2020.11.15 “Live on November 15th 2020” ライブレポート

Nothing’s Carved In Stoneが毎年行っているワンマンライブが今年も開催された。1月に行われた「By Your Side Tour」以来、10ヶ月ぶりのワンマンライブ、観客を入れてのライブとしては実に9ヶ月ぶりとなる。

青い光が瞬き”Nothing’s Carved In Stone”の文字がステージ後方に浮かび上がる。SEとともに村松拓(Vo/Gt)、生形真一(Gt)、日向秀和(Ba)、大喜多崇規(Dr)が登場すると、オーディエンスは立ち上がり、この瞬間を待っていたのだと歓声を上げる代わりに力強い拍手で4人を迎え入れた。

溜め込んだエネルギーを一気に発散させるような分厚いサウンドのキメから始まったのは『Isolation』だ。Nothing’s Carved In Stoneの現在の姿を、最初のキメのフレーズからビシバシと魅せつけてくれる。開演前は物音ひとつもしない程に静まりかえっていた会場が、一瞬にしてナッシングスの音で満たされていった。

続けて、日向のベースが低く響き、生形のシグネチャーモデルのES-355から鮮烈なフレーズが繰り出され『In Future』が始まる。村松はギターを置き、ステージを自在に動き回る。彼が「最高!」と叫べば、オーディエンスは拳を高く掲げてそれに応える。全員が全身でナッシングスの音を受け止め、一人一人がステージに向かってこの瞬間の感動を表現しているようだった。

『Spirit Inspiration』で観客のテンションは更に高まり、跳ねるように音に乗る。地響きがするほどに轟く大喜多のドラムが印象的だ。続く『Beginning』では日向がテクニカルに細かなフレーズを叩き込んでくる。生形はペダルを巧みに操り音を響かせていた。

「Nothing’s Carved In Stoneです。よろしく!」そう村松が名乗ると、オーディエンスからは長い長い拍手が。「あぶないな」と村松が小さく呟く。

「みんなを信じてて良かった。来てくれてありがとう。色々状況違うのは分かってるけどいつも通りやるから。最後まで楽しんでついて来てください」言葉少ななMCではあったが、やっとこの空間に戻って来ることが出来た喜びを滲ませていた。

メンバーが大きく手を叩いてクラップを煽ると、新曲『NEW HORIZON』で一気に会場の熱気が戻っていく。ヘビーなサウンドでありながら、サビでは広い世界へ連れて行ってくれるようなメロディと村松の歌声が心地よく、自然と腕が上がってしまう。

続けて、鮮やかなブレイクが特徴的な『Who Is』でバンドとしての技術をすさまじい音圧でアピールしてくれる。生形からは情熱的なリフが何度も投げ込まれ、日向は時にタッピングで音を刻んでくる。さらに続いた『Overflowing』で生形はファイヤーバードに持ち替え、歪みながらも響きのあるギターソロを披露してくれた。

「みんなの声、聞こえてます!届いてるぜ!行けるとこまで行こうぜ!」

そう村松が叫び『Rendaman』が放たれる。大喜多の刻むテクニカルなリズムに、オーディエンスは自由に踊り出していた。日向も両腕を振って踊る姿を見せてくれ、それが非常にチャーミングでこちらも笑顔になってしまう。

間髪入れずに『Pendulum』が演奏される。大喜多の周りにメンバーが集まって向かい合い、今この瞬間を噛み締めるように笑い合う姿に、こちらまで胸が熱くなる。今回のライブでは、そんなシーンを何度も見ることができた。

「今日はここにいる人たちだけじゃないんだ、見てくれてるのは。全国に仲間がいっぱい見てくれてるから、一緒に楽しんでね。よろしく」と、画面の向こうのオーディエンスにも声を掛ける。「すごいよ。そういう時代だ。つまり俺たちのメッセージも遠くまで届く。そういう事だと思ってるから。愛を込めて」

村松がそう語ると『Red Light』が始まり、ステージは赤い光に包まれる。今回のライブは照明にも特段の拘りを持って作り込まれているのが、どの曲からも伝わってくる。先ほどの村松の言葉の通り、バンドとスタッフが一体となって”愛を込めて”この日のステージを創り上げてくれたのだろう。

余韻を残したまま、演奏は『シナプスの砂浜』へ。村松がMartin D-18 Authenticを持ち、重厚な音の上にクリアな響きを乗せ会場を魅了した。Zepp Yokohamaの天井に空が広がるような照明の演出が印象的であった。

会場が青い光に包まれる中、突如荒々しいリフから『Milestone』へ。村松の歌声にもさらに感情が乗り、何度もシャウトが投げ込まれ、それに対抗するかのようにオーディエンスの熱気も高まっていった。

