった。

次のブロックでは、『女子校戦争』『八月の夜』『ALC.Monster』と、攻めに徹したノリ良い楽曲を続けざまに演奏。楽曲を重ねるごとに演奏のパワーが増せば、客席の熱もどんどん上がっていくのが手にとるように伝わってきた。すぅの「かかってこいよ!!」の煽り声や熱く疾走する3曲の流れを受け、観客たちも理性を消し去り、彼女たちの煽りへ触発されるように高く拳を突き上げれば、身体を前へ前へと大きく倒し続けながら熱狂していた。

今回、7年ぶりに日比谷野外音楽堂の舞台に立つことから、この場所にちなんだ楽曲として『さよなら日比谷』が久し振りに披露された。次のブロックでは、『さよなら日比谷』『REBORN』と哀愁を抱いた楽曲を続けて演奏。それまでの熱狂とは異なる、切なさを覚える空気を場内中へ漂わせ、見ている人たちの心や視線を釘付けにしてゆく。 その流れをふたたび変えるように、SILENT SIRENは甘い衝撃をたっぷり詰め込んだ『stella☆』を歌い演奏。会場中へ、キラキラとしたときめきを降り注いでいった。

ブロックごとに特色を出しながら、その中でも様々な感情の揺れを描き出していたこの日の公演。中でも、大きな見どころになっていたのが中盤のブロック。観客たちと一緒に、わちゃわちゃ楽しく騒ぐ空気を作り出す『恋のエスパー』の演奏に合わせ、大勢の人たちがノリノリで弾け出す。ライブでは、お馴染みの熱狂一体化した光景だ。すぅの「One、two、三、四」や「E・S・P・E・R、エスパー!」の掛け声に合わせ、みんなが心の声を上げていたのも、その姿からしっかり伝わってきた。

この日は、そんな『恋のエスパー』の中へ更に嬉しい仕掛けを用意。得意の超能力を使い、時間を止めたすぅ。彼女の合図で時計の針はものすごい速度で逆回転してゆく。時の流れは、一瞬にして11年前へ。そこで4人が奏でたのが、デビューシングルの『Sweet Pop!』。彼女たちは、『ランジェリー』『ビーサン』『』『ラッキーガール』『ユメオイ』と、懐かしい楽曲を次々とメドレースタイルで演奏。楽曲が変わるたびに興奮を隠せずにはしゃぐ観客たちの姿が、そこかしこにあった。

最後に、また時計の針を現在に戻し、ふたたび『恋のエスパー』を演奏し、想い出の時を巡る楽しい時間を締めくくっていった。

その流れを止めることなく、『HERO』を通し、見ている人たちに熱いエナジーを注ぎ込めば、続く『てのひら』では、会場中の人たちがメンバーらへ向け、手のひらを高く掲げ、心一つに騒いでいた。

高ぶった気持ちを、もっともっとアゲてゆけと言わんばかりに、SILENT SIRENはパーティロックチューンの『DanceMusiQ』を演奏。ゆかるんのモンキーダンスの動きに合わせ、会場中の人たちも同じ振りを真似ながら無邪気にはしゃいでいたように、いつしか日比谷野外音楽堂が巨大なレイブ会場に変わっていた。 ここのブロックでは、これまで以上に時間軸を行き来しながら、4人は笑顔や熱狂と一緒にいろんな想い出の風景を描きだしてくれた。

終盤のブロックには『KAKUMEI』と『Answer』を並べ、一緒に新しい時代を作り上げよう、心に革命の火を起こそうと声を上げてきた。パワフルな楽曲たちを通し気持ちを一つにしながら、共に感情を高ぶらせ続けていった。

会場中の人たちが、すぅの歌う「チェリ チェリ ボム」の歌声に合わせ、両手を使ってお馴染みのポーズや振りを作りながら無邪気にはしゃぎだした。最後にSILENT SIRENが届けたのが、やはりこの歌、触れた人たちを最高で最強の笑顔にしてゆく『チェリボム』だ。理屈も屁理屈も、心に抱えている不安や暗い現実も、この瞬間だけは何も関係ない。『チェリボム』の演奏に触れたとたん、童心に戻った気持ちのまま無我夢中ではしゃげる。ここまでの楽しいの積み重ねがあるからこそ、最後に『チャリボム』に触れたとたん無敵になれる。だから、騒ぐ気持ちを抑えられずに爆発してしまうんだ。

10周年を記念しつつも、11周年を笑顔と熱狂で飾ったこの日の公演。メンバーたちも言っていたが、この日は楽しいお祝いの日だけに、とにかくみんなで楽しみたかったし、それが出来た公演になった。その公演を終え、SILENT SIRENを卒業したひなんちゅこと梅村妃奈子の、舞台上で述べた最後の言葉をここへ記そう。

わたしが決めたことなので、強く前を向いて新しい道に進んでいきます。メンバーも、そして、みんなも…。このご時世なので、いろんなことが変わってしまう状況もあると思うけど。形は違え、どんなときも強く前を向いて一緒に生きていけたらとても嬉しいです。これからもSILENT SIRENのことをよろしくお願いします。これからも何処かでまた会いましょう。本当に11年間ありがとうございました」(ひなんちゅ)

私たちは変わらずに突き進んでいきます。時間は前にしか進まないので、みんなも、これからも変わらず応援してくれたら本当に嬉しいです。私たちも、みんなの元気の源になるので、これからも一緒に頑張りましょう」(すぅ)

取材・文:長澤智典
撮影:小野寺将也

《SET LIST》
  1. 1.フジヤマディスコ
  2. 2.milk boy
  3. 3.女子校戦争
  4. 4.八月の夜
  5. 5.ALC.Monster
  6. 6.さよなら日比谷
  7. 7.REBORN
  8. 8.stella☆
  9. 9.恋のエスパー~メドレー(Sweet Pop!~ランジェリー~ビーサン~→~ラッキーガール~ユメオイ)~恋のエスパー
  10. 10.HERO
  11. 11.てのひら
  12. 12.DanceMusiQ
  13. 13.KAKUMEI
  14. 14.Answer
  15. 15.チェリボム
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