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雫の誕生日を祝う、32度を余裕で超える熱狂の宴!
7月に行われた東名阪対バンツアーの中、「バンド活動の“第一章”を終了させる」と宣言。7月31日に『JO-DEKI』をリリースするのに合わせ、「ポルカドットスティングレイ“第二章”始動!」を宣言したポルカドットスティングレイ。11月からは、「ポルカドットスティングレイ 2024 #一巻の終わりツアー」がスタート。それに先駆け、雫(Vocal/Guitar)の32歳の誕生日当日になる10月15日に、Zepp Hanedaで「ポルカドットスティングレイ ポルフェス85 #教祖爆誕 ワンマン」公演を行った。
暗くなった場内、ステージ背景に設置した巨大なスクリーンに映し出されたのが、60秒からのカウントダウン映像。SEに乗せてメンバーが現れるたびに上がる歓声。平成ギャル風の格好をした雫の登場に合わせて、歓声がひと際大きくなったのも印象的だ。
ライブは「銀座線の始発に乗ってあたし ムリになる」と歌いだす『SURF(スーパー平成ぎゃるver.)』からスタート。軽快に流れる楽曲の上で軽やかに歌声を弾ませる雫。その姿が、とてもチャーミングだ。愛らしさを振りまきながら、彼女は平成のギャルモードに気持ちを染め上げて満員の観客たちにアプローチしてゆく。曲のパートで叫び声を上げながらも、愛らしさを忘れないところもギャルらしさ!?冒頭からフロア中が、雫の腕の振りに合わせて祭りあがる。そして…。
背景に映像を投影する形で突きつけたのが『ブラックボックス』だ。エジマハルシ(Guitar)の鳴らすシャキシャキッとカッティングするギターの音色が胸を踊らせる。心地好くも、どこか緊張感を持ったヒステリックな楽曲の上で、自由奔放に歌う雫の姿が印象的だ。
大きく手を振る雫の動きに合わせ、フロア中の人たちも手を振りあげる。そこへ、エジマハルシの掻き鳴らすギターの音が、心地好いグルーヴを作りだす。雫が「1.2.3.4!!」と叫ぶのを合図に『ICHIDAIJI』が飛びだした。軽快に跳ねる演奏に合わせ、フロア中でも熱いクラップが鳴り響く。さぁ、そのまま身体を揺らし、軽やかにトリップしようか。間奏でエジマハルシが見せた、熱を抱いたソロプレイも胸を騒がせた。「かかってこいよ、32歳!!」の声を低音で吐き出しながら、そこからかわいらしいハイトーンヴォイスに変化してゆく雫の声もチャーミングだ。
MCでは、本人も交え、32歳を迎えた雫を祝っていた。彼女は、今年で本厄。でも、厄年とは思えないくらい、幸せのオーラが彼女からは漂っていた。
「Denkousekka」の声を合図に『DENKOUSEKKA』が飛び出した。ギターの弦を力強くストロークして作りあげた鋭いビートに乗せ、場内中の人たちが声を張り上げ、拳を突き上げる。ウエムラユウキ(Bass)のスラップベースに乗って熱を上げて駆けだす楽曲が、会場にいる人たちの感情のストッパーを次々と壊してゆく。背景に映した映像もとてもユニークだ。さぁ、このまま無邪気に腰を振り、腕を振り上げ、声を張り上げてダンシングし続けようか。
『さよならイエロー』を歌いだした途端、フロア中が熱く沸き立った。少し甘いハイトーン気味の歌声でリズミカルに歌う雫。演奏が跳ねるたびに、気持ちも心地好く飛び跳ねる。1曲の中、巧みに緩急を効かせ、転調をしながら、楽曲は熱を抱いたドラマを描きだす。
ミツヤスカズマ(Drums)の叩き出すステディなドラムビートを合図に、プチ・ヒステリカルなフレーズを響かせながらギターが鳴り出した。ビートや奏でる音色と気持ちを寄り添わせるように、雫は『ミドリ』を歌唱。いくつものカラフルなレーザーの輝きがあふれる光の海の中で、ポルカドットスティングレイは触れた人たちを心地好い異境の世界へ誘う。1曲の中へ、巧みに感情の揺れを描きだす。だから、その歌声や演奏の行方を追いかけたくなる。
フロア中の人たちのテンションを一気に上げるように、『ヒミツ』を演奏。曲が進むごとに熱を放ちながら、クールでスリリングなドラマを描きだす。大勢の人たちが高揚した気持ちのままに大きく手を振り、熱いクラップをメンバーたちに届けていた。曲に合わせてずっと身体を大きく揺らしていたかった。
