2021.5.30 ARGONAVIS LIVE 2021 JUNCTION A-G ライブレポート(前編)

子供の頃に見た野外ライヴのような大きなステージに立つことを夢見た少年は、やがて青年となり、晴れ渡る青空の下、大きなステージに立っていた。その少年の名は七星 蓮。その七星率いるArgonavisが5月30日、山梨県・富士急ハイランド・コニファーフォレストにて『ARGONAVIS LIVE 2021 JUNCTION A-G』と題し、宿命のライバル・GYROAXIAと激突した。

まず先陣を切ったのはGYROAXIA。旭 那由多(Vo/小笠原 仁)が「かかってこい、富士急!」と叫ぶと『MANIFESTO』でライヴの幕を開け、GYROAXIAお得意のヘヴィなリフが富士山麓の澄んだ空気を切り裂けば、旭はラップを捲し立てる。<どけよ運命!俺が通るぜ!><世界を奪いに行こう>と強気な姿勢も実にGYROAXIAらしい。つづく『SCATTER』でもミクスチャーサウンドを炸裂させると、曙 涼(Ba/秋谷啓斗)が「地球人のみんな、盛り上がってる?この曲でもっと盛り上がろうね。ジャンプだよ!」と自称宇宙人らしく会場を煽り『GETTING HIGH』をプレイ。四つ打ちサウンドにオーディエンスも飛び跳ね、会場を盛り上げた。そして曙が「今日はArgonavisとの真っ向勝負。負けないよ!」とArgonavisに対して宣戦布告し、ステージをあとにした。

その宣戦布告を受け、桔梗凛生(Key/森嶋秀太)が「GYROAXIA、常に俺たちの先を行く存在。今日はその背中を捕まえに来た」と返すと、『Stand by me!!』でこのロケーションにぴったりな七星 蓮(Vo/伊藤昌弘)のまっすぐな歌声が響くとArgonavisの登場だ。さらにメンバー全員が意気込みを語ってから始まった『What-if Wonderland!!』では五稜結人(Gt/日向大輔)と桔梗もボーカルをとる場面も見られ、さらにこのセクションの最後を『Steady Goes!』で締めくくったのち、五稜は「俺は一度バンドメンバーでいることを諦めた。自分自身を認めることが出来なかった。今はそんな背中を押してくれる仲間がいる。音楽は勝ち負けじゃない。だけど、今日は全力でぶつかってやる!」と高校時代のバンドメンバーが在籍するGYROAXIAに敵意をむき出しにした。

元メンバーのむき出しの敵意もなんのその。美園礼音(Gt/真野拓実)は飄々と「このステージは実力だけが認められる。半端な演奏をしていたら次はない。俺はGYROAXIAのギターだ。今、この存在を証明する」と語り『GET MYSELF』をアグレッシブにプレイすると、美園も里塚賢汰(Gt/橋本真一)と厚みのあるツインギターを聴かせてくれた。さらに<さあ火を点せ>と自らを焚きつける『IGNITION』を経て、『FAR AWAY』ではこれまでの荒々しい歌声とは打って変わった旭の優しい歌声が響いた。また、年長者としてバンドを支える界川深幸(Dr/宮内告典)は熱くなるメンバーに対して「みんな今日は熱くなってるなぁ。険しい顔してちゃ、お客さんは喜んじゃくれないぜ?俺はいつも通りドラムを叩き続ける。GYROAXIAの音楽を支えられるのは俺だけだ」といつも通りマイペースに微笑んだ。

取材・文:オザキケイト
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