LUNA SEAとGLAYが約25年ぶりに東京ドームで相まみえた『The Millennium Eve 2025』は、共にエクスタシーレコード出身で知られる両バンドが絆の強さや愛の深さを確かめ合うような、とても感動的で意義のある2マンライヴとなった。

前回と逆の順番で、後輩・弟分のGLAYが先攻。メモリアルな一夜をリードする彼らのパフォーマンスは、きっちりオンタイムでのスタート、いきなりロックマインド全開で突き進む『WET DREAM』から真摯さにあふれ、なおかつエンターテイナーぶりが凄まじい。四方八方に飛び交うレーザーや燃え滾る火柱の中、TERU(Vo)がメロディアスな歌を届けながら「東京ドーム!」と叫び、TAKURO(Gt)、HISASHI(Gt)、JIRO(Ba)が極上のビートとポップ感で広大な空間を彩る。『MERMAID』では、5万人が拳を掲げる壮観な光景を作り出すなど、LUNA SEAのファン=SLAVEをもすぐさま自分たちのペースに惹き込んでしまう。

「25年の時を経て、ここに帰ってきたぞー! SLAVEのみんな、Buddy(GLAYファンの愛称)のみんな、暴れていこうじゃないか」
TERUの呼びかけに続き、伝説の大規模ライヴ『GLAY EXPO ’99 SURVIVAL』を象徴する『サバイバル』へ。当時の子供がすっかり成人になるくらい長い年月が経っても、そのあり余るバイタリティーで令和の世を駆けるメンバーが眩しくてたまらない。シームレスで『口唇』に繋ぐというメガヒット連打の快走、勢いよく湧き起こる場内のシンガロング。すべてがキラキラと輝いている。

先輩のLUNA SEAが、熱い視線を送るオーディエンスが、自分の人生と重ね合わせて聴くことができたミディアム曲も絶品で、“賽を振る時は訪れ 人生の岐路に佇む 共に見た数々の夢を 追いかけ汗を流す仲間もいたな”と思い出を慈しむ『pure soul』は、センチメンタルな歌唱に加え、そこに寄り添うTAKUROのアコギとハモリ、高らかに舞うHISASHIのギターソロ、中心でクールに響くJIROのベースラインが胸を打つ、四半世紀ぶりの対バンにふさわしいセレクト。名曲『HOWEVER』が始まると、サポートの村山☆潤(Key)のエレピに乗せて、TERUのハイトーンボイスがよりいっそう存在感を増していく。

止まらないサービス精神旺盛なライヴ。満月の映像をバックにTAKUROがレスポールを麗しく鳴らす導入で沸かせた初期のナンバー『月に祈る』は、タイトルから敬愛するLUNA SEAに捧ぐような奥ゆかしさがあり、娘の成長を見守る歌詞が温かい『THINK ABOUT MY DAUGHTER』は、珍しくHISASHIが曲振りを務め、「託児所を設置していただいたLUNA SEA、スタッフのみなさん、素敵な配慮をありがとうございます。育児を日々がんばっているお母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてこんな大きく育った君たちに、この曲を贈りたいと思います」とハートフルなメッセージも。

さらに、GLAYのデビュー30周年記念シングル曲『whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-』では、途中にLUNA SEAの『JESUS』をワンコーラス挟むという、SLAVE狂喜のサプライズが。2024年末の『NHK紅白歌合戦』で披露した『誘惑』も惜しみなく解き放ち、最新アルバム『Back To The Pops』からの重厚なバラード『さよならはやさしく』により、現役感を改めてキリッと印象づける流れが圧倒的に美しい。極めつきはハッピーをますます膨らませたTERUのピュアな言葉。
「楽屋でもLUNA SEAのメンバーは、本当に僕らのことをかわいがってくれるし、後輩として何かひとつお願いをしようかなと思ってさ。次はみんなで夢を見ていこうという曲なので……10年後、またここでやりたいね。みんな60(歳)過ぎてるけど、そのくらい大きな夢を見ていこうぜ!」

翌日に控える結成35周年ツアーグランドファイナルの東京ドーム公演『LUNATIC TOKYO 2025』で、もしかしたらLUNA SEAが再び終幕を迎えてしまうのかもしれない。決して少なくないSLAVEが胸の内に抱えていたそんな不安を、TERUの自由奔放な一声が爽快に掃うさまは、まるで暗雲を晴らす太陽のよう。まだ見ぬ未来へ向けた思いも寄らない夢の提唱に誰もが歓喜し、ポジティブな『BEAUTIFUL DREAMER』へとなだれ込む。GLAYは最高の形でトップバッターを全うしてみせた。
《SET LIST》
- 〈GLAY〉
- 1.WET DREAM
- 2.MERMAID
- 3.サバイバル
- 4.口唇
- 5.pure soul
- 6.HOWEVER
- 7.月に祈る
- 8.THINK ABOUT MY DAUGHTER
- 9. whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-
- 10.誘惑
- 11.さよならはやさしく
- 12.BEAUTIFUL DREAMER
GLAY
GLAY 30周年記念ベストアルバム 4/23 2枚同時リリース!

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