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2019.12.1@幕張メッセ国際展示場4～6ホール
Roselia×RAISE A SUILEN合同ライブ「Rausch und/and Craziness」

DAY2 ライブレポート

DAY2はRAISE A SUILEN（以下、RAS）のターンからスタート。 レーザーライトとデジタルサウンドがRASの世界観に引き込むと、1曲目は『Invincible Fighter』からスタート。Roseliaに真っ向勝負を挑み挑戦状を叩きつけたRASにぴったりのナンバーに会場は一気に沸き立つ。最初からフルスロットルだ。

　間髪入れずに、ヘヴィなリフとコール&レスポンスで観客を煽り、会場を一つにしていくのは『A DECLARATION OF ×××』。 〈RAISE YOUR HANDS, NOW！〉のコール＆レスポンスで無意識に体が動き、拳を突き上げていると「RASのライブだ！」と実感できる。

　この2日間のRASのセットリストの中で特に観客を驚かせたのは、『ヒトリノ夜』だろう。RASとの組み合わせは意外だったが、スタイリッシュなアレンジが加わり、彼女たちのカラーを十二分に感じられ、ライブ後にはSNSで曲名がトレンド入りするほどの反響を呼んだ。

　RASのライブの名物の一つといえば、アニメや『バンドリ！ ガールズバンドパーティ！』に登場する、他バンドのカバー。 DAY2はGlitter*Greenの『Don’t be afraid!』、Afterglowの『Y.O.L.O！！！！！』を披露した。彼女たちの柔軟さと守備範囲の広さを感じながらも、“RASらしさ”を感じられる楽しさは、他では味わえない。

　曲間もMCはほとんど無く、ジャムセッション的なパフォーマンスで曲を繋いでいく。 Ba./Vo.レイヤ(CV.Raychell)の歪んだサウンドでのリードプレイ、Key.パレオ(CV.倉知玲鳳)の背面弾きをはじめとした華やかなプレイ、Dr.マスキング(CV.夏芽)は底無しのエネルギッシュさで圧倒する。中でもDJ.チュチュ(CV.紡木吏佐)に対してGt.ロック(CV.小原莉子)がトリッキーなギタープレイで応える“DJバトル”は見ものであった。

　7弦ギターと5弦ベースを使用したヘヴィなアンサンブルで『激動』をカバーすると、続くのは“私たちに喧嘩を売ったら最後…あなたの行き着く先は地獄しかない”そんな圧倒的な強さが全てを呑み込む『HELL! or HELL?』。 リフに合わせた全員の激しいヘドバン、そしてGt.ロックが床に倒れ込んでギターを奏でる激しいパフォーマンスに度肝を抜かれた。

　『UNSTOPPABLE』ではKey.パレオがキャッチーなフレーズに合わせてぴょんぴょんと可愛らしいステップを踏みながら演奏しキャラクターとリンクした楽しさも魅せてくれた。

　最後を飾るのは『DRIVE US CRAZY』。 「Wow! Wow! Wow!」と会場中の声が身体を芯からビリビリと震わせ、テンションは最高潮にブチ上がる。ライブの表題のひとつ“Craziness(狂乱)”を体現したナンバーで締めくくった。

　モニターに映し出されたゴシックな時計の針が動き出し、荘厳な雰囲気が会場の空気を一変させると、会場は紫色の光に包まれる…Roseliaのターンだ。 「Rausch und/and Craziness」でライブ初披露となった『Legendary』からスタート。ライブでの演奏を待ち望んでいたファンは多く客席の反応も大きい。 Vo.湊友希那(CV.相羽あいな)を除く4人の華麗なコーラスから始まるのは『ONENESS』。“調和”を歌った楽曲に会場の全てがひとつになった。

　アニメ映像とキャストの演奏が見事にリンクを見せてくれる『LOUDER』は、まさにこの「バンドリ！」を象徴するような光景が楽しい。Roseliaらしいヘヴィなサウンドが堪能できる初期からの定番ナンバーだ。

　『Ringing Bloom』はKey.白金燐子(CV.志崎樺音)の“成長”がテーマになっており、キャストの志崎自身の変化とも重なってよりエモーショナルに感じられた。

　イントロから身体がつい動いてしまう『R』は、友希那の突き抜けるようなロング＆ハイトーンボイスでオーディエンスを圧倒し、Ba.今井リサ(CV.中島由貴)のテクニカルなベースプレイ、Gt.氷川紗夜(CV.工藤晴香)のクールでエレガントなタッピングを存分に楽しめる。

　アニメのオープニング映像とのシンクロが美しい『BRAVE JEWEL』は、“キャストの演奏時の動きをキャラクターに反映させる”というバンドリならではの多次元的な演出にも注目だ。メンバーソロ歌唱パートから全員で歌う大サビへの流れはとてもエモーショナルだった。

紗夜「誰かギターを…」
日菜「おねーちゃんっ！使ってー！」

モニターに映し出されたのはアニメ『BanG Dream！2nd season』 ＃9の本編映像だ。

双子の妹 日菜から差し出された水色のテレキャスタータイプのギターを、頬を赤らめながら受け取る紗夜。アニメ映像とシンクロした形で『Determination Symphony』の演奏が始まると…なんと妹から借りたそのギターを実際に演奏する紗夜の姿が！ “日菜のギター”の実物が登場するというサプライズ演出にファンは大喜び。 この2日間の中でもっともファンを“Rausch(陶酔)”させた瞬間のひとつに違いない。

“かかって来なさい、勝てると思うのならば”
RASの挑戦を受けて立つRoseliaにぴったりなナンバーは、ライブ初披露の『PASSIONATE ANTHEM』。アップテンポなメロディ、全員でのラップパート、友希那の突き抜けるハイトーンボイスに会場のテンションは上がっていくばかりだ。

　続くのは『熱色スターマイン』、色とりどりのペンライトが輝く客席はさながら特大の打ち上げ花火のよう。

　“潰えぬ夢へ 燃え上がれ” Roseliaのトリを飾るのは『FIRE BIRD』。 曲名に合わせ、会場のペンライトは赤一色に染まり、ステージには火柱が何度も立ち上がる。

　激しい楽曲の中で、Dr.宇多川あこ(CV.櫻川めぐ)の疾走感あふれるツーバスがとても印象的だ。 Roselia自身、そしてファンと共に“頂点の夢”へと高く羽撃き最高潮の盛り上がりをもって締めくくった。

　アンコールではキャスト全員の“楽しそうな笑顔”がとても印象的だ。 特に湊友希那役の相羽あいなが「2日間本当に楽しくて楽しくて、楽しすぎて終わって欲しくない」と、キラキラとした笑顔で“嬉し涙”を流さないように堪えている様子を見て、その“楽しさ”がとても伝わって来た。

　そして、全員で演奏したのはそれぞれの代表曲、RAISE A SUILEN『R･I･O･T』と、Roselia『BLACK SHOUT』。 最後にはそれぞれのバンドカラーの銀テープが会場を舞い、盛大なフィナーレを迎えた。

　この「Rausch und/and Craziness」が“対バンライブ”ではなく“合同ライブ”と銘打っている意味は、アンコールでの合同演奏を見れば、そして演奏を終えてそれぞれのバンドメンバーが互いに手を取り合う様子を見ればわかる。終演後にはRoseliaファンがRASのパフォーマンスを称え、RASのファンもまたRoseliaのパフォーマンスを称えていた。

　バンドリーマー達に長く語り継がれていく最高のライブであったことは間違いないだろう。

取材・文：佐々木雅晃
Photo：福岡諒祠、畑 聡
©BanG Dream! Project

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