「思わず、最初のブロックが終わって、わーってみんなから拍手が来た時に泣きそうになりました。びっくりしました。ありがとうございます。オレもこんなにライブしたかったんだなってびっくりしました」そう驚きを口にしながら、コロナがあろうが無かろうが、自分たちは何も変わらず地に足を付けてやる事をやっていくと語る。

「くだらない日常に戻っていけるように。そして本気の自分を取り戻せるように。本気の自分を続けていけるように。そのために音楽鳴らしますから。一緒に騒いでいこう。届いてるぜまじで!同じ気持ちでいます。行けるとこまでいこうぜ横浜!」

「最高の夜にしようぜ!踊れ!」と村松がシャウトすると会場には白い閃光が激しく飛び交い『Out of Control』で急激にヒートアップ。『Like a Shooting Star』『Around the Clock』と続けながら、時にオーディエンスを、天を指差しながら歌う村松の声にも、さらに想いが込められていくように感じた。

「マジでひとつになりたい。音楽で気持ち共有できるってことを証明して帰りたい。鬱憤晴らして帰ってほしいからさぁ、一発、デカい、枯れない花を日本に咲かそうじゃないか!」

村松のその言葉通り『きらめきの花』で笑顔の花が咲いた。不安や悩みの尽きない時代に生きる我々を、ナッシングスが力強くさわやかに導いてくれるようで、一生ついて行きたいと思える瞬間だった。

「最高!まじで心に響いた。最高の夜をありがとう。みんな元気でね。また必ず会いましょう!」村松がそうオーディエンスに語りかけ、ラストはこのライブのアンセムとも言える『November 15th』。ここで会場の熱気は最高潮へ。彼らは1曲目から最高の熱量で音を鳴らしてくれていたが、その最高を何度も何度も更新してくるのがナッシングスの恐ろしいところだ。

村松が「最高!」とシャウトし、メンバーはまた大喜多の周りに集まり、演奏を終えた。

盛大なハンドクラップに呼ばれ、メンバーは再びステージへ。「アンコールありがとうございます!」という村松の一言のあと『BLUE SHADOW』を演奏してくれた。

さらに、9ヶ月ぶりにステージに立てた喜びとスタッフへの感謝を述べ、他のメンバーも同じ想いを噛み締めるように頷いて見せてくれる。また、現在新曲を製作中であることも教えてくれた。「それが一番ナッシングスらしいやり方かなと。この先もみんなと通じ合って、面白い世の中を作っていける方法かなと自分たちなりに考えて、作曲に取り掛かっております」

そして有観客ライブでは初披露となる新曲『Dream in the Dark』を披露。今の時世に関係なく、自分たちの本質を歌ったつもりだったが、自分たちの背中も押してくれるような曲になったという。軽快なサウンドに乗せた歌詞がまっすぐ心に入ってくるようだ。間奏では村松と生形が向かい合う形で同じフレーズを演奏するシーンも見せてくれた。

配信はここで終了となったが、会場のオーディエンスだけにもう1曲、『Perfect Sound』を演奏してくれた。「ここに集まってくれたみんなのために」と語ったMCでは少し肩の力が抜けたように感じられたが、最後の最後にしっかりと”バンドの意志”を表明した曲を突き刺していった。演奏を終えると、歓喜と名残惜しさの入り混じる拍手喝采が沸き起こる中、村松は約10秒間深々と頭を下げてからステージを後にした。

8月26日に発売されたセルフカバーアルバムからのナンバーを中心に、進化し続けている彼らのサウンドを魅せ付けてくれるライブであった。

この先どんな状況が訪れても、彼らは彼ららしく音を鳴らし続けてくれる。このステージを目撃した誰もが、そう確信しただろう。新しい様式で開催された、今年の「Live on November 15th」。この日のライブは、彼らにとっても特別な記憶として刻まれたに違いない。

Photo:西槇 太一
取材・文:上間江望

《SET LIST》
  1. 1.Isolation
  2. 2.In Future
  3. 3.Spirit Inspiration
  4. 4.Beginning
  5. 5.NEW HORIZON
  6. 6.Who Is
  7. 7.Overflowing
  8. 8.Rendaman
  9. 9.Pendulum
  10. 10.Red Light
  11. 11.シナプスの砂浜
  12. 12.Milestone
  13. 13.Out of Control
  14. 14.Like a Shooting Star
  15. 15.Around the Clock
  16. 16.きらめきの花
  17. 17.November 15th
  18. EN1.BLUE SHADOW
  19. EN2.Dream in the Dark
  20. WEN.Perfect Sound

村松拓 インタビュー

Nothing’s Carved In Stone

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