「君へのセレモニー 殺しておけばよかった」と雫が歌う声を合図に、『アウト』へ。早口で歌う彼女の言葉を、背景のスクリーンへ文字にして投影。沸き立つ感情のままにギターを掻き鳴らし、攻めるように歌う雫。飛び交うレーザーの光の効果もあってか、意識がトリップしてゆく。爆裂する演奏の上で、テンションの上がったメンバーたちの心地好い駆け引きを行う演奏に刺激を受け、観客たちのテンションもグングン上がりだす。
さらに、高いテンションで畳みかけるように、ポルカドットスティングレイは『天誅』を演奏。甘い素振りを見せながらも、沸き立つ気持ちのままに歌声を響かせる雫。タイトに響くギターの旋律へ巧みに歌声を寄せながら、バンドは、マジカルでスパイシーな刺激を持った空間を描き出していた。サビの歌に合わせて、フロア中の人たちが大きく手を振る様も印象的。『天誅』は、躍るように跳ねるピアノの音色も印象的なダンスロックナンバーだ。いろんな音が、ハイカラに混じり合う。心地好くトリップさせる極上のダンスロックの刺激にずっと酔いしれていたい。
続くMCでは、グッズ紹介や、雫との出会いのエピソードも語りつつ、一人一人が黒基調の新しい衣装を身にまとい、舞台に戻ってを繰り返していた。
雫の着替え中、サポートキーボーディストのtoriyama takashiを交えた4人でセッションをスタート。ジャジーなムードを醸しながら始まった演奏は、次第に一人一人がソロをまわしてゆくセクションへ。各自のソロプレイを通して、次第に演奏が激しさと熱を抱きだす。重厚かつスリリングさを持ったセッションだ。そこへ、着替えを終えた雫が合流。楽曲はそのままジャジーでスタイリッシュな『FICTION』へ。妖しい香りを振りまきながら。でも、心地よくトリップするように、5人は、触れた人たちを悠久のダンスフロアへと誘う。場末のクラブの妖しいムードも醸しながら、艶めいたその香りにどんどん溺れてゆく。
そこへ、甘く優しいピアノの音色が響きだす。演奏が一気に駆けだした途端、楽曲は『ツキカゲ』へ。ヒステリカルなギターの音色が炸裂。疾走する演奏の上で、心地好い緊張感を抱いた空間を作り出すように歌いあげる雫。メンバーたちの攻めたスリリングな演奏とバトルするように絡みあう雫の歌声に触れ、胸がスカっとする。煌めくレーザーの光が飛び交う中、駆ける演奏に合わせて天へと駆け上がるように気持ちも上がり続ける。終盤、背を逸らして歌いあげる雫の姿も凛々しかった。
さぁ、もっともっと踊り狂ってしまえ。ポルカドットスティングレイは『リドー』を通して、この場にいる人たちの身体を心地よく揺らしだす。雫の歌声が、心の襞に染み込むようだ。フリーキーなリズムの上で、5人は感情を揺さぶりながら、踊るように歌い奏でていた。そんな気分で歌や演奏を受け止めた満員の観客たちが、熱いクラップを響かせていた。フックの効いたビートに乗せて、今は、ただただ躍っていたい。
続く『夜明けのオレンジ』でメンバーと観客たちは、天井から降り注ぐミラーボールの輝きを全身に浴びながら、熱情した感情にどっぷりと溺れていた。めくるめく世界の中、このまま熱狂に浸り続けていたい。リズムと旋律がシンクロする演奏の上で、甘い声で歌う雫の姿がとても艶めいて見えていた。
次に届けたのが、Souへ提供した楽曲のセルフカバー『WHAT(雫カリウタVer.)』。最初から高い熱を持ってグイグイとせまる、歌始まりの楽曲だ。巧みに転調しながら放熱してゆく様が、激しくも心地好い。演奏に合わせて身体を大きく揺らし続ければ、それでいい。そうすることで、心地好くトリップしていけるのだから…。
跳ねたギターのクリーンな音色に乗せ、雫の歌声が軽やかに踊りだした。ジャジーなムードを携えたミドルメロウな『JET』だ。スリリングでアーバン、メロウでソウルフルな香りも振りまきながら、楽曲は秘めた妖艶さを振りまいて進み続ける。ジャジーでムーディな演奏へねっとりと絡むように、妖艶な大人の香りを振りまきながら歌う雫。その歌声と姿に落ちてしまいそうだ。妖艶でエモーショナルな歌と演奏へ、このままどっぷりと溺れていたい。
10月の夜の宴を彩るに相応しい曲をと披露したのが、『ゴーストダイブ』。弾け飛び、転げ廻るように演奏が始まるのに合わせて、フロア中から熱いクラップが飛び交う。ハロウィーンムードを醸しだす楽曲が、一夜の怪しげなパーティー空間をこの場に作り出していた。秘めた妖しい牙をちらつかせながら、みんなでクラップしながら上がり続けていたい。今宵のパーティーは、とても甘い毒が香る空間だ。だから、自然と気持ちがはしゃぎだす。さぁ、このままはしゃぎ倒してしまえ!!
