―あとは、小名川さん的には何かご自身のソロ作品だったり、そういう活動は現状はいかがなんですか?
K:現状は考えてなくて、多分僕はそこに興味が無さそうです。
―確かに今も相当色々やられてお忙しいでしょうし。
K:いえいえ。忙しくなくても多分自分の作品を作りたいモードにはならないだろうなと思ってます。そもそも自分がバンドやっていたときも、僕の中では、自分がステージに立つから曲をアレンジしてるっていう感覚とは違ったんですよね。
メンバーがいて、僕はボーカルじゃなくてボーカルが別にいたので、この歌声に一番いいアレンジを目指したいなっていうのと、それがちゃんとリスナーとか音楽シーンに届くアレンジっていうのを考えるのが好きだったんですよ。そこに自分が立ってるのって実はイメージしてないんですよね。なので、自分がバンドやってるよりは、誰かのために自分のスキルを提供できるようになりたいと思ったんですよ。だから、誰かがいないと僕多分作れないと思うんです。誰か歌う人、アーティストがいて、その人のために曲を書くならできるし、むしろその人が作った曲をどういう形で音源化すればいいか、アレンジメントすればいいかって考える方がしっくりくるんですよね。
―それでも、小名川さんの存在感ていうのはやっぱりライブを見に行くと相当出てますからね。
K:ありますか!?恐縮です。
―あと、やっぱり、一緒にやられてる方からもすごい信頼感をおかれてるっていうのは見てても伝わりますし、アーティストの方々も非常に安心してる姿が垣間見られるとやっぱりすごいなって思いますよ。
K:そうだとありがたいですね。
―小名川さんとしてはご自身は縁の下の力持ち的なことで力を発揮するイメージですけど、やっぱりそれが、確実に大きな信頼になってる感じで。
K:だと嬉しいです。本当に。
―それがやっぱりライブ現場において真ん中に立つ人がしっかりパフォーマンスできて、お客さんも楽しめて。チームですからね。
K:そうですね。そういうチームの中心にいられることはすごく嬉しいし、それでチームがいい方向に向かってる状況になってることが自分にとっての一番の満足と言うか。
―それを達成してきてますよね。
K:今のところはおかげさまで出来てるとは思います。はい。
―我々「STAGE」ではセミナーイベントも開催しているので、何かのタイミングで小名川さんの講座もできたらな、なんて思います。
K:本当ですか!?是非是非!実は僕、アカデミーみたいなものを始めてるんですよ。
―それはどういった内容なんですか?
K:音楽業界ですでに何かやっている人で、なにか上手くいかないジレンマを持っている方、悩みを持っている方や、まだプロの現場まで行けてないんだけど、音楽をやりたいと思っている方に対して、音楽業界でちゃんと結果を出したり、報酬を得る。結局は仕事にならないと食べていけないじゃないですか。音楽の勉強とか理論とかを教えてくれる場所は学校や音楽の塾が結構あるんですけど、音楽の仕事を得るためのノウハウを教えてるところが無いなと思ってて。実はそこがないと、音楽をたくさん勉強して練習して、すごい上手いのに、仕事があんまりなくて一般の職につく人とかも結構いるのが歯痒く思っていて。その方々がなんでそうなれないんだろうっていうところを考えたときにそこにいきついてきたんですよね。僕より上手なひとは絶対いるんですよ。だからそこら辺が埋めてあげられるようなことができないかなと思って。そういう方のために始めてます。まだ本当にスタートしたばかりでSNSでフォロワーさんなどに向けて募集したところですが、やはり音楽を趣味でやってらっしゃる方が多いので個別相談の依頼を多くいただいています。
―それは勿論有料で?
K:そうです。お金も頂きながらなんですけど。最初の個別相談は無料です。
―月に何回かとかですか?
K:月に何回とかそういうレッスンじゃなくて。僕がモットーとしてるのが、一人ひとりに対してのコンサルをしっかりやらないと、その人が何を目指したいかによって必要なノウハウと知識が違うので、そのあたりをちゃんと見極めながらやるっていうところなんです。なので、みなさんに一気に講座をするんじゃなくて、その人が何をしたいかによって「そのためにはじゃあこれをしよう」、「このスキルが今無いよ」っていうのを伝えて、生徒さん一人一人と向き合いながらその方の音楽を作っていっている感じなんですよ。
―現場でも縁の下の力持ちですけど、音楽業界にとってもそうですね。
K:そうですね。日本で活躍できる音楽家が増えることは日本の音楽文化がより広がることになります。そして、日本だけではなく世界でも活躍できる音楽家ももっと増えていいと思います。そのきっかけが作れるアカデミーになったらと思ってスタートさせました。
―我々としてもその方々が輝いていくのを応援して行きたいですし、見れることを楽しみにして、今日のインタビューを終わらせて頂きます。色々と期待しています!
K:ありがとうございます!
インタビュー・撮影:小野寺将也