続いて披露したのが、ポルカドットスティングレイ第二章を示す新しい表情を持った12月リリースの新曲『キメラ』。緩急/躁鬱な色を持った楽曲だ。カラフルな彩りを持って始まった曲は、感情の振幅を描くようときにダウナーな様も見せる。でも、サビでは華やぎ、次々と感情を変化させながら歌と演奏は進んでゆく。ときに破壊力を持った様も見せつつ、巧みに緩急を付けながら、メンバーらはいろんな心模様で観客たちを揺さぶり続ける。とても印象深い楽曲だ。この曲は、12月にシングルとしてリリースすることも決定。メンバー曰く、「曲調は、アッパーでダンサブル。歌詞ではモヤモヤとしたコンプレックスについて歌いながら、いつだってポルカドットスティングレイは、あなたのモヤモヤした気持ちにも寄り添いたい」という思いも、この曲に込めているそうだ。
最後にポルカドットスティングレイは、支えてくれる人たちへ無償の愛を届けるように『ラブコール』を演奏。晴れた気持ちへ導く演奏が解き放たれた途端、フロア中の人たちが一斉に感情のエンジンを奮わせ、熱情した気持ちを振り上げた拳に託してはしゃいでいた。メンバーらが届けた無償の愛を全身に感じながら、心地好く一緒に上がり続けたい。その愛が欲しくて、たくさんの人たちが手を高く掲げ、その愛を受け止めようとしていた。そのやり取りに素敵な関係を覚える。終盤、雫が高らかに叫ぶのを合図に、メンバーも、場内中の人たちのテンションも一気に上がる様が最高に胸アツだ。このままずっと一緒に熱狂を携えて上がり続けたい。
観客たちによる「教祖」コールに続いて、雫の「上出来 上出来」の歌声を合図に、 アンコールは第二章の始まりを告げた『JO-DEKI』からスタート。楽曲が光と熱を集めながら駆けだした。触れた人たちの気持ちをエモくアッパーな感情へと導く跳ねたアップチューンだ。レーザーの光が飛び交う中、ポルカドットスティングレイはこの空間を華やかな宴の様へ染め上げる。この熱狂、まさに上出来じゃないか。だから、もっともっと感情のアクセルを踏み込んで、この場をHAPPYな色に染め上げてしまえ。雫と満員の観客たちが「上出来 上出来」と一緒にシンガロングする。その一体化した様こそが、最高に上出来な景色だ。
最後にポルカドットスティングレイは、第一章の始まりを告げた『テレキャスター・ストライプ』を演奏。イントロが流れた途端に、フロア中の人たちが声を張り上げて飛び跳ねだす。この日最高で最強に盛り上がった一体感を描きながら、楽曲は進み続ける。切れ味鋭い攻撃的なギターのカッティングやリフの洗礼を浴びながら、熱狂の虜になっていたい。そんな音楽が僕らには必要だ。だから僕らは、ポルカドットスティングレイの音楽を求め続ける。ずっと熱狂の止まない観客たちの姿が、それを示していた。終盤に生まれた大合唱が胸に熱い。テレキャスターを携えて熱唱する雫の姿が、気持ちをずっと奮い立てていた。
TEXT:長澤智典
PHOTO:AZUSA TAKADA
《SET LIST》
- 1.SURF(スーパー平成ぎゃるver.)
- 2.ブラックボックス
- 3.ICHIDAIJI
- 4.DENKOUSEKKA
- 5.さよならイエロー
- 6.ミドリ
- 7.ヒミツ
- 8.アウト
- 9.天誅
- Session
- 10.FICTION
- 11.ツキカゲ
- 12.リドー
- 13.夜明けのオレンジ
- 14.WHAT(雫カリウタVer.)
- 15.JET
- 16.ゴーストダイブ
- 17.キメラ(12/11(水)配信リリース)
- 18.ラブコール
- -ENCORE-
- EN1.JO-DEKI
- EN2.テレキャスター・ストライプ